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フェリスはクルシュを刺したのか
結論から言うと、フェリスが刺したのはクルシュ本人ではなく、クルシュの姿に化けた『色欲』のカペラです。胸を刺された傷は、カペラが撫でただけで一瞬で消えました。
この場面があるのは、Web版5章60話『一つの終わりと、一つの戦い』です。アニメでは3rd seasonの60話「強欲攻略戦」で、カペラが都市庁舎に現れ、クルシュを治す方法を問うフェリスが拘束される流れとして描かれています。
題の「一つの終わり」はレグルスとの戦いの決着、「一つの戦い」は都市庁舎で始まったカペラとの戦いです。この記事では、花嫁たちが救われた前半から、フェリスが刺せと迫られた場面、ベッドに隠れていたアナスタシアの罠、そして地下で待っていたアルまでを、物語の順にたどります。
この記事でわかること
- フェリスが刺した相手と、刺したあとに起きたこと
- カペラがクルシュの姿で「刺せ」と迫った理由
- フェリスの「役立たず」の一言と、腐り落ちた触手
- ベッドにいたアナスタシアと、都市庁舎に張られた罠
- 前半の「一つの終わり」で、エミリアが花嫁53人を救った方法
5章60話の早見表
まず、この回で何が起きるのかを表にまとめます。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| Web版の話数 | 第五章60『一つの終わりと、一つの戦い』 |
| アニメ | 3rd season 第60話「強欲攻略戦」 |
| フェリスが刺した相手 | クルシュに化けたカペラ。傷は一瞬で消えた |
| 場所 | 都市庁舎の最上階、クルシュとフェリスに割り当てられた部屋 |
| ベッドにいた人 | クルシュではなく、髪を緑に染めたアナスタシア |
| 前半の決着 | レグルスの花嫁53人が、一人も欠けずに氷から目覚める |
| 話の終わり | 地下に落とされたカペラの前に、アルが現れる |
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エミリアは、死なせずに救う方法を最後まで探した人でした。
同じ回の後半で、フェリスは愛する人の姿をした相手を刺せと迫られます。
前半で「誰も殺さずに済んだ」話を見せてから、後半で「殺す形だけを強いられる」話をぶつける。題の二つは対になっていると思っています。
一つの終わり|花嫁53人は一人も欠けなかった
話は、白い光の中で目覚める花嫁シルフィの場面から始まります。銀髪の少女に「おはよ。お寝坊さんも、目覚めの時間よ」と起こされ、シルフィの頬を涙が伝いました。レグルスの花嫁たちは、ドレス姿のまま53名きっちり、一人の欠員も出さずに氷の結界から解放されたのです。
花嫁たちの心臓には、レグルスの『獅子の心臓』が同化していました。スバルは花嫁を死なせずに止める方法は無いと半ばあきらめていましたが、エミリアは考えるのをやめず、花嫁たちを氷漬けにして仮死状態にする手を思いつきます。理由を聞かれたエミリアは「私も、凍ってた時間が長かったから」と答えました。
スバルが『獅子の心臓』をエミリアの胸から取り出していなければ、エミリアは自分にも同じ魔法をかけるしかなく、また百年かかったかもしれないと言います。大げさでしょと笑ったスバルは、エミリアの無言の苦笑に青ざめました。二人は残る仲間の無事を一緒に祈りますが、スバルは胸に滑り込んだ得体の知れない黒いモノを、エミリアに悟られないよう握りしめていました。
一つの戦い|カペラが都市庁舎を襲う
時間は少しさかのぼります。スバルたち制御塔の攻略組が出発し、非戦闘員ばかりが残った都市庁舎の最上階を、巨大な何かが壁ごと打ち砕きました。「じゃっじゃーん!アタクシのお出まし~!」と現れたのは、魔女教大罪司教『色欲』担当、カペラ・エメラダ・ルグニカです。
カペラは、凛々しい青年、勇ましい少女、歴戦の男、理知的な女の声で、正義の鬨を次々と叫んでみせます。ただし語った口は一つだけでした。塔で待っていると信じていたのか、とせせら笑い、戦いは敵がやられたくないことをするものだと言い放ちます。カペラが最初に踏み込んだ部屋にいたのは、ベッドを背にかばうフェリスでした。
