スパイファミリーの主人公は、名前も過去も捨て「影なき英雄」として世界平和を守るために日々暗躍し続けているスパイ<黄昏>。
現在はオペレーション梟(ストリクス)に従事し、ロイド・フォージャーという名前と肩書で活動しているところであり、<黄昏>の素性については一切不明です。
しかし読者の私たちにだけ<黄昏>となった経緯や悲しき過去が明かされました。
そこで本記事では謎に包まれていたロイドの過去について詳しくご紹介していきます!
目次
【スパイファミリー】ロイドのプロフィール
ロイド・フォージャーは本作の主人公。
<黄昏>のコードネームを持つスパイで、現在判明している情報は以下の通りです。
- 身長:187㎝
- 体重:70~90㎏
- 髪色:ブロンド
- 瞳の色:青
- 出身:西国ルーウェン
- 好きなもの:確かな情報、パリッとしたスーツ
- 嫌いなもの:戦争、非合理的なふるまい
- 性格は実直で真面目。
スパイという職業柄、卓越した記憶力や咄嗟の判断力、あらゆる可能性を絶えず検証する並列思考、高い身体能力・戦闘能力、優れた人心掌握術を持っています。
家事やスポーツまで何事も完璧にそつなくこなす超人ですが、現在は娘アーニャ・妻ヨルと暮らす偽装家族の父&夫として奮闘中です。
【スパイファミリー】ロイドの職業とは?
ロイドの職業はバーリント総合病院勤務の精神科医です。
しかしそれは表向きの姿で、本職(裏の顔)は西国情報局対東課<WISE>所属の諜報員・コードネーム<黄昏>。
変装を得意とし、西国にとっての切り札かつ東国にとっての脅威として界隈に名を轟かしている西国No.1の敏腕スパイです。
現在は東西平和を脅かすとして危険視されている東国政界の大物ドノバン・デズモンドとの接触を目指す重要任務オペレーション梟を遂行中。
「名門校に通う娘の理想的な父親」を完璧に演じてはいますが、アーニャとヨルの存在にペースを乱され苦戦しているようです。
【スパイファミリー】ロイドの本名とは?
実は「ロイド・フォージャー」という名も、オペレーション梟のために用意された仮名です。
ロイドの本名は作中で一度も明かされていません。
<黄昏>は<誰そ彼>であり、本当の名前も顔もスパイになった時にすでに捨てているのです。
【スパイファミリー】ロイドの過去とは?
ロイドがスパイ<黄昏>になった理由は戦争です。
第1話にてロイドは、戦時下で泣くことしか出来なかった自分を思い出しながら「子どもが泣かない世界を作りたくてスパイになった」と語っていましたが、後にその過去とスパイになった具体的な経緯が明らかになりましたのでご紹介していきます。
※本名は作中でも黒塗りとなっていたため、便宜上ここでもロイドと呼びます。
嘘をつけなかった少年時代
ロイドは西国東部の街・ルーウェンに暮らす普通の男の子でした。
あだ名(コードネーム)は「参謀」で、「大将」「伍長」「少佐」と呼ぶ3人の友人たちと兵隊ごっこなどしながら楽しく過ごす日々。
ただしロイドの父親は、将来軍隊に入ろうとしていたロイドを「戦争なぞ起こらん。自ら争いを望むな」と叩いてりつけるほど厳しかったため、ロイドは皆が持っている兵隊セットも買ってもらえませんでした。
そのためロイドはある日、父に「欲しい参考書がある」と嘘をついて10ダルクのお小遣いをもらい、兵隊セットを買います。
しかしロイドの前向きな言葉に「出張から帰ったら一緒に祭りを回ろう」というほど喜んだ父の姿に胸が痛み、罪悪感に苛まれるロイド。
そしてロイドはその日ご飯を味わうことさえ出来ず、結局兵隊セットを使って遊ぶことも出来ませんでした。
嘘をついて初めて兵隊ごっこの虚しさに気づいたロイドは「明日父さんに謝ろう。大将たちとももっと違う遊びを」と思いました。
日常の崩壊
しかし父への謝罪も再び友人たちと遊ぶことも、叶うことはありませんでした。
なんとその日、突如東国軍が西国東部各州への攻撃を開始。
ルーウェンも爆撃に遭い、爆風に倒れたロイドが目覚めた時、祭りを控えて活気づいていたはずの街は一瞬で変わり果て荒廃していました。
現実を受け止められないロイドはそのまま母に連れられ、叔父の住むキールバーグに避難することに。
突然訪れた不慣れな環境の中、ロイドは嘘つきを憎みました。
戦争なんか起きないと言っていた大人たち…一緒に祭りを回ろうと言っていたのに戻って来なかった父…嘘をついて10ダルクもらったままの自分…。
ロイドは失った日常を嘆きながら、爆撃に怯え母の胸で泣くしかありませんでした。
母親との別れ
その後まもなく、ロイドは唯一の支えだった母をも失います。
