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壁の中の巨人は誰が作ったのか
結論から言うと、作ったのは145代目フリッツ王です。始祖の巨人の力で、硬質化させた超大型巨人をぎっしり敷き並べたものが、あの三重の壁でした。
人類を守っていた高さ50メートルの壁は、実は巨人の体そのものでした。この事実が読者に突きつけられたのが原作34話「戦士は踊る」で、崩れた壁の断面から巨人の顔が出てきます。
この記事では、壁がどういう構造で、誰がいつ作ったのかを順に見ていきます。よく見かける「約50万体」という数字がどこから来たのかも、あとで扱います。
この記事でわかること
- 壁を作ったのは145代目フリッツ王で、材料は超大型巨人
- 三重の壁の高さと距離(50メートル・外周960キロ)
- 「約50万体」は作中の数字ではない(カイの読み)
三重の壁がどう並んでいるか
外側から順に、ウォール・マリア、ウォール・ローゼ、ウォール・シーナの三重です。数字にすると、規模がはっきりします。
| 壁の名前 | 位置 | 中心からの距離 |
|---|---|---|
| ウォール・シーナ | いちばん内側 | 中心から250キロ |
| ウォール・ローゼ | 真ん中 | シーナからさらに130キロ外 |
| ウォール・マリア | いちばん外側 | ローゼからさらに100キロ外 |
| 共通 | 高さ | 50メートル。外周はおよそ960キロ |
外周960キロというのは、巨人の体を960キロぶん並べたということです。壁を築いたのではなく、巨人を並べて固めたと言ったほうが実態に近い構造でした。
僕はこう読む
この距離を見て思うのは、壁は守るためだけのものではないということです。
中心からシーナまで250キロ、そこからさらに230キロ。これだけ離れていれば、内側の人間は外の壁が破られたことすら当分知りません。
三重にしたのは巨人を三回止めるためだと説明されがちですが、むしろ「何が起きているか分からないようにする」ための距離だと読んでいます。
壁は防壁であると同時に、情報を遮る仕掛けでもありました。
34話、崩れた壁から顔が出た
壁の中身が読者に見えたのは、原作34話「戦士は踊る」です。壁の一部が欠け、そこから巨人の顔がのぞきました。アニメでは第26話「獣の巨人」にあたります。
それまで壁は、ただの分厚い石の壁として描かれていました。人類を守っていたものの正体は、人類が戦っていた相手そのものでした。この一コマで、作品の前提が入れ替わります。
なお、壁の中身を知っていた人間はいました。ウォール教のニック司祭です。壁に手を触れさせまいとしていた理由も、この34話で筋が通ります。
僕はこう読む
34話がうまいのは、誰も説明してくれないことです。
巨人の顔が出たところで場面が切れて、そのあと長いあいだ答えが来ません。
読者はウォール教の異常な態度を思い返しながら、自分で意味を組み立てるしかありませんでした。
説明を後回しにしたぶんだけ、このコマは強く残ったのだと思っています。
作ったのは145代目フリッツ王
壁を築いたのは、エルディアの王だった145代目フリッツ王です。カール・フリッツとも、初代レイス王とも呼ばれます。
マーレとの争いに敗れ、九つの巨人のうち七つを奪われた王は、パラディ島へ逃げました。そこで始祖の巨人の力を使い、硬質化させた超大型巨人を並べて島を囲みます。この背景がまとめて語られるのは、21巻から22巻にかけてです。
王が壁の内側に持ち込んだのは、建物と人だけではありません。記憶の改ざんによって、外の世界の存在そのものを消しています。
僕はこう読む
フリッツ王がやったことを「逃げた」とだけ読むと、あの壁の異様さが説明できないと思っています。
逃げるだけなら、巨人を並べる必要はありません。石を積めば済みます。
あえて巨人で囲ったのは、いざというときにそれを動かせるからです。壁は避難所であると同時に、いつでも外へ向けられる兵器でした。
百年後にエレンがその通りに使うことになるのは、王がはじめからそう作っていたからだと読んでいます。
なぜ百年も気づかれなかったのか
壁の中身は、見ようと思えば見える場所にありました。それでも百年のあいだ誰も知らずにいたのは、二重の仕掛けがあったからです。
ひとつは記憶の改ざんです。始祖の巨人の力で、壁の内側の人間からは外の世界の記憶そのものが消されていました。もうひとつがウォール教で、壁を神聖なものとして扱い、手を加えることを禁じています。
調査兵団が壁に穴を開けようとするたび、ウォール教が体を張って止めていたのは信仰心からではありませんでした。中身を見られたら終わるからです。ニック司祭の頑なさは、34話まで読者にただの狂信に見えていました。
僕はこう読む
この二重の仕掛けは、どちらか片方では成り立ちません。
記憶を消しただけなら、壁を削った誰かがいずれ中身に気づきます。禁じただけなら、外の世界を覚えている者が理由を探り当てます。
フリッツ王は「知らせない」と「触らせない」を両方用意しました。
百年もったのは壁が硬かったからではなく、この二つが噛み合っていたからだと読んでいます。
壁の巨人は何体いるのか
よく「約50万体」という数字を見かけますが、これは作中に出てくる数字ではありません。壁の長さと巨人一体あたりの幅から、読者が逆算したものです。
作中では規模として語られるだけで、正確な体数は最後まで示されませんでした。数えられるものとして描かれていない、というのが正確なところです。
なお、壁の巨人がどうやって動き出すのかについては、日光との関係と、始祖の巨人による命令という二つの話があります。そこは別の記事で扱っています。
まとめ
壁の中の巨人を作ったのは145代目フリッツ王です。始祖の巨人の力で硬質化させた超大型巨人が、高さ50メートルの三重の壁になっていました。
この記事で見てきた決め手を並べておきます。
- 壁の正体が見えたのは原作34話「戦士は踊る」(アニメ26話)
- 作ったのは145代目フリッツ王。別名カール・フリッツ、初代レイス王
- 高さ50メートル、外周およそ960キロの三重構造
- 背景がまとめて語られるのは21巻から22巻
- 「約50万体」は読者の推計で、作中の数字ではない
僕はこう読む
この壁がすごいのは、百年ものあいだ誰にも気づかれずに機能していたことだと思っています。
内側の人間は壁を信じ、外の世界を知らず、壁の中身も知りませんでした。
守られていたのではなく、閉じ込められていた。そう読み替えられる瞬間が34話に置いてあるのが、この作品の作りの巧さだと思います。
あの三重の壁を守るためのものと読むか、閉じ込めるためのものと読むかで、フリッツ王が選んだ百年の意味がずいぶん変わってきます。
——あなたはあの三重の壁を、守るためのものだと思いますか。それとも閉じ込めるためのものだと思いますか。よければコメントで、どちらに近いか教えてください。
よくある質問
145代目フリッツ王が並べた巨人について、34話のあとで必ず出てくる疑問をまとめました。
Q. 壁の中に巨人がいると分かるのは何話ですか。
A. 原作34話「戦士は踊る」です。崩れた壁の断面から巨人の顔が出てきます。アニメでは第26話「獣の巨人」にあたります。
Q. 壁の高さはどれくらいですか。
A. 物語の当初から50メートルとされています。三重の壁の外周はおよそ960キロで、中心からウォール・シーナまでが250キロです。
Q. 壁の巨人は全部で何体いますか。
A. 作中では示されていません。よく見かける約50万体という数字は、壁の長さから読者が逆算した推計にすぎず、公式の設定ではありません。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年9月21日


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