推し作品に登場するキャラや設定等のルーツやモデルを知ること。
それは作品をさらに楽しむためのスパイスにもなり得ます。
「アオアシ」も28巻まで連載されると、モデルに関する記事が既にいくつかのサイトにアップされています。
だからこそ最新話を反映した上で、ここでは新しい考察を織り交ぜながらのモデル紹介をしていきます。
目次
【アオアシ】名は体を表す?キャラの名前は戦国武将が多い?
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#アオアシ 第7話放送記念
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「アオアシ」には戦国時代をはじめとする、歴史上の人物をモチーフにした名前のキャラが数多く登場します。
代表的な例は、1年生の黒田勘平です。
もちろん、元ネタは軍師:黒田官兵衛からでしょう。
ゴニョゴニョ主将の義経は、牛若丸こと源義経。
3年生の小早川透志は、関ヶ原の戦いで有名な小早川秀秋。
主将気質の大友栄作は、九州の大御所だった大友宗麟かな。
また下の名前にも注目です。
海外チャレンジした一色勝頼は、信玄の息子である武田勝頼。
GKの秋山円心は、赤松円心など。
少々強引なこじつけだと、2年生の高杉は高杉晋作、広報の壬生は新選組の前身である壬生浪士組から。
なお、小林先生のオフィシャルブログ“1846”を拝見すると、最近は『三国志真戦』にハマっているとのこと。
単行本28巻からのプロ練習編では、ミスターエスペリオンこと司馬明孝が登場します。
おそらくは諸葛孔明のライバル司馬懿仲達(しばいちゅうたつ)が最有力でしょう。
“死せる孔明生ける仲達を走らす”とありますが、原作では司馬のキラーパスにアシトが散々走らされています(笑)。
【アオアシ】葦人のモデルとなった実際の選手は!?
ロナウドやマラドーナの生まれ変わりを自称するアシトですが、それはさておき。
17巻177話で愛媛出身のJリーガーを話す福田監督。
長友、福西、福田、川又、鎌田と早々たるメンツです。
もっとも、サッカーに疎いオカン紀子はノーリアクションでしたがね。
家族構成などは、福田選手の半生に強い影響を受けているようです。
ではアシトの代名詞でもある「俯瞰」の能力は、一体誰がモチーフでしょうか?
これは杏里が想起するように、優れた空間把握能力を持つシャビで間違いないでしょう。
幼年期の過ごし方は「手品師」のイニエスタを参考にしていると思われます。
イニエスタが実家のバル(酒場)で酔っ払いたちの間をドリブルですり抜けた逸話は、アシトと瞬兄がオカンの店内で遊んでいたのとソックリです。
最後はプレースタイルです。
アニメではまだまだ先になりますが、プレミアリーグ最終戦で攻守コンプリートを掴んだアシト。
そんな強化キャラ満載のモデルとは、日本史上最高のSBと福田が大絶賛するこの人!
元シャルケの内田篤人選手です。
福田のセリフを通して語られる、内田リスペクト感が半端ない原作274話。
タイトルもズバリ「サイドバックの英雄」でした。
日本人として“思考するSB”の先駆者でもあり、チームのバランスを取りながら味方を使うSBからの司令塔。
内田選手はまさにアシトの理想像そのものです。
【アオアシ】福田監督にもモデルがいた!?
今度は福田監督のモデルです。
ここは迷わずに前述した福田健二選手で確定です。
名字からして同じ「福田」ですしね。
まず母子家庭で育ち、後に引っ越しをするまでは同じ。
次に現役選手としての経歴です。
福田監督は、高卒後にエスペリオン入団して活躍後、リーガのサバエルに移籍。
その後は大ケガに泣き、南米の2部リーグを転々とします。
一方、福田健二氏の方は、高卒後に名古屋、仙台とJリーガーとして国内で活躍。
やはり海外のリーグを転戦し、あの愛媛FCにも所属した時期もありました。
この辺りのプロフィールも似ていますね。
なお、福田の足のケガについても、やはり内田選手を参考にしたと思われます。
現実とマンガが混在した感はありましたが、ケガからの復帰も含めて「英雄中の英雄」だと評したのではないでしょうか。
【アオアシ】他の選手にもモデルがいるのか?
【舞台アオアシ開幕直前! 小林先生がキャストの皆様の似顔絵を描き下ろしてくださいました!!】
栗林役 田中稔彦様
どうぞよろしくお願いいたします!! pic.twitter.com/WSYvgpnkiX— 【アオアシ】公式/アニメ好評配信中&単行本33集発売中! (@aoashiofficial) July 8, 2019
それでは2人の主役以外のキャラについて、モデルの存在の有無を考察してみましょう。
最初はトゲトゲ君こと栗林。
モデルは元レイソルの比嘉厚平です。
各年代の代表にも選出され続け、高3では二種登録でトップチームに帯同した天才です。
ちなみに栗林のボール回は、フランスの英雄ジダンの動画を参考に描かれたとのこと。
ジダンならば超絶テクニックも納得ですよ。
なおチームメイトにはアンリという選手が・・・杏里の名前はここから?
