- 月島は鶴見に利用されたと気づく
- 月島はいご草ちゃんの死を知る
- 鶴見劇場が月島の生きる意味に
樺太編にて『ゴールデンカムイ』随一の常識人ぶりと無表情芸で人気が爆発した月島。
しかしその帰り道、鶴見への不信感を抱き始めた鯉登に見せた表情があまりにも闇深すぎて大きな話題となりました。
しかしそこからようやく月島の本心が垣間見えてきました。
それでは一体月島はどんな闇を見せたのか、月島の過去や樺太脱出編での動き・変化も併せて詳しくご紹介していきます!
目次
【ゴールデンカムイ】樺太脱出編!!月島は鶴見への忠誠心と不信感で揺れる様子が明確に!!
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第210話で明らかになった月島の闇。
まず話は、尾形の「ボンボン」「満鉄」発言により、鯉登が鶴見への不信感を抱き始めたことから始まります。
鯉登は、父・鯉登平二の率いる大湊水雷団を利用するために音之進誘拐事件(第198話~)を作り上げたのではないか、そして「自分たち親子も鶴見にコマのひとつにされているのではないのか」と憤り、月島に問い質しました。
すると月島は闇深い表情で「あなた達は救われたじゃないですか」と呟いたのでした。
実は月島自身も鶴見の手の込んだ芝居により利用されたと、とっくに気づき受け入れているのです。
しかし鶴見に騙されたとしても鯉登親子はそれにより親子の絆を得ました。
同じく尾形も父親との対話を経て前へ進んでいます。
ただ月島だけは人生も大切な人への想いや思い出も踏みにじられただけで、何も救われていません。
「あなた達は救われた」には、鯉登によって掘り返された“諦め虚無に押し込めていた怒り”からにじみ出た嫉妬を感じますね。
鶴見が月島へ打った芝居を簡単におさらい
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月島には悪い噂のある父親がおり、その息子である月島も島の皆から嫌われていました。
ただし月島にはいご草ちゃん(春見ちよ)という「戦争が終わったら駆け落ちしよう」と約束する想い人がいました。
しかし日清戦争から帰ると「月島は戦死した」という噂が流れており、いご草ちゃんは行方不明になっていました。
月島は「戦死」というデマを流したのが父親だと知ると、父親を殺害し死刑囚となりました。
すると鶴見が月島の事情を聞き、後に「調査したらいご草ちゃんが金持ちに求婚され、月島に娘をあげたくないいご草ちゃんの両親が島を巻き込んで芝居を打っただけであり、いご草ちゃんは死んでいなかった」と言ってきました。
そして本人から預かったといういご草ちゃんの髪を渡し、「情報将校としてロシアに行く際にお前は信頼できる優秀な通訳で部下だから連れていく」とロシア語を覚える前提で月島を牢から出したのでした。
その9年後の日露戦争時。
戦場で月島と同郷の者が「月島が捕まった後にいご草ちゃんの遺体が月島の家の下から見つかった。骨が掘り出されるのを皆が見ていた」と言ってきたのです。
なんと鶴見はいご草ちゃんの骨を掘り出しながらも、月島に生きる気力を取り戻させるために「いご草ちゃんは生きている」と嘘をついた様子。
月島は怒り掴みかかり、「優秀な部下で私の戦友であるお前を助けたかった」という鶴見の言葉に「あの子で俺を騙して欲しくなかった」と感情をぶつけました。
その時2人の元にロシアの砲弾が飛んできて、月島は疑心を抱いていたにも拘らず咄嗟に命懸けで鶴見を庇ったのでした。
さらにその後、野戦病院にて鶴見は「遺骨を掘り出したというのは月島を監獄から出すため(殺されても当然の父親像を作るため)の工作であり、本当は東京へ嫁いでいる」と言いました。
何が本当かは分かりませんが、もはや月島にはどうでもよくなっていました。
吹っ切れた月島は「鶴見に拾われた命だから残りは鶴見のために使うつもり」だと宣言。
そして過去と決別するように、戦争が終わった後にいご草ちゃんの髪を海に捨てたのでした。
しかしその後月島は、あの時話しかけた同郷の者が、あの場所にいるはずがなかったことに気づきます。
そこで9年前の一連の内容が全て鶴見の打った大芝居であったと気づいたのです。
