- 四葉と風太郎が京都散策
- 四葉の母親への思い
- 風太郎が賽銭を投げた理由
およそ五年前、五人姉妹がまだ「瓜二つ」ならぬ「瓜五つ」だった、お揃いの服装・髪型に拘りを持っていた頃。
五人が並んで土手を歩いていると、サッカークラブの監督から声を掛けられました。
曰く、「もうすぐ練習試合だ、五人とも助っ人で参加してくれ!」ということで五人姉妹はその頼みを聞くことにします。
驚いたのは相手チームの子達です。
どこをみても、同じ顔がいる上に以心伝心な動きでスルーパスやシュートを決めてきます。
五人姉妹の助っ人の甲斐もあり、練習試合に勝利!
監督は御満悦です。
そこで監督は五人姉妹にとっておかしなことを言います。
特に四葉はサッカーが上手くなっている、と。
五人とも同じなのに、と思いながら本来の目的であるお母さんへのプレゼントを買いに向かおうとする姉妹たちでしたが、財布を預かっていた筈の四葉が財布を失くしてしまっていました。
五人と監督は一生懸命に探しましたが、見当たりませんでした。
謝る四葉に、「誰かの失敗も五等分だからね」という姉妹達は財布を捜している間にそれぞれ綺麗な花を見つけていました。
綺麗な花を束ににして、プレゼントすると母はとても喜んでくれました。
そんな日々を過ごす中、どうやら母親に気になる男性がいるらしい事に感づいた姉妹たちは、母の居ない修学旅行中にその事を話題にしていました。
五人はいつでも一緒に行動し、そんなことを話していましたが気付くと四葉の姿が見当たりません…。
一人はぐれてしまった四葉は、高めの場所から下を見て他の姉妹を捜そうとしますが上手くいきません。
そんな彼女の目に、同じ年頃なのに一人で行動している少年の姿が目につきました。
何気なく見ていると、その少年・風太郎の周りに警官が集まりなにやら揉めている様子。
ずっと上から見ていた四葉は、勇気を振絞り揉めている面々に声を掛けました。
「その人は無実だよ、私見てたもん」
『五等分の花嫁』88話!のネタバレ
それでは『五等分の花嫁』88話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
ちゃりーん…。
『キャラクターブック 四葉』の発売を記念して、折り込みチラシを下記作品に封入させて頂きます!広げると裏面はポスターに!
◆発売中
『世界か彼女か選べない』7巻
『わたし(仮)』2巻◆2/17発売
『死神サイ殺ゲーム』1巻
『川柳少女』12巻
『それでも歩は寄せてくる』3巻 pic.twitter.com/07Y2sgP1dn— 戦隊大失格&五等分の花嫁【公式】 (@5Hanayome) February 10, 2020
「ほら見て!さっきまでいた京都駅まで見えるよ!」
「うわ!マジかよ!」
駅構内での揉め事を回避した二人は連れ立って清水寺の辺りを散策していました。
四葉に言われたように、駅の方をカメラのレンズを通して眺め写真に収めようとする風太郎の画格に、四葉が入り込みピースサインと笑顔を向けてきます。
「え?撮らないの?」
カメラを引っ込めて移動を開始してしまう風太郎に四葉は後ろから声を掛けます。
もう付いてくんな、とつれない態度を取り続ける風太郎に対して四葉は
「わー!お守りだって買っていこうよ!」
と言いますが、風太郎の返事は
「なんで付いてくるんだ!どっか行け!」
といったものでした。
「あ、もうこんな時間」
「げ…とっくに夜じゃねーか…」
辺りはすっかり夜になってしまいました。
二人の顔に少し焦りが浮かびます。
「お前が連れ回すから…」
「風太郎君だって結構ノリノリだったよ?」
暗い境内で押し問答になりそうになりますが、風太郎が
「って言い合ってても意味ねーか、お前携帯持ってないよな?」
と、建設的な方向に話を持っていきます。
四葉が携帯を持っていない事を確認した風太郎は、とりあえず市内に向かう為バスに乗る事を提案します。
二つ返事で了承した四葉でしたが…、
「お昼に買ったお守りで全財産使っちゃったかも」
財布の中身を見ながらいう四葉。
「アホか!馬鹿みたいに五個も買うからだ!それくらい計算しろ!」
強めにツッコむ風太郎の意見に、頭と腰に手を当てポーズを取りながらも、やってしまった…、とやや落ち込んだ様子の四葉。
そんな四葉の様子を見やって風太郎は言います。
「言っとくが俺の手持ちはこの200円だけ、貸せねーぞ」
コインを重ねて見せる風太郎に四葉は少し困ったような表情をしながら、わかってる、と返事をしました。
「じゃあ気を付けて…」
しばし風太郎の顔を眺めた四葉がそう声を掛けるのとほぼ同時に、ちゃりーん、と賽銭箱に何かが投げ込まれる音が響きました。
「あ、無くなっちまった」
お金を投げたポーズのまま真顔でいう風太郎の行動に、思わず四葉は動きが止まります。
呆気にとられる四葉の前で賽銭箱の前に座り込んだ風太郎が言います。
「…俺んち貧乏で毎回5円なんだよ、ケチィよな」
生きる意味っ!
