アシリパの父の友人として登場し、杉元たちの旅に同行することになったアイヌの男キロランケ。
仲間を思いやるおおらかな人柄ですが、謎も多く、裏切り者との疑いもあります。
はたして杉元たちの味方なのか敵なのか。
ここではその優しさと疑いの狭間でミステリアスな魅力を持つキロランケについてご紹介していきます。
目次
【ゴールデンカムイ】ウイルクの知人として登場
キロランケは、杉元たちが川でイトウを獲ろうとしていたところ、川に落ちた白石を助けたのが初登場です。
極寒の山で躊躇なく川に飛び込み豪快に白石人魚を捕獲した髭の大男という、頼れる強キャラ感のあるかっこいいシーンでした。
謎の男かと思いきや、彼はアシリパの父ウイルクの友人でアシリパとはすでに面識があり、2人はウイルクの葬式以来の再会とのこと。
アシリパも「キロランケニシパ」と呼び、親しげな様子を見せました。
【ゴールデンカムイ】ロシアの樺太アイヌ出身
キロランケは若い頃ウイルクとともに北海道へ渡ってきたロシア系のアイヌです。
特徴的な髪型は樺太アイヌ独特のものだそうですが、その立派な髭も相まってとてもハイセンスなビジュアルですね。
アシリパほどではないですが、アイヌの文化なども度々説明してくれます。
旧友とは言え、互いに家族を持ってからはウイルクとは徐々に疎遠になっていたようです。
【ゴールデンカムイ】家族はポッチャリ奥さんと2人の子供
ウイルクとアシリパが小樽のコタンにいる一方で、キロランケは近くの村で生活していました。
妻と2人の小さな子どもがいます。
その妻が少しポッチャリな女性なのですが、どうやらキロランケは好みがこういうタイプのようで、それが一部のファンの好感・共感を呼んでいます。
渡ってきた地で好みのタイプの女性と家族を持ったキロランケ、金塊への旅に出た彼は、優しそうな奥さんとまだ小さい子どもの元へちゃんと帰ってくるのでしょうか。
【ゴールデンカムイ】火薬の扱いに慣れており乗馬が得意
キロランケは火薬の扱いに長けており、よく手榴弾や爆弾を自作しています。
その技術は心強くもありますが、杉元には危険視されています。
そして小さい頃から馬に慣れ親しんでいるので、人一倍馬に詳しく、もちろん乗馬の腕も立ち、とにかく馬が大好き。
苫小牧競馬場では、当時の日本にはなかったいわゆる「モンキー乗り」を披露して皆を驚かせました。
どんな状況でも馬に優しく接する姿が作中に度々登場しますので、キロランケの馬愛の強さを感じることができます。
【ゴールデンカムイ】濃いアゴヒゲがトレードマーク
キロランケと言えば樺太アイヌ独特の髪型もそうですが、やはり立派な顎ヒゲですよね。
実は一度そのトレードマークである髭を綺麗に剃ったことがあります。
苫小牧競馬場で、いなくなった騎手の代わりにレースに出ることになった時なのですが、杉元と白石が思わず触ってしまうほどツルツルで別人のような爽やかな顔になりました。
しかしレース後にはもう生えているほどなので、彼の体に必須のものなのでしょう。
【ゴールデンカムイ】第七師団の工兵として活躍していた過去
キロランケは、かつて陸軍の第七師団に所属していたという経歴もあります。
第七師団という言葉で杉元に警戒されますが、鶴見中尉とは別の隊だったようです。
「不死身の杉元」という存在はやはり耳にしていたそうなので、ここでも杉元はヤバさが確認出来ましたね。
その軍人時代は工兵で、二〇三高地では即席の手投げ弾を大量に作ったり、ロシア軍の堡塁に地面を掘って近づいて爆破したりしていたという話です。
だから火薬や爆弾に詳しかったのでしょうが、物語が進むにつれて、元々詳しかった可能性も浮上してきました。
ちなみに先述のように馬に精通していたので、日露戦争でも、所属する工兵部隊の馬の世話を一手に任されていたそうです。
