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ピレモン・ノトス・グレイラットとは誰なのか
結論から言うと、ピレモンはノトス・グレイラット家の当主で、パウロの7歳下の弟、ルークの父です。死亡はしていません。
ノトス家はアスラ王国の四大領主のひとつで、ピレモンはミルボッツ領の領主です。ピレモン卿とも呼ばれ、ルーデウスから見れば叔父にあたります。アニメでは2期の第0話から姿を見せ、声はてらそままさきさんが担当しています。
ピレモンがいちばん読者の記憶に残るのは、王位をめぐる争いが決着した夜です。二度寝返ったピレモンに、アリエルは「死んで詫びなさい!」と言い放ちました。そこから命がつながるまでの流れを、原作Web版の話数と一緒に追っていきます。
この記事でわかること
- ピレモンは誰で、パウロ・ルーデウス・ルークとどうつながるのか
- 声優とアニメでの登場、死亡したのかどうか
- アリエルに処刑されかけた場面と、命が助かった本当の理由
- その後の処遇と、息子ルークとの関係
ピレモンのプロフィール
まず、名前で調べた人が知りたいことを表にまとめます。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 名前 | ピレモン・ノトス・グレイラット(ピレモン卿) |
| 立場 | ノトス・グレイラット家の当主。ミルボッツ領主 |
| 家族 | パウロの7歳下の弟。ルーデウスの叔父。ルークの父(ルークは次男で、上に兄がいます) |
| 声優 | てらそままさき(アニメ2期第0話から) |
| 性格 | 卑屈な小心者。有利な側へ付き替える |
| 死亡したか | していません。当主の座を取り上げられ、領地で軟禁されました |
| 処刑されかけた回 | 原作Web版186話「ルークの暴走」 |
顔はパウロによく似ています。それなのに、パウロにあった余裕や自信がどこにもなく、小狡そうな、空腹のネズミのようにおどおどとした男と描かれます。同じ顔で中身が逆というところに、ピレモンという人の作られ方がよく出ています。
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兄と同じ顔を与えたのは、比べられ続ける人生を一目で伝えるためだと思っています。
ピレモンは何をしても「パウロ様だったら」と言われる側でした。顔が似ていなければ、そこまで比べられなかったかもしれない。似ていることが、そのまま呪いになっているように見えます。
ピレモンとパウロ、ルーデウスの関係
ピレモンはパウロの7歳下の弟です。だからルーデウスから見れば叔父、ルークとルーデウスはいとこ同士になります。
若いころ悪童だったパウロが家を飛び出したため、ノトス家を継いだのはピレモンでした。準備もないまま、若くして当主になっています。ところが領主としての評判は散々です。厳格だった先代と比べられ、家臣には「もしパウロ様だったら……」と陰で言われていました。
ボレアス家の当主サウロスとも仲が悪く、領主になる前から「豆粒のようだ」と面と向かってけなされています。サウロスはピレモンの父とは家族のように付き合っていたのに、ピレモンのことは気に入らなかったのです。
ピレモンはなぜ裏切ったのか
ピレモンは、第二王女アリエルを支える派閥の中心にいた貴族です。アリエルが北のラノアへ逃れる手はずを整え、多くの従者を付けたのもピレモンでした。アリエルが生き延びたのは、ピレモンのおかげと言えなくもありません。
ただ、忠誠心から支えていたわけではありません。フィットア領転移事件でアリエルの力が弱まると、ピレモンは逃亡の手はずを整える一方で、第一王子派の筆頭ダリウスにも取り入りました。どちらに転んでもいいように、両天秤にかけたのです。
アリエルが暗殺者から逃れて国外へ出ると、ピレモンは完全に第一王子グラーヴェルの側へ寝返ります。グラーヴェルに信用してもらうため、アリエルを狙う刺客として自分の兵まで送りました。貴族たちはそれを知っていました。
そしてグラーヴェル派が敗れた夜、ピレモンはもう一度アリエルの前に出ます。叩頭して、周りの貴族に聞こえる大きな声でこう言いました。「グラーヴェル派を油断させるべく、寝返ったふりをして機を伺っておりました」。
二度目の寝返りを、一度目の言い訳で塗ろうとした場面です。貴族たちの何人かは、あきれた目でピレモンを見ていました。
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ピレモンにとって致命的だったのは、言い訳の中身より声の大きさだったと思っています。
周りの貴族に聞かせれば、その場の空気で押し切れると考えたのでしょう。けれど大勢の前で二度目の寝返りを許せば、王になるアリエルが舐められます。味方を増やすつもりの大声が、アリエルから「許す」という選択肢を奪った。小心者が一度だけ大胆に出たら、それがいちばん悪い場面だった。ピレモンらしい外し方です。
アリエルに処刑されかけた場面(Web版186話)
アリエルは最後まで聞きませんでした。ピレモンの名を一喝し、「恥を知りなさい!」と言い放ちます。