「って今の金で電話すりゃ良かった、…ま、誰か見つけてくれるだろ」
(何、この男の子…)
自分で提示してはすぐに逆の事をしている、ように見える風太郎に四葉は驚きを隠せません。
「風太郎君は…お金がなくても辛くない?」
突然投げかけられた質問の意味が分からず風太郎は、どういうことだ?とそのまま返します。
四葉は自分の家も裕福では無いことを明かします。
そして「お金がない事は辛くない」、がその為に「一人で働き続ける母を見るのは辛い」と言いました。
それを聞いた風太郎は、頭の後ろで手を組むと気楽な感じで答えました。
「そりゃ金持ちの家だったらいいに越したことはないが、仕方ねーだろ」
背中を向けてポケットのお守りを探りながら、そうだね、と風太郎の意見に四葉は賛同しました。
「でもたまに思うんだ、自分がいなきゃもっとお母さんは楽だったのにって」
「お前…」
同じ年頃の子供のただの愚痴では無いことに気付いた風太郎が、何かを言おうとしますが、その前に四葉は続けます。
「だからこれからたくさん勉強して、うーんと賢くなってとびっきりのお給料がもらえる会社に入ってお母さんを楽させてあげる!」
ポケットから取り出した五個のお守りにお祈りでもするように掲げながら四葉は言いました。
「そしたらきっと、私がいることに意味ができると思うんだ」
「すげぇ」
手を組んで賽銭箱に寄りかかった姿勢のままで思わず固まる程感銘を受けた風太郎の口から、思わずそんな言葉が出ていました。
「お前大人だな…、俺自分が子供だからって諦めてた!今の環境とか立場とか全部!自分が変わって自分で変えりゃいい!そういうことだな!」
興奮した風太郎が叫ぶように言いながら眼前まで近づいて自分の考えに賛同してくれたことに、四葉は頬を赤らめて照れます。
「…妹がいるんだ、まだ小学校入りたてなんだけどな」
替わりに、とでも言うように風太郎も自分の家庭の事を話しました。
「俺もめっちゃ勉強してめっちゃ頭良くなって、めっちゃ金稼げるようになったら妹に不自由ない暮らしをさせてやれるかもしんねぇ…必要ある人間になれるのかもな!」
四葉の言ったことをふまえて自分に当てはめて風太郎は返しただけでしたが、その意見は四葉にはキラキラと輝くもののように思えました。
「頑張ろう、二人で!」
ばっ、と風太郎の手を取り四葉は言います。
「私はお母さんのために、風太郎君は妹さんのために、一生懸命勉強しよう!」
しばし見つめ合った後、風太郎が決意を込めた返事をしました。
「そういや200円分の願い事がまだだったな、俺とお前で100円ずつ神様に頼んどこうぜ、いつか万札入れられる大人になれるようにな」
言うが早いか、柏手を打つと風太郎は目を閉じ真剣な面持ちで祈りを捧げます。
その様子を嬉しそうな顔で見つめる四葉。
「…なんてお願いしたの?」
「こういうのは言っちゃダメなんだぞ」
二人が話していると、そこへ強い光が向けられます。
手で顔を覆うようにしながら状況を確認しようとする風太郎。
その横で振り向いた四葉は、あ!と声を上げました。
強い光の正体は懐中電灯でした。
懐中電灯を手にした男性が声を掛けてきました。
「四葉君、何をしているんだい?」
分からないの…?
