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李牧(りぼく)とは何者か
結論から言うと、李牧は趙(ちょう)の三大天のひとりで、秦を最も苦しめてきた軍師です。馬陽で王騎を、宜安で桓騎を討ち、888話でも生きています。
穏やかな顔で戦場を見下ろし、気づいたときには盤面ごと持っていかれている。キングダムの李牧は、信と嬴政(えいせい)の前に何度も立ちはだかってきた趙の柱です。この記事では、李牧がどんな立場の人物なのか、どの戦いで何をしてきたのか、そばにいる側近とカイネ、そして作中でいまどこにいるのかを、1本でつかめるように並べていきます。
この記事でわかること
- 李牧のプロフィールと、趙での立場
- 趙の三大天とは何か、李牧の強さはどこにあるのか
- 馬陽から趙完全攻略編までの主な戦いの一覧
- カイネ・傅抵・馬南慈・舜水樹ら李牧の側近
- 888話時点で李牧はどうしているのか
- アニメの声優と実写映画のキャスト
- 李牧がなぜここまで手強く見えるのか(カイの読み)
李牧のプロフィール
まずは李牧の立ち位置を、表でまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何者か | 趙の三大天のひとり。秦と戦い続ける趙軍の総指揮官 |
| 読み方 | りぼく |
| 初登場 | 13巻135話。馬陽の戦いの最中に姿を見せる |
| 立場の移り変わり | 馬陽の功で宰相 → 合従軍の敗戦で失脚 → 宰相に復帰 → 鄴の敗戦で投獄 → 宜安の勝利で武安君 |
| 知力 | 100。公式ガイドブックで100がつくのは李牧ただ一人 |
| 主な側近 | カイネ、傅抵、馬南慈、舜水樹。かつては慶舎も |
| いま | 生存。888話の時点で、78巻からの趙完全攻略編を迎え撃っている |
| 声優・実写 | アニメは森川智之、実写映画は小栗旬 |
僕はこう読む
表の「立場の移り変わり」の行を見ると、李牧は勝っても負けても趙の宮廷に振り回されているのが分かります。
宰相になり、外され、戻され、牢に入れられ、また頼られる。
戦場では相手の手を何手も先まで読める人が、自分の国の王宮だけは読み切れていない。
この落差こそが、李牧という人物の芯だと思っています。
趙の三大天とはどんな地位なのか
三大天は、趙でいちばん格の高い将に与えられる呼び名です。かつては廉頗・藺相如・趙奢の3人がその座にいて、作中のいまは李牧と龐煖の2人が「新三大天」として数えられます。史実にこの称号はなく、キングダムが作った呼び名です。
同じ三大天でも、龐煖と李牧は正反対です。龐煖は武だけで道を求めた男で、李牧は戦場で剣を振るうより、盤面全体を動かす側にいます。李牧が総大将として出るとき、強敵を直接討つ役は龐煖のような切り札に任せ、自分は指揮に徹するのが基本の形でした。
李牧の強さはどこにあるのか
公式ガイドブック『戦国七雄人物録』では、知力100がついているのは李牧だけです。昌平君と王翦が99で、その上にただ一人いることになります。秦の名だたる軍師より、さらに一段上の頭脳として扱われているわけです。
強さの中身は、戦場に着く前から勝負を決めてしまうところにあります。馬陽では、戦の途中から4万の兵を連れて現れ、王騎の退路を断ちました。合従軍では、秦以外の国々をまとめて一斉に攻め込ませています。個々の戦で勝つより、戦そのものの形を作り替えるのが李牧のやり方です。
そしてもう一つが、守りの将であることです。李牧の戦いは、ほとんどが趙を守るための戦いでした。若いころは北の雁門で匈奴と向き合っていて、カイネも幼いころに匈奴に両親を奪われ、李牧に救われています。攻め取ることより、失わないことに全力を注ぐので、秦から見ると崩しどころがありません。
李牧の主な戦いの一覧
李牧が関わった主な戦いを、巻の順に並べます。
| 戦い(巻) | 李牧がしたこと・結果 |
|---|---|
| 馬陽の戦い(11〜16巻) | 途中から加わり、王騎を討つ策を成功させる。この功で趙の宰相に |
| 秦趙同盟(17巻) | 咸陽に乗り込み、秦と趙の同盟を結ぶ |
| 合従軍(24〜33巻) | 楚・魏・韓・燕と組み、秦に一斉に攻め込む。函谷関が抜けず、蕞でも敗れて失脚 |
| 黒羊丘(41〜45巻) | 戦場は側近の慶舎に任せる。慶舎は44巻472話で信に討たれる |
| 鄴・朱海平原(46〜58巻) | 王翦と知略で競り合うが、58巻627話で龐煖が討たれて撤退。鄴を失い投獄される |