このときアリエルは、許す道があったことも口にしています。寝返っただけなら、家を守るために仕方がなかったと思う所もある。ルークに家督を譲って領地に隠居するなら、それ以上は責めないつもりでした。けれど、寝返った相手が負けたとたんにすり寄ってくるのは許せない。そう言って続けました。
| 順 | その夜に起きたこと |
|---|---|
| 1 | アリエルが「死んで詫びなさい!」と言い、自分の手で処刑するためにルークへ剣を求める |
| 2 | ルークが「父を、許してくださらないでしょうか」と願い出るが、アリエルは断る |
| 3 | ルークがアリエルを後ろから抱え、首に剣の腹を当てる |
| 4 | シルフィとの言い合いのあと、ルークは剣を捨ててひざまずく。アリエルは「抱きついただけ」として許す |
| 5 | ルーデウスがダリウスの言葉を伝え、アリエルが罪をすべてダリウスに負わせる。ピレモンの命が助かる |
ピレモンは、処刑を言い渡されたとき、助けを求める目でルークを見ていました。お前からも何か言ってくれ、という目です。ルークはそこで迷い、父の願いを主君に伝えました。
ルークがアリエルに剣を向けたのは、父を救うためだけではありません。ルークはその夜、ルーデウスと手を組んだオルステッドを邪神だと感じ、主君が間違った道を進んでいるのではと疑っていました。父の処刑と主君への疑いが重なって、体が先に動いたのがあの場面です。
命が助かると決まったあと、平伏したピレモンは小さな声でこう言いました。「ルーク……すまん……」。
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「すまん」の一言だけで、ピレモンが息子をどう見ていたかが分かる気がします。
大勢の貴族の前では、ずっと調子のいい言葉を並べていた人です。その人が、聞こえるかどうかの声で謝った。体面を捨てたのは、この一言だけでした。
ルークの話では、父は兄より自分をかわいがっていたそうです。同じ次男だったからかもしれない、とルークは考えています。家を出たパウロの陰で次男として生きたピレモンが、次男のルークに救われる。この順番は、偶然ではないと思っています。
なぜ処刑を免れたのか
ピレモンの命を救った直接の理由は、ダリウスに罪をすべて押し付けたことです。ルークの行動は、場の空気を変えただけでした。
ルークが許されたことで、会場には「ピレモンも許さなければいけない」ような空気が流れました。それでも、二度の裏切りと刺客の件は重すぎます。許すには理由が要りました。
そこへルーデウスが近づき、こう伝えます。「サウロス様を亡き者にしたのは、自分だと」ダリウスが口走っていた。ピレモン様は利用されたに過ぎないのでしょう。ダリウスはその直前、ルーデウスたちに追い詰められて、ボレアス家を救うためにサウロスを消したと自分で叫んでいました。
アリエルは「では、全てダリウスに押し付けてしまいましょう」と決めます。残る問題はギレーヌでした。主人サウロスの仇を討ちたいギレーヌとは、サウロスの件で約束を交わしていたからです。
不満そうなギレーヌの尻尾を、エリスが引っ張りました。「お祖父様の仇は、さっきので我慢しなさい!」。さっきの、とはダリウスのことです。ギレーヌが「エリスお嬢様がそう言うのなら」と引き下がり、アリエルはピレモンに「沙汰は追って下します」と告げました。
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この夜、ピレモンの命を最後に許したのは、サウロスの孫のエリスでした。
サウロスは、ピレモンを「豆粒のようだ」とけなし続けた人です。その孫娘が、祖父の仇の話で「さっきので我慢しなさい」と言って、ピレモンを見逃した。見下されてきた相手の家の人に、命を拾ってもらったことになります。
エリスにはそんなつもりは無かったはずです。ただ、ピレモンが一番頭を上げられない相手に救われた、という形になっているのが、この場面のいちばん苦いところだと思っています。
ピレモンのその後
処刑は免れましたが、お咎めなしではありません。原作Web版187話で、ピレモンは当主の座を取り上げられ、領地で軟禁されます。ノトス家の当主はルークになり、ルークの兄がその補佐に就きました。
つまりピレモンが受けた処分は、アリエルが最初に「それなら責めなかった」と言った形とほとんど同じです。家督をルークに譲り、領地に引っ込む。あの夜すり寄りさえしなければ、同じ場所に、もっと静かにたどり着けていました。
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この結末がいちばんピレモンらしいと思っています。
最後まで、自分で何かを勝ち取った場面がありません。当主の座は兄が家を出たから回ってきた。命は息子とルーデウスとエリスのおかげで拾った。そして行き着いた先は、黙っていれば手に入った場所でした。
ただ、ルークの言葉を読むと、それを笑う気にはなれません。不器用で、選び方も間違えるけれど、相談すれば必ず答えてくれた父。ピレモンは、家の外では小さい人で、家の中ではちゃんと父親だったのだと思います。
ピレモンと息子ルークの関係
