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なぜプレアデス監視塔へ向かうのか
結論から言うと、魔女教に姿を変えられた人と、名前を食べられた人を元に戻す方法を、監視塔にいる「賢者シャウラ」に聞くためです。
場面は原作Web版5章78話『水門都市に残る波紋』です。水門都市プリステラでの魔女教との戦いが終わり、王選の各陣営と都市の代表が集会場に集まりました。話し合われたのは3つ。捕まえた憤怒の大罪司教の扱い、色欲に姿を変えられた住民、そして暴食に名前を食べられた「名無し」です。
大罪司教本人から治し方を聞き出せないなら、知っていそうな人に聞けばいい。最後にそう言ったのがアナスタシアでした。「――賢者シャウラ」。6章の監視塔の旅は、この提案から始まります。ここでは、話し合いで決まったことを結果として先に置き、それぞれの意味を読んでいきます。
この記事でわかること
- 5章78話『水門都市に残る波紋』で話し合われた3つの議題
- 憤怒の大罪司教シリウスがどう扱われたか
- エミリアのコールドスリープは何のためか
- 名無し36人と、ユリウスを誰も覚えていなかった場面
- 同じ異世界から来たアルも、ユリウスを忘れていた意味
- アナスタシアが賢者シャウラの名前を出した理由
5章78話の話し合いを表で見る
監視塔へ向かう理由で調べた人が知りたいことを、先に表にまとめます。
| 議題 | 決まったこと |
|---|---|
| 憤怒のシリウス | 殺さずに王都へ送る。護送はラインハルト、フェルトも同行 |
| 色欲に姿を変えられた住民 | エミリアの魔法で凍らせて眠らせ、心を守る時間を作る(家族の同意を取ってから) |
| 暴食の「名無し」 | 見つかったのは36人。意識が無く、素性も分からない |
| 治し方の当て | プレアデス監視塔の「賢者シャウラ」に聞く(アナスタシアの提案) |
話数は原作Web版 第五章78『水門都市に残る波紋』です。アニメでは4期67話のあらすじに、失った代償の大きさと、アナスタシアの提案で賢者シャウラのいるプレアデス監視塔へ向かうと決める流れが書かれています。
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表を見ると、3つの議題のどれにも「治った」という答えがありません。決まったのは、殺さない、凍らせる、探す、の3つだけです。
戦いには勝ったのに、傷を元に戻す手段は1つも手元に残らなかった。だから監視塔の旅は冒険ではなく、負けたものを取り戻しに行く旅として始まるのだと読んでいます。
話し合いの前に、ラインハルトもユリウスを覚えていなかった
回は、隣に立つユリウスに心当たりがあるかとスバルが問い、ラインハルトが見覚えのない人物だと答える場面から始まります。
近衛騎士団の同僚で、親しい友人でもあったはずの2人です。王国最強の剣聖でも、暴食の権能からは逃れられませんでした。ユリウスは目を伏せながら、自分から話を引き取ります。アナスタシアもまた、そばにいる自分の一の騎士に呼びかけないまま、平然と会議を始めました。
憤怒のシリウスは殺さず、王都へ送る
最初にぶつかったのは、フェリスとアナスタシアでした。クルシュは色欲の血を浴びて黒い斑が体に広がり、フェリスの治癒魔法でも小康状態にとどめるのがやっとです。フェリスは手がかりを失いたくないと、捕まえた憤怒の大罪司教シリウスを生かしておくよう訴えます。アナスタシアは、生かしておけば必ず不和を呼ぶと処刑を推しました。
スバルはフェリス寄りでした。生かしておく不安は残るが、急いで結論を出すなと言い、最悪の場合はクルシュの黒紋を自分の体で引き受ける手もあると口にします。スバルの手と右の太ももには、すでに同じ黒い紋が出ていました。
最後は、ラインハルトが王都への護送を引き受けて決着します。フェルトはシリウスを殺すべきだと言いながら、ラインハルトが行くなら自分も行くと決め、ラインハルトを嫌いなことは変わらないと付け加えています。
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フェルトはシリウスを殺せと言いながら、ラインハルトについて王都へ行くと決めました。