鶴見のためなら命を投げ出し、汚れ仕事も進んでやる兵隊を作るための芝居。
それでも月島は「元々自分の人生には憤るほどの価値もない」とし、全てを受け入れていたのでした。
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鶴見が“甘い嘘”をもって従順な兵士を作っていることを分かっていながらも、月島は“鶴見のいく道で彼について行っている者たちは救われるのだからそれでいいはずだ”と考えていました。
ただし月島は先述の通り救われていませんし、救われそうな理由もありません。
そんな月島がなぜ全て承知で鶴見について行っているのかというと、以下のように鯉登に語りました。
「鶴見劇場をかぶりつきで観たい。最後まで」
何かとんでもないことを成し遂げられるのは鶴見のような人間なのだろうと考える月島は、その行きつく果てを見届けようとしていたのです。
もはや鶴見劇場が月島にとっての唯一の生きる意味。
そこに救いがあるとは思えませんが、いご草ちゃんを失った月島はもうそれに縋るしかないのでしょう。
月島は鯉登に、いざとなれば鶴見は鯉登すらも平気で殺す、そしてその汚れ仕事をするのは自分であると警告したのでした。
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鶴見への狂気のような忠誠心を告げた月島でしたが、樺太編の最後でそれに背くような行動を見せました。
それは翌日、鶴見がアシリパと樺太先遣隊を迎えに樺太に来た時のこと。
アシリパが逃走して第七師団は追うことになり、その中で鯉登が杉元に重傷を負わされてしまいます。
すると月島は逃走する杉元を無視し、倒れた鯉登に寄り添ったのでした。
鶴見の兵としては杉元とアシリパを追わなければいけないはずなのに、です。
また、本当に鶴見劇場に浸かっているなら、鶴見に不信感を抱き始めた鯉登が死んでも構わないはずです。
それなのに鶴見の命令より鯉登の身を優先したところに、月島の心の揺らぎが見えました。
月島の本心には、鯉登に死んで欲しくないという気持ちが芽生えているのです。
恐らく昨日、自分が鯉登を殺すことになる可能性も含めて全て話したのも、鯉登を守りたいがための牽制だったのでしょう。
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その後、負傷した鯉登とそれを支える月島を、鶴見が一瞥していきました。
瀕死の鯉登に対し何も言わず通り過ぎた鶴見に、月島は心の中で「嘘でも心配したらどうか」と思いました。
鶴見に対して批判的な目を向けたのです。
鶴見の使う“甘い嘘”を受け止め従ってきた月島ですが、その嘘すらもつけない鶴見に月島は不満を見せたのでした。
恐らく鯉登との会話が引き金になったのでしょうが、月島の鶴見に対する感情が揺らぎ始めている証拠です。
ただし恐らく鶴見も月島と鯉登の姿に彼らの心の変化を感じていました。
樺太編は、月島・鯉登・鶴見3人の関係性に微妙で大きな変化が訪れたと言えます。
まとめ
月島はいつも淡々と職務をこなしているため気づきませんでしたが、実は救いがひとつもなく、しかもそれを自覚しながら鶴見についているという闇を抱えていました。
鶴見の狡さを知っており決して心酔しているわけではないのに、「鶴見劇場をかぶりつきで観たい」と忠実な兵としてついていっている所が闇である一方で、月島にはそれしか選択肢がないという悲しさを感じます。
だからこそ鶴見は月島を最も傍に置いているのでしょう。
鶴見の元にしか居場所がないことを知っているから。
ただし樺太編でその関係にヒビが入り始めました。
それは鯉登が月島にとっての救いになりつつあるという変化なのかもしれません。
果たして月島は鶴見劇場をどのように見届けるのでしょうか。
鶴見の第一兵士である月島の胸中は、再び舞台が北海道へ移る前に是非知っておいて欲しい重要エピソードです!
- 月島は鶴見への忠誠心を抱く
- 鯉登の不信感が月島を揺さぶる
- 月島の過去といご草ちゃんの真実
- 月島が鶴見に従う理由とは
- 鯉登を守る月島の心の揺らぎ
- 鶴見への批判が芽生え始める
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