本記事ではゴールデンカムイに登場するヴァシリについてご紹介!
ヴァシリはアイヌの金塊を巡り物語が展開するゴールデンカムイにおいて、主人公一行に加わりながら他キャラとは全く違う視点で旅をしていた異質な人物であり、尾形の最大のライバルとして物語を彩っています。
尾形と並ぶ狙撃スキルと尾形との再戦に執着したその生き様はかっこよく、尾形を知る上でもヴァシリの存在は欠かせません。
また「頭巾ちゃん」と名付けられた愛されキャラクターとしても目が離せません。
それではヴァシリのプロフィールや初登場、尾形との対決やその最期など詳しくまとめていきます!
目次
【ゴールデンカムイ】ヴァシリのプロフィールや意外な特技とは??
ヴァシリはヴァシリ・パヴリチェンコという名のロシア人狙撃手です。
ロシア帝国エレニンカの出身で、日露戦争にも参加していた様子。
国境守備隊の1人であり、皇帝殺し(キロランケ)がロシアへ渡るとの情報を得て樺太の国境で待ち伏せていました。
狙撃対決にて尾形に敗北し、尾形にリベンジするために杉元一行に加わり日本へ。
狙いは尾形のみであり金塊争奪戦には直接の関わりはありませんが、最終決戦の五稜郭まで行動を共にしました。
常に頭巾を被っていることから、アシリパたちからは「頭巾ちゃん」と呼ばれています。
特技は狙撃と絵画。
ヴァシリは狙撃手として尾形と同等のスキルを持つ、尾形の最大の好敵手です。(ちなみに尾形とは同い年)
絵画は昔から上手かったようで、美術学校に行きたかったが家が貧しく行けなかったそうです。
【ゴールデンカムイ】ヴァシリの装備は??
ヴァシリの武器はモシン・ナガン銃。
モシン・ナガン銃はロシア帝国陸軍大佐セルゲイ・イワノビッチ・モシンとベルギー人銃器設計者であるナガン兄弟により開発されたボルトアクション式小銃で、作中時代ではロシア帝国の制式小銃(M1891)として採用されています。
狙撃手としての腕前はかなりの遠距離からソリで移動している人の頭を狙えるほどで、作中随一の狙撃手である尾形から、最初の一撃を見ただけで「手練れの狙撃手だ」と評されていました。
性格も尾形と同様に狙撃手向きで、狙撃手としてのブライドが高く、仲間を見殺しにする冷血さと冷静な判断力・洞察力を持ち、臆病なまでに慎重です。
また、接近戦用にリボルバーも携帯しています。
【ゴールデンカムイ】ヴァシリの初登場は樺太国境!!狙いは??尾形との心理戦を制したのはどっち??
ヴァシリの初登場は16巻160話。
仲間と共に国境守備の任に就いていたヴァシリは、皇帝殺しとして指名手配されていたキロランケを狙って一行(キロランケ、アシリパ、白石、尾形、ウィルタ族の老夫婦)を急襲し、反撃してきた尾形との狙撃対決になりました。
一撃ずつのやり取りでも互いに手練れだと見抜き合ったヴァシリと尾形は、「自分ならどうするか」という慎重で高度な心理戦を展開。
ヴァシリは尾形の狙撃やキロランケの罠によって仲間たちがやられても構うことなく追跡を続け、ついに木の上で身を隠す尾形の姿を捉えました。
撃てばこちらの居場所がバレてしまうため、一撃必中でなければならない一発勝負。
そのため注意深く観察すると、その人影がピクリとも動いていないことに気づきます。
そのまま監視を続けたヴァシリは、日が昇ったことでようやく、その人影の下に雪で消された足跡とその足跡の先にあるウィルタ族の棺を発見しました。
つまり人影が遺体を使ったフェイクだったと理解したヴァシリは、その棺に尾形が潜んでいると確信し発砲。
ところがそれこそがフェイクであり、ピクリとも動かなかった人影こそ尾形だったのです。
先に発砲し居場所を明かしてしまったヴァシリは、尾形に横顔を撃ち抜かれてしまったのでした。
【ゴールデンカムイ】ヴァシリは敷香で尾形にリベンジできたのか??
ヴァシリは生きていました。
第201話でヴァシリは尾形との再戦を望み、帰路で敷香(しすか)に立ち寄っていた杉元一行を急襲。
国境で尾形と一緒にいたアシリパと白石を見つけたことから、尾形を引き出すために一行に攻撃を仕掛けたのです。
しかし尾形はすでに離脱(逃亡)していたため、ヴァシリのリベンジは叶いませんでした。
それどころかその射撃精度から尾形による狙撃だと勘違いされ、尾形に対する凄まじい殺気をもっていた杉元に殺されかけてしまうのでした。
【ゴールデンカムイ】ヴァシリは杉元一行と旅を共にすることに!!
