ガウニス・フリーアン・アスラとは誰か
結論から言うと、およそ400年前のアスラ王国の国王です。甲龍王ペルギウスが「我が朋友」と呼び、「真の王」だと言い切った相手にあたります。
ところが、その人物像はまるで英雄らしくありません。ペルギウスの言葉を借りれば「臆病で、戦いは好まず」、勉強も武術の才もない酒好きでした。王になる野心すら持っていません。
この記事でわかること
- ガウニスが王として何をしたのか
- ペルギウスが語ったその人柄
- 「王として最も重要な要素」が明かされているのか
- 400年後のアリエルとどう繋がるのか
- どの話で語られるのか
王になった経緯と、やったこと
ガウニスが生きたのは、魔神ラプラスが人族を滅ぼそうとしたラプラス戦役の時代です。父である国王と2人の兄を、ラプラス軍との戦いで失いました。王位が回ってきたのは、そういう順番です。
望んで座った椅子ではありません。それでもガウニスは、友人だった七人の英雄に魔神ラプラスを倒す術を手に入れてほしいと頼み込みます。自分では届かないと分かっていたからこそ、人に頼んだ形です。
結果としてアスラ王国はラプラスが封印されるまで守り抜かれました。百年におよぶ戦争で人族の国は次々に滅び、残ったのはアスラ王国とミリス神聖国だけです。
そして戦後。ボロボロになったアスラ王国をまとめ上げたのも、この王でした。偉大な王として伝えられているのは、この再建があったからです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何者か | およそ400年前のアスラ王国の国王 |
| 即位の経緯 | 父の国王と2人の兄がラプラス軍との戦いで死亡 |
| 戦役でしたこと | 友人だった七人の英雄に、魔神を倒す術を求めた |
| 戦役の結果 | ラプラス封印までアスラ王国を防衛しきった |
| 戦後 | 荒廃したアスラ王国をまとめ上げた |
| ペルギウスとの関係 | 朋友。ペルギウスは今も「真の王」と呼ぶ |
| 語られる場所 | 原作のなろう版 第152話「空中城塞での一日」/第174話「甲龍王と第二王女」 |
ペルギウスが語った人柄
ここが、この人物のいちばん面白いところです。ガウニスを語るのは、常に甲龍王ペルギウスでした。
ペルギウスの言葉をたどると、臆病で戦いを好まず、いつも逃げまわっているような男だったと言います。勉強もできず、武術の才もない。
こっそり町へ出て酒場に入りびたり、酒場の娘に色目を使う。王になろうという野心も持ち合わせていませんでした。王族としても、英雄としても、褒めるところが見当たりません。
それでもペルギウスは、こう続けます。「だが、奴は王として最も重要な要素を持っていた」。だからこそ自分は、あの男を真の王だと思っている、と。
僕はこう読む
この並べ方は、わざとだと思っています。
ペルギウスは欠点を先に、それも容赦なく並べます。臆病、無学、酒場、色目。
「立派だから王だった」という話を、先に全部つぶしているんです。
そのうえで「最も重要な要素」とだけ言う。
——強さでも血筋でも知識でもないもので王を測る目を、この人は持っている。
2万年近く生きた甲龍王が友と呼ぶ相手が、逃げまわる酒飲みです。そこがこの作品らしいところだと思います。
「最も重要な要素」は、作中で明かされていない
ここは正直に書いておきます。ペルギウスは、その答えを口にしていません。
第152話でアリエルに問われた場面がまさにそれです。「真の王とは何を表すと思う」と聞かれたアリエルは、知識を持ち、大臣の言葉に耳を貸し……と答えます。ペルギウスの返事は「違うな」でした。
そしてガウニスの話をひとしきりしたあと、答えを教えずにこう突き返します。それを自分の口から言えたなら、力を貸してやろう。宿題にしてしまったわけです。
つまり「王として最も重要な要素」は、読者にも最後まで名前を与えられていません。ガウニスという実例だけが置かれています。
400年後、アリエルが持ち帰った答え
