杉元の全裸の奮闘と菊田の捨て身のカバーにより、杉元たちは第七師団の元から逃げることが出来ました。
勇作よりも杉元を選んだ花枝子が杉元にプロポーズするも、杉元は断り「陸軍にでも入ります」と返答し、2人は綺麗に別れます。
杉元の言葉をあまりよく受け止めていなかったのが菊田。
陸軍に入ることを「本気じゃねえよな?」と釘を刺すように問いながら、杉元に軍帽の返却を求めました。
軍帽で股間を隠している杉元はどんな対応をするのでしょうか。
第279話『俺の手柄』はとにかく情報過多なので最初から最後まで全注目です!
目次
『ゴールデンカムイ』279話!のネタバレ
それでは『ゴールデンカムイ』279話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
菊田の背負う責任
軍帽を返せと言われた杉元。
杉元は勇作からこの帽子が日清戦争で亡くなった菊田の弟のものだと聞いていましたから、「地獄行きの特等席」だなんて言う菊田が弟のことで自分を責めているのではと考えました。
すると「弟を陸軍に誘ったのは俺なんだ」と菊田。
菊田の家は貧乏だったため、軍に入れば「飯だけは食える」ということで誘ったのだそう。
しかし日清戦争では戦死よりも病死が多く、弟も病死。
「俺が無理に誘わなければ藤次郎は苦しんで死なずに済んだ」
菊田は「俺が殺したようなもんだ」と責任を感じていました。
やはり杉元に軍に入って欲しくなさそうだったのは弟の死が関係していましたね。
今回杉元を身を挺して庇ったのも「俺がお前を巻き込んじまったからな」なんて言っていましたが、菊田は弟の件から“巻き込んで殺してしまう”ということに非常に敏感だったというわけです。
帽子が杉元に渡される
その話を受けた杉元は、軍に入ろうと思ったきっかけは菊田だが「最後は自分で決めること」であり、何があっても恨むわけがないと伝えます。
そして股間を隠していた帽子を頭に被り直し言いました。
「もう自分を許して前に進んだら?」
菊田にはそれが弟が言っているように見えました。
「それに俺はめったに死にません。不死身ですから」と杉元。
すると菊田は気持ちが晴れたようにため息を吐き、「その帽子お前にやるよ」と弟の軍帽を杉元に託しました。
やはり杉元がどんな時も帽子を外さない理由はここにありましたね。
去ろうとする菊田に杉元は、勇作に令嬢とのことを伝えて欲しいと言います。
「彼には選択肢があるんですよ!!」
しかし勇作の件はすでに陸軍全体の問題になっており、菊田自身も陸軍にいられなくなるのだと菊田。
改めて「勇作には近づくな…全部忘れろ」とだけ言います。
そして「陸軍でまた会ったら、その時ははじめましてから仲良くしようぜ」と言い去っていきました。
「またなノラ坊」
尾形も中央のスパイだった
司令部に戻ってきた菊田に言い渡されたのは、第七師団への転属。
作戦に失敗した菊田は陸軍にいられなくなると考えていましたが、第一師団長・奥田が告げたのは「鶴見少尉にとりいって我々中央に報告しろ」というものでした。
「鶴見少尉が暴走しないか監視するのだ」
自分で鶴見に金塊探しを依頼していた奥田ですが、さすがに全ては信頼できないのでしょう。
菊田がスパイになったこと、第七師団に行ったことはこういう経緯だったんですね。
そして新たな任を受けた菊田は、部屋の隅にいる男が何者なのかを聞きます。
奥田が「貴様と同じだ」と言ったその者とは…なんと尾形!!
