『炎炎ノ消防隊』を読むなら「伝導者」について知っておかなければなりません。
その存在を感じたことがある者からは「神」とも言われる「伝導者」。
果たして「伝導者」とは何者なのか。
今回は作中で暗躍する「伝導者一派」をご紹介しつつ、その行動や目的から「伝導者」の正体や「人体発火現象」の謎に迫ります!
目次
【炎炎ノ消防隊】伝導者って一体何者?
伝導者とは、伝道者一派という集団が従っている謎の人物。
今のところ作中世界では確認出来ず、姿を見られるのはアドラリンクした時のみ。
白いローブを身に纏っており、シンラやショウなど特定の人物を除き、直接その姿を見ることはもちろん、その身を包む光に触れただけでも目を焼かれるほどの異次元の存在感を放ちます。
【炎炎ノ消防隊】伝導者に従う、伝導者一派と呼ばれている人物たち…どんな人がいる?
伝導者に従う謎の集団「伝導者一派」。
世界に暗躍し特殊消防隊の前に立ちはだかる彼らは、白い装束に身を包んでいることから「白装束」とも呼ばれています。
未だに謎多き存在ですが、アドラバーストを持つ「柱」を中心に、柱を護る「守り人」、対能力者戦闘のエキスパートである「屠り人」、大災害を目前に姿を現した「大災害執行特化部隊(災害隊)」など明確な役割のもと組織されているようです。
柱 |
ハウメア、ショウ・クサカベ インカ・カスガタニ、シスター・スミレ |
守り人 | カロン、アロー、リツ |
屠り人 | ドラゴン、ゴールド、ストリーム |
灰焔騎士団 |
ヨナ、フレイル、ハラン ミラージュ、アサルト |
紫煙騎士団 | オロチ、アイアン、サソリ |
災害隊 | フェアリー等 |
他にも白装束を纏っている者だけでなく、第1中隊長・烈火星宮や第3大隊長・Dr.ジョヴァンニなど特殊消防隊の中にも伝導者一派が潜んでいました。
【炎炎ノ消防隊】伝導者一派の目的とは?
伝道者一派は伝導者の意思に従い、それを為すために行動しています。
目的は第二の大災害を起こすこと。
そのためにはシンラのような“アドラバースト”を持つ「柱」を8人生贄とする必要があり、彼らは人工的に焔ビトを作るなどしてアドラバーストの持ち主を探していました。
しかし大災害は「大いなる結果の過程」でしかなく、真の目的はその先だと言います。
それは『地球を第二の太陽にする』こと。
つまりこの世界が炎で満たされるということですが、それにどんな意味があるのかは未だ明かされていません。
【炎炎ノ消防隊】伝導者一派で強い能力を持っているのは?
伝導者一派は強者揃い。
たびたび特殊消防隊との衝突が描かれていますが、その中でもクセのある能力者を「第2世代」「第3世代」それぞれご紹介します。
「第2世代」Dr.ジョヴァンニ
Dr.ジョヴァンニは自らの身体を実験台として人体実験や機械化を行っており、炎でその体を操作して戦います。
始めは腕がワイヤー状に伸びる程度だったものの、地下潜入作戦の際には「蟲」と融合した姿を見せました。
アドラの生物とされる「蟲」との親和性実験を自らの身体で行ったことで、トンボの複眼や蛾のヘアペンシル、ミイデラゴミムシの高温ガスなど昆虫が持つ能力も身につけていたのです。
もはや第2世代うんぬんの話ではありませんね。
「第3世代」ゴールド
屠り人であるゴールドも強力です。
屠り人は鬼の焔ビトを単身で鎮魂できるほどの強さを持つと言われており、ゴールドも第2のアーグ大隊長を瞬殺したり第8の複数相手に圧倒したりと例に漏れない強さを見せました。
その能力は、自身で生み出した熱エネルギーを金の籠手に流し、磁力に変換して金属を操作するというもの。
マキの鉄梟や火縄の弾丸、防火服のベルトまで金属はすべて操られてしまいます。
“対能力者のエキスパート”なだけあって炎への耐性も高く、非常に厄介な相手でした。
【炎炎ノ消防隊】伝導者一派を討伐しようとする教皇庁とは?
烈火星宮が人工焔ビトを作っていたことが発覚し、伝導者一派の存在が明るみに出たことで急遽“特殊消防隊大隊長会議”が行われました。
各隊の大隊長が集められたのは『教皇庁』。
“天照”が鎮座する東京皇国中央区に存在する教皇庁は、国教“聖陽教”の中枢であり、東京皇国の首都とも言える場所です。
教皇庁のトップはラフルス三世。
東京皇国の現皇王です。
ラフルス三世は白装束の暗躍を「太陽神の加護を汚す行為」だとして、特殊消防隊の全部隊に伝導者討伐の命を下しました。
しかし聖陽教にも伝導者が深く関係しており、その存在が怪しまれるところです。
【炎炎ノ消防隊】伝導者一派の地下(ネザー)とは?
