ユミルは、なぜ巨人になったのでしょうか
結論から言うと、マーレで楽園送りにされたからです。始祖ユミル信仰の信仰者を庇って嘘をつき、その信仰者たちとともに無垢の巨人に変えられました。
そこから約60年、無垢の巨人として壁の外をさまよいます。人間に戻れたのは、マルセル・ガリアードを捕食して顎の巨人を継承したからでした。
この記事でわかること
- 巨人にされた本当の理由
- 60年間さまよったこと
- 人間に戻れた仕組み
- 「ユミル」という名前をもらった経緯
- ウトガルド城で巨人化した場面
- ヒストリアとの関係
名前は、もらったものでした
順番に追います。まず出発点です。
ユミルは親のいない孤児で、物乞いをしながら生きていました。
そこへ1人の男が近づき、「ユミルを名乗れ」と教えます。そうして孤児だった彼女は、その男からユミルという名前をもらいました。
名前を得たユミルは物乞いから逃れ、幸せを手に入れます。
ただし、この名前が後の運命を決めました。
マーレにとって「ユミル」は、エルディア帝国の子孫継承を意味する名前であり、その象徴です。エルディア人にはかけがえのない名前でも、マーレには憎む対象でした。
信仰者を庇って、楽園送りにされました
そして決定的な出来事が起きます。
マーレ当局に見つかった、始祖ユミル信仰の信仰者たち。ユミルは彼らを庇って嘘をつきました。
結果は容赦のないものでした。信仰者たちは全員が楽園送り、つまり無垢の巨人に変えられます。ユミルも同じでした。
その前段ではマーレの民から石をぶつけられるなど、物乞いの頃よりひどい仕打ちを受けています。
名前をもらって幸せになった人物が、その名前のせいで人間をやめさせられたということになります。
僕はこう読む
ユミルの人生でいちばん重いのは、巨人にされた理由が「嘘をついたこと」だった点だと思っています。
裏切ったのでも、戦ったのでもありません。他人を庇って嘘をついた。それだけで60年を失っています。
しかも庇った信仰者たちも、結局は全員が楽園送りになりました。誰も助かっていない。
この経験が、後のユミルの行動をずっと説明します。人を見下し、自己保身が強いように振る舞いながら、いざとなるとクリスタのために城を飛び出す。
善意が報われないと知っている人間が、それでも善意で動く。その矛盾がこの人物の芯だと読んでいます。
60年さまよい、マルセルを捕食して戻りました
楽園送りのあとです。
ユミルは約60年間、無垢の巨人として壁の外をさまよい続けました。
転機は、物語の5年前に訪れます。
ライナーとベルトルトの仲間であったマルセル・ガリアードを捕食しました。
マルセルは巨人化能力者でした。その能力である「顎の巨人」を継承したことで、ユミルは人間に戻れるようになります。
つまりユミルが人間に戻れたのは、誰かを食べたからです。これがのちに、ライナーたちとの関係に影を落とします。
ウトガルド城で、クリスタの前で巨人化しました
作中で巨人の姿を見せる場面です。
巨人が現れたとされるウォール・ローゼ近くを探索していたユミルとクリスタは、ライナーたちとともにウトガルド城に滞在します。
そこでライナーが問いかけました。ユミルが、知らないはずの文字を読めたからです。
不穏な空気のなか、城が巨人に襲われ、崩れそうになります。
絶体絶命の場面で、ユミルはクリスタにこう告げました。
「お前、胸張って生きろよ」
そして城を飛び出し、巨人化した姿で襲ってきた巨人に応戦します。
圧倒的な数の前にユミルは瀕死になりますが、救出に来たエレンとミカサが間に合い、命をつなぎました。
そして重傷のユミルに駆け寄ったクリスタが、ここで告げます。クリスタという名は偽名で、本名はヒストリアだと。
ヒストリアとの関係
2人の距離感も、この人物を語るうえで欠かせません。
訓練兵団で、ユミルはクリスタを10位以内に入れるために調整するなど、強く執着していました。
言葉はきついものです。その容姿から女神とも言われ男性人気の高いクリスタを、偽善者などと非難しています。
それでいてよく一緒に行動し、親友のような間柄にも見えました。
そして最後に、ユミルはヒストリアへ手紙を残します。