「え!あの人わざわざここまで捜しに来てくれたの?」
驚く二乃に四葉が説明を続けます。
「学校から連絡もらったお母さんが連絡したみたい」
母への心労を増やしてしまった事に痛めている胸を隠すように両手を胸に当てる四葉に、二乃は
「そうなんだ、でもお蔭であんたとその男の子…風なんとか君が見つかってよかった!心配したんだから」
と言います。
ごめんね、二乃、と謝罪する四葉に二乃は話を続けます。
「まだこの旅館にいるんでしょ、風なんとか君…ああもう、めんどくさいし風君でいっか!」
うん、と笑顔で勝手に承諾すると四葉は嬉しそうに言います。
「学校の先生が迎えに来るまでにもう一度会いに行くんだ!二乃も行く?」
私はいいよ…、と乗り気じゃない顔を見せる二乃に四葉は風太郎の面白さをアピールします。
が、二乃は四葉の話を聞きながらも他の事に目を取られます。
嬉しそうに風太郎との出来事を話す四葉を呼び止める二乃の様子に、頭に疑問符を浮かべる四葉。
二乃が指差した方向を見やると、廊下の先で風太郎と一花が楽しそうに話している姿が見えました。
「あれって…」
四葉の顔からは先程までの笑顔は完全に消え、二乃の言葉に応じる余裕も無いままにその光景をただ見つめていました。
「お母さん…本当に病気治ったのかな…」
「ずっと体調崩してるよね」
脱衣所で姉妹たちが母の事を話しながら着替えています。
「四葉、髪乾かした?ドライヤー貸して」
一人離れて鏡の前で何かしている四葉に寄って行きながら言うと、当の四葉はまるでウサギの耳のように立ち上がったリボンを試しているところでした。
「え!なにそれ!」
ドライヤーの事も忘れて盛り上がる声に、
「へへー可愛いでしょ」
と、四葉は得意げに答えました。
母の思い
「四葉、そのリボン似合ってますね」
船の甲板で戯れる他の四姉妹と離れ、一人海を眺めていた四葉に母の声が掛かります。
「ありがと…これならもう皆と間違えられないよね」
自身ありげな四葉に母は答えます。
「さぁどうでしょうか、何を身に付けてるかなんて大した差ではありません」
思わぬ返事に四葉はむきになり、
「それだけじゃないよ!私皆より勉強してこの前なんて一番だったんだよ」
と、必死に母に説明しますが母は顔色ひとつ変えません。
そんな母の様子に不安になった四葉はさらに言葉を続けます。
「勝ってるんだよ、私はもう皆と同じ場所にいない、そっくりなんかじゃない」
青褪めた顔をしながら母に必死に話す四葉。
そこへ五月が走り寄ってきます。
「お母さーん、見て見てー、四葉を真似して私も頭につけてみたんだー」
星を模したアクセサリを頭にあしらった五月の姿を母は誉めます。
抱きつく五月を優しく抱きとめながらも、母は四葉に語り掛けます。
「四葉、あなたの努力は素晴らしく何も間違っていません、ですが一番にならずともあなたたちは一人一人特別です」
考えを見抜いているかのような目線で、それでも母として、自意識の芽生えた娘にお願いの言葉が掛けられました。
「親としてあなたたちに一緒にいてほしいと願います、たとえどんなことがあったとしても…大切なのはどこにいるかではなく五人でいることです」
五人一緒…?
