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上昇負荷とは何なのか
結論から言うと、上昇負荷はアビスの中で上へ戻ろうとしたときに体を襲う呪いです。深く潜った人ほど重く、六層から上ると人間性を失うか死に、七層からは確実に死にます。
作中では「アビスの呪い」とも呼ばれます。下りるときには何も起きず、上るときにだけ起きるので、探窟家にとっては帰り道そのものが命がけになります。
この記事でわかること
- 深界一層から七層までの上昇負荷の症状
- 坂を上るだけでも呪いを受ける理由
- 呪いを避けると得られる「祝福」
- ナナチとミーティ、カートリッジの実験
- 呪い除けの籠と、レグが呪いを受けない理由
層ごとの上昇負荷|一覧で置きます
アビスは深さで層に分かれ、層ごとに上昇負荷の重さが決まっています。同じ1メートルを上るのでも、どの層にいるかで体に起きることがまるで違います。
| 層 | 名前と深さ | 上昇負荷 |
|---|---|---|
| 一層 | アビスの淵(0〜1350m) | 軽い目まいと吐き気 |
| 二層 | 誘いの森(1350〜2600m) | 重い吐き気と頭痛、手足のしびれ |
| 三層 | 大断層(2600〜7000m) | 二層の症状に、平衡感覚の異常と幻覚・幻聴 |
| 四層 | 巨人の盃(7000〜12000m) | 全身の激痛と、体の穴という穴からの出血 |
| 五層 | なきがらの海(12000〜13000m) | 全感覚の喪失、意識の混濁、自傷行為 |
| 六層 | 還らずの都(13000m〜) | 人間性の喪失、もしくは死 |
| 七層 | 最果ての渦(六層より下) | 確実な死 |
四層までは、苦しくても生きて帰れる重さです。五層の症状は一時的なもので、上り終えれば戻ります。
六層から先は、帰ること自体がほぼできません。六層へ下りる探窟は「絶界行(ラストダイブ)」と呼ばれ、帰らない覚悟で潜るものとされています。
僕はこう読む
表を上から読むと、五層と六層のあいだに一本の線が引かれているように見えます。
五層までは「どれだけ苦しいか」の話で、六層からは「人でいられるか」の話に変わります。
痛みの段階表ではなく、引き返せる場所と引き返せない場所の地図なのだと思っています。
だからリコが六層へ下りると決めた瞬間に、物語は冒険から片道の旅に変わりました。
坂を上るだけでも呪いを受ける
上昇負荷は、縄ばしごを何十メートルも上ったときだけに起きるわけではありません。坂を上る、水の中で浮かび上がる、跳び上がるといった小さな上下の動きでも、深い層では命に関わります。
だから深い層の探窟家は、上へ動くことそのものを警戒しています。足場の悪い崖で原生生物に追われても、上へ逃げる道はふさがれているのと同じです。
呪いの正体は、アビスの中を満たす「力場」と結びついて語られます。なぜ上るときにだけ起きるのかは、作中でもまだ解き明かされていません。
二層では、アビスの端に近づくほど負荷がわずかに和らぐとされています。監視基地が端に建てられているのも、そのためだと読めます。
呪いを避けると「祝福」になる
上昇負荷には裏の面があります。呪いをうまく避けると、新しい感覚や体の強化といった「祝福」を得られるとされています。
それを人の体で試したのが、白笛のボンドルドでした。ナナチとミーティの2人を一緒に六層へ下ろし、上昇負荷を片方だけに集める実験をしたのです。
| 人物 | 実験でどうなったか |
|---|---|
| ミーティ | 2人分の呪いを1人で受け、人格を失った不死の成れ果てになった |
| ナナチ | 人間性を保ったまま成れ果てになった(祝福の側) |
ミーティは赤毛の活発な少女で、ナナチの親友でした。そのミーティが、死ぬこともできない体のまま、ナナチのそばで生き続けることになります。
僕はこう読む
祝福という言葉が、いちばん残酷な場所で使われていると思っています。
ナナチが受け取った祝福は、ミーティが代わりに受けた呪いの裏返しでした。
誰かが祝福されるとき、その分の呪いをどこかで誰かが受けている。
アビスの仕組みが、そのまま2人の友情の形に刻まれているのがつらいところです。
カートリッジで呪いを肩代わりさせたボンドルド
ボンドルドは実験の答えを、道具にまで変えました。それがカートリッジです。子供から生きるのに要らない部分を取り除いて箱に詰め、身に着けた人の上昇負荷を肩代わりさせる装置でした。
ボンドルドを「パパ」と慕っていたプルシュカも、最後はカートリッジにされました。ボンドルドが浴びた上昇負荷を肩代わりして命を落とし、そのあと白笛の「命を響く石」になります。