母のため魚を釣ろうと外出している間に再び空襲に遭い、皆に引きずられるようにシェルターに避難することになったロイド。
母の元に帰るためその後急いでシェルターを飛び出した時には、街は戦火にさらされ壊滅していたのです。
二度と母に会えることはなく、ロイドはいよいよ一人ぼっちになってしまったのでした。
身分を偽り軍へ入隊
孤児となったロイドは、その後何年も「ドブネズミのような生活」をしていたそう。
そして大好きなものを奪われ、世界に嫌いなものしか残っていなかったロイドが辿り着いたのは銃を握る道でした。
ロイドは徴兵年齢(18歳)に達していなかったため、名前と年齢を偽り「ローランド・スプーフィー」として軍に入隊。
戦争によって全てを失った男は、戦火に入り敵の屍を築くことで人生に光を見出そうとしていました。
フランキーとの出会い
東国を憎み、やられたらやり返すの精神で銃を握っていたロイドの前に現れたのがフランキーでした。
なんと軍から脱走してきたというフランキー。
無様にも必死に命乞いをするフランキーに、ロイドは敵兵ながらも人間味を感じ笑ってしまいました。
しかしそのフランキーの言葉にロイドは価値観を揺さぶられます。
フランキーは戦争を「外交の失敗の結果であり、世界一不毛な時間」だと嘆き、どちらが始めたのか真実は一兵卒には知りようがないと言いました。
東国を悪だとしてひたすら戦ってきたロイドでしたが、ここで初めて自分は何をしているのかと悩み始めることに。
後に情報を武器とするスパイに身を投じることになったのも、ここでのフランキーとの会話が影響していきます。
【スパイファミリー】ロイドはなぜスパイになった?
ロイドがスパイになったのはその後まもなく、フランキーと遭遇時に負ったケガが原因で後方支援になった時のことでした。
友たちとの再会で無知を知る
ケガにより炊事兵となったロイドは、あの日の爆撃で亡くなったと思っていた「大将」「伍長」「少佐」と再会します。
思わず涙を流すロイドに、かつてと変わらぬ笑顔を向ける友たち。
しかし彼らはその後、明らかに無謀な作戦に駆り出され命を落としてしまったのでした。
その時にロイドは作戦を知らなかったこと、作戦を知る立場ではなかったこと、その立場のなり方さえ知らなかった無知な自分に気づきます。
そもそも開戦の真実さえ知らず、起きないと思い込んでいた戦争で友を失ったと思い込み、盲目的に敵を憎み、銃を取り、国に従っていたと気づいたロイド。
ロイドは無知とはなんて無力で悪なのだろうと思いました。
スカウトでスパイの道へ
己の無知に絶望していたロイドの前に、「陸軍情報部」を語る男がスカウトにやってきます。
きっかけはどうやら友との再会によって、ロイドが身分を偽称していることがバレたこと。
男はロイドを「優秀」だと評価し、ロイドの扱う新たな武器として「情報」を提案しました。
ロイドは今さら情報を得たところでもう二度とあの頃の日常には戻れないと考えますが、地位も名前も捨てて国家の影となって生きていくことに決めます。
その理由を「別に理由なんてない」と語ったロイドでしたが、本当は「子どもが泣かない世界を作りたい」という強く温かい理由を秘めていたわけです。
そしてロイドは今でも夢を見るほど厳しくしごかれながら、一流の諜報員<黄昏>となっていきました。
【スパイファミリー】ロイドの過去編は何話?
ロイドの過去編は第62話として「前編」「中編」「後編」と3話に分けて描かれました。
コミックスでいうと10巻に収録されています。
まとめ
ロイドは戦争をきっかけにスパイになりましたが、その経緯は嘘がつけなかった優しき少年が、嘘で固められた生き方を選んでいく何とも悲しい物語でした。
ロイドを変えたのは戦争によって日常が崩壊して初めて知った己の無知に対する痛感であり、そこには家族や友たちへの想いがありました。
そして本名を捨て<黄昏>となっても、自分の過去の日常は取り戻せなくとも、そのぶん子どもたちの未来を守ろうとする優しき本心が隠れています。
これらを知ると、ロイドが完璧にスパイ業をこなしていることやアーニャの「すごいうそつき。でもかっこいいうそつき」という表現がより深く感じます。
しかもフランキーに出会わなければ、ロイドはひたすら東国への憎悪に染まっていたかもしれないという、ロイドとフランキーの関係性にも繋がる話だったことも熱いですよね。
作中において何より重要視されているのが「情報」ですが、このロイド過去編はロイドに関する様々な情報が詰まっている名エピソードなので必見です!