🌸🌸ありがとうございました🌸🌸
「五等分の花嫁展 MESSAGE」東京会場は本日を持ちまして終了いたしました
ご来場誠にありがとうございました✨#五等分の花嫁 #五等分の花嫁展 pic.twitter.com/1b1m2SQcgC— 五等分の花嫁展【公式】 (@5Hanayome_ten) August 27, 2023
「お母さぁん!」
口々に母を呼びながら声の限り泣く五人姉妹。
美しくも無表情な母の姿は静かな遺影となってしまいました。
「やっぱり…体調良くなってなかったんじゃん…」
涙で顔をグチャグチャにしながら母の事を語り合う姉妹。
姉妹の誰かが口にした、
「もういないんだね…」
という言葉に五月が過剰に反応します。
「いるよ…、いるんだよ、お母さんは私たちの中に…、これからは私がお母さんに…お母さんになります」
涙を浮かべながらも焦点のあっていないような眼をした五月が、まるで母のように敬語で話します。
様子のおかしい五月の事だけを気にしている訳にもいきませんでした。
「私たち…これからどうなるんだろ…」
母一人に支えられていた姉妹たちの家庭は、小学生の彼女たちだけでは立ち行きません。
「おじいちゃんの家…なのかな」
誰かの考えに、皆が真剣に意見を述べます。
「全員でいけると思う…?」
「どういうこと?」
「おじいちゃんだって大変なのに…もしかしたら…、私たちバラバラに引き取られちゃうのかも…」
母からの願いも叶えられないかもしれない、と気持ちにヒビが入りそうになったそのとき
「失礼するよ」
姉妹達が悲しみにくれる部屋に男性が入ってきました。
「こうやって君たちと話すのも初めてだね、何度か顔は合わせてるはず…、四葉君とは修学旅行以来だね」
母のファン、と呼ばれていたあの男性でした。
男性は母の遺影に視線を向け、しばし動きを止めた後、五人姉妹の方を見てこう言いました。
「君たちは僕が責任を持って引き受ける」
暮らしは一変しました。
大きなタワーマンションに引っ越しました。
四葉は制服に身を包みながらもあのリボンを付け、母に語り掛けます。
(お母さん、私たち中学生になったよ)
一花は髪を短く切りました、二乃は友達に囲まれて楽しそうです。
(でもね、五人一緒なんて無理だよ)
三玖はヘッドホンを付け一人で行動していますし、五月は”父”の後を追い手伝いをしているようです。
心持ちだけではなく見た目もすっかり変わった五人それぞれの姿を想いながら、四葉は母への言葉を続けました。
(私たちは、もう一緒ではいられない)
『五等分の花嫁』ネタバレ88-89話のまとめ
他の姉妹とはぐれてしまい、どうなってしまうのかと不安に感じていた四葉でしたが偶然助けた?風太郎との楽しい京都観光となりました。
お互いに、家が裕福ではない、ということでしたがお金がない事よりもそのせいで母が苦労している事が辛いと考える四葉は、大きくなったら自分が母を助け、そうする事で自分に意味を見出そうとしていました。
その考えに感銘を受けた風太郎は、自分が変わって自分を変える!と目をキラキラさせて言いました。
二人はお互いの目標のために、頑張ろう!と誓いを結びました。
盛り上がっているのは良かったのですが、状況としてははぐれてしまっている状態…、そんな彼らを見つけ出してくれたのは、学校の先生…ではなく母のファンと呼ばれていたあの男性でした。
わざわざ遠くまで足を運んでくれた男性への感謝もそこそこに、風太郎との出来事を嬉しそうに話す四葉の目に飛び込んできたのは、自分と同じ姿でにこやかに話す一花の姿。
風太郎には残念ながら見分けはついていないようでした…。
考えた四葉は、ウサギの耳の様に伸び上がるリボンを身に付けます。
母はそんな四葉の考えを知ってか知らずか、「一番にならずとも一人一人特別」と想いを告げ、「どんなことがあっても五人でいることが大切」と母からの願いを言いました。
そのすぐ後に母はこの世を去ってしまいます。
母への依存度の一番高かった五月は母の影を追い始めます。
最期の願い、とでもいうべき「五人一緒にいる」ということも叶えられそうにないのかも、と不安になる五人姉妹を、全員引き受けたのは母から思いを託されたあの男性でした。
”父”のお蔭で裕福な暮らしになった上、五人は一緒に過ごせることになりました。
が、小学生のときとは交友関係も外見ももうそれぞれ違います。
四葉は亡き母に心の中で語り掛けました、もう五人一緒ではいられない、と。
しかしそれは、それぞれの成長あってのことだと思います!
何でも一緒が楽しかった時代には別れを告げ、似て非なるものを愛するように変わっていけると良いですね!
そしてどんなときでも家族が、姉妹が助けてくれる、それを母は伝えたかったのでは無いかと思います!
- 四葉が母を助けたいと決意した
- 風太郎と目標を誓い合った
- 母の願いは五人一緒にいること
- 風太郎が四葉に感銘を受けた
- 男性が姉妹を引き受けることに
- 四葉が母に心の声を届けた
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