嫌いだと言い続ける騎士の隣に、自分から並ぶ。理由を聞かれても自分で考えろとはぐらかす。言葉では突き放しながら、行動では離れない。友人に忘れられたユリウスの話の前に、覚えていても素直になれない主従を置いたところに、この会議の組み立ての妙があると読んでいます。
エミリアのコールドスリープは何のためか
エミリアのコールドスリープは、色欲に蝿へ変えられた人たちの心を、治し方が見つかるまで守るためのものです。
色欲の権能で、住民の1人は黒竜に、十数名は巨大な蝿に姿を変えられていました。フェリスはケガでも病気でもないので治せないと言い、プリシラは戻る見通しの無い者は死を望んでいるだろうと言い切ります。話は、家族と本人の意思を確かめて都市で引き取る方向にまとまりかけました。
そこで手を挙げたエミリアは、今すぐ元に戻す方法は分からないが、早まった結論は出さないでほしいと訴えます。自分の魔法で凍らせて眠らせればいい、とスバルがコールドスリープの考え方で受け止めました。教会の花嫁たちに短時間使って加減は分かったし、自分も百年ほど眠っていたことがある、とエミリアは言います。結果、リリアナの後押しもあり、家族に確かめたうえでエミリアに任せることが決まりました。
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エミリアが自分の氷を「守るため」に使おうと言い出すのは、これまでにない姿です。
しかも根拠は、自分が百年眠っていた体験でした。自分を閉じ込めていた氷を、他人の時間を守る道具に変える。死を望んでいるだろうというプリシラの見方に対して、待つことを選べる側に回ったのがエミリアの答えだったと思っています。
名無し36人と、ユリウスの名前
最後の議題は、都市のあちこちで見つかった、素性の分からない意識不明の人たちでした。『白竜の鱗』のダイナスの報告では、名無しは36人。中には、揃いの刺繍が入った隊服から『白竜の鱗』の一員だったと思われる者もいます。フェリスの見立てでは、ただ眠っているだけで、なぜ目覚めないのか分からない。1年前に同じ目にあったレムと同じ状態でした。
そこでスバルは隣の男の名前が分かる者はいるかと尋ね、誰も答えられませんでした。スバルがユリウス・ユークリウスだと明かすと、フェリスは、周りに忘れられても本人は覚えている場合があるのかと震えます。ユリウスは、自分は皆を友人だと思っていた、と静かに返しました。
名無しの36人は意識が無く、ユリウスは意識があるのに誰にも覚えられていない。同じ暴食の被害でも、眠っている人と起きている人では苦しみの形が違う、ということがここで並べて示されています。主のアナスタシアも、ユリウスを、大ケガをしたリカードを担いできてくれた人として扱いました。主従の、本来あるべきではない二度目の初対面です。
同じ異世界から来たアルも、ユリウスを忘れていた
スバルはアルを名指しし、自分と同じ条件のアルなら覚えていないかと身を乗り出します。2人に共通するのは、異世界から呼ばれたことでした。アルはその意図を察したうえで、力にはなれないと首を振ります。
ここでスバルは結論を出します。地の文の言葉では、暴食の権能の影響に、その世界の出自は関係ない。理由として濃いのは、スバルの体の中にある魔女因子と、ベアトリスの『扉渡り』による外からの隔離だろう、というものでした。
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6章で記憶を失ったスバルは、エミリアの名前を食べられても覚えていた理由を、異世界から来たからではと考え直します。
ところが5章78話のスバルは、アルを試してその答えをもう消していました。記憶をなくしたせいで、一度たどり着いた結論にもう一度つまずく。この会議の場面を知っていると、6章のスバルの仮説がいっそう心細く読めると思っています。
アナスタシアが賢者シャウラの名前を出した理由
色欲の被害者も、暴食の名無しも、治し方は大罪司教しか知らない。アナスタシアはそう整理したうえで、答えを引っ張り出す方法は1つだけではないと言いました。