ルークはアリエルの守護騎士として、幼いころから主君に仕えてきました。保身で動く父とは逆に、ひとりの主君に添い遂げることを選んだ人です。
それでもルークは、父を切り捨てていません。ルークの目から見た父は、姑息で、決断のたびに先代と比べられ、ひねくれてしまった人でした。父は父なりに悩み、苦しんだのだろうとルークは考えています。8年ぶりに会った父は、記憶よりずっと老けて、小さく見えたそうです。
父が兵を送ったのも、家を守る当主の務めだったはずです。ルークはそう父をかばいながら、その夜、主君に剣を向けました。
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あの夜のルークは、父と同じ場所に立っていたと思っています。
主君か、父か。オルステッドか、ヒトガミか。どちらに付くかで揺れたのは、ピレモンが一生やってきたことと同じです。
違ったのは降り方でした。ピレモンは負けた側から勝った側へ乗り換えて恥をかいた。ルークはシルフィの「添い遂げる」という言葉で迷いを捨て、剣を置いて首を差し出した。同じ揺れから、父とは逆の答えを出した息子だったのだと読んでいます。
グレイラット家とノトス家
グレイラット家は、アスラ王国の四方を守る上級貴族です。本家は4つあり、四大貴族とも呼ばれます。名前はどれも風の名から取られています。
| 家 | 物語での縁 |
|---|---|
| ノトス | ピレモンの家。パウロの実家で、ルーデウスはこの直系 |
| ボレアス | エリスの家。サウロスとフィリップ、のちに当主となるジェイムズ |
| エウロス | 出番は少なく、領地の名として出てきます |
| ゼピュロス | 同じく、深く描かれることはありません |
傍流のグレイラットはアスラ王国に多く、姓が同じでも血の近さは分かりません。ルーデウスとエリスが同じ姓で遠い親族なのは、これが理由です。
まとめ|ピレモン・ノトス・グレイラットとは誰か
ピレモンは、パウロの7歳下の弟で、ルークの父であるノトス家の当主です。死亡はしておらず、最後は当主の座を失って領地で軟禁されました。
- ルーデウスの叔父で、ルークの父。アニメ2期第0話から登場し、声優はてらそままさきさん
- アリエル派の中心にいたが、グラーヴェル側へ寝返り、刺客の兵まで送った
- Web版186話で、すり寄ったところをアリエルに「死んで詫びなさい」と言われた
- ルークが剣を向けて場が変わり、罪をダリウスに負わせる形で命が助かった
- 187話で当主の座を取り上げられて軟禁。ルークが当主、兄が補佐になった
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ピレモンを見ていると、パウロのほうが特別だったのだと気づかされます。
家を捨てても、剣一本で家族を守れる人はそう多くありません。家に残って、比べられながら領地を回した弟のほうが、ずっと普通の人です。普通の人が、一番してはいけない場面で、一番普通の保身をした。だから読んでいて腹が立つし、少しだけ身につまされるのだと思います。
二度裏切ったピレモンを許したアリエルの判断は、甘さとも、王として場を収めた計算とも読めます。
——あなたは、ピレモンを許したアリエルの判断を甘いと思いますか。それとも、あの夜はあれしかなかったと思いますか。よければコメントで教えてください。
よくある質問
ピレモンの生死と、186話の処刑の場面について、よく聞かれるところを置いておきます。
Q. ピレモン・ノトス・グレイラットは誰ですか。
A. アスラ王国の四大領主ノトス・グレイラット家の当主で、ミルボッツ領主です。パウロの7歳下の弟で、ルーデウスの叔父、アリエルの騎士ルークの父にあたります。
Q. ピレモンは死亡しましたか。
A. していません。アリエルに処刑を言い渡されましたが、罪をダリウスに負わせる形で命が助かりました。原作Web版187話で、当主の座を取り上げられて領地に軟禁されています。
Q. ピレモンの声優は誰ですか。
A. てらそままさきさんです。アニメ2期の第0話から登場しています。
Q. ピレモンはなぜ処刑されなかったのですか。
A. サウロスを死なせたのは自分だとダリウスが口走っていたことを、ルーデウスがアリエルに伝えたからです。アリエルは罪をすべてダリウスに負わせ、仇を討ちたいギレーヌもエリスの言葉で引き下がりました。
Q. ルークはなぜアリエルに剣を向けたのですか。
A. 父の処刑を止めたかったことと、オルステッドと手を組んだ主君の判断を疑っていたことが重なったからです。剣は腹を当てただけで、ルークはそのあと剣を捨ててひざまずき、アリエルに許されました。
Q. ピレモンとパウロは似ていますか。
A. 顔はよく似ています。けれどパウロにある余裕や自信がピレモンにはなく、家臣からは「もしパウロ様だったら」と比べられていました。
パウロの7歳下の弟です。兄の強さも、裏切ったルークも、グレイラット家の家系図も。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年10月3日


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