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カペラが真似てみせた4つの声は、どれもこの都市で本当に戦っている誰かの言葉に聞こえます。
声を自由に作り変えられる相手には、言葉の重さが通じません。
少し前にスバルの演説が人を動かしたばかりなのに、ここでは同じ「声」が笑いものにされている。その落差が怖いと読んでいます。
クルシュの姿で「刺せ」|フェリスが短剣を突き立てた
フェリスはクルシュをこんな目に遭わせて何が目的なのか、どうすれば助けられるのか、と短剣を握って問い詰めます。獅子の紋章が彫られたその短剣は、実戦用というより観賞用の一品でした。カペラはまともに答えず、フェリスの性別を見抜いてあざけったあと、目の前で体を溶かし、クルシュそのものの姿に変わります。
クルシュの顔、クルシュの声で、カペラは震える短剣の切っ先を自分の胸の真ん中に合わせました。私の仇を取ってください、と主人の苦しみを語り、「刺せ」と何度も繰り返します。値千金の仇の命が、手を伸ばせば届く場所に差し出されていました。ただ、敬愛する人と同じ姿をしているだけで。
呪いのように命じられて、フェリスの短剣は胸を刺し貫きます。カペラはクルシュの顔のまま血を吐き、「どうしてこんなこと」と見上げました。ところが、主従は愛し合う仲ではないとフェリスが叫ぶと、カペラはけろりと立ち上がり、胸の傷を撫でて一瞬で消してしまいます。演出上の見解の相違があった、失敗、失敗、というのがカペラの感想でした。
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カペラは、フェリスを傷つけたかったのではありません。
愛する人の姿を刺させて、刺した側が壊れるところを見たかったのです。
だから主従の関係が思ったものと違うと分かった瞬間、興味を失った。フェリスとクルシュの約束は、カペラの物差しでは測れなかったと思っています。
「こ、の……役立たず」|触手が腐り落ちた
カペラは右手を巨大な花びらに変え、伸びた触手でフェリスを壁に叩きつけて締め上げます。左手はカマキリの鎌になり、クルシュの顔のまま、ベッドに横たわる主人へその鎌を向けました。何を企んでいるのか吐け、と迫られたフェリスは、震える唇で「こ、の……役立たず」と吐き捨てます。
その直後、フェリスを縛っていた触手が煙を噴き、花びらが色を失って腐り落ちました。次の5章61話でフェリスが振り返るように、カペラの体に通用したのはフェリスの「生命力の暴走」でした。治すための力を、壊す向きに流し込んだのです。
「役立たず」という言葉は、命乞いではありませんでした。聞き出せることは何もないと分かった相手への、見切りの言葉です。
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フェリスは王国最高峰の治癒術師で、剣の腕はほとんどありません。
その手が唯一カペラに通したのは、短剣ではなく、癒やしの力を裏返した一撃でした。
クルシュを治せなかった力が、クルシュを苦しめた相手を傷つけるほうには届いた。フェリスにとっては、いちばん苦い勝ち方だったと読んでいます。
ベッドにいたのはアナスタシア|都市庁舎は罠だった
そこへ、独特の言い回しの声が割り込み、白い熱線が走ってカペラの顔の左半分を消し飛ばします。ベッドから降りてきたのは、クルシュの代わりに横たわっていたアナスタシアでした。髪を緑の染料で染め、クルシュに見せかけていたのです。
アナスタシアは、スバルの放送を聞けば敵は動くと読んでいました。主力の攻略組を送り出して庁舎が手薄になれば、正々堂々と待ち構える理由は魔女教に無いからです。襲ってくるのは『憤怒』か『色欲』だろうと絞り込み、本物のクルシュもほかの負傷者も、とうに避難所へ逃がしてありました。フェリスの「クルシュを治す方法を当事者から聞き出したい」という頼みに、招待した側の責任を感じて付き合ったのです。
収穫が無かったと分かると、アナスタシアは「いったんお別れ」と言い、爪先で床を二度叩きます。カペラの足元の床が抜け、カペラは四階分の高さを一気に落ちて、地下の水路の管理施設まで叩き落とされました。
