那貴の最後はどうなったのか
結論から言うと、69巻752話「聖地」で討たれました。李牧に包囲された桓騎のもとへ、自分の意思で戻っての最期です。
飛信隊を離れたことを裏切りと読む声があります。作中の描かれ方は逆で、自分が戦うべき場所を見極めた末の選択でした。
この記事でわかること
- 752話で何が起きたのか
- 飛信隊へ来た経緯と、自分から残ると決めた理由
- 桓騎に返した答え(那貴の名言)
- 雷土より強いと言われる根拠
- 一家の頭としての顔と、声優
飛信隊へは、尾平と入れ替わって来ました
そもそも、本人が志願して飛信隊に来たわけではありません。
きっかけは黒羊丘の戦いでした。飛信隊と桓騎軍で、信頼できる将を互いの隊へ預け合う入れ替えが行われます。桓騎軍がいつもやっている手です。
このとき動いたのが2人でした。桓騎軍からは那貴が、飛信隊からは尾平が出されています。
進め方は強引でした。隊の入れ替えという重い話を、信に断りを入れないまま決めています。「お頭は待つのが嫌い」と言い、尾平には「女つきで招待されるよ」と持ちかけました。
初対面で「こいつは信用できるのか」と思った読者は、たぶん多いはずです。那貴は、そういう形で飛信隊に入ってきます。
ここを押さえておくと、あとが効きます。戦が終われば桓騎軍へ帰る、それだけの立場でした。飛信隊に残る理由は、この時点でひとつもありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最後 | 69巻752話「聖地」。包囲された桓騎のもとへ自ら向かい、ともに討たれた |
| 読み方 | なき |
| もとの所属 | 桓騎軍。側近の一人で「那貴一家」の頭、千人将 |
| 移籍 | 黒羊丘で尾平と入れ替わって来たあと、自分から桓騎軍を抜けて残った |
| 得意なこと | 斥候など、少数で動く役目 |
| 声優 | 小西克幸 |
| 人気 | キングダム総選挙 第4回中間発表で第21位 |
僕はこう読む
那貴は、大事なところを二度とも自分で決めています。
飛信隊へは駒として送られてきましたが、残ると決めたのは本人でした。
最後に離れたときも同じです。
桓騎軍という組織に戻ったのではなく、包囲されている一人のところへ行った。
信用できない男として出てきた人物が、二度とも人を選んでいます。
雷土より強い、と言われています
強さを数字で語られたことは一度もありません。示されるのは、いつも場面です。
桓騎軍の側近は、雷土・黒桜・摩論・厘玉・那貴の5人とされます。そのなかで攻撃の中心と見られていたのが雷土でした。
その雷土一家の岩迅が、信を馬鹿にする場面があります。聞いていた尾平が殴りかかり、逆に返り討ちで動けなくなるまで痛めつけられました。
そこへ那貴が現れます。岩迅は今度は那貴一家を「小さい組」と侮りました。膝蹴り一発で岩迅は崩れ落ちます。
そのあとの台詞がすべてです。俺がキレたら雷土よりおっかねぇぞ、今のうちに消えろ。雷土一家の兵たちは、何もせずに引き上げました。
怖いのは、脅した側ではなく脅された側がそれを本当だと知っていたことです。雷土一家の兵は、試しもせずに下がりました。
僕はこう読む
この強さの見せ方が、うまいと思っています。
那貴は一度も雷土と戦っていません。
それでも雷土より上だと読者に伝わるのは、
雷土の部下が試しもせずに下がったからです。
本人に語らせず、周りの反応だけで格を決めた。
数字で強さを出す作品のなかで、ここだけ作り方が違います。
一家の頭としての顔
声を荒らげる場所は、作中で一つしかありません。
ふだんは冷静です。自己紹介でも「一応、千人将かな」と言うほど、役職に関心がありません。本心を表に出さず、物事を客観的に見る側にいます。
その温度が変わるのが一家のことでした。味方であっても、那貴一家を馬鹿にされたら容赦しません。岩迅への一撃はそこから出ています。