ボンドルド自身も、一度は上昇負荷で死にかけています。それでも体を取り替えて戻ってきました。上昇負荷を恐れるのではなく、使いこなそうとした探窟家がボンドルドです。
上昇負荷を受けた人物
| 人物 | 何が起きたか |
|---|---|
| リコ | 四層でタマウガチから逃げて上り、体じゅうの穴から血を流した |
| ミーティ | 六層の実験で人格を失い、成れ果てになった |
| ナナチ | 同じ実験で、人の心を残したまま成れ果てになった |
| プルシュカ | カートリッジとして、ボンドルドの負荷を肩代わりして死亡 |
| ボンドルド | 上昇負荷で一度死に、体を交換して戻った |
リコのときは、タマウガチの毒も重なっていました。毒と呪いの両方で、一時は命が危ない状態になり、ナナチの手当てで助かっています。
呪い除けの籠は、呪いを防げなかった
上昇負荷を防ぐ道具として知られていたのが、「呪い除けの籠」です。生まれたばかりのリコを地上へ連れ帰るとき、この籠が使われました。
ところが物語が進むと、籠の本当の力が分かります。呪いを防ぐのではなく、中に入れた命をよみがえらせる力でした。リコはこの籠によって生き返った子だったのです。
つまり、上昇負荷を完全に防ぐ方法は、いまのところ作中で見つかっていません。
僕はこう読む
呪い除けの籠の正体が明かされたとき、上昇負荷の重さがもう一段増したと感じました。
呪いを防ぐ道具だと思っていたものは、呪いに負けた命を戻す道具でした。
アビスは「防げる」とは一度も約束していなかったわけです。
リコの生まれそのものが、上昇負荷に一度負けたところから始まっていると読んでいます。
レグは上昇負荷を受けない
一行の中で、レグだけは上昇負荷を受けません。レグは人間ではなく機械の体を持つため、呪いが効かないのです。
だからリコが上へ動けない場面で、レグが代わりに上り下りを引き受けます。2人で深層へ進めるのは、この違いがあるからです。
それでも探窟家がアビスに潜る理由
上昇負荷があっても、探窟家はアビスに潜り続けます。底へ行くほど、高い価値を持つ遺物が眠っているからです。上位の遺物は国の力の釣り合いを崩すほどの力を持ち、一生遊んで暮らせるお金になります。
ただ、上位の探窟家ほど、お金だけで動いているようには見えません。リコの母ライザも、白笛のボンドルドも、アビスの底を見たいという好奇心で深く潜っていきました。リコ自身も、母が待つ底を目指して、帰れない旅に出ています。
まとめ
上昇負荷は、アビスの中で上へ戻ろうとすると起きる呪いです。一層の目まいから始まり、四層で全身から出血、六層で人間性の喪失か死、七層で確実な死になります。
呪いをうまく避けた者は「祝福」を受け、その裏で呪いを引き受けた者が壊れていきます。ナナチとミーティ、プルシュカのカートリッジは、どちらもその仕組みの上に描かれていました。
僕はこう読む
上昇負荷がある限り、メイドインアビスの冒険はいつも「戻れるかどうか」と背中合わせです。
普通の冒険ものなら、行きより帰りのほうが楽です。
この作品では、帰り道こそが最大の敵として置かれています。
だから一歩下りるたびに、読者まで息を詰めてしまうのだと思っています。
底へ近づくほど、上昇負荷の謎も深くなっていきます。なぜ上るときだけ呪われるのか、答えはまだ作中に出ていません。
——あなたは、上昇負荷はアビスの意思のようなものだと思いますか。それとも、力場が起こすただの現象だと思いますか。よければコメントで教えてください。
よくある質問
上昇負荷について、よく聞かれることに答えます。
Q. 上昇負荷とは何ですか。
A. アビスの中で上へ戻るときに体を襲う呪いです。深い層ほど重くなり、「アビスの呪い」とも呼ばれます。
Q. 何層から命に関わりますか。
A. 六層から上ると人間性を失うか死に、七層からは確実に死にます。四層でも全身から出血する重さです。
Q. 下りるときにも上昇負荷はありますか。
A. ありません。上へ動いたときにだけ起きます。坂を上る、跳び上がる程度の動きでも、深い層では危険です。
Q. 祝福とは何ですか。
A. 呪いをうまく避けたときに得られる、新しい感覚や体の強化のことです。ナナチは祝福の側で成れ果てになりました。
Q. レグが上昇負荷を受けないのはなぜですか。
A. 機械の体を持っていて、人間ではないからです。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年10月9日


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