誰が誰を好きなのか
結論から言うと、アスタが想うのはシスター・リリーだけで、求婚のたびに断られています。一方アスタには5人の女性が好意を寄せており、この作品の恋愛はほぼ全部が一方通行です。
魔力ゼロで暑苦しく、低身長で筋肉だけがバキバキ。一見すると女性から好かれる要素が薄いのに、アスタは作中で最もモテています。ただし本人はまったく気づいていません。この記事では、アスタ・ユノ・ヤミという三つの中心について、誰が誰に向いているのかを整理します。
この記事でわかること
- アスタに好意を寄せる5人と、それぞれのきっかけ
- ユノとヤミを中心にした、もう二つの相関
- なぜ全部が一方通行のまま進むのか(カイの読み)
アスタが想っているのはシスター・リリーだけ
アスタはユノと同じ日に、最果ての村ハージ村の教会の前に捨てられていました。二人はそのまま孤児として教会で育ちます。
その教会で働いているのがシスター・リリーです。アスタはリリー一筋で、将来の嫁にすると決めており、何度もプロポーズしています。そしてそのたびに断られています。
断りの言葉はいつも同じです。「わたしはみんなのシスターだから」。アスタの願いは、いまだ成就していません。
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リリーの断り文句は、実は拒絶になっていないと思っています。
嫌いだとも、あなたでは駄目だとも言っていません。言っているのは「自分は役割を持つ人間だ」という一点だけです。
これは、魔法帝という役割へ向かうアスタ自身の姿勢とまったく同じ形です。
二人は同じ理由で結ばれず、同じ理由で相手を尊敬している。断られ続けているのに関係が悪くならないのは、そのためだと読んでいます。
アスタに好意を寄せる5人
ノエル・シルヴァ。クローバー王国の王族の出身ながら魔法が苦手で、アスタとは「黒の暴牛」の仲間になります。はじめは下民の出であるアスタを見下していましたが、一緒に任務をこなすうちに優しさに触れ、好きになっていきます。ただしアスタの前ではうまく喋れず、きつく当たってしまいます。
ミモザ・ヴァーミリオン。最強の魔法騎士団と言われる「金色の夜明け」の所属です。アスタと共闘してダンジョン攻略を果たして以来、想いを寄せています。植物魔法の使い手で回復を得意としますが、アスタと肩を並べて戦いたいと攻撃魔法も覚えていきます。
レベッカ・スカーレット。「黒の暴牛」のメンバーで、合コンでアスタと出会います。兄弟が多いという話題で盛り上がっていたとき、酔っ払いに絡まれたところをアスタが追い払ったことがきっかけです。アスタのファーストキスの相手はレベッカで、「白夜の魔眼」から彼女の妹たちを救った際に奪っています。
マリー。「黒の暴牛」のゴーシュにとって最愛の妹です。シスターテレジアに預けられていますが、アスタと遊ぶうちに好きになり、将来のお婿さんになる人だとまで言います。おかげでアスタは、写真を持ち歩きフィギュアまで作ろうとする兄ゴーシュに命を狙われる羽目になります。
サリー。テロ集団「白夜の魔眼」に所属するマッドサイエンティストで、アスタ曰くイカれ女。敵ですがアスタの能力に強い興味を持ち、捕らえた際には血を吸うなどしています。のちに生贄にされたあと復活し、アスタから命に別状のない範囲で研究に協力すると言われて共闘するようになります。
ユノを中心にした相関
アスタのライバルであるユノにも、二人が好意を寄せています。
チャーミー・パピットソンは、白夜の魔眼による王都襲撃の際にたまたま出会い、ユノに一目惚れします。以後は「救食の王子」と呼び、会うたびに食べ物を渡すようになります。
もう一人はユノに付いた精霊のベルです。当初は自我を持っていませんでしたが、宿主であるユノと共に成長するなかで自我が芽生え、自身を「ユノの彼女」と名乗るようになりました。騒がしい性格で、同じくユノに好意を寄せるチャーミーとは喧嘩をします。そしてユノが普段は見せない笑顔をアスタに見せると、やきもちを妬きます。
ヤミを挟んだバネッサとシャーロット
「黒の暴牛」団長のヤミには、同じ団員のバネッサ・エノテーカが想いを寄せています。
バネッサは魔女王の娘ですが、魔法が発動するまで籠の中に監禁されていました。外の世界を見たいと思いながら、籠の中が自分の運命だと諦めていたところへ、武者修行中のヤミが魔女の森に迷い込みます。事情を聞いたヤミは運命が嫌いだと言い放ち、大穴から出ていこうとします。どうすればいいか尋ねるバネッサに、ヤミは自分で選べと告げました。バネッサはヤミについていき、それ以来惹かれています。
