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時代を抉る『チェンソーマン』の藤本タツキ描き下ろし『ルックバック』の後編考察!!~決別の章~

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 “少年ジャンプ+”に大量143ページの描き下ろしで復活した藤本先生。

2021年7月19日の公開日には、日テレ系の「zip!」など情報番組でも取り上げられて、Twitterのトレンド入りするなど、その反響の大きさは凄まじいもの。

ついには単行本の発売まで決定した注目作となりました。

 

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『ルックバック』後編のネタバレ

それでは、ジャンプ+読切作品『ルックバック』の後編をまとめてみました。

学校新聞の4コマ漫画が縁で出会った藤野と京本。

2人は中学生でありながら集英社の持ち込み作品で準入選の快挙を成し遂げます。

その後も単発で雑誌掲載をしながらステップアップ。

ついに正式に連載のオファーがかかりました。

順風満帆と思われた2人でしたが、美大への進学を希望する京本。

2人はそれぞれ別の道を歩み始めるのでした・・・。

時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。

 

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藤野、デビューする

高卒後、単身上京をした藤野は一人で連載を執筆していきます。

来る日も来る日もタブレットにペンを走らせる日々。

作品名は『シャークキック』。

1巻、2巻、3巻と、季節を経ながら発刊される単行本。

しかし、ペンネームは“藤野キョウ”のままでした。

そして単行本の11巻が重版される頃には、アニメ化まで決定をしていたのです。

 

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通り魔事件

運命の日は、2016年1月10日。

藤野は狂気の事件をTVで目撃します。

ライブ中継される山形市の美術大学。

住所不定の男性が斧らしき物で学生を切りつける事件が発生したというのです。

その後は県警が犯人を拘束したようですが、けが人などの情報は現在不明。

慌ててスマホを手に取り京本を呼び出す藤野。

しかし連絡はありません。

すると間髪せずに母親からの着信がありました。

京本と雪の中を歩いた日々を思い出す藤野。

連載できたら超大作を描きたいと夢を語る藤野と、もっと絵ウマくなると約束する京本。

藤野はスマホを落として呆然とするばかりでした。

山形美大生通り魔殺人事件の結末。

被害者として12人が死亡して3人が重症。

何度も遺体に斧を振り下ろしたと供述する犯人の耳には、大学内の絵画から自分を罵倒する声が聞こえてきたと報道されています。

そのタイミングで『シャークキック』休載のお知らせ。

藤野は一体どうしてしまったのでしょうか。

飾られた祭壇に微笑む京本の遺影。

実は通り魔事件の被害者の一人が京本だったのです。

 

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過去との分岐点

京本家を訪れる藤野。

廊下は大量のスケッチと「少年ジャンプ」。

藤野はジャンプをめくりながら、小学生時代の4コマ漫画の切れ端を発見しました。

私のせいだ。

卒業式のあの日、自分が漫画を描いたせいで京本は部屋から出てきてしまった。

もしかして京本が死んだのは私のせい?

“なぜ描いてしまったのか”

涙を流しながら4コマ漫画を破り捨てる藤野。

すると破った最初の1コマ目の部分が、あの時と同じようにドアの隙間に流れていきました。

 

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IFの世界

隙間からのコマに驚く京本。

その世界は小学生時代に戻ったかのようです。

“出てこないで”という1コマ目の吹き出しに注目する京本。

藤野は卒業証書を玄関に置いてそのまま帰ってしまいました。

結局、京本は藤野と会うことはありませんでした。

 

