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ルークは、裏切ったのか
結論から言うと、裏切っています。ヒトガミの使徒にされ、父の命乞いのために主君アリエルの首に剣を当てました。ただし許され、最後はアスラ七騎士の筆頭です。
裏切りの場面は原作Web版186話「ルークの暴走」、アスラ王国編の締めくくりです。アニメでは3期第1クール(14話まで)のさらに先で、まだ描かれていません。ルーデウスとの決闘はそれよりずっと前の97話で、裏切りとは別の出来事です。
この記事でわかること
- ルークのプロフィールと声優
- ルーデウスとの決闘は、何のためだったのか
- ヒトガミの使徒になった経緯と、使徒にされた3人
- アリエルに剣を当てた場面の、本当のやりとり
- アスラ七騎士の筆頭になった結末
- 老デウスの未来での死亡と、エリスと結婚した未来
ルークのプロフィール
名前で調べた人が知りたいことを、先に表にまとめます。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 名前 | ルーク・ノトス・グレイラット |
| 家 | アスラ王国の武官貴族ノトス家。父はパウロの弟ピレモンで、ルーデウスとは従兄弟。ラノア魔法大学で会うまで面識は無かった |
| 役目 | 第二王女アリエルの守護騎士。シルフィとは同僚 |
| 剣の腕 | 剣神流中級・水神流初級。ルーデウスの見立ては「普通の剣士」 |
| 声優 | 興津和幸さん(アニメ2期から・3期も同じ) |
| 裏切ったか | 裏切った。ヒトガミの使徒にされ、Web版186話でアリエルの首に剣を当てた |
| 最後 | アリエルに許され、アスラ七騎士の筆頭「王の懐刀」になる |
外見はオールバックにまとめた茶髪の美男子で、髪をかき上げる仕草に自信がにじみます。見た目と剣の腕の落差が、ルークという騎士の設計です。共にアリエルを守っていたシルフィは、ルークを「弱い」と容赦なく言い切っていました。
決闘は、裏切りとは別の話です
ルークとルーデウスの決闘の理由を調べる人が多いので、こちらから片づけます。
Web版97話「披露宴・終了」。ルーデウスとシルフィの披露宴のあと、家の前で決闘を持ちかけたのはアリエルでした。理由を聞かれても、アリエルはただの戯れだとかわし、ルークも男ならわかるだろうと言うだけで、本当の理由は最後まで口にされません。
ルーデウスは魔術を使わず、石の剣で受けました。突っ込んできたルークの腕を、腕落としの一撃で折り、胸を蹴って剣を拾わせず、切っ先を向けたところでアリエルが止めます。ルークの剣は鉄の盾を斬れる魔道具でしたが、腕前は「普通の剣士」でした。
のちにルーデウスは、この決闘のときアリエルの側がシルフィを政争に巻き込まないと言っていたことを思い出しています。
僕はこう読む
理由を言わない決闘は、同僚を送り出すけじめだったと読んでいます。
戯れという言い方も、男ならわかるという言い方も、説明を拒む言葉です。言葉にしたら照れくさい何かがあった。
そして決闘のあと、アリエルの側はシルフィを政争から外すと言いました。剣を交えたのは、もう巻き込まないという約束の印だったのだと思っています。だからこそ、のちにルークがその約束を破りに来る場面が重くなります。
剣の腕は、はっきり凡才です
ルークの実力も押さえておきます。ここが後の展開に効いてきます。
ルークの剣術
- 剣神流……中級(攻撃の速さを重んじる、三大流派で最も強いとされる流派)
- 水神流……初級(守りと返し技の流派。要人を守る騎士が身につける)
2つの流派を修めてはいますが、中級と初級です。幼いころから英才教育を受け、身を粉にしてアリエルに仕えてきました。それでも水神や北帝が出てくる場面では、剣で主君を守ることはできません。
僕はこう読む
ルークが凡才であることは、裏切りの前提条件だと思っています。
ルークは、力でアリエルを守れません。できるのは、そばにいて判断することだけです。だから「何を信じるか」が、この人にとっては戦闘力そのものになります。
そこへヒトガミが、本当と嘘を混ぜた助言を差し込んでくる。強ければ疑わずに済んだ場面で、弱いから考えてしまった。忠誠心が足りなかったからではなく、忠誠心しか無かったから起きた裏切りだと読んでいます。
