ザクス・リューグナーとは何者なのか?
結論から言うと、紫苑の鯱の副団長です。麗氷の聖者と呼ばれていましたが、裏では若い女性や子どもを誘拐する人物でした。老婆を襲おうとしたところをゾラに倒され、瀕死になっています。
ややこしいのは、この人物が二重に登場するところです。王撰騎士団選抜試験に出てきた「ザクス」は本物ではありません。この記事では、本物のザクスが何をした人物なのか、なぜ偽者が成立してしまったのか、そして紫苑の鯱という騎士団そのものの問題までを順に見ていきます。
この記事でわかること
- ザクス・リューグナーの正体(紫苑の鯱の副団長)
- 麗氷の聖者と呼ばれながら裏でしていたこと
- 誰に、どこで倒されたのか
- 試験に現れた「ザクス」が偽者だと成立した理由
- 使っていた氷魔法アイススライサー
- 紫苑の鯱が抱えていた構造的な問題(カイの読み)
紫苑の鯱の副団長で、麗氷の聖者と呼ばれていました
ザクス・リューグナーは、魔法騎士団「紫苑の鯱」の副団長です。貴族出身で、麗氷の聖者という立派な通り名を持っていました。
ここで重要なのが、彼が国境の警備についていたため、素顔を知る人があまりいなかったという点です。この一点が、のちの展開すべてにつながっていきます。
魔法は氷属性。地面や壁から無数の氷の刃を放つアイススライサーを使います。貴族出身なので魔力そのものは高いはずですが、使える魔法はこの1種類だけのようです。
裏では、誘拐を繰り返していました
表向きは人徳のある聖者。実際は、若い女性を自分の欲望のために誘拐する人物でした。子どもの誘拐も行っています。
その本性がはっきり出たのが、老婆との場面です。連れ去られた孫娘を返してほしいと懇願されたザクスは、こう言い放ちました。
「老い先短い命……私の魔法で美しく散るか?」
返すどころか、その老婆を殺そうとしています。逆らった相手を「公務執行妨害」と称して暴行することも常でした。聖者と呼ばれる立場を、そのまま脅しの道具に使っていたわけです。
ゾラに倒され、ローブまで奪われました
老婆に手をかけようとしたザクスの前に現れたのが、ゾラでした。
結果は一方的です。ザクスは瀕死の状態まで叩きのめされ、さらに「騎士団のローブはもったいない」とローブまで奪われました。
ゾラがここまでやったのには理由があります。彼の父ザラは、下民出身で初めて魔法騎士になった人物でした。努力の末に夢を叶え、紫苑の鯱で仲間と戦う喜びを噛みしめていた人です。
そのザラは、下民出身であることが気に食わない貴族出身の団員に、後ろから撃たれて命を落としました。明らかに故意でしたが、任務中の誤射として処理されています。
さらにその団員は、父の墓前で悲しむゾラに向かってこう言い捨てました。「下民のくせに魔法騎士面で戦場をウロチョロするから仲間に後ろから撃たれるんだよ」
貴族の立場を使って弱い者をいたぶり、それを当然だと思っているザクス。ゾラがそこに父を殺した貴族の姿を重ねたのは、無理のないことでした。
僕はこう読む
ザクスという人物が怖いのは、悪事の内容よりも「聖者」と呼ばれ続けていたことのほうだと思っています。
誘拐も暴行も、彼は隠しきれていません。孫を奪われた老婆は、直接本人に返してくれと訴えています。被害者は誰が犯人か知っている。それでも通り名は「麗氷の聖者」のままでした。
つまり告発が届かない仕組みのほうが問題でした。貴族が相手では訴えが通らず、公務執行妨害と言われれば黙るしかない。
ゾラがローブを奪ったのは、その仕組みへの回答だと思います。肩書きが人を守っているなら、肩書きのほうを取り上げる。殴って終わりにせず、ローブを持っていったところに、この男の考え方が出ていると僕は読んでいます。
試験に現れたザクスは、本物ではありません
王撰騎士団選抜試験に「ザクス・リューグナー」を名乗る男が現れます。アスタやミモザと同じチームになり、序盤は横柄な態度で場を引っかき回しました。
この男は本物ではありません。ゾラが、倒したザクスのローブをまとって成りすましていたのです。
なぜ気づかれなかったのか。理由は最初に書いたとおりです。ザクスは国境警備で顔を知られていませんでした。結果として、見抜けたのは魔法帝ユリウスだけだったとされています。
