前回の要点をまとまると、
- 有古が第七師団を裏切って都丹とともに土方陣営へ
- 有古は都丹と合流する前に鶴見によって二重スパイを強制されていた
- 有古の持ってきた人皮はほぼ鶴見に持たされた偽物(枚数は未確定)
- 土方は元々偽物を回収するつもりだった
- 鶴見が樺太へ向かう動きを見せる
という感じです。
いよいよ鶴見も土方の動きも見えて、彼らの頭脳戦が金塊争奪戦にどう影響するかと言うところ。
しかし緊迫する北海道から一転、今回は樺太の話になります。
北海道側がついに動き始めたと同時に、こちらでも大きな動きがありました。
目次
『ゴールデンカムイ』209話!のネタバレ
それでは『ゴールデンカムイ』209話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
リュウの居場所
出会ってから共に過ごしてきたチカパシとエノノカ。
旅の終わりは別れを意味します。
手を繋ぎ樺太での足跡を刻んできましたが、この後どんな未来へ向かうのでしょうか。
ということで、一行はついにエノノカ達の村まで戻ってきました。
リュウはいつの間にか犬ぞりの先頭犬「イソホセタ」になっていたようです。
頭飾り「セタキラウ」が誇らしげ。
初めて見た時リュウが「ハァァ~」ってなってたのを思い出してなんだか感慨深いですね。
サマになってると杉元に褒められていますが、さすがリュウは何をやらせても優秀な犬です。
先頭犬になれるような良い犬は特別扱いで、飼い主と家の中で一緒に寝起きしたりするそう。
すると白石が「リュウはここにいた方が大切にしてもらえるな」と言います。
それはつまりリュウが「自分の居場所を見つけた」ということ。
というか本当にリュウはここでお別れのようです!
皆で
「世話になったぜ。ありがとうな」
とワシャワシャなでくり回してあげます。
思えばリュウとは3巻からの長い付き合いでしたから、居なくなるというのはかなり大きい気がします。
人を繋げたり、人を助けたり、人を温めたり…金塊に関係ないからこそ重要なキャラクターでしたね。
別れの時間はやってくる…
一行は通りがかりの馬橇に大泊まで乗せて行ってもらうことになりました。
大泊は樺太編始まりの地であり、鶴見との待ち合わせ場所です。
いよいよ旅が終わりを告げようというわけですが、その前に避けられないことがあります。
エノノカたちとの別れです。
すでにスンスンと泣いているエノノカ。
しかし泣きながらもしっかり鯉登から渡された金銭を数えています。
エノノカと鯉登はガッチリ握手を交わし、無事契約は満了。
このコンビも好きでした。
問題はチカパシとの別れです。
「エノノカ…」
と声を掛けるも、エノノカはそのまま立ち去ってしまいました。
「待っててやるからちゃんと話しておけよ」と杉元に後押しされ、チカパシはエノノカの元へ向かいます。
谷垣は何も言わずチカパシを見守っています。
「さよならしない。チカパシ来るまで待つ」
エノノカは寂しそうに呟きました。
「ホホチリ切ったらなくさないで。エノノカ忘れないで」
涙を流しながらエノノカは少ない言葉で想いを伝えました。
チカパシも目に涙を浮かべながら答えます。
「うん…絶対忘れない」
そして「行くぞ!」という鯉登の呼び声が、無情にも時間の終わりを告げました。
「また来るね、エノノカ」
チカパシの言葉に返事が出来ないまま、ただ涙を流すエノノカ。
チカパシは何を思うのか
そしてソリは動き出しました。
ヘンケとリュウが見送ってくれていますが、改めて見ると本当にリュウはここに残るんだなあとしみじみ。
エノノカはヘンケの背後にいて顔は見せません。
どんどん離れていくヘンケたちの姿。
チカパシは最後にエノノカの顔を見られないままとなりましたが、前を向くことにしました。
しかし―
「チカパシッ!」
エノノカが飛び出してきました。
チカパシは手を振りながら、
「エノノカ待ってて!おれ絶対に…」
と言いかけますが、不意にソリから転げ落ちてしまいます。
急いでソリを止めさせるも、チカパシはエノノカたちを見つめたまま動きません。
見送るヘンケとエノノカを見て、チカパシの中で、シネマトグラフで撮った『ケソラプの身の上話』で彼らとともに鍋を囲んだ時の光景が浮かんできました。(205話での話ですね)
205話はこちら⇒最新ネタバレ『ゴールデンカムイ』205-206話!撮影開始で揺れるチカパシ!