信への忠誠でも、桓騎への忠誠でもありません。那貴が守っているのは、自分が頭をやっている那貴一家です。
飛信隊での使われ方も、そこに合っていました。任されたのは斥候。数人で敵陣に近づいて、見て、帰ってくる役目です。
雷土と並ぶ腕の持ち主を、斥候に回していたことになります。読者が「もったいない」と思うほどの贅沢な使い方です。
飛信隊に残ると自分で決めています
那貴という男を一番よく表しているのが、次の場面です。
ところが、飛信隊で過ごすうちに動き方が変わっていきます。桓騎軍の将ですから、飛信隊のために命を懸ける義理はどこにもありません。来た当初も「端で静かにしてるから」と言っていた男です。
変わったと分かるのが、慶舎を討ち取る場面です。守備隊を抜けずに苦戦し、慶舎に逃げられかけた、そのときでした。退路にたった5騎で現れます。信が慶舎に追いつく時間は、ここで生まれました。
雷土一家に殺されかけた尾平を助けたのも那貴です。
そして決断します。桓騎軍を抜けて飛信隊へ移ると、自分から言い出しました。黒桜も雷土も驚いています。一兵ではなく、幹部で一家の頭が抜けるという話だからです。
言い方も要望ではありませんでした。「抜けたい」ではなく「抜ける」。決定として告げています。
桓騎に言った理由が、那貴の名言です
さすがの桓騎も理由を尋ねました。「理由だけ教えろ那貴」。
返ってきたのがこれです。
「ただの気まぐれですよ。いつもの。ま〜しいて上げるなら……飛信隊で食う飯って、うまいんスよね。意外と」
幹部が組織を抜ける理由として、あまりに軽い答えです。それでも読み返すと分かります。那貴が本心を言葉にしたのは、作中でここだけでした。
そのあと雷土が怒って那貴一家に襲いかかります。次に飛信隊の前へ現れたとき、那貴一家は全員ボロボロでした。そのあいだに何があったのかは、一コマも描かれていません。
僕はこう読む
この答えは、はぐらかしではないと思っています。
那貴は理由を聞かれて、嘘をつく必要がありませんでした。
金でも義理でも復讐でもなく、飯がうまい。
幹部の座を捨てる理由としては軽すぎます。
ただ、軽い理由でしか動かない男が、最後に命を捨てに行く。
だから752話が効きます。ここを先に置いた意味だと読んでいます。
那貴の台詞が短いのに残る理由
喋る量は多くありません。それでも台詞のほうが覚えられています。
自己紹介はこうでした。「一応、千人将かな」。役職を名乗る場面で、役職への関心の薄さを先に出しています。
岩迅を倒したときは一言だけです。「一家を馬鹿にしたこいつが悪い」。理由を説明せず、判断だけを置きました。
その直後がいちばん知られた台詞です。「分かってるだろうが、俺がキレたら雷土よりおっかねぇぞ」「今のうちに消えろ」。
どれも、自分の強さを語っていません。語っているのは、どこを踏んだら怒るかだけです。線の引き方しか言わない。それが那貴の喋り方でした。
朱海平原では、信を二度救っています
移った先での働きが、いちばん出たのが朱海平原の戦いです。
飛信隊は王翦軍とともに右翼に入り、趙左翼の馬南慈・尭雲・趙峩龍・岳嬰と当たりました。信は岳嬰を討ちますが、趙峩龍の策にはまって精鋭「土雀」に囲まれ、深手を負います。
そこへ来たのが羌瘣と那貴でした。2人の登場で包囲を抜け、逆に土雀を討ち取って趙峩龍軍へ大きな打撃を与えています。
そのあとも追いました。後退して立て直そうとした趙峩龍を、逃げと隠れを専門にする那貴一家が突き止めます。居場所の報告を受けた信が総攻撃をかけ、趙峩龍は討たれました。
ここで終われば、ただの手柄話です。主を討たれた趙峩龍の側近たちが、決死隊となって信へ襲いかかります。
ここも那貴でした。退路を絶つために待機していたぶん体力を残しており、その決死隊を討ち取っています。この戦いの終盤は、那貴一家の働きが秦右翼の勝ちを支えました。
僕はこう読む