一方、魔法騎士団「碧の野薔薇」団長のシャーロット・ローズレイもヤミに想いを寄せています。時間を止める荊の呪いをかけられ、茨の檻に閉じ込められそうになったところをヤミに助けられました。このときヤミに惹かれたことで、解呪の条件である「男に心を奪われる」が満たされます。以来、約9年にわたって想い続けています。
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ヤミの二人に共通しているのは、ヤミ本人に救った自覚がないことだと思っています。
バネッサには「自分で選べ」と言っただけ。シャーロットは結果として呪いが解けただけ。どちらもヤミは口説いていませんし、助けようともしていません。
それでも二人にとっては、人生が変わった瞬間でした。
この作品の恋心は、こういう「相手が意図していない一言」から生まれます。だから相手にはいつまでも届きません。
唯一、すれ違わない相手がいる
ノエルにはキアトが想いを寄せており、Wデートをした場面もあります。ノエルは気持ちに気づいているはずですが、進展はありません。当のノエルはアスタを想い、アスタは「好きっちゃ好き」のスタンスのまま、心はシスター・リリーに向いています。
そんななかで、一人だけ異なる振る舞いをする人物がいます。作中一のサイコパスとされるダンテ・ゾグラティスです。冷徹でありながら女好きという一面を持ち、自分にふさわしいと認識した女性には、相手の気持ちに関わらず強引に自分のものになるよう迫ります。
バネッサの容姿と特異な魔法を気に入り、同じく「黒の暴牛」のグレイの魔法にも目を付けて迫っています。しかも自分のものと認識した相手には、他者に魔法を使われることさえ嫌がります。
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ダンテがなぜここまで嫌な描かれ方をするのか、この相関図の中に置くとよく分かります。
この作品の恋心はすべて、相手の意志を尊重した結果としてすれ違っています。リリーは役割を選び、ヤミは自分で選べと言い、アスタは誰の好意にも気づかない。
ダンテだけが、その尊重を最初から持っていません。相手の気持ちに関わらず、と明示されています。
つまりダンテは強いから悪役なのではなく、この物語が大事にしているものを唯一踏みにじるから悪役なのだと読んでいます。
まとめ|相関図をどう読むか
- アスタが想うのはシスター・リリーだけ。何度求婚しても断られている
- アスタにはノエル・ミモザ・レベッカ・マリー・サリーが好意を寄せる
- ユノにはチャーミーとベル、ヤミにはバネッサとシャーロット
- 全部が一方通行なのは、全員が相手の意志を尊重しているから(カイの読み)
恋愛描写が豊富でありながら、この作品で気持ちが噛み合った例はほとんどありません。一つ間違えば恋愛物になりそうなだけの材料が揃っているのに、そうならないのです。
理由は単純で、誰も相手の進む先を止めないからだと思います。リリーはシスターであることを選び、アスタは魔法帝を目指し、ヤミは自分で選べと言う。互いを尊重するほど、想いは届かなくなります。その気持ちよさと、もどかしさが同居しているのが、この作品の恋愛です。
——あなたはアスタの相手を、誰だと思いますか。最後までシスター・リリー一筋だと思いますか、それともノエルやレベッカに気持ちが動くと思いますか。よければコメントで、あなたの読み方を聞かせてください。
よくある質問
Q. アスタは誰が好きなのですか
A. 教会のシスター・リリーです。将来の嫁にすると決めて何度もプロポーズしていますが、みんなのシスターだからという理由で、そのたびに断られています。
Q. アスタに好意を寄せているのは誰ですか
A. ノエル・シルヴァ、ミモザ・ヴァーミリオン、レベッカ・スカーレット、マリー、サリーの5人です。アスタ本人はシスター・リリーしか見ていないため、ほとんど気づいていません。
Q. アスタのファーストキスの相手は誰ですか
A. レベッカ・スカーレットです。白夜の魔眼からレベッカの妹たちを救った場面で交わされています。
この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年8月8日
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