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アナスタシアは、スバルの放送を「詰めが甘い」と言いながら、その甘さを罠の餌に使っています。
英雄の声で都市を奮い立たせ、その裏で空いた本陣に敵を呼び込む。
表で希望を配る人と、裏で損得を数える人がいて、初めてこの都市の守りが回っていたと読んでいます。
地下で待っていたアル|「とっとと帰れや。軟体生物」
地面に叩きつけられた体は、すぐに水のように形を変え、黒髪を長い三つ編みにした妖艶な女の姿で立ち上がります。早く上へ戻ってやる、と笑うカペラを、暗がりからけだるげな声が制しました。現れたのは隻腕に青龍刀を構えた、黒い兜の男、アルです。
アルは、カペラの動きはこちらの性格の悪い面子に見抜かれていた、と告げます。そして「オレが死ぬ前に、とっとと帰れや。軟体生物」と剣を向けたところで、この回は終わります。地下水道でのアルとカペラの戦いは次の5章61話『領域の被害者』で描かれ、アニメでは3rd seasonの63話「戦士の称賛」にあたります。熱線を撃ったアナスタシアの中身が誰だったのかも、61話でアルが言い当てます。
まとめ|フェリスが刺したのは5章60話、化けたカペラ
Web版5章60話『一つの終わりと、一つの戦い』で、フェリスが短剣を突き立てたのは、クルシュの姿に化けたカペラでした。傷はすぐに消え、フェリスは「役立たず」の一言とともに触手を腐らせます。ベッドにいたのはアナスタシアで、都市庁舎は最初からカペラを呼び込む罠でした。前半では、エミリアが花嫁53人を一人も欠けずに救っています。
- フェリスが刺したのはクルシュではなく、化けたカペラ
- Web版は5章60話、アニメは3rd season第60話
- 胸の傷はカペラが撫でただけで消えた
- 「役立たず」の直後、フェリスを縛る触手が腐り落ちた
- ベッドにいたのはアナスタシアで、本物のクルシュは避難ずみ
- 床を抜いて地下へ落としたカペラを、アルが待ち受けた
- 前半ではエミリアが花嫁53人を氷で救った
僕はこう読む
フェリスはこの回で、主人の姿を刺し、主人を救う手がかりは何も得られませんでした。
それでも、刺せと言われて刺したあと、次に口にしたのはクルシュのことでした。
自分の体などどうでもいい、と言い切れる騎士だから、カペラには最後まで理解されなかったのだと思っています。
フェリスがクルシュの姿を刺せたのは、相手が偽物だと分かっていたからでしょうか。それとも、クルシュを救う手がかりを得るためなら何でもする覚悟があったからでしょうか。刺したあとに残ったのが「役立たず」という見切りの一言だったところに、答えがあるように思います。
——あなたは、フェリスがクルシュの姿のカペラを刺せたのは、偽物だと割り切れたからだと思いますか。それとも、クルシュを救うための覚悟だったと思いますか。よければコメントで教えてください。
よくある質問
フェリスとカペラ、5章60話の都市庁舎の場面について、よく聞かれることをまとめました。
Q. フェリスはクルシュを刺したのですか。
A. 刺していません。刺したのはクルシュの姿に化けたカペラで、胸の傷はカペラが撫でただけで一瞬で消えました。
Q. フェリスがカペラを刺すのは何話ですか。
A. Web版5章60話『一つの終わりと、一つの戦い』です。アニメでは3rd seasonの60話「強欲攻略戦」で、カペラが都市庁舎に現れます。
Q. フェリスを縛ったカペラの触手が腐ったのはなぜですか。
A. フェリスの力が通用したからです。次の5章61話で、フェリスの「生命力の暴走」がカペラに効いたと振り返られています。
Q. クルシュのベッドにいたのは誰ですか。
A. 髪を緑に染めたアナスタシアです。本物のクルシュや負傷者は、すでに避難所へ逃がしてありました。
Q. 5章60話でエミリアは花嫁たちをどう救いましたか。
A. 花嫁たちを氷漬けにして仮死状態にし、『獅子の心臓』の居場所をなくしました。53名が一人も欠けずに目覚めています。
フェリスの罠の次は、疑われたフェリス、主のクルシュ、続くアルとカペラの戦いへ。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年10月3日


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