そしてAO入試で美大に進んだ京本は、2016年1月10日を迎えます。

廊下のソファで休憩する京本と遭遇する不審な男性。

その手には実習棟で拾った工具が握られていました。

自分を罵倒する被害妄想に憑りつかれた男性は、京本めがけて工具を振り下ろします。

絶体絶命に陥る京本。

しかし、その危機に背後からカラテキックをブチかましたのは藤本でした。

ランニング中に武器を持った怪しい男性を見かけて、ヤバいと思い追いかけて来たというのです。

コケて足を骨折して病院に搬送される藤野と連絡先を交換する京本。

そこで4コマ漫画の藤野先生だと思い出したのです。

当時ファンだったと伝える京本。

彼女に対して、藤野は活動再開した漫画が連載したらアシスタントなってねとVサインを送ります。

嬉しい京本は、帰宅して4コマ漫画のスクラップを懐かしく眺めます。

空白の4コマに筆を入れる京本。

そのタイトルは「背中を見て」。

身を挺して自分を守ってくれた藤野先生を題材とした作品でした。

 

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そして藤野は歩んでいく

そして話は現実に。

京本の遺作となった4コマ漫画が、何故か藤野の目に留まりました。

ショックから座り込んでいた藤野は、重い腰を上げてようやく動き出します。

ドアノブを開けた京本の部屋。

絵を描いていた机。

本棚は『シャークキック』全巻とアンケートハガキもありました。

壁にかけられていた京本のハンテン。

小学校の時サインをした“藤野歩”の文字がそのまま残されています。

2人の初作品『メタルパレード』に取り組んだ記憶が蘇る藤野。

大体にして漫画を描くのが好きではないと、愚痴を言いながら出来上がったネーム。

“藤野ちゃんはどうして漫画を描いているの?”

ネームを渡された京本は質問しますが、その内容に満足そうな笑顔を見せます。

共に過ごした楽しい日々。

藤野は泣きながらジャンプに掲載された『シャークキック』を読みふけります。

立ち上がった藤野。

故郷を去り自分の作業部屋に戻ると、再び漫画を描き始めるのでした。

 

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『ルックバック』後編のネタバレまとめ

連載→単行本→アニメ化と、着実にステップアップする藤野。

しかし美大通り魔事件のショックで休載となりました。

『シャークキック』の主人公は、『チェンソーマン』のビームがモチーフのようですね。

単行本が11巻までというのが、現在休載中の『チェンソーマン』と同じだったりします。

漫画を描いたから京本が死んだと罪の意識に悩む藤野。

回想シーンでも漫画を描く理由を質問された藤野でしたが、そこには明確な回答は作中にありませんでした。

おそらく藤野にとっては、一番のファンである京本が喜ぶ顔を見たかったからだと思われます。

最後は机に向かい執筆活動を再開しましたが、多くのコマをかけて復活までの時間を丁寧に表現されていました。

 

ところで、既にネットでは多く指摘されているタイトルについて。

ルックバック=Look Back とは日本語訳で「思い返す、振り返る」という意味です。

このままだと、藤野と京本の話を小学校時代から振り返るになるのですが、実は隠された真のタイトルはあったと考察されています。

“Don’t Look Back In Anger”

「怒りを持って過去を振り返らない」という意味に代わります。

イギリスのロックバンドoasisが2017年に起きたテロ事件を追悼した曲と同じタイトルで、これが元ネタではと言われています。

まずは Don’t について。

最初の学年新聞を配る先生の背景の黒板に書かれていました。

確かに2000年後半において4年生の授業で Don’t なんて習いませんよね。

そして、最後のページは左下に置かれた雑誌に注目。

たしかに In Anger と書かれています。

これらの文字とタイトルを合わせての“Don’t Look Back In Anger”です。

では「怒り」とは何でしょうか?

作品では京本を殺害した男性に対してですが、これが2019年の京都アニメーション放火事件を指しているのではと言われています。

京アニ作品のファンでもある藤本先生の哀悼表現。

作品が京アニ事件の起きた翌日の7月19日配信というのも狙ってのことでしょう。

真のタイトルと最後に明らかになった藤野の名前。

「歩」というネーミングから推測するに、京アニ事件を思い返しながらも前に進んで行くという作者のメッセージではないかと思われます。

9月3日発売される単行本に加筆やコメントがあれば、この辺りの答え合わせも期待したいところです。

 

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