本ページはプロモーションが含まれています
アル(アルデバラン)とは何者なのか
結論から言うと、アルはプリシラの騎士で、スバルと同じ異世界の記憶を持つ男です。正体は強欲の魔女エキドナに創られた教え子で、真名はナツキ・リゲルです。
漆黒の兜で頭を覆った隻腕の男で、プリシラからは「アル」と呼ばれます。スバルのことは最初から「兄弟」と呼び、軽口ばかり叩く道化のような態度で王選の場に立っていました。
その正体が一気に明かされるのは、原作Web版9章です。9章52話「アルデバランⅠ」で、アルが強欲の魔女に「ボクが創った君」と呼ばれた存在だったと分かり、9章56話「ペトラ・レイテ」で、自分の真名を「ナツキ・リゲル」と叫びます。同じ9章で、アルはスバルたちを裏切りました。
アニメでは1期から登場していて、声は1期が藤原啓治さん、2期からは関智一さんです。異世界から来た男が、なぜスバルの敵に回ったのか。原作Web版の話数と一緒に順に追っていきます。
この記事でわかること
- アルのプロフィールと、いまどうなっているか
- スバルと同じ「異世界から来た男」と言える理由
- 正体:強欲の魔女に創られた教え子という過去
- 真名ナツキ・リゲルが明かされた場面
- 死に戻りに似た権能『領域』のしくみ
- 9章の裏切りと封印、声優の交代
アルのプロフィール
名前で調べた人が知りたいことを、先に表にまとめます。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 呼び名 | アル。正式に名乗っている名はアルデバラン |
| 真名 | ナツキ・リゲル(Web版9章56話で本人が叫ぶ) |
| 立場 | 王選候補プリシラ・バーリエルの騎士 |
| 見た目 | 漆黒のフルヘルムに山賊風の服。左腕が無い隻腕 |
| 年齢 | 本人いわく「そろそろ四十前後」。この世界に来て「十八年ぐらい」(Web版3章13話) |
| 戦い方 | 青龍刀と、土の魔法。最下級の「ドーナ」を壁や足場に使う |
| 権能 | 『領域』。決めた時間と場所の中で、死んでもやり直せる |
| 声優 | 藤原啓治(アニメ1期)→ 関智一(2期から) |
| いまどうなっているか | Web版9章59話でスバルとベアトリスに黒い魔玉へ封じられ、10章ではスバルが首から下げている |
アルの「兄弟」という呼び方は、9章に入るとがらりと意味を変えます。9章12話で、アルはスバルに向かって「わかってるぜ、兄弟……いや、ナツキ・スバル」と言い直しました。
僕はこう読む
表の「真名」と「いまどうなっているか」の2行が、アルという男の全部だと思っています。
名前を明かした直後に封じられ、いまはスバルの首にぶら下がっている。いちばん近くにいるのに、いちばん話せない相手になったわけです。「兄弟」と呼んでいた頃より、物理的にはずっと近い。その皮肉が、9章の終わりの苦さを決めていると読んでいます。
スバルと同じ「異世界から来た男」(Web版3章13話)
アルがスバルと同郷だと分かるのは、Web版3章13話「同郷」です。王城でプリシラに捕まったスバルに、アルは元の世界の話を振ってきます。そして「オレはうな丼の方が好きだね。もっとも、どっちもこっちじゃ見ねぇけどな」と、元の世界の食べ物の話で笑いました。
ただし、アルの記憶には奇妙な欠けがありました。本人はこう打ち明けています。
「ここでない世界の記憶がオレにはあるが、その記憶を持ってるオレ自身の記憶がオレにはない」
異世界の知識はあるのに、そこで生きた自分の思い出が無い。だからアルは、自分の頭がおかしいのではないかと疑い続けてきました。スバルに出会って「オレの記憶は本物だった」と救われたように語るのは、そのためです。この欠けの答えが、9章で明かされる正体につながっていきます。
正体は強欲の魔女に創られた教え子(Web版9章52〜53話)
アルは、400年前に強欲の魔女エキドナに創られ、育てられた教え子でした。9章52話「アルデバランⅠ」は、エキドナのこの言葉から始まります。
「――誰も、ボクが創った君には勝てないよ」
アルはエキドナを「先生」と呼び、魔法や権能の使い方を叩き込まれました。権能の性能を試すために、百万を超える回数の「死」を与えられたとも振り返っています。エキドナにとってアルは、ほかの魔女に抗うための切り札でした。