| 宜安・肥下(65〜69巻) | 桓騎軍を包囲し、69巻752話で桓騎を討つ。武安君に封じられる |
| 番吾(71〜73巻) | 自分を囮にして李信を引き離し、司馬尚の青歌軍で王翦本陣を突いて敗走させる |
| 趙完全攻略編(78巻〜) | 幽繆王から王都軍5万を預かり、秦の大軍を迎え撃つ。888話でも戦いは続いている |
表で見ると、李牧は秦に何度も負けているようにも見えます。けれど負けた合従軍と鄴は、李牧が仕掛けた側の攻めや、圧倒的に不利な守りの戦いでした。腰を据えて秦を迎え撃った宜安と番吾では、秦の六大将軍の桓騎を討ち、王翦を敗走させています。
王騎を討った馬陽と、合従軍
読者が李牧を初めて強く意識するのは、馬陽の戦いです。王騎は龐煖との一騎打ちのさなか、李牧の軍が背後から迫ったことで包囲され、討たれました。中華最強とうたわれた六大将軍を、戦の途中から来た趙の軍師が終わらせた形です。この功で李牧は趙の宰相になります。
その後、李牧は咸陽に乗り込んで秦と同盟を結び、そのうえで合従軍を組み上げました。函谷関は王翦や麃公(ひょうこう)の働きで抜けず、李牧は自ら別働隊を率いて南の道から咸陽の目前、蕞まで迫ります。あと一歩のところで、嬴政が率いた蕞の民と山の民の援軍に阻まれました。敗戦の責を負って宰相を外され、前線の見回りへ回されています。
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馬陽で王騎を討った同じ男が、そのすぐあとに秦へ同盟を結びに来る。
読者からすると、恨みの相手が笑顔で敵地に座っている場面です。
でも李牧の側から見れば、王騎を討ったのも同盟を結んだのも、趙を守るための一手でしかありません。
感情ではなく盤面で動く人だと、ここで初めて分かる作りになっていると思っています。
鄴で敗れて投獄、宜安で桓騎を討つ
李牧が二度目に大きく負けたのが、鄴の攻防です。朱海平原で王翦と15日にわたって知略を競いましたが、龐煖が信に討たれて撤退しました。二人で新しい国を作ろうと王翦に誘われる場面もありましたが、李牧はこれをはっきり断っています。鄴を失った責任で、李牧は邯鄲に連れ戻されて牢に入れられました。
牢から出したのは太子の嘉です。ところが次の王に指名されたのは末子の遷で、李牧は粛清される側に回ってしまいます。邯鄲を抜け出し、司馬尚が治める青歌へ身を寄せたのが、李牧の再起の始まりでした。
戦線に戻った李牧は、宜安で秦軍を待ち構えます。桓騎軍を肥下で包囲し、69巻752話で桓騎を討ち取りました。秦の六大将軍を討った李牧は、幽繆王から武安城を与えられ、武安君に封じられます。翌年の番吾でも王翦を敗走させ、王翦軍の田里弥は73巻793話「本物の殿」で、亜光とともに王翦を逃がす殿となって討たれました。
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宜安と番吾の李牧は、合従軍のころよりずっと怖く描かれていると感じます。
牢に入れられ、王宮から追われ、それでも趙のために戻ってきた。
失うものをすべて失いかけた人が、守るためだけに戦い始めたからだと思っています。
桓騎も王翦も、攻める側の天才です。その2人を続けて止めたことで、李牧は「守りの将」として完成したと読んでいます。
李牧を支える側近たち
李牧の強さは、本人の頭脳だけではありません。李牧のまわりには、それぞれに役目を持った側近がそろっています。
| 名前 | 李牧との関わり |
|---|---|
| カイネ | 雁門のころから仕える護衛で、のちに将軍。78巻849話で李牧と婚礼を挙げる |
| 傅抵 | 二刀流の側近。カイネに思いを寄せている |
| 馬南慈 | 李牧軍の副官。朱海平原の616話で蒙恬に右目を斬られるが生存 |
| 舜水樹 | 484話から登場する副官。「北の遺児」と呼ばれる北方の出身 |
| 慶舎 | 軍略大会で李牧に見いだされた「沈黙の狩人」。黒羊丘で戦死 |
このなかで、李牧の素顔にいちばん近いのがカイネです。宜安の戦いで瀕死になったカイネを、李牧は68巻742話で自ら救い出し、「約束したではありませんか。全部終わったら一緒に雁門に帰ると」と語りかけました。そして78巻849話、邯鄲から武安へ向かう途中の婚礼の式場跡で、李牧はカイネに求婚し、2人だけで式を挙げています。
僕はこう読む
「全部終わったら一緒に雁門に帰る」という一言に、李牧のすべてが入っていると思っています。
中華を取りたいわけでも、名を残したいわけでもない。
戦が終わったら、北の辺境に帰りたいだけの人です。