尾形も中央のスパイでした。
ただし共倒れを防ぐため、独自に動けとの命令。
「お互いの邪魔だけはするな」
菊田と尾形がサッポロビール工場で意味深にすれ違っていたのは、やはりこういうことだったんですね。
杉元は勇作の死を見ていた
1904年二〇三高地。
陸軍に入った杉元はこの戦いで「不死身の杉元」の名を轟かせたわけですが、実はこの時、勇作の死を見ていました。
皆に「勇作殿…勇作殿…」と囲まれた、力なく倒れている勇作の姿。(後方には尾形っぽい姿もありますね)
その勇作がバチっと目覚めたところで杉元も列車の中で目を覚ましました。
目覚めたのは杉元の夢だからでしょう。
ここで勇作の目が描写されたわけですが、アシリパの目とそっくりなので恐らく本物の勇作の目と言うより、杉元の心の描写なのだと思います。
選択肢があったはずの勇作。
それを知らないまま“その道しかない”というように旗手になり亡くなった勇作の果てを見てしまった杉元には、その時の後悔とか罪悪感が残っているのではないでしょうか。
だからこそその想いをアシリパに重ね、金塊争奪戦から降ろさせようとしたのだと思います。
アシリパの意思を尊重して再び金塊探しを共に始めた杉元ですが、その心の内には「違う選択肢もあるんだ」と伝えなければという気持ちがありそうです。
杉元と尾形が互いにアシリパと勇作を重ねているのも面白いですね。
暗号解読が進む
列車内ではアシリパと土方による暗号解読が進んでいました。
ここで新たに判明したのが以下の3点。
- それぞれの皮には共通する同じ音の漢字がいくつも入っており、「ホロケウオシコニ」以外はすべて囮
- 「ホロケウオシコニ」の音を表す漢字は一枚につき必ず4文字以上入っている
- 皮を重ねるとピッタリ文字の間隔が合うものがある
かなり進みましたね。
土方は暗号に漢字が使われていることに関して「あくまで和人と協力して金塊を見つけろというウイルクの伝言でもあるのではないか?」とアシリパに問いかけました。
自分の目的が正しいのだと説いている感じですね。
何も答えずにいるアシリパを「“アイヌのために和人を利用してやれ”っていうしたたかな伝言かもよ」とフォローする白石。
「だって鶴見中尉たちとこうしてる可能性も大いにあったわけだしな」と牽制してさすがです。
再会後の菊田と杉元
菊田は時を経てここでノラ坊が日露戦争の英雄「不死身の杉元」であったことを知ったわけですが、多くの日本兵の命を救った彼の活躍を誇らしく思っていました。
「あいつが陸軍に入ったきっかけは俺なんだから、俺の手柄かな」と嬉しそう。
反対に杉元は「次に会ったときは菊田さんでも俺は本気で戦わなければならない」と考えていました。
陸軍ではありましたが、すでに立場が違う以上「はじめましてから仲良く」というわけにはいかなさそうですね。
暗号が解けた!
皮の次にアシリパが注目したのが、房太郎から譲り受けた金貨。
この中に刺青人皮とよく似た文様があるのだそう。
“どの線にも交わらない一本の線を表す文様”が刺青人皮にも共通していると。
そこに何か重要な意味があるのではと考えていました。
「解けた」
そう言ったのはなんと鶴見でした。
教会で暗号解読に励んでいた鶴見、その手には同じく金貨が握られています。
そういえば遺品回収したのは鶴見ですから持っていて当然ですね。
「これが金塊の在り処?ついに…」と菊田。
やっと金塊争奪戦が終わるのかと鯉登・月島・二階堂・菊田はザワつきます。
しかし「いやいや…本番はこれからだ」と鶴見。
そして鶴見がまずしたことは…
パァンパァン!と、なんと菊田を銃撃!
やはり中央のスパイだと気づいていたのでしょう。
そりゃすでに菊田のことを聞いていたわけですから、奥田の手のものだと分かりますよね。
最後の最後に処分されたのは菊田の方でした。
鶴見の行動に第七師団はどう動く!?
『ゴールデンカムイ』ネタバレ279-280話のまとめ
今回はいつも以上に情報量が多すぎましたし、菊田がツラすぎました…。
魅力的な菊田の魅力がさらに掘り下げられたところだったので、物凄く上げて落とされた感じですね。
これほどの至近距離で鶴見が直に手を下したわけですから、生存の可能性はほぼないかな。
思うことは殆ど本文に書いてしまいましたが、中でも今最も気になるのは第七師団ですよね。
暗号の在り処がわかったらしいので、金塊に一番近いと言えます。
ただしアシリパたちは先にそっち方面に向かっていると考えられるため、金塊の在り処付近で再び対峙するはず。
それに「本番はこれからだ」と言っていることからも、この先門倉の刺青情報も取りに来るはずです。
そして菊田への発砲。
鶴見の容赦ない行動に、特に鯉登がどう動くのか気になりますね。
そして尾形がますます分からなくなりました。
花沢幸次郎と奥田が懇意でしたし、その関係でスパイになったのでしょうか。
その後父に失望し殺害した尾形がそのまま真面目にスパイを続ける理由はあるのでしょうか。
そもそも鶴見が中央に送り込んだ可能性も考えられますが、結局尾形は造反して第七師団の邪魔してるわけですし…一体今どの立場なのでしょうかね?
まだまだ物語の鍵を握っていそうです。
さて暗号解読が進みクライマックスに向けてさらに前進しました。
勇作との過去を夢に見た杉元の行動に変化は起きるのか、菊田が鶴見に撃たれたことからどのように展開していくのか、予測不能な物語に次回も注目です!

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