20巻で正式にプロ契約書を結んだシーン。
移籍金0円オファーの18歳ルールは、内容がFC東京と久保建英と同じですね。
次に我らが“あっくん”こと阿久津のモデルです。
DFもFWもこなす阿久津は、一見すると田中マルクス闘莉王かと思いましたが違います。
雑誌のインタビューでは小林先生が本田圭佑選手だと明言していました。
周囲から何と言われても信念を曲げない、エゴの貫き方が反映されています。
【アオアシ】エスペリオンというチームにもモデルがあった!?
育成王国と呼ばれるエスペリオンシティ。
「アオアシ」連載に際して、取材をしたJリーグは2チームありました。
まずは柏レイソル。
その思想的なものは、当時の強化部ダイレクター吉田 達痲(よしだ たつま)氏の影響を大いに受けているようです。
やはり元Jリーガーの吉田氏はアカデミーのコーチや監督で手腕を振るい、若手選手を育ててきました。
以下は、2010年10月に強化部ダイレクターに就任した吉田氏の記事からです。
- アカデミーで身につけた価値観を持つ選手がトップに昇格すれば、その血は十分に濃くなる。
- バルセロナのように「これがレイソルだ」と思わせるスタイルを作り上げていきたい。
(Jリーグサッカーキング、2012年12月号より)
エスペリオンを世界最強のクラブにすると、第1話で自らの野望を語る福田。
明らかに吉田氏を意識したセリフかと思われます。
次のJリーグは大宮アルディージャです。
エスペリオンのクラブハウスをはじめ多くの施設がモデルになっています。
ここでのキーマンは、単行本の17巻まで“取材・原案協力”をしていた、上野 直彦 (うえの なおひこ)氏です。
早稲田大学大学院の修士課程を修了した上野氏は、スポーツライターとして活躍。
サッカー新聞の「エル・ゴラッソ」ではアルディージャの担当をしていました。
また、アルディージャの育成部長だった中村 順(なかむら じゅん)氏の存在も忘れてはいけません。
プロとしての活躍はありませんが、日本サッカーの育成面における大御所です。
オランダ出身でアジア各国の監督を歴任したピム監督(故人)と親交があり、なでしこのコーチも務めた経歴もあります。
コンパクトサッカー、トライアングルなど、エスペリオンの土台が間違いなくここにはありました。
とまぁ、ここまではネットでググれば、ある程度の紹介があるでしょう。
しかし、ここから先は他の可能性にも踏み込んでみます。
注目したのはエスペリオンのホームスタジアムです。
名前は「東京新製鉄スタジアム」(17巻173話)。
Jリーグ以前の実業団で製鉄所をルーツに持つのは、鹿島アントラーズです。
鹿島は住友金属工業に端を発し、J2時代にジーコを招聘し、日本初の屋根付きスタジアムを建設するなどの猛プッシュで、Jリーグ開幕元年にプロチームとして名乗りを上げました。
その後の成績は言わずもがな。
住友金属は後に新日鉄と統合して「新日本製鉄」となりました。
「東京新製鉄」と名前が似ているでしょ?
後付け設定でしょうが、母体企業のモデルは鹿島を参考だと推測します。
ちなみに、スタジアムの外見は何と松山競輪場です。
サッカー関係ないじゃん!
ここでも作者の郷土愛が炸裂しています。
(追記)
新日鉄製鉄は2019年4月に「日本製鉄」と商号を変更して、鹿島の経営権も現在はメルカリに変わっています。
【アオアシ】オマケ:聖地巡礼お食事編!
腹が減っては戦が出来ぬ!
ということで、ここでは作品内に登場したお店のモデルも紹介しちゃいましょう!
その1:日の丸食堂
エスペリオンユース生のご用達食堂。
気前の良い女将さんのメガ盛りには、アシトも恍惚の表情です。
そんな「日の出食堂」の元ネタは、先生の地元愛媛にありました。
松山市にある「日の出食堂」さんです。
昔、アニメで放映された『ミスター味っ子』の「日之出食堂」とは全く関係ありません。
う・ま・い・ぞー!
と味皇様のハチャメチャぶりが(以下略)
食べログにも紹介されている、レトロ感が良さげな食堂です。
日の出食堂 – 山西/定食・食堂 | 食べログ (tabelog.com)
その2:お好み焼き屋 武蔵野一番
こちらのお店の元ネタもやはり愛媛でした。
松山町にある「お好み焼き のむら」さんです。
関西風・広島風お好み焼の他、ねぎ焼、もんじゃ焼が味わえます。
ねぎのボリュームがスゲー。
アシトがお好み焼きを焼いている先生のサインをいただいたとのことです。
詳細はFacebookを参照してください。
その3:料理屋かわせみ
最後は福田たちスタッフがお酒を飲んでいた居酒屋です。
お店は松山市内の「かわかみ」さん。
瀬戸内海のお魚を堪能できるメニューがたくさんあるようです。
のどぐろ食いてー!
かわかみ(松山/居酒屋) – ぐるなび (gnavi.co.jp)
まとめ
まだまだ掘り下げれば、たくさん出て来るであろう「アオアシ」のモデル。
別の機会があれば、第2回として紹介したいところです。
