ゴールデンカムイで有名になったアイヌ語のひとつ「オソマ」。
読者に“オソマ=ウンコ”と教えると同時に“オソマ=味噌”と勘違いして覚えさせるほど、作中では味噌との繋がりが深い言葉となっています。
それはアシリパと味噌の歩み寄りの物語なのでした。
ここでは、作中で見せたアシリパの味噌に対するリアクションと軌跡をご紹介したいと思います。
目次
【ゴールデンカムイ】杉元が持参していた味噌
出会いは第8話、杉元とウサギのオハウを食べていた時でした。
刻んだプクサ(行者ニンニク)を混ぜたウサギのチタタプときのこ類を入れた汁物。
食欲を増す行者ニンニクの臭みとエゾマツタケの香りが良いと杉元も絶賛します。
そして杉元が「このままでも十分美味しいのだが」と前置きしつつ取り出したのが“味噌”でした。
【ゴールデンカムイ】アシㇼパさんの勘違いで拒否
杉元が取り出したそれは、アイヌであるアシリパにとってアレにしか見えません。
焦ったアシリパは言いました。
「それオソマじゃないか!!」
オソマとはアイヌ語でウンコ。
確かに味噌の知識なく初めて見たら、そのリアクションでもおかしくないかもしれませんね。
当然「絶対に食べない」と拒否するアリシパをよそに杉元は構わず口にします。
やっぱり日本人は味噌だなとヒンナヒンナしている姿は本当に美味しそうなのですが、アシリパからすれば“ウンコ食べて喜んでいる変態”と映ったようです。
そして杉元のオソマはその後、アシリパの村でカジカのキナオハウ(野菜がたくさん入った汁物)を食べていた時に再びアリシパの前に登場しました。
根菜類やホウレン草などの野菜とカジカの旨みが出ているようで、説明を読むだけで実に美味しそうな汁物です。
ここでも再び「このままでも十分美味しいのだが」と前置きし味噌を取り出した杉元。
しかしやはりアシリパには受け入れられませんでした。
さらに善意でフチにも食べさせようとした杉元は、ストゥ(制裁棒)を手にしたアシリパに睨まれてしまう始末でした。
【ゴールデンカムイ】桜鍋を食べて感動
その時が訪れたのは第20話。
杉元が第七師団から奪ってきた馬を食べようとした時、馬肉と言えばと白石が提案したのは“桜鍋”。
白石のコミュニケーション能力と料理スキルによって、近くの農家で調達してきた調味料と具材で桜鍋が出来上がりました。
桜鍋を知らないアシリパに食べ方を教えてあげる白石は、無知ゆえに禁断の言葉を連呼してしまうのです。
「馬肉と味噌の相性は抜群。味噌の分量も完璧。味噌ダレが最高に効いてる。」
桜鍋は馬肉をすき焼きのようにして食べる鍋料理なのですが、その特徴は味噌仕立てであること。
白石の言葉を聞いてオソマ入りだと気づいたアシリパは、箸をとめて物凄く嫌な顔をします。
しかし今回のアシリパは違いました。
この食事は、気を遣いアシリパを置いて一人で出て行き第七師団に捕まった杉元を救出した後であり、これから始まる旅に対しての二人の気持ちがかみ合っていなかったことが確認されたところでしたので、味噌を拒否するアシリパを見て「アイヌと和人は意外な部分で分かり合えなかったりするのかな」と言った白石の言葉に対して思うことがあったのかもしれません。
杉元に歩み寄るという意志の表れか、アシリパは意を決し、心配する杉元が見守る中ついに味噌の入った桜鍋を口に入れたのでした。
【ゴールデンカムイ】杉元のオソマはおいしいと認識
ついに食べた味噌の感想は
「オソマおいしい」。
アシリパのその反応に杉元も思わず涙ぐんでしまいます。
初めて知った味噌の味はおかわりするほどヒンナヒンナなのでした。
味噌の味を知ったアシリパは“オソマ”との関係を大きく変えていきます。
【ゴールデンカムイ】飛びつくほど大好きになった味噌
その後のアシリパはというと、味噌の味に魅了され、杉元に度々オソマを催促するようになりました。(なんか語弊がありますね)
オハウを食べる時はもちろん、第73話では生の行者ニンニクやフキに味噌をつけて食べていた杉元ににじり寄っていましたし、第91話でトゥレプ(オオウバユリ)の団子が出された時には杉元が取り出した味噌に飛びついて奪っています。
この時に村の女性たちに「これは食べられるオソマ」だとドヤ顔するほど、アシリパはすっかり味噌好きになっていました。
杉元のオソマは何にでも合うのです。
ここまで味噌が好きになっても呼び方はやはり「オソマ」なんですけどね。
【ゴールデンカムイ】カレーを初めて見た時の衝撃
しかし物語が進む中で、味噌とは別のオソマがアシリパの前に現れました。
ウンコネタとして圧倒的な実力を誇る“カレー”です!!
第52話、意気投合した牛山と行った札幌の洋食屋にて出されたエゾシカ肉のライスカレーのビジュアルがアシリパに衝撃を与えました。
絵を見ると鹿肉がゴロゴロ入っていてとても美味しそうなんですよね。
しかしアシリパにとってそれはやはり“オソマ”でした。
【ゴールデンカムイ】ヒンナすぎる食べていいオソマ
再び相まみえた未知のオソマですが、アシリパは覚悟を決めて口に運びます。
それは言葉にならないほど「ヒンナすぎるオソマ…」なのでした。
カレーもまた、ヒンナすぎる「食べてもいいオソマ」に認定されたのです。
まとめ
言っていることは「ウンコ」なんですけど、ゴールデンカムイを読んでいると不思議と味噌が食べたくなってきますよね。
アシリパと味噌との関係は、味噌の魅力を改めて教えてくれた気がします。
アシリパは杉元と離れていた樺太の地でも杉元のオソマだけはちゃっかり持ってきていました。
残念ながら杉元のオソマはそこで空になってしまいましたが、杉元と再会した後にちゃんと補充され、またヒンナすることが出来るのか今後注目していたいですね。
ちなみに味噌を“曲げわっぱ”に入れると杉元のオソマ気分が味わえてオススメです。

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