女好きの一面も、有名です
クールで仕事のできる男に見えますが、私生活はかなりのものです。
ラノア魔法大学では常に女子学生に囲まれ、2人と腕を組んで歩いているところに別の学生から誘われると、腕は2本しかないから一度に2人までと決めている、とキザに断っていました。一夜を過ごしたあとは金で片をつけ、何事も無かったように振る舞うので、一部の女性からは嫌われてもいます。
Web版171話「ルーク」でも、ルーデウスの家の前で見知らぬ女性を口説き、手を伸ばした瞬間にエリスに殴り倒されました。目を覚ましたルークは、その相手がルーデウスの妻だと知らされます。
父ピレモンもアリエルに胸のことで失言をしており、パウロは侍女リーリャとの間にアイシャをもうけています。アリエル自身がグレイラット家の男たちの好みを皮肉るくらいで、ルークの女好きも一族の血なのかもしれません。
ヒトガミの使徒に、どうやってなったのか
ここが本題です。順を追います。
アリエルはアスラ王国の第二王女で、王位継承権は第三位。2人の兄が有利な立場にいました。暗殺の動きが激しくなり、アリエルはルークとシルフィを連れて亡命し、ラノア魔法大学で政争を勝ち抜く準備をしていました。
現国王が老いて政争が最終盤に入ったころ、ルークがルーデウスの家に現れ、アリエルに力を貸してほしいと頼みます。
シルフィの幸せが壊れても、アリエルを王にしたいとまで言いました。決闘のとき巻き込まないと言った側が、自分から巻き込みに来たわけです。ルーデウスはヒトガミの名を出してカマをかけますが、ルークは知らない様子でした。それでも疑いは強まり、オルステッドとともに警戒します。
この頼み方には、ルークの忠誠の形がそのまま出ていると思います。仲間の幸せより主君の王位を上に置ける人だから、のちに主君のためと言い聞かされたときも止まれなかったのでしょう。
不信感が積み上がっていきます
アスラ王国へ向かう道中で、ルークはルーデウスに不信感を抱き始めます。ルーデウスの提案どおりに事が進みすぎたからです。
実際にはオルステッドと未来の筋書きを打ち合わせているだけですが、それを知らない人間には、何か企んでいるように見えます。そこへヒトガミから、ルーデウスがダリウスと通じてアリエルを陥れようとしていると吹き込まれていました。
さらに父ピレモンがアリエルを裏切り、第一王子グラーヴェルの側に寝返ります。アリエルもシルフィも事もなく受け入れましたが、ルークだけは激しく動揺しました。父の寝返りは、ヒトガミが教えてくれなかったことだったからです。それでもルークは、助言のほころびを自分の解釈違いだと思うことにしました。
僕はこう読む
助言が外れたのに、ルークは助言を疑わず自分の読み方を疑った。ここに使徒の怖さがあると思っています。
神の言葉が当たれば神が正しい。外れれば自分が悪い。この形に入った人は、何が起きても助言を手放せません。
ヒトガミが全部を当てる必要はない。半分当てれば、残りの半分は信じる側が勝手に埋めてくれる。ルークは、その埋め方がいちばん真面目な人でした。
王宮で、アリエルの首に剣を当てました
Web版184〜185話。アリエルは王城のパーティで第一王子グラーヴェルと上級大臣ダリウスを失脚させ、刺客の水神レイダ・リィアはオルステッドに倒され、北帝オーベールとダリウスはルーデウスたちに討たれます。
ところがオルステッドを見たルークは、オルステッドこそ悪だと確信します。あらゆる者に嫌われる呪いを受けた龍神を、人を破滅に導く邪神だと思い込み、アリエルとルーデウスもその邪神に惑わされているのではと疑いました。
186話「ルークの暴走」の結果だけを言えば、寝返りを芝居だったと言い繕ったピレモンにアリエルが死を命じ、父を見捨てられないルークがアリエルの首に剣の腹を当てて助命を求めました。止めに入ったシルフィにも、ルーデウスだって間違えると食ってかかっています。
剣の刃ではなく腹を当てたところに、ルークの迷いが出ていると思います。主君を斬る気はない。けれど父の命を守る手段が、ほかに思いつかなかった。凡才の騎士が、自分の持てる唯一の力を最悪の形で使ってしまった場面です。
シルフィの一言で、目が覚めました
シルフィは杖を向け、迷わずルーデウスを選ぶ、信じているからだと言い返します。そしてアリエルは、剣を当てられたまま、ルークに自分が何者なのかを問い、自分はあなたの王女だと告げました。
