杉元の過去編が続いています。
鶴見は第一師団長・奥田にアイヌの金塊を見つけてほしいと依頼される傍らで「花沢幸次郎の醜態」について耳に挟み、当事者の花沢勇作と彼の童貞を守るミッションを受けている菊田に接触することにしました。
一方杉元は花枝子とハマ子による勇作童貞強奪作戦に襲われていましたが、勇作の未来は勇作で決めるべきだと判断し、替え玉だったことを花枝子に暴露。
しかし、その時勇作を追っていた第七師団が帝国ホテルにやってきて、花枝子を殺害しようと銃を向けます。
それが許せない杉元は全裸のまま彼らの前に飛び出していきました。
そして、その杉元を勇作だと勘違いした尾形がニッコリ。
様々な人物が重なってきた過去編、一体どんな結末になるのでしょうか!?
第278話は『花枝子お嬢様とふりちんノラ坊』という困惑を誘うタイトルでスタートです!
目次
『ゴールデンカムイ』278話!のネタバレ
それでは『ゴールデンカムイ』278話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
替え玉がバレる
「そのお嬢さんに手を出すなッ!」と鶴見の持っていた銃を蹴飛ばす杉元。
鶴見の手から離れた銃を杉元が拾おうとしますが、宇佐美がタックルしそれを阻止しました。
全裸の杉元の奮闘…タックルを抑えるため突き出されたお尻、宇佐美を制しながら月島を殴る際の股間…すべてが花枝子の眼前で行われています。
勇作(杉元)を嬉しそうに見ている尾形。
現場に着き隠れながら状況を見た菊田は(どうなってんだ!?なんだこいつら!?)と驚きました。
するとその時鶴見が気付きます。
「むむ?こいつ勇作ではないぞ!?」
写真で確認した顔と違うのです。
その言葉を聞いた尾形は急にへの字口でスンとしてしまいました。
逃走に成功
杉元は「誰だお前」と宇佐美から強烈な顔面パンチ、さらに月島から脇腹にキックを喰らってしまいますが、怯まず近くにあった花瓶を月島にパカン!
そして宇佐美に花瓶が乗っていたテーブルを振り上げますが、タフな月島がすかさず落ちていた銃を拾い発砲してきました。
その弾を受けたのは菊田。
菊田が乱入して杉元を庇い被弾したのです。
「逃げろノラ坊!!」
そうして菊田とハマ子に助けられながら杉元は、花枝子を連れて第七師団の精鋭たちから逃げることに成功しました。
すぐに月島がいつものターミネーターのような追跡モードに入りますが、鶴見がそれを制止。
突如現れた男が菊田軍曹ではないかと気づいたからです。
「状況が読めた。菊田軍曹はちゃんと仕事をしていた」
鶴見にとって今は状況把握で十分なようです。
勇作よりニセ勇作
逃走中杉元たちは花沢勇作に遭遇しました。
「君はこの前の…どうして裸なんだい?」
確かに!常識的なツッコミ感謝です。
花枝子にとってはこちらが本物の見合い相手。
花枝子の表情から察するに勇作は花枝子のお眼鏡にかなう顔立ちだったようです。
しかし花枝子はそのまま杉元の手を引いて勇作の元から立ち去りました。
そして市街地に到着。
ここまで来ればひとまず安全でしょうか。
(ただし杉元が着用しているのは花枝子が辛うじて掴んできた白シャツのみで、シャツをきっちり着て帽子(菊田の)で股間を隠すスタイル)
先ほどの男たちについて杉元が聞くと「わからん…俺以外にも花沢閣下の部下が動いていたということかも」と菊田。
菊田の言っていた第2の作戦とは“ニセ花沢閣下夫婦作戦”というものだったらしく、鶴見らとは無関係でした。
とはいえ杉元が懸念しているのはやはり、事情を知り過ぎている花枝子を口止めするため彼らが追ってくるのではないかということ。
すると「口止めなんてもう必要ございませんわ」と花枝子。
「私はあなたと結婚したいです」
花枝子は替え玉だと知ってもなお杉元を気に入っていたのです。
杉元のいるべき場所
「俺は親もいないし家もない。なんにも持ってない男ですよ」と杉元は答えます。
しかし花枝子は三菱財閥の幹部の令嬢ですから財力は十分。
「関係ないですわよ!」と花枝子は言いますが、「住んできた世界が違いますよ」と杉元。
杉元は華やかな帝国ホテルで初めて洋食を食べ…このお見合いを経て実感したのです。
「俺がいる場所じゃない」と。
花枝子は「そんなの慣れますわよ!!今日から私と暮らせばいい!!」とフォローします。
そして花枝子が、住む場所のないのにこれからどうするつもりなのかと聞くと杉元はこう答えました。
「陸軍にでも入ります。白いご飯だけは食べられるらしいんで」
杉元の表情はとても爽やかですが、しかしそれを聞いた菊田は微妙な顔をしていました。
花枝子とハマ子