兵士に向かない、と言われていた人物です
人物像も置いておきます。
ユミルはエレンと同期の第104期訓練兵団で、個人の戦闘能力はかなり高く、洞察力も鋭い人物でした。
一方で人を見下すような態度をとるため、兵士に向いていないとも言われています。
自己保身が強いと思われていました。ところが危険な調査兵団に志願するなど、読めない行動も取ります。
60年をさまよった人物が、なぜ危険な場所を選ぶのか。その理由は、最後まで本人の口からは多く語られませんでした。
まとめ|ユミルをどう読むか
ユミルが巨人になったのは、始祖ユミル信仰の信仰者を庇って嘘をつき、楽園送りにされたからです。
巨人になった経緯
- 孤児で物乞いだったところ、男に「ユミルを名乗れ」と教えられて名前をもらった
- マーレにとって「ユミル」はエルディア帝国の子孫継承を意味する象徴の名
- 始祖ユミル信仰の信仰者を庇って嘘をつき、全員とともに楽園送りにされた
- 約60年間、無垢の巨人として壁の外をさまよった
- 5年前にマルセル・ガリアードを捕食し、顎の巨人を継承して人間に戻った
作中での姿
- 第104期訓練兵団。戦闘能力が高く洞察力も鋭いが、兵士に向かないとも言われた
- クリスタを10位以内に入れるために調整するほど執着していた
- ウトガルド城で「お前、胸張って生きろよ」と告げて巨人化し、応戦した
- 瀕死のユミルに、クリスタが本名はヒストリアだと明かした
僕はこう読む
ユミルとヒストリアの関係が特別なのは、2人とも名前で人生を決められたからだと思っています。
ユミルは、もらった名前のせいで巨人にされました。名前が呪いになった側です。
ヒストリアは、レイス家の娘であることを隠すためにクリスタという偽名で生きていました。名前を捨てて隠れた側です。
だから「お前、胸張って生きろよ」という言葉が効きます。名前で潰された人間が、名前を隠している人間に言っている。
そして瀕死のユミルに、クリスタは本名はヒストリアだと明かしました。言葉が届いた証明が、名乗ることだった。そう読むと、あの場面の順番はとても正確だと思います。
そのうえで、答えの出ていない点があります。ユミルが自己保身の強い態度を取りながら、なぜ危険な調査兵団に志願したのかは、はっきり語られていません。60年をさまよった人物が、それでも人の側に戻ろうとした理由。手紙に託したものが何だったのか。ここは読者に委ねられています。
——あなたはユミルの選択を、ヒストリアのためだったと思いますか、それとも自分の自由のためだったと思いますか。よければコメントで、あなたの読み方を聞かせてください。
よくある質問
ユミルは始祖ユミルと名前が同じで、経緯が混ざりやすい人物です。切り分けて拾っておきます。
Q. ユミルはなぜ巨人になったのですか
A. マーレ当局に見つかった始祖ユミル信仰の信仰者を庇って嘘をつき、その信仰者たちとともに楽園送りにされたためです。無垢の巨人に変えられました。
Q. どのくらい巨人のままだったのですか
A. 約60年間です。無垢の巨人として壁の外をさまよい続けました。
Q. どうやって人間に戻ったのですか
A. 物語の5年前、ライナーとベルトルトの仲間だったマルセル・ガリアードを捕食し、その顎の巨人を継承したためです。
Q. 「ユミル」という名前はどこから来たのですか
A. もらった名前です。孤児で物乞いをしていたところ、1人の男に「ユミルを名乗れ」と教えられました。
Q. クリスタとはどんな関係ですか
A. 訓練兵団の同期で、クリスタを10位以内に入れるために調整するほど執着していました。偽善者と非難する一方、よく一緒に行動する親友のような間柄でもあります。
Q. ウトガルド城では何が起きたのですか
A. 巨人に襲われて城が崩れそうになるなか、ユミルが「お前、胸張って生きろよ」と告げて巨人化し応戦しました。瀕死になりましたが、エレンとミカサの救出が間に合っています。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年9月10日


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