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【はじめの一歩】木村VS間柴はなぜ泣けるのか?TKO負けの後、3センチ足りなかったと泣きました!

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木村VS間柴は、なぜ泣けるのでしょうか

結論から言うと、意識を失ったまま立ち上がってファイティングポーズを取った木村が、TKO負けのあと一人になって「3センチ、後3センチの根性が足りなかった」と泣くからです。

日本ジュニアライト級タイトルマッチ、間柴了VS木村達也。作中でもベストバウトと名高い一戦で、32巻に収録されています。この記事では、泣ける理由がどの場面にあるのかを順に追います。

この記事でわかること

  • 木村が試合前に引退を宣言していたこと
  • ドラゴンフィッシュブローがどう生まれたか
  • 3度打ち込んだのに届かなかった結末
  • 「3センチ」の意味
  • 木村タツヤへの改名と再起宣言

木村は、負けたら引退と宣言していました

木村達也は鴨川ジム所属のプロボクサーです。青木とは親友で、鷹村と出会ってボクシングを始めました。変則的なファイターの青木とは対照的に、足を使うアウトボクサーです。

後輩の宮田一郎からは「弱点のない、すべてにおいてハイレベルで三拍子揃ったボクサー」と評されます。ただし同時に、「怖さのないボクサー」とも言われました。

この痛いところを突かれた木村はナーバスになります。そして間柴戦の前に、負けたら引退と宣言しました。

相手の間柴了は、勝利への執念が異常な王者です

間柴了は日本ジュニアライト級チャンピオン。東日本新人王決勝で幕之内一歩と戦った相手でもあります。

両親を亡くしており、妹の久美と2人暮らし。信じるのは自分だけという男です。勝利への執念はすさまじく、反則などのダーティファイトも厭いません。

それでいて能力が高い。長い手足から繰り出されるフリッカージャブ、長身から振り下ろす右のチョッピングライトは破壊力抜群です。

ドラゴンフィッシュブローは、無精髭の期間に生まれました

打開策の無いまま焦る木村は、公園にタイヤを巻きつけてジムワークとは別に練習を積み、年下の宮田にもスパーリングで教えを請います。

それでも見つかりません。転機は、木村の家を訪れた青木と一歩の激励、そして一歩の思わぬ行動でした。ここからヒントを得ます。

そしてスタイリッシュだった木村が無精髭を生やしたまま、ついに必殺技を完成させました。

ドラゴンフィッシュブロー——ボディを打ち続けてガードを下げさせ、ガラ空きになった顎にオーバーハンドの渾身の右を打ち込むパンチです。

僕はこう読む

この技が効くのは、木村の弱点そのものから作られているからだと思っています。
「怖さがない」と言われた男が出した答えが、一発の怖さではなく、打たれ続けて作る一発でした。
他人を怖がらせる方法ではなく、自分が耐える方法を選んでいる。三拍子揃った器用な人が、最後に器用さを捨てた技です。

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身を削って、フリッカーを見切りました

試合序盤、木村は間柴のフリッカーにさらされ続けます。体には無数のミミズ腫れができました。

ですが、これが伏線でした。あえてフリッカーを受け続けることで間柴の体に癖をつけ、同時にフリッカージャブを見切っていたのです。万全の状態で必殺技を打ち込むために耐えていました。

耐え続けた木村は、間柴の左に合わせてボディブローを打ち始めます。間柴も左一本で倒そうとして打ち疲れが出はじめ、木村は執拗にボディを打ち続けました。

ダメージこそ無いものの、間柴は苛立ち、ガードを下げます。

そこへ、ドラゴンフィッシュブローが炸裂しました。

3度打ち込んで、それでも届きませんでした

天井を見つめる間柴は、自分が何をもらったのかも分からない状態です。それでも混乱しながら立ってきます。

ガードを固める間柴に、木村はまたボディを打ちました。またガラ空きになった顎へ、2度目のドラゴンフィッシュブロー。

間柴はダウンを拒否し、木村の強さを認めて打ち合いに出ます。満身創痍で限界を超えているように見えました。

木村は「あと1発」と3度目を放ちます。振り切れば勝ち——そう確信した瞬間、リーチの長い間柴のパンチが、苦し紛れながら先に当たりました。

木村陣営はタオルを投げ込もうとして、躊躇します。木村が立ち上がってきたからです。そしてファイティングポーズを取ります。

ですがレフェリーは腕を交差し、ゴングが鳴りました。立ち上がった時点で、木村はすでに意識を失っていたのです。

リングに上がってきた青木に反応してパンチを出そうとし、それが青木だと分かって——木村は、負けたことに気づきます。

僕はこう読む

この試合が特別なのは、負けた瞬間を本人が知らないところだと思っています。
意識が無いのに立ち、ポーズを取り、まだ戦おうとしている。体のほうが先に「まだ終わっていない」と言っているわけです。
「怖さがない」と言われた男の、いちばん怖い姿がここでした。そしてそれを本人だけが見ていない。
青木に気づいて我に返る一連が、この試合でいちばん残酷な数コマだと思います。