朱海平原の那貴は、ずっと信の後ろにいます。
土雀の包囲を破ったのも、趙峩龍を見つけたのも、決死隊を止めたのも那貴でした。
それでも、討ち取った名前として残るのは信のほうです。
手柄が自分に来ない位置で、いちばん働いている。
飛信隊にいた期間の那貴は、ずっとこの形をしていました。
752話で、包囲された桓騎のもとへ向かいます
最後の場面に戻ります。
桓騎は李牧に包囲されていました。そこへ向かえば戻れない。読んでいる側にも、飛信隊の誰にも、分かる状況です。
そこへ行きました。命令ではありません。自分の意思です。
結末は69巻752話「聖地」に描かれます。桓騎とともに討たれ、那貴はここで退場しました。
飛信隊を離れたことは、しばしば裏切りとして語られます。作中では、自分が戦うべき場所を見極めた選択として置かれています。
僕はこう読む
那貴は一度も「桓騎のため」と言っていません。
言っていたのは、一家を馬鹿にするなということだけです。
だから最後の行動も、忠義というより身内のところへ帰っただけに見えます。
飛信隊は預けられた場所で、帰る場所ではなかった。
裏切りという言葉が合わないのは、そもそも寝返っていないからです。
まとめ
那貴は69巻752話「聖地」で、包囲された桓騎のもとへ自ら向かい、ともに討たれました。
押さえておきたい点を並べておきます。
- 最後は69巻752話「聖地」。桓騎のもとへ自分の意思で向かった
- 飛信隊を離れたのは裏切りではなく、戦う場所を選んだ結果
- 飛信隊へは黒羊丘で尾平と入れ替わって来たあと、自分から桓騎軍を抜けて残った
- 理由を聞かれて返した答えが「飛信隊で食う飯って、うまいんスよね。意外と」
- 慶舎を討ち取る場面では、たった5騎で退路に現れて時間を作った
- もとは桓騎軍の側近で「那貴一家」の頭。役職には関心が薄く、熱くなるのは一家のことだけ
- 雷土一家の岩迅を膝蹴り一発で倒している
- 朱海平原では趙峩龍を追い詰め、決死隊から信を救った
- 声優は小西克幸
僕はこう読む
那貴の役目は、桓騎軍を外から見せることだったと思っています。
飛信隊にいた期間があるから、読者は桓騎軍を味方の目線で見る時間を持てました。
その時間があったぶん、752話が効きます。
外から見ていた人物が、最後に内側へ戻って終わる。
斥候として使われ続けた男の、いちばん遠い偵察でした。
那貴の最後を「桓騎への忠義」と読むか、「一家のもとへ帰っただけ」と読むかで、飛信隊にいた期間の意味が変わります。
——あなたは那貴が飛信隊を離れたことを、裏切りだと思いますか。それとも当然の帰り道だと思いますか。よければコメントで教えてください。
よくある質問
那貴は桓騎軍と飛信隊の両方にいた人物です。どちらの側の話をしているかで印象が変わりやすいところを並べます。
Q. 那貴は死亡しましたか。
A. しています。69巻752話「聖地」で、包囲された桓騎のもとへ自ら向かい、ともに討たれました。
Q. なぜ飛信隊を離れたのですか。
A. 裏切ったのではありません。自分が戦うべき場所を見極めた末の選択として描かれています。
Q. どうやって飛信隊に入ったのですか。
A. 黒羊丘の戦いでの隊の入れ替えです。飛信隊の尾平と交換される形で移りました。
Q. 那貴は雷土より強いのですか。
A. 作中でそう示されています。雷土一家の岩迅を膝蹴り一発で倒し、雷土の部下たちは何もせずに引き上げました。
Q. 声優は誰ですか。
A. 小西克幸です。桓騎軍の側近のなかでも口数が少なく落ち着いた人物なので、声が付いたことで温度の低さがより分かりやすくなりました。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年9月16日


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