- 尾形百之助と花沢勇作は異母兄弟である
- 勇作は父の教えを守り続けた
- 尾形が勇作を撃った瞬間の衝撃
今回は元陸軍少尉・花沢勇作についてです。
花沢勇作はすでに故人でありながらも度々作中に登場するキャラクターで、謎多き尾形百之助を知る上で非常に重要な人物。
2018年に行われたGKA総選挙でも9位に入るほど注目されている彼は、物語が進むにつれてその存在が尾形の中に想像以上に深く根付いていることが明らかとなってきています。
そこで今回、尾形の脳裏に棲みつく花沢勇作が一体どういう人物なのかを改めてご紹介したいと思います。
目次
【ゴールデンカムイ】尾形百之助の異母弟
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尾形と勇作、腹違いの兄弟にまつわる過去が明かされる。
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尾形百之助と花沢勇作の関係は異母兄弟。
互いに陸軍第七師団長・花沢幸次郎中将を父に持つ軍人です。
ただし先に生まれた尾形は妾の子。
後に生まれた勇作が本妻の子。
母親の違いが兄弟の歩む人生の決定的な分かれ道となりました。
【ゴールデンカムイ】顔は明らかにされていない?
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特別にBGも公開!明らかとなる尾形の過去。
捨てられ壊れていく母、父である花沢中将との確執。
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尾形の回想の中で度々登場する勇作ですが、実は作中で一度もその素顔が明らかになっていません。
恐らくそれは尾形視点で描かれているからでしょう。
弟・勇作と真っ直ぐ向き合えていない尾形の心を映し出しているのではないでしょうか。
【ゴールデンカムイ】両親に愛されて育つ
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勇作は穏やかな人柄で、誰に対しても屈託のない笑顔で接します。
それは両親に愛されて育った証であり、勇作がいかに愛に満ちた環境で育ったかが表れています。
それを尾形はこう表現しています。
「両親から祝福されて生まれた子供」
本妻の子として生まれた勇作は父・花沢中将にとって自慢で期待の息子であり、望まれて生まれたわけではない妾の子・尾形とは真逆に育ってきたわけなのです。
祝福され育った勇作は、眉目秀麗、成績優秀、品行方正で“聯隊の顔”となる「旗手」に選ばれ、皆の心を掴む勇敢な少尉となりました。
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屈託のない笑顔はもちろん兄である尾形にも向けられます。
陸軍に入隊した勇作はその笑顔で尾形を「兄様」と呼びました。
規律が緩むとして尾形が注意するも、「ひとりっ子育ちでずっと兄が欲しかった」と語り嬉しそうに尾形を慕い続けたのです。
互いの環境の違いを知ってか知らずか、その純粋さは勇作の受けてきた「祝福」を尾形に感じさせるものとなってしまいました。
【ゴールデンカムイ】すれ違う価値観
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勇作の人柄もあり、一見すると仲の良さそうな義兄弟。
しかし尾形と勇作が歩んできた道はどこまでも二人の価値観を隔てます。
ある日尾形は旗手に選ばれた勇作を女遊びに誘いました。
旗手はゲン担ぎとして童貞が選ばれていたそうなのですが、尾形はいわば戦いを守る象徴たる勇作に「童貞を捨てろ」と持ち掛けたのです。
しかし「他者が童貞だと信じていれば良い」のだと唆す尾形に対し、勇作はきっぱりとその誘いを断りました。
また別の日には、尾形は「旗手」として味方を鼓舞する役割を全うしていた勇作に、刀すら振るわないのはいかがなものかとしてロシア兵の捕虜を殺害させようとします。
しかし「旗手であることを言い訳に手を汚したくないのでは」と唆す尾形に対し、やはり勇作はきっぱりと断ったのです。
【ゴールデンカムイ】どこまでも清い勇作の言葉
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尾形との一連のやり取りで、どこまでも“清さ”を守ろうとする勇作の姿がありました。
それは旗手は童貞且つ不殺、「お前だけは殺すな」との父からの言いつけを固く守っていたからです。
「旗手である勇作が敵を殺さないことによって『偶像』となり皆に勇気を与える」というのが父・花沢中将の教えでした。
“誰もが人を殺すことで罪悪感が生じるから偶像たる存在が必要”だとして、花沢中将がその役割を勇作に与えたというわけです。
そして勇作の“清さ”は童貞や不殺を守ること自体ではなく、真っ直ぐな性格そのものにありました。
皆罪悪感なんてないと語る尾形に対し、「兄様はそんな人じゃない」「人を殺して罪悪感を微塵も感じない人間がこの世にいて良いはずがない」として尾形を涙ながらに抱きしめたのです。
【ゴールデンカムイ】尾形の裏切り
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勇作に与えた父の言葉や勇作が尾形に伝えた言葉は、尾形の琴線に触れてしまったようです。
同じ父にも関わらず清く育てられた勇作が、不殺の立場でありながら尾形を否定するような言葉をかけたのですから。
尾形は戦場の混乱に紛れて勇作の後頭部を撃ち抜きました。
そして実際にあったのか尾形の幻覚なのかわかりませんが、撃たれた直後に勇作は尾形の方に振り向きしっかりと尾形を見据えるのですが、どうもここから尾形の中に呪縛とも言える何かが生まれたようです。
【ゴールデンカムイ】勇作とアシㇼパの共通点は?
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尾形はアシリパとともに旅をする中で、いつしか彼女に勇作の影を見るようなりました。
尾形がアシリパに見出した勇作との共通点は“清さ”。
金塊争奪戦の真っ只中にいても「誰一人殺さない」という“不殺”の意思を貫くアシリパに、勇作と同じ“清さ”を感じていたのです。
「アイヌの偶像も“清い”必要があるのか」と問う尾形に、勇作の存在の根深さを感じますね。
「自分の中に道理さえあれば罪悪感などに苦しまない」
尾形はアシリパに父の仇という道理を与え自分を殺させようとしますが、やはりアシリパも不殺=清さを貫くのです。
ここでアシリパが尾形を殺せば尾形は“罪悪感”や“愛”など様々な呪縛から解き放たれたのかもしれませんが、そうはいきませんでした。
尾形の呪縛はアシリパがいる限り続くのかもしれません。
まとめ
尾形の回想でしか登場しない中でも勇作は、性格も容姿も成績も完璧な人物だったことがわかります。
両親に愛されたから明るく真面目でまっすぐ育った勇作。
もし勇作が尾形の誘いに乗るような人物であったならば、尾形も生まれや愛情をこれほど気にすることはなかったのかもしれませんが、“清さ”を貫く勇作自身が悉くその立場の違いを尾形に示してしまいました。
尾形が苦しんでいるのは、その“清い”勇作を射殺したことが罪悪感となっているからかもしれません。
少なからず尾形はあの行いに対して疑問を感じている気がします。
果たして正しかったのかと。
尾形の人生は否定され続けてきました。
両親に否定され、弟に否定され、アシリパに否定され…。
誰かが尾形を肯定してくれた時、あるいは何が正しく何が間違っているのか誰かが教えてあげられた時、尾形は救われるのではと個人的には思っています。
誰か愛を、祝福を与えてあげてください!
少なくとも、尾形の闇に比例して登場する花沢勇作は今後まだまだ出番がありそうですので是非注目していきたいですね。
- 尾形百之助と花沢勇作は異母兄弟
- 勇作は両親に愛されて育つ
- 勇作は「旗手」として期待された
- 勇作は兄を慕い続ける健気さ
- 尾形の裏切りが勇作を襲った
- 勇作の清さが尾形を苦しめる
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