続く9章53話「アルデバランⅡ」で、アルの過去が語られます。
| 時期 | 何があったか |
|---|---|
| 400年前 | エキドナのもとで育つ。「負けてはならない戦い」に敗れる |
| 目覚め | ヴォラキア帝国の剣奴孤島で目を覚ます。400年近くが過ぎ、強欲の魔女のことを誰も覚えていなかった |
| 剣奴孤島 | 十年以上、見世物の殺し合いを強いられる。新入りの試し合いを『領域』で304回やり直して生き延びた |
| 島を出たあと | 魔女の手がかりを求めて魔女教の大罪司教ペテルギウスと渡り合い、のちに夢の城でエキドナと再会する |
| いま | プリシラの騎士として王選の場に立つ |
漆黒の兜は、剣奴孤島から持ち出した餞別でした。顔を隠せる頑丈なフルフェイス型なのを気に入って、そこから被り続けています。
アルは剣奴孤島でも、エキドナの話をして「妄想だ」と笑われ、殴りかかって孤立しています。覚えている人が自分しかいない先生を、アルは十年以上、一人で信じ続けていました。
僕はこう読む
3章でアルが言った「その記憶を持ってるオレ自身の記憶がない」は、9章を読んだあとだと別の意味に聞こえます。
異世界の知識は持っているのに、そこで暮らした覚えが無い。知識だけを詰めて創られた存在だったから、と読むと筋が通るように思えます。ただ、エキドナが何を元にアルを創ったのかは、作中ではまだ語られていません。ここは僕の読みとして置いておきます。
真名はナツキ・リゲル(Web版9章56〜57話)
アルの真名は「ナツキ・リゲル」です。明かされるのは、9章56話「ペトラ・レイテ」の終わりから9章57話「最後の奉公」にかけてです。
『領域』を封じられ、追い詰められたアルは、暴食の大罪司教ロイ・アルファルドに自分の「名前」を喰わせて、全員の記憶から消えようとします。名前を喰われれば、誰にも覚えられなくなる。その策のために、アルは叫びました。
「リゲル。――ナツキ・リゲルだ!!」
地の文は、これを「『後追い星』を名乗る前の、アルデバランの真名」と書いています。アル自身は、その名を「一度も直接呼ばれたことのない親からもらった名」と振り返り、エキドナから何度も呼ばれたアルデバランのほうがずっと耳になじんでいると感じていました。
その叫びを聞いた『憂鬱の魔女』ペトラは、「ナツキ・リゲル。――その響きは、明らかにナツキ・スバルと無縁ではない」と受け止めます。家名はスバルと同じナツキで、リゲルも昴(すばる)と同じく星の名前です。
ただし、リゲルの親が誰なのかは、作中ではまだ明かされていません。「スバルの息子ではないか」という読みはよく語られますが、本文で確かめられるのは「ナツキの家名」と「親からもらった名」の2つまでです。
僕はこう読む
アルデバランは、夜空でプレアデス(昴)のあとを追うように昇る星です。
エキドナがつけた名前が「後追い星」で、親がつけた名前が「リゲル」。どちらの名前も、最初からスバルの星を基準に決められているように見えます。自分の名前を喰わせて消えようとした場面で、捨てる名前に真名を選んだ。アルにとって本当の名前は、守るものではなく差し出せる最後の持ち物だったのだと思っています。
権能『領域』とは:死に戻りとどう違うのか(Web版9章55話)
アルの『領域』は、自分で決めた時間と場所の中でだけ、死んでもやり直せる権能です。発動のたびに、アルは「領域展開、マトリクス再定義」と口にします。
9章55話「領域の加害者」によると、『領域』は魔女因子にゆかりのある権能ですが、アル自身は魔女因子を持っていません。エキドナはこれを「番外」「特例」と呼び、生まれつき扉が半開きになっている状態だと説明していました。アル本人も、全体の8割ほどしか把握できていないと語っています。
| アルの『領域』 | スバルの死に戻り | |
|---|---|---|
| やり直す範囲 | 自分で決めた時間と場所の中だけ | 決まった地点まで戻される |
| 記憶 | やり直しのたびにアルが覚えている | スバルが覚えている |
| 弱点 | 範囲の外へ出されると、やり直しが効かない | 戻る地点を自分で選べない |
| 決定的な違い | 「バグ」で、やり直す権利が相手に移ることがある | 他人に移らない |
