- 政が河南に向かう決断をした
- 呂不韋が政に反乱の原因を指摘
- 政の優しさが逆に危険を招く
不穏な動きをし始めた河南。
前回は、政が直接「呂不韋に会ってくる」と提案したところで終わりました。
邯鄲攻略に苦戦している秦軍。
そんな中、隠居生活をしている呂不韋の元に、政に負けた残党たちが集結。
肆氏から、朝廷を脅かすほどの勢力になっているという報告を受けます。
呂不韋はかつて反乱を起こし、嬴政を暗殺しようした男。
はたして政が河南に向かう決断をした
それとも再び内乱が起こってしまうのか!?
今回は、呂不韋と政が交わす会話の内容を中心にお届けしていきます。
『キングダム』648話!のネタバレ
それでは『キングダム』648話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
呂不韋の眼差し
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秦国・咸陽。
昌文君と肆氏は焦った様子で、廊下を歩いていました。
河南はすでに、朝廷を脅かすほどの勢力となっています。
呂不韋が企んだことならば、政が河南に直接出向くなど敵陣に飛び込むようなもの。
大王になにかあったら大変です。
二人は、朝廷会議のあとに政を説得しようと考えていました。
ところが、扉を開くと政の姿がありません。
それどころか、文官の姿もなく、ホウキで掃除をする者が一人だけ。
会議の準備がされていないことに、昌文君は驚きます。
すると、掃除をする者が困った様子で「会議は明日に延期すると昨夜伝達があったはず」と説明。
どうやら、昌文君と肆氏に止められると分かっていた政。
二人には、会議が延期することを、あえて伝えていなかったようです。
驚愕する昌文君と肆氏。
肝心の政はというと、すでに河南を訪れていました。
かつて互いの信念をぶつけあった二人。
きれいな青空が広がるなか、呂不韋と政は向き合って立っていたのです。
呂不韋は長いヒゲを触りながら挨拶。
「お久しゅうございますなァ、大王様」
政はじっと呂不韋を見ているだけで、なにも返事はしません。
しかし、呂不韋はいつもの調子で会話を続けます。
「少し、お顔が疲れておられますか」
政を心配しているようで、なんて仰々しい言い方でしょうか。
呂不韋も秦軍が鄴攻略を果たし、次に邯鄲攻略を狙っていることは知っているはず。
難戦になることを分かっていて、あえて挨拶代わりに尋ねたのでしょう。
すると、政は質問に答えず「お前は変わっていない」と返事。
呂不韋の眼差しを確認して言ったのです。
「蘄年宮(きねんきゅう)で
俺に負けを認めたままの目をしている」
少し黙る呂不韋。
「そうですかな?」と問いかけますが、政は考えを変えません。
そもそも政が河南にやってきたのは、呂不韋の目を確認するため。
ただし、河南には政の命を狙う者が多くいるはず。
もちろん、昌文君と肆氏に伝えていなかっただけで、強力な護衛は連れてきています。
それでも直接、自分の目で確認したかったようです。
政は予想していた通り、呂不韋は反乱を起こす気などないと判断。
さっそく本題に入ります。
まずは、なぜ河南に不穏な動きが広がっているかです。
残党が集まれば、咸陽も見過ごす気はないと分かっていたはず。
なのに、呂不韋は城主でありながら放置していたわけです。
肆氏に疑われても仕方ないでしょう。
邯鄲を狙う大事な時に、内乱などありえません。
だからこそ、肆氏は呂不韋の命を奪うべきだと提案したくらいでした。
「ほーそれは恐ろしい」と、まるで他人事のような反応をする呂不韋。
政としては、すぐにでも河南の不穏な徒を押さえ込んで欲しいところ。
ところが、呂不韋からすれば簡単なことではなかったのです。
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肆氏を始め、邯鄲にいる者は呂不韋が不穏な徒を集めていると思っています。
しかし、それは大きな間違い。
呂不韋が「大人しくせい」と言ったところで、従う者達ではありません。
逆に、これでも随分と動きを押さえているぐらいでした。
ところが、人が人を呼び、政への恨みを晴らすべく人が集まっていたのです。
解決したはずの問題が、解決していない現実。
かつての反乱は、まだ終わったわけではありません。
平定するということは、想像以上に難しいこと。
さらに政は、中華統一を成し遂げるため、中華全体を平定しようとしているわけです。
想像を絶する覚悟が必要といえるでしょう。
呂不韋が中華の話を急に始めたので、政は河南に話を戻します。
河南は呂不韋の城。
ならば、城主が平定するのが自然の流れでしょう。
ただし、政を恨む相手に「大王に忠誠を誓え」など言えません。
呂不韋とて、政の命を狙ったほどの人物。
そこまでする義理はありませんでした。
政はならばと、反対するならお前の命を狙うしかないと話し始めます。
ところが、呂不韋は反乱の徒は、自分が原因で集まっているわけではないと説明。
「あなたに問題がある」と言ってきたのです。
驚く政。
呂不韋からすれば、肆氏の考えが正しいと思っていたのです。
今回の河南の件に関しても、刺客を送り込んで呂不韋の命を奪えばいいだけのこと。
もっと遡れば、嫪毐反乱の際に呂不韋を死刑にすべきでした。
そうすれば、反乱の徒の依り所になることもなかったでしょう。
呂不韋は「あなたは優しすぎるのです」と指摘したのです。
しかし、そんな政が勝者として呂不韋の前にいるのは紛れもない事実。
「難しいものです」と呂不韋は笑います。
そして、微笑んで話を続けました。