「3センチ、後3センチの根性が足りなかった」

宣言どおり、控え室に戻った木村はマスコミの前で引退を表明します。

そして帰り道、一人になった木村が呟きました。

「3センチ、後3センチの根性が足りなかった」
「ずっと後悔するのか」

そう言って、涙を流します。

ここが、この試合が泣けると言われる場所です。負けた直後ではなく、全部終わって一人になってから出てきた涙でした。

木村タツヤと改名して、再起を宣言します

そして木村は気がつきます。ボクシングが生きがいだったと。

リングネームを「木村タツヤ」と改め、再起を宣言しました。

引退を宣言した男が、自分で決めた退路を自分で断ち切って戻ってくる。3センチが足りなかったと泣いた人が、その3センチを取りに戻るという形になっています。

僕はこう読む

改名がうまいと思っています。
木村達也は引退しました。宣言は嘘になっていません。戻ってきたのは木村タツヤという別の名前の男です。
名前を変えることでしか自分の言葉と折り合いをつけられなかった、という読み方もできます。
そこまで含めて、この人は最後まで「怖さがない」と言われた不器用さのままだったと思います。

作中屈指のベストバウトとして扱われています

この試合は、木村にとって初のタイトルマッチでした。間柴をここまで追い詰めるとは、誰も予想していなかったと思います。間柴自身も、木村を最強の挑戦者と認めました。

読者の評価も高く、2009年の20周年読者投票では4位に入っています。オリジナルビデオ作品も制作され、そちらも高評価を得ました。

なお、間柴はその後の木村の不甲斐なさに対して、「自分の時だけいい試合しやがって」と汚点のように言っています。

まとめ|木村VS間柴をどう読むか

泣ける理由は、勝ち負けではなく、負けたあとに一人で泣いた場面にあります。

決め手だけ並べます。

  • 木村は負けたら引退と宣言して臨んだ。宮田に「怖さがない」と言われた直後だった
  • フリッカーを身を削って受け続け、見切ったうえでドラゴンフィッシュブローを完成させた
  • 技は3度炸裂したが、3発目の直前に間柴のパンチが先に当たった
  • 意識を失ったまま立ち上がってファイティングポーズを取り、TKO負け
  • 控え室で引退を表明し、一人になってから「3センチ、後3センチの根性が足りなかった」と泣いた
  • その後木村タツヤと改名して再起を宣言している

僕はこう読む

この試合は、努力が報われない話です。
弱点を突かれ、技を作り、身を削って見切り、3度当てて、それでも届かなかった。やれることを全部やって負けています。
それでも泣けるのは、木村が負けを認めたあとにもう一度立ったからだと思います。リングの上で無意識に立ったのと、引退を撤回して戻ったのは、たぶん同じ動作です。

そのうえで、残る問いがあります。あの3センチは、本当に根性の問題だったのか。木村は身を削ってフリッカーを受け続けたぶん、3発目の時点で消耗しきっていました。耐える作戦を選んだこと自体が、最後の一発を遅らせたとも読めます。

——あなたは木村に足りなかったものを、3センチの根性だと思いますか。それとも、耐えて勝つ作戦そのものの限界だったと思いますか。よければコメントで、あなたの読み方を聞かせてください。

よくある質問

木村のドラゴンフィッシュブローが3度も決まったうえに、本人が意識を失ったまま立ち上がるため、間柴との勝敗と結末が混同されがちです。細かい点を拾っておきます。

Q. 木村VS間柴はどちらが勝ちましたか
A. 間柴の勝ちです。木村は意識を失ったまま立ち上がってファイティングポーズを取りましたが、レフェリーが試合を止めてTKO負けとなりました。

Q. ドラゴンフィッシュブローはどんな技ですか
A. ボディを打ち続けてガードを下げさせ、ガラ空きになった顎にオーバーハンドの渾身の右を打ち込むパンチです。この試合では3度炸裂しています。

Q. 木村が言った「3センチ」とは何ですか
A. 一人になった帰り道での言葉です。「3センチ、後3センチの根性が足りなかった」「ずっと後悔するのか」と呟いて涙を流しました。

Q. 木村は引退したのですか
A. 試合前の宣言どおり、控え室でマスコミの前に引退を表明しています。ただしその後、ボクシングが生きがいだったと気づき、木村タツヤと改名して再起を宣言しました。

Q. この試合は何巻に載っていますか
A. 32巻です。2009年に行われた20周年の読者投票では4位に入っており、オリジナルビデオ作品も制作されています。


この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年9月8日

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