阿多妃はなぜ子供を入れ替えたのか
結論から言うと、我が子を安全な場所で育てるためです。壬氏は阿多妃が産んだ実の息子で、実父は現皇帝にあたります。
壬氏は表向き、先帝の次男として扱われています。その立場そのものが、生まれた直後の入れ替えによって作られたものです。誰と誰を入れ替えたのか、なぜそうしたのかを順に見ていきます。
この記事でわかること
- 入れ替えたのが、阿多妃の息子と先帝の次男であること
- 入れ替えた理由が、我が子を守るためだったこと
- 亡くなったのは先帝の実子で、死因が蜂蜜による中毒だったこと
- この死因が、毒と薬の物語である本作でどう効いているか
入れ替えたのは、自分の息子と先帝の次男
阿多妃が産んだのは、現皇帝との子でした。ほぼ同じ時期に、先帝の次男も生まれています。
出産の直後、この二人が入れ替えられました。以降、阿多妃の息子は先帝の次男として育てられます。それが壬氏です。
- 阿多妃の息子(父は現皇帝)→ 先帝の次男として育つ=壬氏
- 先帝の実子 → 阿多妃の子として扱われ、1歳で亡くなる
つまり壬氏は、いま皇弟と呼ばれていますが、血のうえでは現皇帝の実子ということになります。
なぜ入れ替えたのか
理由は、自分の子を安全な場所で育てたかったからです。
阿多妃自身が、出産の場でないがしろにされた経験を持っています。同じ扱いを我が子に受けさせたくない。先帝のもとで育てば、その心配は減ります。
言葉で取り決めた形跡はありません。互いに事情を抱えた二人が、言わないまま入れ替えたと描かれています。
僕はこう読む
この選択で、阿多妃は自分の手元から我が子を手放しています。
守るという言葉は普通、抱えることを指します。彼女がやったのは逆で、自分の名前から切り離すことで守った。
後年、壬氏が成長したあとも、阿多妃は母として振る舞いません。距離を保ち続けます。
あれは冷たさではなく、出産直後の選択をずっと守り続けているのだと思っています。一度手放したものを、取り返そうとしない人です。
亡くなったのは先帝の実子。1歳、蜂蜜による中毒
入れ替えられた側の赤子は、1歳のときに亡くなっています。死因は蜂蜜による中毒でした。
乳児に蜂蜜を与えてはいけない、というのは現代でも知られていることです。作中では、それを知らない者の手で与えられてしまいます。
僕はこう読む
この死因の置き方が、この作品らしいと思っています。
毒殺でも謀殺でもありません。知らなかったから死んだのです。
薬屋のひとりごとは、猫猫が知識で人を助ける話です。裏を返せば、知識が無かったせいで失われるものがある世界だということになります。
赤子の死は、その最初の見本として置かれている。猫猫が後宮でやっていることの意味が、この一件から逆算できます。
この真実は、どう明かされるのか
作中で、誰かが宣言する形では明かされません。
猫猫が手がかりを拾い集めて気づくという形をとります。阿多妃と壬氏が似ていること、年齢の計算が合わないこと、周囲の人間の反応。それらが積み上がって、答えのほうが浮かび上がってきます。
だから読者も、猫猫と同じ順番で気づくことになります。説明された記憶が無いのに知っている、という状態になるのはそのためです。
まとめ
阿多妃が子供を入れ替えたのは、我が子を安全な場所で育てるためです。
入れ替わりの中身は、こうなっています。
- 入れ替えたのは阿多妃の息子と先帝の次男
- 壬氏は阿多妃の実の息子で、実父は現皇帝
- 亡くなったのは先帝の実子。1歳のとき蜂蜜による中毒
- 作中では宣言されず、猫猫が気づく形で示される
僕はこう読む
この選択で、阿多妃は自分の手元から我が子を手放しています。
守るという言葉は普通、抱えることを指します。
彼女がやったのは逆で、自分の名前から切り離すことで守ったわけです。
亡くなった子の死因が蜂蜜だったのも、この作品らしいところだと思います。毒殺でも謀殺でもなく、知らなかったから死んだ。猫猫が知識で人を助ける物語の裏返しです。阿多妃の入れ替えを母の愛と読むか、知識のない世界で打てた唯一の手と読むかで、彼女の沈黙の意味が変わってきます。
——あなたは阿多妃が子供を入れ替えたことを、母としての愛だと思いますか。それとも、知識のない世界で打てた唯一の手だと思いますか。よければコメントで、どちらに近いか教えてください。
よくある質問
阿多妃の入れ替えは作中で宣言されず、猫猫が気づく形で示されます。順番に確認しておきます。
Q. 壬氏の本当の母親は誰ですか
A. 阿多妃です。実父は現皇帝にあたります。
Q. 誰と誰の子供を入れ替えたのですか
A. 阿多妃の息子と、先帝の次男です。出産の直後に入れ替えられました。
Q. 亡くなった赤子はどちらですか
A. 先帝の実子のほうです。1歳のとき、蜂蜜による中毒で亡くなっています。
Q. なぜ入れ替えたのですか
A. 我が子を安全な場所で育てるためです。阿多妃自身が出産の場でないがしろにされた経験を持っており、同じ扱いをさせたくないという思いがありました。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年9月5日


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