いちばん帰りたがっている人が、いちばん戦場から離れられない。その皮肉が、カイネの前でだけ見えています。
李牧はいまどうしているのか
作中は78巻から、秦が趙を落としにかかる趙完全攻略編に入りました。李牧は出陣の前に邯鄲へ入り、幽繆王から王都軍5万を預かっています。ところが民衆が李牧に熱狂し、「李牧こそが王に相応しい」という陰口が王の耳に入りました。王は李牧に軍を預けながら、心の中で不信を育てはじめています。
883話では、秦の姚賈(ようか)が邯鄲の民に仲間を紛れ込ませ、「李牧将軍万歳」の声を広げる工作を始めました。王より李牧が慕われている形を、秦がわざと作りにいったのです。888話の時点で李牧は生きていて、趙の防衛を指揮し続けています。
史実の李牧は、紀元前229年に命を落とします。秦の王翦に買収された郭開の讒言を幽繆王が信じ、命令を拒んだ李牧は捕らえられて殺されました。作中の78巻はまさにこの紀元前229年を描いていて、物語は史実で李牧が死ぬ年のただ中にいます。作中でその場面はまだ描かれていません。
僕はこう読む
姚賈の工作が怖いのは、嘘を一つもついていないところです。
民が李牧を慕っているのは本当で、秦はその声を少し大きくしただけ。
李牧がこれまで守ってきたものが、そのまま李牧を追い詰める道具になっていると思っています。
戦場で崩せない将を、戦場の外から崩す。王翦が番吾で学んだのは、きっとそこです。
アニメの声優と実写映画のキャスト
アニメで李牧の声を担当しているのは森川智之です。穏やかな話し方の奥に、相手を見透かす冷たさがのぞく声で、馬陽の初登場から李牧の印象を形づくってきました。
実写映画で李牧を演じているのは小栗旬です。2023年の『キングダム 運命の炎』で初めて姿を見せ、2026年7月17日公開の『キングダム 魂の決戦』では合従軍を率いる総大将として秦に攻め込みます。
まとめ
李牧は趙の三大天のひとりで、知力100の軍師です。王騎を討つ策で宰相になり、宜安で桓騎を討ち、888話の時点でも趙を守る側に立っています。
李牧という人物を形づくっている事実を並べます。
- 初登場は13巻135話。馬陽で王騎を討つ策を成功させ、趙の宰相になった
- 合従軍は蕞で敗れて失脚し、鄴の敗戦のあとは投獄された
- 宜安で69巻752話に桓騎を討ち、番吾では王翦を敗走させた
- 側近はカイネ・傅抵・馬南慈・舜水樹。カイネとは78巻849話で婚礼を挙げた
- 78巻からの趙完全攻略編でも、888話の時点で生存している
僕はこう読む
李牧を「秦の宿敵」としてだけ見ると、李牧の半分しか見えないと思っています。
馬陽でも宜安でも、李牧が動く理由はいつも同じで、趙を守ることでした。
敵として最強なのは、守るものがはっきりしているからです。
だからこそ、その守ってきた国にどう扱われるのかが、物語の大きな山場になっていくと読んでいます。
秦の前に立ちはだかる天才軍師と見るか、自分の国に振り回され続けた守りの将と見るかで、李牧の一つひとつの判断がずいぶん違って見えてきます。
——あなたは李牧を、秦を苦しめる最強の敵だと思いますか。それとも、趙に報われない悲しい名将だと思いますか。よければコメントで、どちらに近いか教えてください。
よくある質問
李牧は馬陽の宰相から鄴の投獄、宜安の武安君まで、立場が何度も入れ替わってきました。よく聞かれるところを短く答えます。
Q. 李牧の初登場は何巻何話ですか?
A. 13巻135話です。馬陽の戦いの最中に登場し、そのまま王騎を討つ策を成功させました。
Q. 李牧は死亡していますか?
A. 888話の時点では生きています。78巻からの趙完全攻略編で、趙の防衛を指揮しています。史実では紀元前229年に趙王の命で殺されていますが、作中ではまだ描かれていません。
Q. 李牧はなぜ強いのですか?
A. 戦が始まる前から盤面を作り替える知略の将だからです。公式ガイドブックで知力100がつくのは李牧ただ一人です。
Q. 李牧の声優と実写キャストは誰ですか?
A. アニメの声は森川智之、実写映画で演じているのは小栗旬です。
Q. 李牧とカイネは結婚していますか?
A. しています。78巻849話で、李牧がカイネに求婚し、2人だけで婚礼を挙げました。
李牧の原点は889話の雁門に描かれます。カイネとの婚礼、そして李牧の最後へ。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年10月8日


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