伝導者一派の拠点が地下(ネザー)。
皇国の地下に広がっている、かつて存在した地下鉄の跡地を中心とした空間です。
“太陽神の光の届かない不浄の地”であり、一般人だけでなく特殊消防隊の立ち入りも固く禁じられ、聖陽教会の許可を得てやっと入ることが許される禁忌の場所。
そこには伝導者一派の実験場などが存在していました。
【炎炎ノ消防隊】伝導者一派の幹部にして最強の能力者ショウ
伝導者一派で最強と言われているのがショウ・クサカベ。
シンラの弟にして伝導者一派の幹部です。
彼はアドラバーストによって伝導者とアドラリンクし加護を受けることであらゆるものに干渉できます。
そして最強と言われる能力が、宇宙の熱膨張に干渉して自分の周囲の時間の流れを他者より遅くし、相手の刹那の時間に行動ができるというもの。
まるで自分以外の動きを止めたような状態の中で攻撃を繰り出すことができるので、殆どの者にとってその攻撃は回避不可能。
彼の剣術と組み合わさって、無敵とも言える反則級の強さを誇ります。
しかし兄・シンラとの再会により迷いが生じたショウは、伝導者一派を裏切るような行動を起こしました。
この最強能力者が敵となるか味方となるかで戦況は大きく変わるでしょう。
【炎炎ノ消防隊】伝導者の正体は別世界アドラの主…?
人類の歴史に大きな変化をもたらしたのが250年前の大災害です。
これにより世界は炎に包まれ数々の大陸が消滅し、人々は今の東京皇国といった数少なく残された土地に集まって暮らすようになりました。
実はこの時からすでに伝導者一派は暗躍していたのです。
そして伝導者一派からすれば、この250年前の大災害は“失敗”でした。
250年前の大災害と聖陽教
失敗によって“こちら”の世界にやってきたのが現・灰焔騎士団のヨナ。
彼はそれから、大災害の生存者たちによるキャラバン隊のリーダー“ラフルス・スミス”に成り代わり、アドラバーストを持つ少女『天照』を人類に与えました。
そして世界は『天照』をエネルギーに復興し、ラフルスは聖陽教を興し教祖として崇められるようになります。
つまり今人々の心の拠り所になっている聖陽教は、ヨナが興した宗教だったのです。
人体発火現象はアドラが原因?
人体発火現象が起こるようになったのもこの大災害の後からです。
その原因については、当時こちらの世界に来たヨナの言葉にヒントがありました。
「大災害は失敗したが、アドラとの繋がりが強くなったことでこちら側に来た」
その言葉に通じるように、プリンセス火華がこんな推測をしています。
『異界アドラの“ドッペルゲンガー”がこちらの世界の人間と同化することで起きる現象』
そして大災害は『アドラそのものがこちらの世界全体に干渉することで起きる世界規模の発火現象』
つまり人体発火現象は前回失敗した大災害の名残、そして伝導者はこちらの世界そのものをアドラにしようとしていたということになりそうです。
現在アドラリンクでしか存在を確認出来ない伝導者は、アドラの王でありこちらの世界を乗っ取ろうとでもしているのでしょうか。
【炎炎ノ消防隊】『炎炎ノ消防隊』はつまらない?奥が深い?作り込まれた世界観
『炎炎ノ消防隊』は、現実世界にも通じる消防隊の熱き活躍をスチームパンクの世界観で描かれた消防士SF漫画。
ファンタジー作品としてもバトル漫画としても楽しめる人気作品ですが、しかしその設定に対しては賛否両論あるようです。
そこで物語の設定について少しご紹介。
『炎炎ノ消防隊』の物語では、宗教上、人を殺す時には祈りを捧げなければいけない
現実の消防隊との決定的な違いが、聖職者がいること。
焔ビトを鎮魂する際には太陽神に祈りを捧げなければなりません。
時にはシスターがいないために鎮魂できないという事態も起こっており、それってなんだか面倒な設定じゃない?と思う人も少なくないようです。
それに第8にはアイリスというシスターがおり、彼女は無能力者で鎮魂などの活動には加わらないので、現場での「足手まとい」と思われてもおかしくありません。
しかしそこにこの作品の世界観が作り込まれているのです。
焔ビトの鎮魂は基本的に聖陽教の聖職者が行うなど、特殊消防隊は聖陽教の元に成り立っています。
よって聖陽教の教えのもと、シスターのような身を清めた聖職者が聖陽教の神である太陽に祈りを捧げることが必要不可欠なのです。
そしてその聖陽教の興りが先述のように伝導者が絡んでいるということに、この作品の深みがあるのです。
伝導者の正体は神?
そして敵について。
『炎炎ノ消防隊』では大災害を巡る伝導者一派との戦いがメインとなっています。
それは最大の敵が伝導者ということ。
アドラの王ではないかと考えられる伝導者は、触れた者に「神」とも感じさせる圧倒的存在です。
つまり「神」を相手に世界を守る戦いをしているという途方もない世界設定が『炎炎ノ消防隊』最大の奥深さなのです。
まとめ
大いなる意思のもと人智を越えた目的のために活動する伝導者一派。
彼らが従う伝導者とは本当に神なのでしょうか。
いや、作品を読んでいれば神と言わざるを得ません。
しかし同時に気づくのは、「地球を太陽にする」とは「アドラの炎で包む」ことではないかということ。
異界“アドラ”は“地獄”とも呼ばれています。
地球を地獄と化そうとしているとも言える伝導者は、人々にとって正義なのか悪なのか。
“圧倒的正解”とも言える人智の及ばぬ存在を相手に、人類の力で世界の未来を繋ぐことはできるのか、『炎炎ノ消防隊』の壮大な魅力から目が離せません!

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