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菊田特務曹長とは何者か
結論から言うと、第七師団で鶴見中尉を見張っていた中央のスパイです。正体がばれ、28巻279話で鶴見に撃たれ、280話で息を引き取ります。
本名は菊田杢太郎(きくた もくたろう)。第七師団の中では常識のある、面倒見のいい古参の兵士として描かれます。そしてもう1つ、若い杉元を「ノラ坊」と呼んで、軍に入る前の杉元を知っている人物でもありました。
この記事でわかること
- 正体は中央のスパイで、どんな指令だったのか
- 初登場は何話か・特務曹長という階級
- ナガンの二挺拳銃という戦い方
- ノラ坊こと杉元との過去
- 「地獄行きの特等席」は何話の台詞か
- 正体がばれた経緯と最期
先に流れだけ
| 話数 | 何が起きたか |
|---|---|
| 20巻191話 | 初登場。日露戦争の傷を癒やすため、登別温泉で療養している |
| 24巻240話 | 中央のスパイだと読者に明かされる。有古力松を自分の側へ誘う |
| 274話 | 「俺は地獄行きの特等席だ」と口にする |
| 28巻275〜278話 | ノラ坊(杉元)との出会いの回想 |
| 28巻279〜280話 | 鶴見に撃たれ、月島がとどめを刺す |
正体は中央のスパイでした
菊田は、第一師団の奥田中将の命で第七師団へ移ってきた人物です。目的は、鶴見中尉の監視でした。
読者に正体が明かされるのは24巻240話です。菊田は部下の有古力松にこう打ち明けます。
「いいか有古よく聞け お前を信じているのは俺だけだ」
「『中央』は鶴見中尉に金塊を見つけさせて最後には消せと言っている」
つまり中央の狙いは、鶴見に金塊を探させ、見つかったところで鶴見を消すことでした。菊田はそのための見張り役です。
初登場は登別温泉の191話
初めて出てくるのは20巻191話「故郷の水」です。日露戦争の傷を癒やすため、登別温泉で療養していました。
菊田の階級「特務曹長」は准士官で、下士官の曹長より上、少尉より下にあたります。第七師団の中では、鯉登少尉と月島軍曹のあいだの位置です。
途中から金塊争奪戦に加わった外様で、宇佐美や二階堂からは最初から信用されていませんでした。
ナガンの二挺拳銃で戦う
菊田は日露戦争で、ロシア将校から銃を奪うことに取りつかれていました。とくに気に入っていたのが回転式拳銃のナガン(ナガンM1895)です。
上着の下に何挺も吊っていて、二挺拳銃で撃ち、弾が切れると次の銃に持ち替えて戦います。敵の動きを冷静に読む、古参の兵士らしい戦い方です。
僕はこう読む
菊田の拳銃は、戦場で奪ったものを手放せない人の持ち物だと思っています。戦争が終わっても、ロシア将校から奪った銃を何挺も体に吊るしている。戦争の中で手に入れたものしか、自分の手元に残っていない人です。スパイという立場も同じで、どこにも本当の居場所を持たないまま、持ち替えながら生きています。
有古力松とは、奉天会戦の塹壕からの仲です
菊田と有古力松は、日露戦争の奉天会戦で同じ塹壕に取り残され、一緒に重傷を負いました。登別で療養していたのも、2人そろってです。
有古は、鶴見と土方の両方からスパイとして使われる苦しい立場にいました。240話で菊田が声をかけたのは、その有古でした。お前を信じているのは俺だけだ、じゃあ俺につけ、という誘いです。
ノラ坊こと杉元との過去
菊田は、軍に入る前の杉元を知っています。回想は28巻275話「東京愛物語」から278話までです。
第一師団の軍曹だった菊田は、東京で兵隊を相手に喧嘩していた若い杉元を止めに入ります。故郷の「のらぼう菜」にかけて、名前を聞かずに「ノラ坊」と呼びました。
飯をおごる代わりに頼んだのが、「花沢勇作童貞防衛作戦」(277話の題)です。
- 花沢勇作は、兵を鼓舞する旗手に選ばれる予定だった
- 旗手の条件の1つが童貞であること
- 息子を危険な旗手にしたくない母は、令嬢・金子花枝子との見合いを用意した
- 菊田は杉元を勇作の替え玉にして、見合いを破談させた
別れ際、菊田は弟・藤次郎の形見の軍帽を杉元に贈っています。そのあと杉元は、軍隊なら飯は食えると、自分で入隊を決めました。
現在の場面では、263話で杉元の顔を見て気づいています。
僕はこう読む
菊田が杉元に渡した軍帽は、弟の形見です。弟を戦争で亡くした人が、これから戦争へ向かうかもしれない若者に、弟の帽子をかぶせている。菊田はノラ坊に、弟の続きを見ていたのだと思います。だから最期に名前を出すのも、中央でも鶴見でもなく、ノラ坊でした。
「地獄行きの特等席」は274話の台詞です