ルークは「自分は、あなたの騎士です」と答え、裏切り者として首を差し出します。
アリエルはルークを裏切り者と見なさず、許しました。ピレモンの処遇も、すべてをダリウスに押し付ける形で話をまとめます。こうしてアスラ王国での戦いは幕を閉じ、ルークは「アリエルの騎士」であり続けました。
僕はこう読む
あなたは何者かと問い返したアリエルの一言が、この作品でいちばん強い一撃だと思っています。
剣を当てられている側が、問いを返した。命乞いでも説得でもなく、役割を確かめただけです。
ヒトガミはルークに本当と嘘を混ぜて助言していました。混ぜ物で人は壊れる。混ぜ物のない一言で、戻った。この対比が、あの場面の全部だと読んでいます。
使徒にされたのは、3人です
ヒトガミがこの一件で動かしたのは、ルークだけではありません。
| 使徒 | 吹き込まれたこと・役目 |
|---|---|
| ダリウス | グラーヴェルを王にするよう助言され、アリエルの帰国の妨害から暗殺までを担った |
| 水神レイダ・リィア | ダリウスに恩があり、ダリウスに付くよう助言された |
| ルーク | アリエルの政争でルーデウスが怪しいと助言され、内側から揺さぶる役 |
ヒトガミにはオルステッドとルーデウスの姿が見えないので、ルークは2人を見張る目として使われたと考えられます。オルステッドは作中で、アリエルが王になれば自分に、グラーヴェルが王になればヒトガミに都合のいい未来が来ると語っています。ヒトガミの狙いは、アリエルを王にしないことでした。
結末は、アスラ七騎士の筆頭です
アスラ七騎士は、国王となったアリエルに忠誠を誓う7人の騎士です。後の世に、それぞれ異名が付きました。
| 異名 | 騎士 |
|---|---|
| 王の懐刀 | ルーク・ノトス・グレイラット(筆頭) |
| 王の大剣 | シャンドル・フォン・グランドール |
| 王の斧槍 | オズワルド・エウロス・グレイラット |
| 王の猟犬 | ギレーヌ・デドルディア |
| 王の門番 | ドーガ |
| 王の城壁 | シルヴェストル・イフリート |
| 王の大盾 | イゾルテ・クルーエル |
顔ぶれも強烈です。「王の大剣」シャンドルの本名はアレックス・C・ライバックで、初代北神カールマン・ライバックと不死魔王アトーフェラトーフェの子。「王の大盾」イゾルテは水王で、のちに水神レイダ・リィアの名を継ぎます。シャンドル・オズワルド・ギレーヌは「右翼の三騎士」、ドーガ・シルヴェストル・イゾルテは「左翼の三騎士」と呼ばれました。
その中でルークは筆頭です。剣の腕は凡才のままですが、弱いながら護衛を務め上げた忠誠心が認められたのでしょう。七騎士の話は、蛇足編の「アスラ七騎士物語」で読めます。
僕はこう読む
実力で並べたら、ルークは7人の中で最下位です。それでも筆頭に据えられた。
理由はたぶん、一度壊れて、戻ってきた人間だからです。裏切らなかった者より、裏切ってなお戻れた者のほうが、二度と揺れない。
死んで詫びよと言われたピレモンと、自分から首を差し出したルーク。同じ寝返りでも、2人を分けたのは戻り方でした。
ルーデウスがいない未来では、エリスと結婚しています
オルステッドが知る未来では、ルークとエリスが夫婦です。オルステッドはヒトガミを倒すために同じ200年を何度も繰り返していて、その未来にルーデウスは存在しませんでした。
エリスは苛烈な性格から「赤獅子」と呼ばれる剣士で、腕を買われてアスラ騎士団に入り、そこでルークと出会います。ルークは一目惚れして求婚を繰り返し、エリスは殴って追い返していたものの、ついに根負けしました。夫婦仲は良く、2人で何度も暗殺者からアリエルを守ったそうです。これを聞いたルーデウスは、嫉妬を隠せませんでした。
老デウスの未来では、内乱で死亡しています
ルークには死亡する未来もあります。明かしたのは、約50年後から過去へ渡ってきた老ルーデウスです。アニメでは3期12話「終わりと始まり」と13話「日記」で描かれました。
老ルーデウスの話では、ロキシーを亡くして沈んだシルフィに、神のお告げを聞いたと語るルークが付け入ります。シルフィはアリエルとともにアスラ王国へ渡り、第一王子グラーヴェルと第二王子ハルファスを同時に討つクーデターを起こしますが、水神と北帝に阻まれて失敗しました。