いちばん恐ろしいのは、この「バグ」です。何かの掛け違いで、やり直しの主導権がアルではなく相手に移ると、相手のほうが終わらない時間を延々と繰り返すことになります。巻き込まれた者は軒並み心を壊しました。剣奴孤島で、あと一歩でアルを殺せた相手が目の前で精神を崩す場面が何度もあったのも、このためです。
アルの強みは、勝ち目がほんのわずかでもあれば、それが来るまで手札をめくり続けられる粘り強さです。9章53話でアルは、数億回挑んでも勝てなかった相手がいたと振り返っています。
僕はこう読む
『領域』の「バグ」を知ると、アルの軽口の見え方が変わると思っています。
やり直しを重ねるほど、自分の心はすり減る。しかも失敗すれば、目の前の相手の心まで壊してしまう。9章52話でアルは、繰り返す時間を「成長させない、無為な時間」と呼んでいます。王選の場でへらへら笑っていた男は、何万回分の停滞を兜の下にしまい込んでいたのだと読んでいます。
9章でアルは何をしたのか(裏切りと封印)
プリシラが亡くなったあと、アルはスバルたちに頼んで、プレアデス監視塔へ連れていってもらいます。プリシラの「死者の書」を読みたい、というのが口実でした。9章11話「君はもうどこにもいない」の終わりで、アルの本当の目的が書かれます。
「――ナツキ・スバルを、この世界から取り除くための、戦いを」
| 話数 | 何が起きたか |
|---|---|
| 9章12話 | 塔に着いた初日の夜、禁術「オル・シャマク」でスバルとベアトリスを黒い球に封じる。「オレは、お前を殺さない」 |
| 9章13話 | 魂の抜けた神龍ボルカニカの体に自分の記憶を宿し、もう一人の『アルデバラン』として連れ出す |
| 9章14〜15話 | 追ってきたラインハルトと戦う。『アルデバラン』が星を落としてラインハルトを足止めする |
| 9章16話 | ヤエ、ハインケル、ロイ・アルファルドを共犯者に加え、「七日で、世界の終わる原因を取り除く」と告げる |
| 9章56〜57話 | 『領域』を封じられ、ロイに真名ナツキ・リゲルを喰わせようとする |
| 9章59話 | スバルの死に戻りで周回がやり直され、アルが動き出す直前に、スバルとベアトリスが先にオル・シャマクでアルを封じる |
9章で描かれた裏切りの多くは、スバルの死に戻りで「なかったこと」になった周回の出来事です。最後にスバルは、アルが動き出す前の夜に戻り、アルが自分たちにかけた禁術を、今度は先にアルへかけました。
封じられる瞬間、アルは「――星が、悪かったのさ」とつぶやき、プリシラの「そら見よ、また妾の勝ちじゃ」という声を聞いています。10章に入っても、アルを閉じ込めた魔玉はスバルの首から下げられたままです。
僕はこう読む
アルが狙ったのは、スバルを殺すことではなく「取り除く」ことでした。
9章12話でアル自身が、スバルを殺そうとしても意味がない、それをすればスバルの戦場になると考えています。死に戻りを知っている者だけが選べる戦い方です。そして最後は、そのスバルの死に戻りに負けた。同じ力を持つ者どうしで、先に「なかったこと」にしたほうが勝つという決着だったと読んでいます。
プリシラとアルの関係
アルは、戦う力より、奇抜な格好と発言をプリシラに気に入られて騎士になった変わり種です。プリシラは「妾の退屈を紛らわせる道化はひとりいればいい」と言い、アルを道化として手元に置いていました。
9章56話でアルは、プリシラとの出会いで人生の幸運を使い切ったと感じています。9章の終幕では、メイドのヤエが「奥様の暗殺をアル様に阻止されて」と振り返っていて、アルがプリシラの命を陰で守っていたことも分かります。
そのプリシラは、Web版8章の終わりで命を落としました。アルが9章で「一度は放棄した自分の本来の目的」に戻ったのは、プリシラがもういないからです。プリシラが生きていたあいだ、アルはエキドナに託された役目を捨てていたことになります。
僕はこう読む
ヤエの一言で、プリシラの騎士だった年月の重さが分かると思っています。
送り込まれた暗殺者から、主の命を守っていた。道化を演じながら、プリシラを生かすことに自分の力を使っていたことになります。エキドナの切り札として創られた男が、エキドナとは関係のない一人のために戦っていた。その時間を失ったことが、アルを元の役目へ押し戻したのだと読んでいます。
アルの声優は藤原啓治さんから関智一さんへ