続きが描かれるのが第174話「甲龍王と第二王女」です。アリエルが出した答えは「意思を継ぐ」ことでした。
ペルギウスにとって、それは望んだ答えではありません。それでも最後には「貴様の信念、しかと聞き届けた」と認めます。
決め手は答えそのものではなく、言葉と立ち振舞いでした。かつてガウニスが語っていた「理想の王様」とは、こういう者ではなかったか。ペルギウスはそれを思い出しています。
そのガウニス自身は、自分を理想の王だとは思っていませんでした。若き日の酒場でも、戦役中の野営地でも、王になったあとでさえ、理想の王様について語り続けていたと言います。周りが真の王だと信じていた男が、生涯それに届いていないと考えていたわけです。
僕はこう読む
ガウニスとアリエルは、ここで同じ形をしています。
ガウニスは父と兄が遺した国を継がされた側で、アリエルは守護術師デリックの最期の願いを継いだ側です。
どちらも自分で王を志したのではなく、先に倒れた誰かに押し出されて座っている。
ペルギウスが400年ぶりに友の面影を見たのは、資質ではなくその立ち方のほうだったと思います。
だから「意思を継ぐ」という答えは、望んだ答えではなくても通ったのではないでしょうか。
まとめ
ガウニス・フリーアン・アスラは、およそ400年前のアスラ王国の国王です。ペルギウスが「真の王」と呼ぶ、ただ一人の相手でした。
押さえておきたい点を並べておきます。
- およそ400年前、ラプラス戦役の時代のアスラ王
- 父の国王と2人の兄を戦で失い、王位が回ってきた
- 七人の英雄に、魔神ラプラスを倒す術を求めた
- ラプラス封印までアスラ王国を守り、戦後の国をまとめ上げた
- 人柄は臆病で無学、酒場に入りびたる人でした
- ペルギウスは「王として最も重要な要素を持っていた」と言うが、その中身は明かしていない
- 400年後、アリエルの「意思を継ぐ」という答えに、ペルギウスは友の面影を見た
僕はこう読む
答えを書かないまま置いていくのが、この設定の強いところだと思っています。
もし「人を活かす力だ」と一言で説明されていたら、ガウニスはただの教訓になっていました。
説明されないから、読者は逃げまわる酒飲みの姿のほうを覚えることになる。
王の資格を、能力ではなく人物で見せに来ている。そう読んでいます。
ガウニスを「頼るのがうまかった王」と読むか、「自分の足りなさを最後まで自覚していた王」と読むかで、アリエルに力を貸したペルギウスの判断も見え方が変わります。
——あなたはペルギウスが言う「王として最も重要な要素」を、人を動かす力だと思いますか。それとも、自分が足りないと認められることだと思いますか。よければコメントで、どちらに近いか教えてください。
よくある質問
ガウニスは回想でしか登場しないため、いつの人物なのかが分かりにくくなっています。要点だけ整理しておきます。
Q. ガウニス・フリーアン・アスラとは誰ですか。
A. およそ400年前、ラプラス戦役の時代のアスラ王国の国王です。甲龍王ペルギウスの朋友で、ペルギウスは今も「真の王」と呼んでいます。
Q. なぜ王になったのですか。
A. 国王だった父と、2人の兄がラプラス軍との戦いで死亡したためです。本人に王位への野心はありませんでした。
Q. 「王として最も重要な要素」とは何ですか。
A. 作中で明言されていません。ペルギウスは答えを教えず、アリエルに自分の口から言わせようとしました。
Q. アリエルは何と答えたのですか。
A. 「意思を継ぐ」ことだと答えました。ペルギウスが望んだ答えではありませんでしたが、その言葉と立ち振舞いにガウニスの語った理想の王様を重ね、協力を決めています。
Q. ガウニスはどの話で語られますか。
A. 原作のなろう版、第152話「空中城塞での一日」と、第174話「甲龍王と第二王女」です。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年9月21日

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