殺される寸前でヴァシリを救ったのは、胸にしまっていた尾形の似顔絵でした。
尾形の絵によりヴァシリと杉元は、言葉通じずとも打倒尾形の意志で意気投合。
月島の訳により「キロランケは死に、尾形は行方不明だ」と説明されますが、ヴァシリはアシリパの傍にいれば尾形と再会できると考え、一行についていくようになります。
そしていつの間にか一行に馴染み、シネマトグラフを撮る際にはその美術センスを活かして大道具係に抜擢。
樺太脱出時には第七師団に追われるアシリパと杉元を助け、そのまま白石も含めた4人で北海道へ渡りました。
杉元一行に加わったヴァシリは、日本語が分からないことと尾形からの狙撃により奥歯を粉砕し言葉が発せなくなったことから「フンフン」という鼻息とジェスチャーで感情を表すようになり、イケメンスナイパーから一転とても可愛いらしいキャラクターになりました。
また、頭巾で顔を覆っているためアシリパたちからは「頭巾ちゃん」と呼ばれ、マスコットキャラクターのような位置づけで読者からも愛されるようになっていきました。
それでも狙撃手としての腕は当然健在であり、得意の絵画も松田平太が刺青囚人であることを知るきっかけになるなど、杉元一行の旅に貢献していきます。
【ゴールデンカムイ】ヴァシリ死亡??五稜郭での戦いとは??
念願の尾形との再会は札幌ビール工場でのことでした。
ヴァシリは先に尾形を見つけ狙撃するも当たらず。(尾形が勇作の幻影を見てちょうど身を引いたため)
尾形も相手がヴァシリであることに気づき再戦に意気込みましたが、しかし工場での乱戦に飲まれ2人は決着をつけることはできませんでした。
狙撃手対決最終決戦
そして舞台は金塊争奪戦の最終決戦地である函館・五稜郭へ。
ヴァシリは第七師団の乗る列車に乗り込んで以降、姿は描かれていませんが、第300話にて五稜郭北口に潜む尾形の800m向かいの林に潜んでいたことが明らかになります。
ところが朝陽がヴァシリの双眼鏡に反射しており、位置が尾形にバレていました。
そのうえ尾形はその反射の仕方が「嘘くさい」と考え、光から腕一本分下の位置を狙撃しました。
尾形に反撃の一発が返ってきますが、それが足に当たったことで尾形はヴァシリを仕留めたことを確信。
ヴァシリの腕前を理解しているからこそ、無事であれば足で済んでいるはずがないと考えたからです。
そしてその頃ヴァシリがいる木から銃が落下し、樹上からは血が滴り落ちていたのでした。
山猫の死
尾形との決戦で死亡したと思われたヴァシリでしたが、生き延び、画家になっていたことが最終回にて明らかになりました。
画家として名を博したヴァシリが亡くなるまで手放さなかったという絵画が、日本のIT企業によって3億円で落札されたと言います。
その絵は「山猫の死」という、尾形の最期を思わせるものでした。
恐らく五稜郭で動けるようになった後、尾形の亡骸を目にしたのでしょう。
リベンジが叶わないまま、自分との戦い以外で命を落とし、満足そうに眠るライバルの死を、ヴァシリはどんな思いで見送ったのでしょうか。
だいぶ後年の1940年に描かれたことや死ぬまでその絵を手元に置いていたことから、尾形との出会いがヴァシリにとって如何に大きく忘れがたいものだったのかを感じますね。
【ゴールデンカムイ】ヴァシリのモデルとなった人物は??
ヴァシリにモデルはいるのかと考えると、ヴァシリ・パヴリチェンコという名前から2人の人物を推測することが出来ます。
1人はヴァシリ・ザイツェフ。
ヴァシリ・ザイツェフは第二次世界大戦で活躍したソビエト連邦の狙撃兵です。
257人の敵兵を殺害し、ソ連邦英雄やヴォルゴグラード英雄市民などの称号を得た凄腕スナイパーで、教官としても優秀だったと言います。
2001年のハリウッド映画『スターリングラード』の主人公にもなっており、ドイツの名狙撃手エルヴィン・ケーニッヒとの狙撃手対決を含むザイツェフの活躍が描かれています。
もう1人はリュドミラ・パヴリチェンコ。
リュドミラ・パヴリチェンコも第二次世界大戦で活躍したソビエト連邦の軍人ですが、こちらは女性なんです。
確認戦果309名と女性狙撃手として史上最高の記録を残した凄腕スナイパーで、女性狙撃手の後進育成にも貢献しました。
リュドミラも2015年のロシア・ウクライナ合作の映画『ロシアン・スナイパー』で活躍が描かれています。
あくまで推測ではありますが、ロシアの伝説的狙撃手2人がモデルになっていると考えるとヴァシリの凄腕スナイパーとしての存在感が際立ちますね。
また顎を撃ち抜かれて生きていたというエピソードは、史上最強の狙撃手シモヘイヘがモデルになっていそうです。
一方で尾形はシモヘイヘと双璧を為す最強狙撃手とされるカルロス・ハスコックがモデルになっていると言われています。
ヴァシリ・ザイツェフ、リュドミラ・パヴリチェンコ、シモヘイヘ、カルロス・ハルコックはいずれも世界最強の狙撃手として名が挙がるメンバーですから、ヴァシリvs尾形はまさに一流vs一流の戦いであると感じられるかと思います。
まとめ
ヴァシリは誇りを持った気高き狙撃手で、尾形に敗北しその尊厳を奪われたことから尾形に執着し、尾形との再戦を望んで日本へ渡りました。
互いに一流と認め合う尾形との狙撃手対決は必見です!
尾形との対戦は樺太ではヴァシリの、北海道では尾形の心理が主体となって展開しているため、心理戦としてとても見応えがあるんですよね。
しかし尾形との対峙で狙撃手としてのかっこよさが描かれる一方で、杉元たちといる時は頭巾ちゃんとしての愛らしさが描かれていてとても可愛いんですよね。
そのギャップがヴァシリの魅力ですので、是非ヴァシリの様々な顔に注目してください!

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