【ゴールデンカムイ】のっぺらぼうが父親だとアシㇼパさんに報告
川でアシリパと再会したキロランケでしたが、それは偶然ではありませんでした。
「小蝶辺明日子」つまりアシリパを探しに訪ねてきた人物がいたことを伝えるために待っていたと言います。
そしてのっぺらぼうはウイルクであると伝え、アシリパを動揺させました。
ウイルクと同じ国から来た人間として責任を感じ、金塊は北海道アイヌに返すべきだという考えで、この件を最後まで見届けたいとして杉元たちに同行することになりました。
【ゴールデンカムイ】インカラマッの占いでは裏切り者として指名
インカラマッがアシリパのコタンへ行った際、フチたちに「アシリパの同行者に危険な裏切り者がいる」というフチを不安にさせるような占い結果を伝えましたが、その時アシリパと一緒にいたのが、杉元・白石そしてキロランケでした。
その後インカラマッが合流し、アシリパたちの前でキロランケこそがアイヌの金塊強奪犯であると告げられます。
確実と言える証拠がないのでその場は収まりましたが、皆がキロランケに抱いていた疑心をさらに強める一件でした。
土方歳三もキロランケを「極東ロシアのパルチザンで、のっぺらぼうの一味だ」と推測していますので、キロランケが金塊を奪った側(=アシリパからすれば裏切り者)という認識が共通していることになりますね。
【ゴールデンカムイ】杉元とウイルクが撃たれたとき尾形に合図した?
ついに容疑が確信となったのが、一同の目的地・網走監獄でのことでした。
ウイルクを見つけた杉元でしたが、間もなくウイルクとともに何者かに狙撃されてしまいます。
犯人は狙撃の名手尾形だったのですが、インカラマッの証言によると、その狙撃のタイミングでキロランケがどこかに合図を送っていたと言います。
直後インカラマッがキロランケと言い合いになり腹部を刺されたということでしたが、インカラマッの執念で腹に刺さったままにしていた凶器がキロランケのマキリだったことから、インカラマッの証言に信憑性があるものと捉えられます。
ここで本当に裏切り者となったキロランケと尾形ですが、2人は一体いつから、どのような経緯で手を組んでいたのでしょう。
【ゴールデンカムイ】キロランケと行動するアシㇼパさん達の運命は?
杉元たちを裏切ったキロランケと尾形は、アシリパを連れて(白石もついてきました)樺太へ渡りました。
金塊への鍵であるアシリパとともに、金塊を待つかつての仲間の元へ帰ってきたようです。
キロランケが向かう先そして金塊強奪の真相に近づくにつれて、徐々にキロランケの過去が明らかとなってきました。
そして彼が、ロシア皇帝を爆殺した犯人として手配されているという衝撃的な内容も明らかとなりました。
そんな危険人物と行動しているアシリパは、同時に自分の父親の過去へも近づくことになりますし、杉元がいない旅路は彼女にはとても不安な状態です。
キロランケがアシリパを〝金塊への鍵〟としてしか認識していないのであればこの旅はとても悲しいですが…キロランケの目的が気になるところですね。
まとめ
皆が怪しみながらも仲良く道中ともにしてきたキロランケでしたが、やはり裏切り者となりました。
キロランケが予想以上に危険な過去を持つ人物だと判明しましたが、同時に今その過去の彼に戻ってきているということでもあり、危険な感じも漂います。
キロランケはキロランケなりの強い目的で動いている様子が窺えますが、はたしてそれは正義なのか悪なのか、金塊を手にするに値するのか。
キロランケとウイルクの過去が徐々に明らかとなってきてますます物語の核心に迫ってきたゴールデンカムイ。
キロランケは今キーマンであると言えますので、今後の動向に要注目です。