「しかし、本当に覚えておいて下され
その優しさは大王様の武器でもあるが
先々、唯一の弱点と成り得ますぞ」
これが最初で最後の進言だと、政にアドバイスしたのです。
「最後」という言葉が、なんだか気になる政。
さらに、呂不韋はここぞとばかりに、昔の話を始めます。
それは嫪毐反乱の際、蘄年宮で二人が舌戦した時のこと。
当時の呂不韋は、暴力ではなく「お金で中華を豊かにしてみせる」と言っていました。
対して政は、「人の持つ本質は“光”だ」と反論。
人の力によって、平和な世界が作れると断言したのです。
呂不韋からすれば、今も自分の理念が正しいと思っているのでしょう。
政の理念が正しいというならば、証明できる方法はひとつ。
中華統一をし、本当に争いのない世界を作ること。
それが現実となって、初めて自分の負けが確定すると呂不韋は考えていたのです。
「今も人の正体は“光”だと信じていますか?」
呂不韋の問いかけに、「勿論だ」と力強く返事をする政。
大王の意志を確認したところで、なぜか呂不韋は政を抱き寄せて言ったのです。
「では、心からご武運を祈っております」
ハッとする政。
返事をしようとしますが、呂不韋は政をパッと離して「お帰り下さい」と歩き始めます。
政に背中を向けたまま、河南は自分が鎮めると約束。
呂不韋自身は、河南から外に出ると死罪になってしまうため、この城を離れることはできません。
だからこそ、悔やんでいることがありました。
それは、政が中華統一した様子を自分の目で見られないこと。
本当であれば、新世界を見て回りたかったのです。
「ハッハ、致し方ない
では大王様、失礼致します」
呂不韋はそう言って、政を残して立ち去っていったのです。
河南からの伝令
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呂不韋との話を終え、何事もなく咸陽に戻った政。
ところが、約束したにも関わらず、ひと月経っても呂不韋は行動を起こしませんでした。
河南の不穏な動きは拡大するばかり。
見過ごせなくなった咸陽は、呂不韋から「河南」と財全てを取り上げることを決定。
その命を、呂不韋に送りました。
拒否すれば、軍隊を動かす事態へと発展。
再び反乱が起こる危険性があったのです。
ところが、河南から来た返しの伝令は予想外なものでした。
伝令を部下から聞いて、立ち上がる政。
ほかの文官たちも絶句しています。
驚くのも無理はないでしょう。
呂不韋は、鴆毒という毒を飲んで自殺していたのです。
報告を聞いて静まり返る城内。
政は悔やむように「呂不韋」の名をつぶやいていました。
こうして、紀元前235年。
「史記本紀」には、呂不韋が密かに葬られたと記されています。
ほかにも「史記呂不韋列伝」では、毒で自殺したとされていました。
ただし、あくまで史記に記されているだけのこと。
実際に呂不韋が自殺したのかどうかは、定かではありません。
雪が降り積もるなか、平野を走る一台の馬車。
車内は確認できませんが、なにやら女性たちの声が聞こえてきます。
「外に出るのに、何とも大がかりなことをされましたねェ」
すると、一緒に乗っていた男が返事をしました。
「ただの外出ではない、そなたらと放浪の旅だ
あのくらいせねば面倒であろうが」
どうやら、女性数人と一人の男が乗っているようです。
すると、一人の女性は「死体ですぐに別人と分かる」と予想。
それはもちろん、男も分かっています。
ばれたほうが、大王も分かってくれるはず。
男は政を信頼していました。
さてさて、馬車に乗っている男が、呂不韋なのかどうかは分かりません。
しかし、史実では呂不韋は自殺しました。
これにより、反乱の徒がもう河南に集まることはないでしょう。
ただし、城主でなくなったということは、財がなくなったということ。
呂不韋は中華中を旅して、政のお手並みを拝見しようと考えていました。
ところが、ついて来た女性陣は「貧乏は嫌だ」と反対。
呂不韋は「貧乏もたまにはよいぞォ」と笑って返事をしていたのです。
『キングダム』ネタバレ648-649話のまとめ
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今回は、呂不韋との会話によって、政の信念が再確認できた回でした。
それにしても、呂不韋とは本当に掴みどころがない男ですね。
命が奪われる危険性がありながらも、政にアドバイスする余裕まであります。
やはり、自力でトップに登り詰めたベテランは貫禄が違いました。
呂不韋が最後に指摘した通り、政の弱点は「優しさ」でしょう。
優しいからこそ敵を生かし、今回の河南のように再び反乱の徒が湧いてしまうわけです。
趙国のように、権力や武力を使って人を動かすほうが簡単でしょう。
しかし、政は違います。
戦争は、人の“光”を奪う災いだと断言。
自分の代で戦争を終わらせ、人が人を殺す必要がない世界を実現しようとしているのです。
人によっては、政の考えはきれいごとだと思うでしょう。
でも、いつの時代も政のようなリーダーは必要ではないでしょうか。
呂不韋が退却したことにより、秦国は再び政の一枚岩となりました。
紀元前235年には、予想外の戦いが三国間で起こるとされています。
はたして、秦国の次なる敵とは!?
次回がとても楽しみです!
- 政は呂不韋を直視した
- 呂不韋は河南を鎮めると約束
- 政の優しさが弱点と指摘された
- 呂不韋は毒で自殺したと報告
- 政は呂不韋の名をつぶやいた
- 次回の敵は誰になるのか期待
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