偽ザクスは、アスタの戦い方と言葉に亡き父の姿を重ね、途中から本気で共に戦うようになります。試験後に正体が知られると一度は姿を消しましたが、父が憧れた「真の魔法騎士」になるため、黒の暴牛の団員として改めて姿を見せました。
紫苑の鯱は、退団率がいちばん高い騎士団です
ザクス一人の問題ではありません。紫苑の鯱そのものが荒れていました。
- 団長が部下を虐げ、その部下がさらに下の団員に暴力をふるう
- 退団率が魔法騎士団のなかでトップ
- 貴族至上主義が浸透し、立場を使った悪事が絶えない
- 国宝級の魔道具の横領・横流し、危険魔法薬の密輸まで横行
ザラが撃たれたのも、ザクスが聖者を名乗り続けられたのも、この土壌があったからです。個人の悪ではなく、団の作りの問題でした。
僕はこう読む
この一件でいちばん皮肉なのは、偽者のほうが騎士らしかったことだと思っています。
本物のザクスは、聖者と呼ばれながら誘拐と暴行を重ねていました。ローブを着ていても中身がない。
一方、そのローブを奪って着た男は、試験のなかで仲間のために戦い、アスタを認め、最後には自分の名前で騎士団に戻ります。ローブが人を騎士にするのではない、という話を、この作品はローブの奪い合いで描いた。
だから「ザクス・リューグナー」という名前を検索した人が最終的に行き着くのは、その名前を騙った男のほうになります。名前を持っていた側が中身を失い、中身を持っていた側が名前を借りていた。入れ替わりそのものが、この騎士団への評価になっていると僕は読んでいます。
まとめ|ザクスをどう読むか
ザクス・リューグナーは紫苑の鯱の副団長。通り名は麗氷の聖者です。
その裏側を並べます。
- 若い女性や子どもを誘拐し、老婆を殺そうとするほど非道だった
- 魔法は氷。アイススライサー1種類のみ
- ゾラに倒され、瀕死になってローブを奪われた
- 王撰騎士団選抜試験に現れた「ザクス」は偽者
- 成立したのは素顔を知られていなかったから
僕はこう読む
ザクスが怖いのは、悪事の内容よりも「聖者」と呼ばれ続けていたことのほうだと思っています。
誘拐も暴行も、隠しきれていません。孫を奪われた老婆は、直接本人に訴えています。
それでも通り名は変わりませんでした。
いちばん皮肉なのは、偽者のほうが騎士らしかったことです。ローブを着ていても中身がない本物と、奪って着た側。物語の中でより長く「ザクス」として振る舞ったのは、倒した側の男でした。これを痛烈な当てこすりと読むか、肩書きは中身を保証しないという話と読むかで、この一件の意味が変わってきます。
——あなたは偽者のほうが騎士らしかったことを、本物への痛烈な当てこすりだと思いますか。それとも、肩書きは中身を保証しないという話だと思いますか。よければコメントで、どちらに近いか教えてください。
よくある質問
ザクスは本物と偽者が入れ替わり、どちらの話か混同されやすいところです。麗氷の聖者という通り名から確認しておきます。
Q. ザクス・リューグナーとは誰ですか?
A. 魔法騎士団「紫苑の鯱」の副団長です。麗氷の聖者と呼ばれる貴族出身の魔道士ですが、裏では誘拐や暴行を繰り返していました。
Q. ザクスは誰に倒されたのですか?
A. ゾラです。連れ去られた孫を返してほしいと懇願する老婆に手をかけようとしたところを倒され、瀕死になったうえ騎士団のローブまで奪われました。
Q. 王撰騎士団選抜試験に出てきたザクスは本物ですか?
A. 本物ではありません。ザクスになりすました別人です。ザクスは国境警備で素顔を知られていなかったため成りすましが成立し、見抜けたのは魔法帝ユリウスだけだったとされています。
Q. ザクスの魔法は何ですか?
A. 氷魔法です。地面や壁から無数の氷の刃を放つアイススライサーを使いますが、使える魔法はこの1種類のようです。
Q. 紫苑の鯱はどんな騎士団ですか?
A. 団長が部下を虐げ、その部下がさらに下へ暴力をふるう構造で、退団率が魔法騎士団のなかでトップです。貴族至上主義が浸透し、魔道具の横領や危険魔法薬の密輸も横行していました。
この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年8月27日
麗氷の聖者という肩書きの裏に、偽者という仕掛けがあります
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