そしてチカパシは何かを思った様子でソリの方に向き直しました。
その姿に谷垣は何かを感じ取ります。
「少し待っててくれ」
谷垣はソリを降り、チカパシの元へ向かいました。
大きな鳥の落とす涙は雨となり
「谷垣ニシパ…」
と何かを言いかけるチカパシ。
しかし見上げたチカパシの顔に、谷垣の大粒の涙がこぼれ落ちてきました。
「チカパシ…お前はここに残って自分の本当の家族をつくりなさい」
きっと谷垣はこうなることを予感し覚悟は出来ていたのでしょうが、チカパシの元へ歩いてくるまでの彼の心境を思うと涙腺崩壊です。
谷垣の涙の大きさに重みを感じます。
涙を流しながら「うん」と答えたチカパシ。
「インカラマッも俺と同じ一人ぼっちだから谷垣ニシパが家族になってあげてね」
チカパシは今本当の家族をつくろうとしていますが、谷垣・インカラマッとの旅も紛れもなく家族の時間でした。
受け継がれる漢の魂
谷垣は銃を肩から下ろしました。
「この銃をお前にやる」
空っぽの軍人だった谷垣をマタギに戻してくれた二瓶の村田銃です。
「この銃は俺を救ってくれたひとから受け継いだ銃だ」
これで狩りへ行ってヘンケたちに世話になった恩を返せと言います。
でも「身体が大きくなるまでまだ使うなよ」と付け足しました。
クズリと戦った時は谷垣が駆けつけて手助けしてくれましたが、もうそうして傍で支えてあげることは出来ないのです。
だから
「その銃を使う時はひとりで立つんだ」。
銃を受け取ったチカパシは、力強い眼差しでこう答えました。
「ひとりで立つ…これも勃起だね?谷垣ニシパ」
谷垣はフ…と笑うと、力強く答えました。
「そうだ勃起だ!チカパシ!」
広い空の下、ここに漢の魂は受け継がれました。
勃起という言葉でこんな泣けるとは思っていませんでしたよ。
「アシリパをちゃんと連れて帰って、フチを元気にさせて」
最後の最後までインカラマッやフチのことを心配するチカパシは立派です。
谷垣たちとの旅が彼をこう成長させたんですよね。
「あばよチカパシ!元気で暮らせ!」
と皆を乗せたソリは動き出します。
遠ざかっていくチカパシの姿。
しかし谷垣は決して振り返りません。
後ろでは笑顔いっぱいでチカパシを迎えるエノノカとリュウ、ヘンケの姿。
『ゴールデンカムイ』ネタバレ209-210話のまとめ
というわけで、205話の回収回となりました。
この回から予感はしていましたが、本当に樺太でチカパシとお別れになりましたね。
でも悲しくないのは、チカパシと谷垣が信頼し合い、互いに前を向いての別れだったからでしょう。
谷垣は本当に立派な父親像を見せてくれましたね。
まさに伝承の『ケソラプは綺麗な鳥の姿となって天際高く飛んでいった』って感じですが、谷垣が涙を流すシーンやラストのコマに鳥の姿が描かれていてとても繊細で綺麗な描写だなと思いました。
ともあれようやく居場所を見つけたチカパシ、わりと急に巣立ちの時を迫られた感じですが、エノノカと幸せになって欲しいですね。
この物語の先、未来を歩んでいくのは彼らなのですから。
そしてリュウの離脱は犬好きにとって大ダメージ…。
物語序盤から登場した「リュウと二瓶の銃」と別れたのは、とても大きなことのように感じます。
もちろん谷垣にとっても大きな喪失だと思いますが、二瓶の魂を宿した谷垣はもうひとりで立つことが出来るはずです。
フチのこと、インカラマッのこと、チカパシとの約束を果たして欲しいですね。
しかし気づけば子供・老人・犬がいなくなり、この後待つのは鶴見との再会…
怖さしかありません!!
これから血なま臭い展開になっていくのかな…。
ひとまず樺太編は気持ち良い別れによって、これにて終了!といったところでしょう。
次回は鶴見との接触で新展開に期待です。

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