野田サトル「ゴールデンカムイ」314話より引用
暴走列車地獄行きはいよいよ終着・函館駅へ。
アイヌの権利書を巡り最終決戦を繰り広げる杉元・鶴見。
杉元が鶴見を兼定でぶった斬って終わりかと思われましたが、隙を突いた鶴見が兼定で杉元の胸を突き刺したのでした。
杉元はアシリパを白石・谷垣に託すと、鶴見の持っていた銃を鶴見の腹に発砲。
相討ちといえる状態のまま、列車は2人だけを乗せ函館駅を突き抜け海に落ちていきました。
果たして物語の結末は如何に!?
第314話は『大団円』ということでついに最終回ッ!!
目次
『ゴールデンカムイ』314話!のネタバレ
それでは『ゴールデンカムイ』314話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
アシリパと干し柿
場面は6か月後。
東京にて干し柿を買うアシリパの姿がありました。
いつか大雪山にて「すべてが終わったら杉元の故郷へ連れていけ。私も干し柿を食べてみたい」と言っていたアシリパ。
感慨深そうに干し柿を見つめていますが、果たして杉元はどうなったのでしょうか。
梅ちゃんと再会
場面は変わり、とある生花店。
店に“怖いひと”がやってきたとのことで、美人女将が表へ出て対応にあたることにします。
すると美人女将は、匂いでその者が「佐一ちゃん」ではないかと気づきました。
そう、杉元佐一は生きていたのです!
函館での戦いで出来た頬や耳の傷は新たな傷痕として残ってはいますが、いつもと変わらない杉元の姿がありました。
そしてこの美人女将は梅子でした。
梅子はすでに手術で目が見えるようになっているようです。
しかし目ではなく鼻で杉元だと気づいたのが嬉しいですね。
日露戦争後に梅ちゃんに会いに来た時は「あなたどなた?」なんて言われてしまいましたから。
杉元は北海道の旅を経て…というかアシリパと出会って、元の杉元に戻れたことが分かります。
梅子の目が見えるようになっていたものの、杉元は金塊を梅子に渡しました。
寅次との約束だからです。
これにて杉元の旅はようやく終着。
杉元は寅次と梅子の息子・寅太郎に「キミの父は俺の命の恩人、英雄なんだ」と伝え、去っていきました。
黄金のカムイ
アシリパと白石の元に杉元が戻ってきました。
始まりのメンバーが終わりを見届けるのがグッときますね。
杉元は金塊を鶴見への目晦ましに使っていましたが、梅子に渡す分をしっかり確保していたってことですよね。
その中にはウイルクが作った金貨も含まれていました。
足しになればという気持ちもあるでしょうが、金塊争奪戦をきっぱりと終わりにしたい、あるいはアイヌの想いをそれとなく伝えていきたいというのもあるのでしょうか。
また、アシリパは「アイヌを守っていくために黄金のカムイは必要ない」という答えに辿り着いていました。
しかし黄金のカムイは決して悪いものではなく、使う者によって役目が変わるのだろうと杉元は言います。
梅子に渡した金塊はいつか彼女たちの役に立つだろうと信じていますし、アイヌのためには実際に土地の権利書という形で金塊が使われたのですから。
榎本武揚
そう権利書の土地はちゃんとアシリパのもと、正式にアイヌのものになっていました。
一か月前、アシリパと杉元は榎本武揚と会っていました。
土方の和泉守兼定が橋渡しになってくれたのです。
役に立つだろうと土方が託してくれたのは、戦闘のためじゃなく榎本武揚に会うためだったわけですね。
榎本が言うには、権利書には立ち会った六か国の公使が条約を承認したという公式文書がまとめられているそうで、だからこそ無視できない政府が手に入れようとしていたのだろうとのこと。
榎本は先が長くないため信頼する伊藤博文と西園寺公望に後を託すとし、アシリパに「権利書は写しを作り、原本を持っていると良い」と伝えました。
杉元の新たな故郷
場面は現在に戻り、アシリパと杉元は一緒に干し柿を食べています。
大雪山では「干し柿を食べたら戦争へ行く前の杉元に戻れるのかな」なんて話し、杉元は涙していたわけですが、今の杉元は「変わらなくて良いと思う」と言いました。
何故なら“役目を果たすため頑張った今の自分”が好きだから。
そしてアシリパが懸念していた、金塊争奪戦が終わった後の杉元はどうするのかですが、杉元はアシリパと共に北海道に戻ることにしたようです。
アシリパとの日々が“やっと見つけた自分が幸せになれそうな場所”だったからです。
杉元はアシリパに「故郷へ帰ろう」と言いました。
杉元にとってアシリパとの時間が“故郷”になっているのですね。