「地獄行きの特等席」で検索されることがありますが、これは菊田自身の台詞です。
「いいんだよどうせ…俺は地獄行きの特等席だ」(274話「こだわり」)
それより前、263話で杉元と再会した場面でも、「それなら俺は特等席だぜ!!」と口にしています。
戦争で人を撃ち、仲間をだまし続けている自分が、地獄へ行くのは決まっている。そう分かったうえで笑っている台詞です。
正体がばれたのは、タバコの手紙でした
菊田は、タバコの吸い殻に見せかけた手紙を決まった場所に落として、中央と連絡していました。
ところがその吸い殻を浮浪者が拾い、宇佐美の手に渡ります。宇佐美は死に際に、これを鶴見に渡していました。鶴見は正体を知ったあとも、しばらく菊田を泳がせています。
最期は279話・280話です
刺青の暗号が解けた直後、鶴見は菊田を撃ちます(28巻279話)。そして月島がとどめを刺し、菊田は死にました(280話「決意の号砲」)。函館へ向かう前のことです。
息を引き取る前、菊田は鶴見にこう言い残します。
「あなたもおしまいです鶴見中尉殿 必ず殺されますよ」
「俺が言ってんのは中央のことじゃねえ あんたを倒すのはノラ坊さ」
僕はこう読む
いちばん皮肉なのは、鶴見を消すために鶴見の隣にいた人が、先に鶴見に消されたことだと思っています。それでも最後の言葉は、中央の勝ちでも自分の無念でもありませんでした。自分が軍帽を渡した若者が、いつかこの男を倒す。スパイとして負けた人が、最後に賭けたのはノラ坊でした。冷徹になりきれなかった人の、いちばんまっすぐな言葉だと読みました。
アニメの声優は堀内賢雄
アニメで菊田を演じるのは堀内賢雄です。第四期(2022年10月から)で初めて登場しました。
最期は、最終章の第五十八話「決意の号砲」(2026年3月2日放送)で描かれています。ノラ坊との回想は、その前の第五十七話「東京愛物語」からです。
まとめ|菊田特務曹長をどう読むか
菊田特務曹長は、第七師団で鶴見中尉を見張っていた中央のスパイです。正体がばれ、279話で鶴見に撃たれ、280話で死にました。
- 初登場は20巻191話。登別温泉で療養中。階級の特務曹長は准士官
- 中央の指令は鶴見に金塊を見つけさせて最後には消せ。正体は24巻240話で明かされる
- ナガンの二挺拳銃で戦う。有古とは奉天会戦の塹壕からの仲
- 若い杉元をノラ坊と呼び、童貞防衛作戦を頼み、弟の形見の軍帽を贈った(275〜278話)
- 「俺は地獄行きの特等席だ」は274話の台詞
- 最期の言葉は「あんたを倒すのはノラ坊さ」。声優は堀内賢雄
僕はこう読む
菊田の描き方でいちばん好きなのは、任務の話をほとんどさせないところです。中央のスパイで、鶴見を消す指令まで持っています。それなのに場面では、部下の有古を気にかけ、若い杉元に飯をおごっている。任務より先に、目の前の相手を気にしてしまう人でした。スパイとして生き切れなかったことが、この人の魅力そのものだと思います。
そこで分かれるのが、菊田を任務に徹しきれなかったスパイと読むか、最後までノラ坊を信じた兵士と読むかです。
——あなたは菊田特務曹長を、情に足を取られたスパイだと思いますか。それとも、最後まで自分の信じたものを貫いた人だと思いますか。よければコメントで教えてください。
よくある質問
菊田特務曹長は、正体と最期、そして「特等席」の台詞が混ざって語られやすい人物です。順に答えます。
Q. 菊田特務曹長の正体は何ですか?
A. 中央のスパイです。第一師団の奥田中将の命で第七師団に入り、鶴見中尉を見張っていました。
Q. 菊田の初登場は何話ですか?
A. 20巻191話「故郷の水」です。登別温泉で療養している場面で出てきます。
Q. 菊田は何話で死亡しますか?
A. 28巻279話で鶴見に撃たれ、280話「決意の号砲」で月島にとどめを刺されて亡くなります。
Q. 「地獄行きの特等席」は誰の台詞ですか?
A. 菊田自身の台詞です。274話で「いいんだよどうせ…俺は地獄行きの特等席だ」と言っています。
Q. 菊田と杉元はどういう関係ですか?
A. 杉元が軍に入る前、東京で出会っています。菊田は杉元を「ノラ坊」と呼び、花沢勇作の替え玉を頼み、弟の形見の軍帽を贈りました。
Q. 菊田特務曹長の声優は誰ですか?
A. 堀内賢雄です。アニメ第四期から登場し、最期は最終章の第五十八話で描かれました。
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最終更新:2026年10月9日


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