アルの声は、アニメ1期が藤原啓治さん、2期からは関智一さんです。プリシラの声優は田村ゆかりさんのままで、交代したのはアルのほうです。
藤原啓治さんは2016年8月8日に病気療養のための休業を発表し、2017年6月16日に体調を見ながら仕事を再開すると発表されました。2020年4月12日に亡くなっています。アニメ3期の第63話「戦士の称賛」では、地下水道で再生を続けるカペラと戦う姿が描かれました。
まとめ|アル(アルデバラン)の正体
アルは、プリシラの騎士で、強欲の魔女エキドナに創られた教え子です。真名はナツキ・リゲルで、9章の終わりにスバルに封じられました。
- スバルと同じ異世界の記憶を持つが、そこにいた自分の記憶が無い(Web版3章13話)
- 400年前にエキドナに創られた切り札で、剣奴孤島で目覚めて十年以上を過ごした(9章52〜53話)
- 真名はナツキ・リゲル。親が誰かは作中でまだ明かされていない(9章56〜57話)
- 権能『領域』は、決めた時間と場所の中だけでやり直せる力。主導権が相手に移る「バグ」がある
- 9章でスバルを「取り除く」ために裏切り、最後はスバルとベアトリスに魔玉へ封じられた
- 声優はアニメ1期が藤原啓治さん、2期から関智一さん
僕はこう読む
アルは、スバルに「兄弟」と呼びかけた最初の同郷人で、スバルを世界から取り除こうとした最初の同郷人でもあります。
同じ星の名を持ち、同じようにやり直せる力を持ち、それでも一度だけ、プリシラの隣で役目を忘れて生きた。後追い星が、一度だけ自分の軌道を外れた時間が、プリシラの騎士だった年月なのだと思っています。だからこそ、封じられる直前に聞こえたのが、エキドナではなくプリシラの声だったのでしょう。
アルの裏切りは、エキドナに託された役目に戻ったとも、プリシラを失った痛みから出たものとも読めます。
——あなたはアルの裏切りを、エキドナに託された役目に戻っただけだと思いますか。それとも、プリシラを失った痛みが引き金だったと思いますか。よければコメントで教えてください。
よくある質問
アルはアルデバラン、ナツキ・リゲルと呼び名が3つあるので、正体や声優の話が混ざりやすい人物です。よく聞かれるところを置いておきます。
Q. アルの正体は何ですか。
A. 400年前に強欲の魔女エキドナに創られた教え子です。原作Web版9章52話「アルデバランⅠ」で、エキドナの「ボクが創った君」という言葉とともに明かされます。
Q. アルの真名ナツキ・リゲルはどこで分かりますか。
A. Web版9章56話「ペトラ・レイテ」の終わりで、アルが「リゲル。――ナツキ・リゲルだ!!」と叫びます。9章57話で、それが「後追い星」を名乗る前の真名だと書かれています。
Q. アルはスバルの息子ですか。
A. 作中でははっきりしていません。家名がスバルと同じ「ナツキ」で、親からもらった名がリゲルだということまでは本文で分かりますが、親が誰かはまだ明かされていません。
Q. アルも死に戻りができますか。
A. 同じではありませんが、似た権能『領域』を持っています。自分で決めた時間と場所の中でだけ、死んでもやり直せます。やり直しの主導権が相手に移る「バグ」がある点がスバルとの大きな違いです。
Q. アルは死亡しましたか。
A. 死んではいません。Web版9章59話でスバルとベアトリスに禁術オル・シャマクで魔玉へ封じられ、10章ではスバルがその魔玉を首から下げています。
Q. アルの声優はなぜ変わったのですか。
A. アニメ1期の藤原啓治さんが2016年8月に病気療養で休業を発表し、2期からは関智一さんが演じています。藤原啓治さんは2020年4月12日に亡くなっています。
アルの次は、仕えるプリシラ、同郷のスバル、交代した声優の話へ。
仕える王選候補プリシラとは何者か?正体はヴォラキア帝国の皇女プリスカで、Web版8章終幕で死亡!プリシラの正体はヴォラキアの皇女プリスカです。
同郷の主人公ナツキ・スバルとは何者か?死に戻りで戦う主人公で、記憶喪失は4期17話で戻ります!スバルは死に戻りで戦う同じ世界の出身です。
声優の交代プリシラの声優は交代したのか?田村ゆかりのまま!変わったのはアルで藤原啓治から関智一にアルの声は関智一さんに変わったのでしょうか?
この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年10月3日


コメントを残す