呪詛返しはなぜ使えないのか
結論から言うと、相手の術式を受けてから返す技だからです。先にダメージを負う必要があり、返したあともその傷は残ります。相手が仕掛けてこなければ成立しません。
強力そうな響きのわりに、作中で決定打として使われる場面はほとんどありません。それは威力の問題ではなく、成立の条件が厳しすぎるためです。この記事では、その条件と、勘違いだけで戦況が動いた場面を見ていきます。
この記事でわかること
- 呪詛と呪詛返しがそれぞれ何を指すのか
- 八十八橋で壊相が自ら術式を解いてしまった経緯
- 使われないのに恐れられている理由(カイの読み)
そもそも呪詛とは何か
この作品には呪術師と呪詛師がいます。呪術を扱い呪霊を祓うのが呪術師、呪術を扱い人に仇なすのが呪詛師です。
呪詛とは、呪いをかけたり相手に災いが及ぶよう仕向けること。つまり呪術で相手に危害を加える行為を指します。
五条悟と同じ呪術師だった夏油傑は、呪術師の掟を破って呪詛師になりました。この経緯からも分かるとおり、呪詛術は元呪術師が使う術式という位置づけです。
呪詛返しの成立条件
いまかかっている呪詛を相手に返す。それが呪詛返しです。作中では、呪詛師の術式を受けることで、攻撃を受けた呪術師が呪詛返しを行えるとされています。
ここに構造上の弱点があります。返すには先に受けなければなりません。当然ダメージを負います。そして返したあとも、それまでに負った傷は残ります。
さらに、これはカウンターです。相手の術式に合わせてそのまま返す形なので、相手が仕掛けてこなければ何も起きません。封じ手は「攻撃をしないこと」という、身も蓋もない答えになります。
僕はこう読む
呪詛返しが切り札になれない理由は、威力ではなく順番にあると思っています。
先に殴られないと殴り返せない技は、勝負を決めに行く手段になりません。使う側が常に後手に回るからです。
加えて「傷は残る」という設定が効いています。返して相手を倒しても、自分は削られたまま。差し引きで勝てるかどうかが、毎回わからない。
強い技を弱く設計してあるのではなく、強い技に正しい値段が付いているのだと読んでいます。
八十八橋——勘違いだけで術式が解けた
宿儺の指の回収のため八十八橋を訪れた虎杖悠仁たちは、そこで呪胎九相図の壊相と戦うことになります。
虎杖と釘崎の呪術に押されて劣勢に回った壊相は、術式「蝕爛腐術 朽」で釘崎を攻撃します。釘崎はダメージを受けますが、壊相の付着した血によって共鳴りが起きました。
ここで壊相は決定的な判断を誤ります。共鳴りを呪詛返しだと勘違いし、釘崎にかけた「蝕爛腐術 朽」を自ら解除してしまったのです。
術式が解けた釘崎は普通に攻撃できるようになり、壊相は傷を負います。そして壊相はこう口にしました。「呪詛返しの術式ではなかったのか」と。
僕はこう読む
この場面がおもしろいのは、呪詛返しが一度も使われていないのに、戦況が動いたことです。
釘崎は何もしていません。壊相が勝手に恐れ、勝手に術式を解きました。
つまりこの技の本当の効き目は、返す威力ではなく「返されるかもしれない」という疑いのほうにあります。
難しくて滅多に使えない技だからこそ、正体が知られていない。知られていないから恐れられる。実戦で使えないことと、脅威であることは矛盾しません。
存在しない記憶との関係
呪術高専の東堂葵は、初対面の虎杖に好きな女のタイプを尋ねます。虎杖の返答を聞いた東堂の中に、自分の好きなアイドル高田ちゃんと東堂、そして同じ学校に通う虎杖という記憶が蘇りました。高田ちゃんに告白して振られたあと、虎杖とラーメンを食べた記憶です。
初対面のはずなのに、東堂はこの記憶を受け入れ、虎杖を親友と呼ぶようになります。
同じことが腸相にも起きます。虎杖との戦闘でとどめを刺す瞬間、壊相・血塗の三兄弟と虎杖が一緒に食事をしていた記憶が蘇りました。腸相はありえないと呟いたあと、混乱します。
この二つが「存在しない記憶」と呼ばれるもので、共通しているのは虎杖が関わっている点です。五条悟は術式は関係ないと述べていますが、一部では呪詛返しではないかと噂されています。
僕はこう読む
ここは推測として読んでください。作中で答えは出ていません。
ただ、呪詛返しと結びつけて語られる理由は分かる気がします。存在しない記憶も「敵意を向けた相手のほうが変質する」現象だからです。
東堂も腸相も、虎杖に向かっていった側です。そして向かった結果、自分の中身が書き換わりました。構造が呪詛返しと似ています。
五条が術式は関係ないと言い切っている以上、答えは別のところにあるはずです。呪いなのか、洗脳なのか、それとも宿儺に関わるのか。ここはまだ判断できません。
まとめ|呪詛返しをどう読むか
- 相手の術式を受けてから返す技。先にダメージを負う必要がある
- 返したあとも、それまでの傷は残る
- 相手が仕掛けてこなければ成立しない。封じ手は攻撃しないこと
- 使われないまま恐れられていることに価値がある(カイの読み)
八十八橋で実際に起きたのは、呪詛返しの発動ではなく、呪詛返しへの恐れでした。壊相は自分で仕掛け、自分で怖くなり、自分で解いて、自分で傷を負っています。
高度な呪術師が揃うこの作品でも、呪詛返しは難しい技とされています。それでも名前だけが独り歩きしているのは、この八十八橋の一件があるからでしょう。
——あなたは呪詛返しを、どう見ますか。使えない技だと思いますか、それとも使わせないことに意味がある技だと思いますか。よければコメントで、あなたの読み方を聞かせてください。
よくある質問
Q. 呪詛返しとは何ですか
A. いまかかっている呪詛を相手に返す技です。呪詛師の術式を受けることで、攻撃された側が発動できるとされています。返すには先に受ける必要があり、負ったダメージは返したあとも残ります。
Q. 呪詛返しはなぜあまり使われないのですか
A. 相手が仕掛けてこないと成立しないカウンターだからです。先にダメージを負う必要があり、その傷も消えません。そのため勝負を決めに行く手段にはなりません。
Q. 存在しない記憶は呪詛返しなのですか
A. 作中で答えは出ていません。一部で呪詛返しではないかと噂されていますが、五条悟は術式は関係ないと述べています。東堂葵と腸相の二例に共通するのは、虎杖が関わっている点です。
この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年8月8日
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