性格の悪い大罪司教から聞き出せないなら、ほかに知っていそうな人に聞けばいいというのがアナスタシアの言い分です。周りの何人かが息をのみ、事情を知らないスバルとフェルトだけが首をかしげます。アナスタシアが挙げたのが「――賢者シャウラ」でした。プレアデス監視塔にいるはずの賢者は、この世界の全てを見通しているという伝説がある。それなら知っていてもおかしくない、という提案で回は終わります。
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提案したのが、ユリウスを忘れたアナスタシアだという点が引っかかります。
アナスタシアは、自分の騎士を取り戻すためだとは知らないまま、ユリウスを取り戻す旅の行き先を指さしている。忘れた本人が、忘れたものを探しに行く道を開く。そして6章でたどり着いた塔の「賢者」は、伝説とはまるで違う相手でした。正しい理由で、間違った当てに向かう旅として始まった回だと読んでいます。
まとめ|監視塔へ向かうのは、取り戻すための旅
Web版5章78話『水門都市に残る波紋』で、スバルたちは色欲に姿を変えられた人と、暴食に名前を食べられた人の治し方を、賢者シャウラに聞くために、プレアデス監視塔を目指すことになりました。
- 憤怒のシリウスは殺さず、ラインハルトが王都へ護送。フェルトも同行する
- 蝿に変えられた住民は、エミリアのコールドスリープで心を守る時間を作る
- 名無しは36人。ラインハルトもアナスタシアもユリウスを覚えていなかった
- 同じ異世界から来たアルも忘れていた。スバルは出自ではなく魔女因子が理由だと考えた
- アナスタシアの提案で、賢者シャウラのいるプレアデス監視塔へ向かうことになった
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会議で決まったことを並べると、殺さない、凍らせる、聞きに行く、とどれも時間を稼ぐ選択ばかりです。
プリシラのように早く終わらせる答えもあったのに、エミリアたちは待つほうを選んだ。待つと決めた以上、誰かが答えを取りに行くしかない。監視塔の旅は、その「待つ」の責任を引き受けた人たちの旅だと思っています。
監視塔へ向かう旅は、戦いで失ったものを取り戻すための旅でした。そして行き先を指したアナスタシア自身が、取り戻すべき騎士を忘れているところから始まっています。
——あなたは、監視塔へ向かうと決めたこの会議は、希望のある出発だったと思いますか。それとも、忘れたものを抱えたままの危うい出発だったと思いますか。よければコメントで教えてください。
よくある質問
5章78話と、プレアデス監視塔へ向かう理由について、よく聞かれることを置いておきます。
Q. スバルたちはなぜプレアデス監視塔へ行くのですか。
A. 色欲に姿を変えられた人と、暴食に名前を食べられた人を元に戻す方法を、監視塔の賢者シャウラに聞くためです。Web版5章78話で、アナスタシアが提案しました。
Q. エミリアのコールドスリープとは何ですか。
A. 色欲に蝿へ変えられた住民を、エミリアの魔法で凍らせて眠らせる方法です。治し方が見つかるまで、本人たちの心を守る時間を作るためでした。
Q. 憤怒のシリウスはどうなりましたか。
A. 5章78話の話し合いで、殺さずに王都へ送ることが決まりました。護送はラインハルトが引き受け、フェルトも同行します。
Q. ラインハルトはユリウスを覚えていましたか。
A. 覚えていませんでした。暴食に名前を食べられたユリウスは、友人のラインハルトやフェリス、主のアナスタシアの記憶からも消えていました。
Q. アルはなぜユリウスを忘れていたのですか。
A. アルもこの世界の人と同じように暴食の権能の影響を受けたからです。スバルはこれで、異世界から来たかどうかは関係なく、自分が忘れない理由は体の中の魔女因子が濃いと考えました。
Q. 監視塔へ向かう流れはアニメでは何話ですか。
A. 4期67話です。あらすじに、アナスタシアの提案で賢者シャウラの住まうプレアデス監視塔へ向かうと決める流れが書かれています。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年10月3日


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