日記によれば、王都の処刑場にはアリエルの手勢の亡骸が晒され、その中にルークとシルフィもいました。人々は平和を乱した犯罪者として石を投げていたといいます。アリエルは捕らえられ、後日処刑されると伝え聞いています。
つまりルークが使徒にされること自体は、別の未来でも起きていました。違ったのは、止める人間がそばにいたかどうかです。
まとめ|ルークの裏切りをどう読むか
ルークは裏切っています。ただし戻ってきて、最後は筆頭騎士になりました。
決闘(Web版97話)
- 披露宴のあと、アリエルが戯れとして持ちかけた
- ルーデウスが石の剣と腕落としで一撃。理由は最後まで語られない
裏切り(Web版186話)
- ヒトガミにルーデウスが怪しいと吹き込まれた使徒
- オルステッドを邪神と思い込み、父ピレモンの助命のためにアリエルの首に剣を当てた
- ルーデウスを信じるシルフィと、何者かを問うアリエルの言葉で戻った
その後
- アスラ七騎士の筆頭「王の懐刀」
- ルーデウスのいない未来ではエリスの夫、老デウスの未来では内乱で死亡
- アニメでは裏切りの場面はまだ(3期第2クールは2027年)。声優は興津和幸さん
裏切りの理由は、ヒトガミに吹き込まれた疑いと、父を見捨てられない情でした。戻れた理由は、アリエルとシルフィが役割を思い出させる言葉で呼び戻したからです。
僕はこう読む
この作品が繰り返し書いているのは、失敗そのものではなく、失敗のあとの立ち方だと思っています。
老デウスの未来のルークは、誰にも止められないまま処刑場に晒されました。本編のルークは、同じ使徒にされながら、剣を当てた相手に何者かと問われて戻った。
人を壊すのも一言、戻すのも一言。ルークの章は、その一番はっきりした例だと読んでいます。
そのうえで、まだ残る問いがあります。老デウスの未来でヒトガミがルークに何を言ったのかは、明かされていません。神のお告げを聞いたと本人が語った記録があるだけです。あの未来のルークが、シルフィの一言を聞く機会を持てたのかどうか。ここは書かれないまま閉じられています。
——あなたはルークが許されるべきだったと思いますか。それとも首を刎ねられるべきだったと思いますか。よければコメントで、あなたの読み方を聞かせてください。
よくある質問
ルークは裏切りと97話の決闘が別の出来事のため、混ざって語られやすい人物です。切り分けて置いておきます。
Q. ルークは裏切ったのですか。
A. 裏切っています。ヒトガミの使徒にされ、Web版186話で父ピレモンの助命を求めて主君アリエルの首に剣を当てました。アリエルに許され、のちにアスラ七騎士の筆頭になります。
Q. なぜルーデウスと決闘したのですか。
A. 披露宴のあとにアリエルが「ただの、戯れです」と持ちかけたもので、ルークも理由を言いませんでした。決闘のあと、アリエルの側はシルフィを政争に巻き込まないと約束しています。
Q. 決闘はどちらが勝ちましたか。
A. ルーデウスです。魔術を使わず、石の剣と「腕落とし」でルークの腕を一撃で折りました。
Q. ヒトガミの使徒は誰でしたか。
A. アリエルの一件では3人です。上級大臣ダリウス、水神レイダ・リィア、そしてルークでした。
Q. ルークの裏切りはアニメの何話ですか。
A. まだアニメになっていません。3期第1クールは14話「覚悟」で終わり、アスラ王国編は2027年の第2クール以降です。
Q. ルークの声優は誰ですか。
A. 興津和幸さんです。アニメ2期から演じていて、3期も同じです。
ヒトガミの使徒でした。同じ使徒のギース、嫌われるシルフィ、ガウニスへ。
もう一人の使徒ギースはなぜ裏切ったのか?ヒトガミの使徒で、故郷を滅ぼされても恩を返した!同じ使徒のギースは、故郷を滅ぼした相手に仕えます。
託された相手シルフィがなぜ嫌われる?フィッツ時代の秘密と優しさがウザいと思われる理由を徹底解説!ルークと王女を守ったシルフィの評判です。
真の王ガウニスガウニス・フリーアン・アスラとは誰か?ペルギウスが真の王と呼んだ約400年前の王です!ペルギウスが真の王と呼ぶ約400年前の王です。
この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年10月9日


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