- 月島といご草ちゃんは幼馴染で恋人だった
- 月島は父親を殺し囚人となった
- いご草ちゃんは実は生きていた驚きの真実
本記事では『ゴールデンカムイ』に登場する月島基の過去をまとめました。
鶴見の忠実な部下であり「第七師団唯一の常識人」として人気を博すほど無表情に淡々と任務をこなす姿が描かれてきた月島。
しかしその無表情の裏に悲しく切ない過去を持っていたことが明らかになりました。
鶴見に従う理由もここにありましたが、その心情があまりに闇深すぎました。
それでは月島にはどんな過去があるのか、時系列順に分かりやすくご紹介していきます!
目次
【ゴールデンカムイ】月島の過去は彼女なしで語れない!!「いご草ちゃん」とは??
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月島の過去。佐渡の島で疎まれ育った少年時代と、いご草のような髪の娘との記憶。鶴見との対面。https://t.co/LZ8JGWNfpr
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月島を語るに欠かせないのが「いご草ちゃん」です。
いご草ちゃんは月島の幼馴染の女の子。
本名を「春見ちよ」と言い、いご草(海藻のえご草のことで、月島の故郷・佐渡ではいご草と呼ばれています)に似たクセのある髪の毛をしていたことから、島の皆に「いご草」とからかわれていました。
しかし月島はその髪が好きで、いご草ちゃんをからかう者たちと喧嘩することもありました。
そんな月島は、悪い噂の絶えない父親を持っていたこともあり「人殺しの息子」「荒くれ者」などと呼ばれ島中で嫌われていましたが、いご草ちゃんだけは唯一「基ちゃん」と名前で呼んでくれていました。
そんな2人は互いに惹かれ合い、月島が陸軍に入った際には「日清戦争から帰ってきたら駆け落ちしよう」と約束をしていました。
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月島が陸軍に入ったのは1894年頃のこと。
きっかけはおそらく徴兵です。
当時鶴見もいた新潟県新発田市の第二師団に入隊し、直後の1894年7月に日清戦争が始まりました。
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1895年に日清戦争が終結しますが、月島はいご草ちゃんとの駆け落ちどころか、囚人になってしまいます。
理由は父親を殺害したことによる尊属殺人。
日清戦争を終え月島が佐渡に帰ると、何故か「月島は戦死した」という噂が流れており、月島が帰る10日前からいご草ちゃんが行方不明になった(自殺っぽい)と聞かされました。
月島はいご草ちゃんの履物が見つかったという海岸を来る日も来る日も探し回りますが、いご草ちゃんは見つからず。
そこで「月島は戦死した」というデマを誰が流したのかを突き止めると、月島の父親が犯人だったことが発覚しました。
すると月島はこれまで溜まっていたものも爆発させ怒りのままに父親を殴殺し、死刑囚となってしまったのでした。
月島を監獄から出したのは鶴見
月島を救ったのは鶴見でした。
陸軍監獄にて月島の話を聞いた鶴見は、後に月島に「いご草ちゃんは自殺していなかった」と報告。
いご草ちゃんは、三菱財閥の幹部の息子に嫁ぐため東京へ移ったのだと言いました。
鶴見が言うには、いご草ちゃんを気に入った財閥幹部の息子へ嫁がせるために、彼女の両親が月島の父親に金を渡してデマを吹聴させたそう。
そうして島を巻き込みながら、いご草ちゃんを諦めさせるために月島の戦死を、月島を諦めさせるためにいご草ちゃんの自殺を偽装したという話でした。
一通り説明すると鶴見は、いご草ちゃんから預かってきたという彼女の髪の束を月島に渡しました。
そして「自分は第七師団に転属となり、来たるロシアとの戦争に備え情報将校としてロシアに行く。その際に信頼できる優秀な通訳であり部下であるお前を連れていくから、死ぬ気でロシア語を勉強しろ」と月島に言い放ったのでした。
それにより月島はロシア語を猛勉強することになり、最終的に釈放され第七師団に移ったのでした。
樺太編で月島がロシア語を話せていたのは、月島を牢から出すために鶴見が強引に習得させたからなのです。
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その後月島は1897年に鶴見とロシアに行ったり、1902年に鯉登音之進誘拐事件を手伝ったりと、鶴見の右腕として任務をこなしていきました。
しかし1904年日露戦争・奉天での野戦病院にて、月島は同郷の兵士に会い衝撃の事実を聞きます。
