無事アシリパと合流し、一同はようやく北海道へ帰ることに。
その帰路で出会ったのが「シネマトグラフ」でした。
シネマトグラフは樺太の旅を経て“アイヌの文化を残したい”と考え始めていたアシリパにとって大きな転機となりました。
さらにはアシリパ母の登場という注目シーンも!?
それではシネマトグラフとは何なのか、そこでアシリパは何を感じ何に思い至ったのか、樺太脱出編・シネマトグラフ上映会のエピソードを分かりやすくまとめていきます!
目次
【ゴールデンカムイ】樺太脱出編!!上映会を開くまでのあらすじは??
国境を越えロシアに別れを告げた一同。
※この時点でのメンバーはアシリパ、杉元、白石、鯉登、月島、谷垣、チカパシ、リュウ(エノノカ、ヘンケ)
敷香でヴァシリに襲撃されたり、灯台夫婦の元を訪れたりしながら南下していった一同は、大泊での鶴見との合流日まで、手前の豊原に滞在することになりました。
そこでアシリパと杉元は「クズリの脳みそを食べてみたい」ということで久々に狩りに出ます。
その姿に強く興味を持ち近づいてきたのが、活動写真家の稲葉勝太郎と撮影技師のジュレールでした。
稲葉とジュレールは狩りの様子を「シネマトグラフ」で撮影したいと言います。
そしてこの「シネマトグラフ」が、樺太の旅を経て“アイヌの文化を残したい”という想いに至っていたアシリパの目を惹きつけたのでした。
【ゴールデンカムイ】樺太脱出編!!上映会「シネマトグラフ」とは??
シネマトグラフとは1台で撮影・映写・現像を行うことができる、いわゆる映画装置です。
1895年にフランスのリュミエール兄弟が開発したもので、現在まで続く映画の基本形式を決定づけたとされる画期的な機材。
稲葉はリュミエール社から日本で上映する興行権を得た活動写真の興行主で、ジュレールはリュミエール社から派遣された撮影技師でした。
2人はこのシネマトグラフを使い、アイヌ文化をたくさん記録してきたと言いました。
※ちなみに稲葉勝太郎のモデルはリュミエール社の興行代理人として日本に初めてシネマトグラフを輸入した稲畑勝太郎、ジュレールは稲畑に同行していたリュミエール社技師のコンスタン・ジレルだと思われます。
【ゴールデンカムイ】樺太脱出編!!上映会で受けた衝撃!!アシリパ自らメガホンをとった理由は??
稲葉たちが見せたシネマトグラフは衝撃的でした。
時間の流れや動きの変化など、写真では分からないアイヌの姿を見ることが出来たのです。
しかし撮影されていたのは踊りであり、昔話などは撮っていないと稲葉は言いました。
何故ならアイヌの昔話は口伝、しかしシネマトグラフは音までは撮れなかったからです。
そこでアシリパは「アイヌの昔話を動きで見せて残そう」と提案。
口伝よりも動きがあった方が分かりやすく、言葉が違う人々にもアイヌの物語が伝わるはずだと考えたからです。
“アイヌの文化を残したい”というアシリパの強い意志が感じられますが、つまりシネマトグラフはその意思を実現させ得るものだとアシリパは思ったわけですね。
ということで渋る稲葉らを制し、アシリパ鬼監督(出演:樺太メンバー)による活動写真撮影が行われることとなったのでした。
【ゴールデンカムイ】樺太脱出編!!上映会でアシリパが見た母の姿!!
撮影の後は芝居小屋を借りての上映会。
動画で残る自分たちの姿に照れながらも感動、大盛り上がりの上映会となりました。
その後ジュレールがとある活動写真を流し始めます。
それは10年以上前に撮ったという小樽の映像。
映っていたのは見覚えのあるアシリパの村でした。
そしてそこにはフチやウイルクの姿が。
ジュレールは彼らと一緒に映る女性がアシリパにそっくりだと思い、この映像を見せたとのこと。
そう、ウイルクたちと映っていたのはアシリパの母・リラッテでした。
明るくて晴れの日みたいな人だったというジュレール。
リラッテの姿に白石は思わず「素敵な感じの人だなあ」と呟きました。
さらにその映像には、母に背負われた赤ん坊のアシリパの姿も!
ところが突如シネマトグラフが火災を起こし、その貴重なフィルムは儚く消失してしまったのでした。
※シネマトグラフは性質上たびたび火災が起こってしまうもので、それにより歴史的なフィルムもたくさん消失してきたそうです。
【ゴールデンカムイ】樺太脱出編!!上映会でアシリパが感じた「コレジャナイ感」の正体
このシネマトグラフによって、アシリパは初めて母の姿を見ることが出来ました。
しかしアシリパは浮かない表情をしていました。
それは活動写真が素晴らしい技術ではあるものの、すべてを残すにはまだ十分なものではないと気づいたからです。
何故なら上映会で見た母に背負われている場面はアシリパの記憶にはなく、それよりもウイルクが話してくれた母の思い出の方がずっとアシリパの記憶に残っているから。
記憶に残るのは表面的な記録ではなく、自分たちで大切にする気持ちがあるからこそ。
樺太の旅でキロランケが見せてくれた少数民族の生活も含め、やはりそこに生きるそのものを大切にし残していかなければとアシリパは感じたのでしょう。
上映会を通じてアシリパが至ったのは、ウイルクやキロランケが導き示したように「今のアイヌ(少数民族)を守ること」でした。
たとえその道に戦いがあるとしても。
杉元には「それはアシリパさんじゃなくたっていい」と反対されてしまいますが、樺太脱出編の最後にはアシリパは「私のことは私が決める」と強く自分の道を選んでいくのでした。
まとめ
樺太脱出編・上映会ではアシリパの“アイヌの文化を残したい”という強い想いが描かれていました。
これはキロランケがアシリパを樺太に連れてきたからこそ至った想いであり、ここまでの樺太編の意義が詰まっているといえる熱いエピソードです。
ただし“記録に残す”という方法だけではダメだという結論に至り、どうやって残していくか・守っていくかと考えた先にあるのはやはり“金塊を手に入れること”だったというのが上映会編の結末と言えるでしょう。
樺太編そして上映会を見た後だと、この先のアシリパの心情もより一層感じることが出来ます。
上映会は樺太の帰路で起こった突発的な出来事ではありましたが、その内容はこれまでの旅路とこれからの旅路を繋ぐ非常に重要なエピソードだったのでした。
また、上映会はアシリパの母の顔が初めて登場するというメモリアルな1話でもありました。
さらにアシリパ鬼監督のもと撮影に挑む面々や撮影していた昔話の内容も面白く、谷垣とチカパシのエピソードにも続いているなど見どころがいっぱいですので、上映会は必見です!

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