「お嬢様…結婚は家と家の結びつき。ご家族が絶対に許しません」とハマ子。
ハマ子は花枝子の気持ちを誰よりも理解しているでしょうが、杉元がそれに応えられないことも、家柄がそれを許さないことも、花枝子に納得してもらうしかないのでしょう。
それにハマ子は、花枝子がそもそも面食いであった理由が、素敵な男性を捕まえた自分の優秀さを証明して、中退していった学友を見返したいからだと気づいていました。
「華族女学校の“行き遅れ”とかいう価値観なんてクソ喰らえです」
花枝子が成績優秀で身体強健な素敵な女性だということはハマ子がよく知っているのだと伝えました。
「カエコ様は飾り物の男性をそばに置いて失った自尊心を埋めなくても、ご自身だけで優秀さを証明できるはずです」
花枝子は杉元を本気で好きになり始めていたはず。
もはや飾り物の顔ではなく、命がけで自分を守ってくれた杉元の内面に惹かれていたことでしょう。
それは勇作より杉元を選んだ行動が示しています。
それでも花枝子は「いきましょうハマ子」と身を引く決断をしました。
そんな花枝子に「騙して申し訳ありませんでした」と深々と謝罪する杉元。
「カエコさんのおかげで華やかな別の世界を一瞬でも見ることが出来ました」
花枝子は「さようなら。男前な兵隊さんになってくださいまし」と清らかに別れを告げました。
ちなみに花枝子はその後、財界の大物と浮名を流し「女帝」とまで言われるそう。(大物は渋沢栄一っぽい感じ)
そしてあまり知られていないようですが、日露戦争では婦人会で帰国する傷病兵たちの看護や戦争未亡人への援助に尽力したそうです。
本当に自分の力で優秀さを証明したということですね。
回想シーンはここへ繋がる
そして帝国ホテルではついに尾形と勇作が接触。
恐らくこの時はまだ勇作は尾形のことを知らないのでしょう。
ビシッと敬礼して通り過ぎました。
一方で尾形は(こいつが本物の勇作か)とでもいうような厳しい目つき顔をしていました。
杉元が勇作だと思っていた時はあんなに楽しそうだったのに!
そして花枝子たちと別れた杉元&菊田。
月島に撃たれた傷を痛がっている菊田に「俺なんかかばって撃たれるなんてどうかしてますよ。菊田さんにとっては道端で拾ったノラ坊でしょ?」と杉元は心配します。
しかし菊田には杉元を巻き込んでしまった責任があったのです。
そしてここで例の発言。
「いいんだよ、どうせ…俺は地獄行きの特等席だ」
そして「忘れてくれ。花沢勇作のことも全部忘れろ」と菊田は言いました。
こういう事情だったんですね。
そして菊田は最後に、先ほど杉元が花枝子に言っていた“陸軍に入る”という発言について「本気じゃねえよな?」と釘を刺すように問いながら、「お疲れさん。その軍帽返してくれ」と伝えました。
え?軍帽取られたら杉元またふりちんなんですけど…。
『ゴールデンカムイ』ネタバレ278-279話のまとめ
過去編入る前の274話で仄めかされていたシーンが、まさか下半身出した状態で行われていたとは思ってもいませんでしたよ。
しかし全編フルふりちんで描かれた印象が強すぎます。
しかし、たとえ一時に出会った女性でも命がけで守る杉元、その杉元を命がけで守る菊田、宇佐美と月島の相変わらずの戦闘力や勇作という存在に対する尾形の視点、状況からすべてを推測しすでに次の策を思索していそうな鶴見など、やはり見どころは多かったですよね。
何より花枝子とハマ子が本当にかっこよかったなと。
世間に染み付いた価値観を否定してみせたハマ子、そしてその助言に則って見事に自らの力で切り開いて見せた花枝子、この人たちもアシリパ同様“新しい時代の女”と言えるのではないでしょうか。
素敵な別れ方をしましたが、それでもまたどこかで登場してくれるといいなと期待してしまいますね。
さて次回、杉元は軍帽を取られてしまうのでしょうか。
菊田が杉元の股間を気遣って「持ってけ」なんていう展開だったら、杉元がどんな時でも帽子を被っていた理由に繋がりますが、いってもこれは弟の形見ですから手放すのかは疑問です。
これまで杉元に亡き弟を重ねているような雰囲気を見せていた菊田ですが、軍に入って欲しくなさそうな様子も恐らく弟が日清戦争で病死したという過去から来ているのでしょう。
「どうせ地獄行きの特等席だ」と自虐めいた後悔のようなものも、この話以前に理由がありそうなので弟に関する過去から来ていそうですよね。
その辺の話も描かれればいいなと思いますが、ともかくこの過去編がどう締めくくられるのか注目しながらまた次回も楽しみに待ちましょう!

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