それは「月島が捕まった直後に、いご草ちゃんの骨が月島父の家の床下から見つかった」ということ。
9年前の鶴見の話が嘘だったと知り、月島は激昂し鶴見に殴りかかりました。
すると鶴見は「誰よりも優秀な兵士で、同郷の信頼できる部下で、私の戦友だからどうしても助けたかった」のだと言いました。
月島は「あの子で俺を騙して欲しくなかった」と責めつつも、ロシアの砲撃が来ると反射的に身を挺して鶴見を守ったのでした。
さらに覆る事実に吹っ切れた月島
その後、鶴見から更なる事実を聞かされます。
それは「月島を監獄から出すために、島民の前で骨を掘り出して見せることで『月島の父親がいご草ちゃんを殺した』という虚偽を作った(父親殺しを正当化するため)。その工作を島の人間が信じ続けていただけであって、いご草ちゃんが東京に嫁いだのは事実だ」ということでした。
いご草ちゃんが生きているという喜ばしい話ですが、しかし月島の顔に表情はありませんでした。
度重なる事実に月島は疲弊し、それ以上真実を追及する気力も無くなってしまったのです。
代わりに月島は、命を救ってくれた鶴見と戦争で死んでいった者たちのために身を尽くすことを決意。
そして日露戦争後、過去と決別をするように、いご草ちゃんの髪の束を小樽の海に投げ捨てたのでした。
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以降、一心に仕事をこなしていくようになった月島。
しかしある時ふと「奉天で話しかけてきた同郷の兵士は第二師団であり、あの野戦病院にいるはずがなかった」と気づきます。
つまりあの出来事は「月島の同郷の者を使って傷を掘り返し、枯れ果てたところに自分の愛情を注ぎこむ」という鶴見の手の込んだ芝居であったのだと月島は察しました。
全ては鶴見のためなら命を投げ出し、汚れ仕事も進んでやる兵隊を作るため。
しかしそれに気づきながらも月島は「自分の人生には元々利用されて憤るほどの価値などないため構わない」と、半ば捨て鉢のような境地で鶴見に従っていました。
そんな月島が鶴見に忠実に従い続けていたのは「鶴見劇場を最後までかぶりつきで観たい」から。
「とんでもないことを成し遂げられるのは鶴見のような人間なのだろう」と感じており、その行く末を見届けることが月島の原動力になっていたのでした。
もはや大切なもののない月島の生きる道は、鶴見の歩もうとしている道の上にしかなかったのです。
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鶴見を最後まで見届けることを唯一の原動力としていた月島は、誰よりも鶴見に依存していたと言えます。
それはいご草ちゃんという本当に大切だったものを諦め、過去を捨ててきたから。
もはや自分の仕事をやるしかなく、汚れ仕事も行ってきた月島はもうそのまま突き進むしかなくなっていたのです。
そんな苦しみを23巻にて露わにした月島でしたが、後の札幌にて鶴見の目的が「日本国の繁栄」だと知ると、さらに鶴見の兵士として没頭していくことになりました。
そして、最終決戦を経て鶴見が海に沈み生死不明になってしまうのですが、月島はいご草ちゃんを探していた時のように最後まで1人で鶴見を探し続けていました。
鶴見がいなくなったことで、どうやって生きれば良いか分からなくなってしまったのです。
しかし「私の力になってくれ」という鯉登の導きにより月島は前を向き、鯉登の右腕として新たな道を歩み始めたのでした。
まとめ
簡単に言うと、月島にはいご草ちゃんという駆け落ちを約束した大切な存在がいましたが一緒になることは叶わず。
そのエピソードと彼女との思い出を鶴見に利用されたことから、それらを捨て去って、自分を死刑から拾い上げた鶴見の忠実な兵士になったという話です。
鶴見がいなくなった後に鯉登の右腕として歩み始めたことも含めて、全てを知ると月島は第七師団の誰よりも依存体質なのかなと感じます。
それは生まれた環境によって、月島にはいご草ちゃんしか大切なものがなかったからなのでしょう。
第231話で鯉登が「その厳格さは捨てたものの大きさゆえか」と聞きましたが、まさにその通り、淡々と任務をこなす月島の背景にはいご草ちゃんという大きな存在がありました。
軍人として、第七師団の常識人として、ツッコミ役としてとても魅力的な月島ですが、是非過去を知って月島という人間の弱さや儚さも感じ、より好きになって頂ければと思います!
- 月島といご草ちゃんの悲恋
- 月島の陸軍入隊の理由
- 月島は父親を殺害した
- 鶴見が月島を救った経緯
- いご草ちゃんの真実とは
- 鶴見に忠誠を誓った月島
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