- 金塊は函館の五稜郭にあった
- 土方が馬用の井戸を発見した
- アシリパは金塊発見を寂しがった
『ゴールデンカムイ』はのっぺら坊が隠したとされるアイヌの金塊を探すことから始まる物語。
金塊を巡りこれまで旅と戦いが行われてきたわけですが、なんと本当に金塊はありました!
それではどのようにして見つかったのか、今回は金塊発見時の様子をご紹介。
暗号の解読方法、金塊のあった場所や中身、発見した時の状況、アシリパの心境など『ゴールデンカムイ』のゴールとも言える金塊の発見について詳しく解説していきます!
目次
【ゴールデンカムイ】金塊はどこにあった??
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金塊があったのは函館・五稜郭。
暗号を解く鍵はウイルクのアイヌ名「ホロケウオシコニ(狼に追いつく)」であり、刺青人皮には「ホロケウオシコニ」の音を表す漢字が1枚につき4文字以上入っていました。
そしてその音が合う文字を重ねていくと、ある場所を示す線が浮かび上がってきたのです。
それがあの星型、五稜郭でした。
キムシプらが最初に集めた金塊は当初(1860年代)ロシア領事館に隠されていたのですが、ウイルクたちがキムシプの案内のもと五稜郭に移動させたのです。(1902年)
杉元・土方陣営と鶴見は双方とも同日同時刻に暗号を解読。
しかし海賊房太郎から「最初の隠し場所はロシア領事館だ」という情報を得ていた杉元・土方陣営はすでに函館に向かっていたため、第七師団よりも早く五稜郭に到着しました。
【ゴールデンカムイ】金塊を見つけるカギは門倉のヒントと土方歳三!?
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五稜郭だと解読したところで、そのどこに金塊があるかは分かりません。
しかし土方陣営にだけ解けるヒントが用意されていました。
それは門倉の刺青。
門倉は刺青囚人の集団脱獄が起きた後、24番目の暗号としてウイルクから極秘で刺青が彫られていました。
しかし他の刺青と違い「有っても無くてもいい」という残念なものだったため解読の際には無視されていましたが、ふとした拍子に土方がその刺青の意味に気づいたのです。
門倉の刺青にだけ彫られていたのは「馬」の文字。
そこから土方は五稜郭内の、現在はすでに埋められていた馬用の井戸を導き出しました。
実はこの馬用の井戸は、1869年に土方とキムシプが出会った場所。
また土方にはその直後の箱館戦争時に、瀕死のところをキムシプに介抱してもらったという過去がありました。
そういった経緯から、キムシプがウイルクたちに新たな金塊の隠し場所としてこの馬用の井戸を提案し、ウイルクも「恩を忘れていなければ未来のアイヌに報いてくれるだろう」と同意してここに金塊を隠していたのでした。
つまりウイルクは初めから土方に金塊を託すつもりであり、その最後のカギを土方と通じる門倉に彫っていたわけです。
土方にだけ「小蝶辺明日子」というアシリパの和名を教えていたのも、土方なら金塊とアシリパを繋いでくれるだろうと託したのでしょう。
【ゴールデンカムイ】金塊を発見したアシリパの心境は??彼女の表情に注目!!
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馬用の井戸の中には本当に金塊が隠されていました。
杉元とアシリパが一緒に降りていくと、井戸の底に大量の革袋が眠っていたのです。
杉元とアシリパは中身を皆の前で確認しようと革袋を引き上げてもらおうとしますが、そこへ気が逸りすぎた白石が落下してきました。
すると革袋に傷がつき、その裂け目からキラキラと金塊が零れ落ちてきたのです。
杉元・アシリパ・白石の頭に降り注ぐ砂金。
求め続けてきた金塊との対面は、声を上げて大喜び!ではなく皆それぞれがただ感慨にふけっていました。
そして「とうとう俺たちだけで見つけちまったね」とアシリパに笑いかける杉元。
しかしアシリパが返した笑顔は、なぜか少し悲しそうだったのでした。
アシリパの心境とは?