皆のその後
白石はいつの間にか2人の元を去っていました。
「湿っぽいさよならは嫌い」だとこっそり別れを告げ、歓楽街に消えていきました。
その他のメンバーのその後について。
- 夏太郎は宣言通り羊の牧場を始めており、後に大牧場主になったそう。
北海道にジンギスカンがあるのは夏太郎のおかげですね。
- 永倉は小樽で剣道を教えたり、新選組の手記を残して余生を過ごしたそう。
やはり史実に落ち着いたというところですね。
土方の遺体は歴史通り見つかっていないとのことで、永倉が丁重に葬ったのでしょう。
- 谷垣とインカラマッは谷垣の故郷・阿仁にて、なんと15人の子供を作ったそう。
あの長女以外男児というのも凄いですが、長女も含めほぼ谷垣似なのが強すぎる…。
- 門倉・キラウシ・マンスールはすっかりトリオとなり、何故か10年後に騎兵隊やお尋ね者らが金塊争奪戦を繰り広げるというサイレント西部劇(自ら主演)を撮影したそう。
大コケしたものの、現在ではカルト映画として再評価されているとのこと。
- ヴァシリは生き延び、画家となっていたようです。
『山猫の死』という作品を生涯手放さなかったようで、ヴァシリの死後オークションにて日本のIT企業に三億円で落札されたそう。
きっとヴァシリは函館で尾形の遺体を見たのでしょうね。
月島と鯉登
あの後も月島は函館湾にて鶴見を探し続けていたようです。
「骨一本でも額当てでも」と。
権利書も金塊も鶴見が使うから何かが起こると信じていた鶴見劇場信者の月島。
鶴見がいなくなったことで、生き方を見失ってしまったのです。
しかし権利書や金塊が無くては国防が務まらないというものであってはいけない、鶴見がいなくても前に進まないといけないと鯉登は言いました。
今の鯉登がすべきことは、賊軍として裁かれるであろう中で、鶴見についてきた部下たちを中央から守ること。
この勝ち目の薄い大仕事のための優秀な右腕として、「私の力になって助けてくれ」と月島に言いました。
月島は鯉登の真っすぐさにため息を吐きながらも、その光に導かれていくのでした。
ちなみに鯉登は後に「最後の第七師団長」となり、月島は鯉登中尉の右腕を全うしたそう。
アシリパの活動が現在へ
アシリパが目指し始めた役目は、自分たちの文化が消えないように新しいアイヌに伝えていくこと。
その地道な活動によるものか、現在では世界中の博物館にアイヌの民具が展示されているなどアイヌと和人の努力によって後世に伝えられています。
また、アシリパは生涯政府と交渉を続けたそうで、権利書の土地の一部は昭和期に国立公園や国定公園に指定されたそうです。
その中でカムイたちはちゃんと生き続けているのです。
白石がやりやがった!
3年後の杉元とアシリパ。
アシリパの背が伸びやや大人っぽくなっていますね。
そこへ、これまた大きくなったオソマちゃんが手紙を届けに来ました。
差出人は白石由竹。
手紙には何も書いていませんでしたが、封筒にはあるものが入っていました。
それは白石の顔が刻印されたコイン!
東南アジアの小さな島で王様になるというのは海賊房太郎の夢でしたが、白石がやりやがったわけです。
一体どうやって金塊を運び出し王様になったのかはまた別のお話。
ということでゴールデンカムイ・完!
『ゴールデンカムイ』ネタバレ314話のまとめ
凄かったですね!前回の展開から本当にこんな大団円になるとは思いませんでした。
野田サトル「ゴールデンカムイ」314話より引用
白石オチで終了というのも金カムらしかったですね。
金カムにはアイヌ文化を中心にたくさんの知識や感情を与えてもらい、本当に素敵な作品に出会えたとしみじみ感じています。
大袈裟ですがこれから先も長くこの作品を大切にし、そして新しい世代に伝えていければと思いつつ、まずは30巻・31巻の発売を待ちたいと思います。
ちなみに野田先生はスピンオフもありと考えているようなので期待したいですね。
白石も含め「また別のお話」となったものもそれぞれ見たいですし、登場人物誰を掘り下げても面白そうですから。
でもやっぱり鶴見の物語が見たいかなあ。
しかしすでに次回作は決まっているということで。
次回作はどうやらまさかの『スピナマラダ』!?
スピナマラダも本当に面白いのでリメイク?はとても楽しみです。
ということで次回作やアニメなどまだまだ楽しみがいっぱいですが、ゴールデンカムイめでたく完結ということで野田先生ありがとう&お疲れ様でした!

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