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この複雑な表情の理由は、房太郎によって少しずつ浮き彫りになってきていた“アシリパ自身の気持ち”にあります。
分かりやすいのは第241話で、アシリパが「いっそ金塊は見つからないでこのままずっと(杉元と)一緒に」という気持ちを抱いている様子が描かれています。
その後アシリパが「故郷に戻って好きだった人と暮らすのか」と杉元に問うと、“寅次との約束を果たすため梅子に金を渡さなければならない”ことと“アシリパが金塊の事件に納得できるまで相棒のままでいる”という答えが返ってきました。
金塊を見つけた後に杉元がどう生きたいのか、アシリパとの関係はどうしていくのかは分かりませんでした。
しかし少なくとも金塊が見つかりひと段落すれば杉元はアシリパとの相棒契約を終え、好きだった人に会いに帰ってしまうことが分かったわけです。
つまりアシリパは金塊の発見=杉元との別れと感じていました。
そのため金塊を見つけてもその表情には、嬉しさよりも寂しさが表れていたのです。
またこの時、金塊の発見=ゴールデンカムイの終わりが近いと感じた読者も同じ表情をしていたのでした。
【ゴールデンカムイ】発見した金塊は半分だけ!!他はどこにある??
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ついに見つけた金塊。
しかし井戸に隠されていたのは、ウイルクが話していた量(二万貫)の約半分しかありませんでした。
実は土方には他の刺青にはない「神」の文字が彫られており、それに該当する場所に残りの半分が隠されていたのです。
ところがその半分は金塊ではなく、土地の権利書になっていました。
それは1869年、最初に金塊を集めたキムシプらが、軍資金の調達に困っていた蝦夷共和国の榎本武揚と「金塊を渡す代わりにアイヌの土地占有を認める」という条約を結んだからです。
占有箇所は北海道各所の広大な土地であり、使用用途はアイヌに委ねられるというもの。
これにはウイルクも「アイヌとして生きる娘にこれ以上ないものを託せる」と感動。
また、アシリパも戦うことなくアイヌを守る方法として“金塊を森のある土地の買い占めに使おう”という考えに辿り着いていたため、それがすでに先人によって成し遂げられていたのだと感動しました。
とはいえ金塊を受け渡す直前になって蝦夷共和国は無くなり、榎本が条約を簡単に破棄できない形で明治政府に引き継いでくれたものの、明治政府にとってはすぐにでも無きものにしたい代物であるため、キムシプらは権利書を金塊と一緒に隠していたのでした。
そして1902年、権利書の存在を知ったウイルクたちは榎本に交渉しようと考えますが、今やその政府の要人である榎本に会えるとは思えませんでした。
そこでキムシプが“榎本武揚と繋げてくれるかもしれない人物”として名を挙げたのが土方歳三だったのです。
ウイルクは権利書を機能させられる可能性を持つ土方が辿り着くよう、唯一の「神」の字を彫ったわけですね。
【ゴールデンカムイ】金塊を発見した杉元の手に胸アツ!!第一話に再注目!!
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第287話でついに金塊が見つかりましたが、そこには思わず第1話を振り返りたくなる激アツシーンが描かれていました。
それは井戸の中に砂金が降り注いだ時のこと。
杉元は現実のものと確かめるように両手を広げて砂金を受け止めました。
両手にサラサラと積もっていく金塊。
実はこのシーン、第1話で砂金掘りをしていた杉元の手と同じ構図なんですよね。
しかしその時杉元の手中にあったのはただの砂。
それが287話を経て本物の黄金を手にしたのです。
読者視点でもとても感慨深いシーンとなっているので是非第1話と比べて読んでみてください!
まとめ
刺青の暗号は五稜郭を指しており、土方だけにあった「神」の字が示す場所(兵糧庫の下)に土地の権利書が、門倉だけにあった「馬」の字が示す場所(埋められた馬用の井戸)に金塊がと、アイヌの埋蔵金が2つに分けられて隠されていました。
そのどちらも土方歳三が辿り着くように作られていたと言えます。
それは土方が権利書の条約を交わした榎本武揚とアイヌを繋いでくれる可能性と、アイヌに恩儀を感じている可能性があったから。
しかしもちろん土方だけでは「ホロケウオシコニ」は知れませんでしたし、一方でアシリパだけでは漢字や五稜郭は分からなかったはずです。
ウイルクが彫ったのは、アイヌの未来を導くアシリパとそれを手助けしてくれるだろう土方が一緒に見つけてくれることを一番期待していた上での暗号だったと言えるでしょう。
しかし金塊を見つけてもアシリパは杉元との別れを感じ寂しい表情をしていたのが印象的でした。
ともあれアシリパの他にもそれぞれの表情にこれまでの旅と想いが詰まっており、『ゴールデンカムイ』の軌跡を感じる感無量の金塊発見だったのでした!
- 金塊は函館の五稜郭にあった
- 暗号はウイルクのアイヌ名から解読
- 土方の刺青が金塊の隠し場所を示す
- アシリパの複雑な心境が描かれる
- 金塊の発見は別れの予感をもたらす
- 残りの金塊は土地の権利書だった
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