- ダイの大冒険は1989年から連載された名作です
- 堀井雄二は監修のみで三条陸が原作担当
- 竜の紋章が物語の重要な伏線に!
2020年10月より、約30年ぶりに再アニメ化され話題となっている『ダイの大冒険』。
当時少年だった読者たちを中心に、親子2代あるいは3代で楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。
現在も絶大な人気を誇る『ドラゴンクエスト』を題材に、『少年ジャンプ』の三大原則“友情・努力・勝利”、そして成長、愛、冒険、必殺技など心掴む要素が盛り込まれたこの作品は、時代を越えても人々を夢中にさせている最高傑作であり、日本だけでなく海外でも広く愛されています。
しかしこれほどまでに広く長く親しまれている『ダイの大冒険』ですが、実はその始まりはゲーム発売のプロモーションを含む“企画漫画”だったんです。
そこで今回は『ダイの大冒険』の幕開けとなった読み切り作品を始め、『ダイの大冒険』の成り立ちについてまとめました!
目次
【ダイの大冒険】1989年~1996年に少年ジャンプで連載
【ゲーム】
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— ダイの大冒険 ポータルサイト公式 (@dqdai_official) September 13, 2023
『ダイの大冒険』は正式名称を『DRAGON QUEST-ダイの大冒険-』といい、その名の通り大人気ゲーム『ドラゴンクエスト』を題材にした冒険活劇作品です。
『週刊少年ジャンプ』で1989年45号から1996年52号まで、7年間に渡り連載されました。
1989年~1996年までの『週刊少年ジャンプ』というと、長期連載作品の『こち亀』や『ジョジョ』を始め、『聖闘士星矢』『ろくでなしブルース』『ドラゴンボール』『SLAM DUNK』『幽遊白書』『地獄先生ぬ~べ~』などなど、今でも第一線で語り続けられる作品が多く掲載されていたいわゆる“ジャンプ黄金期”。
その一作品として少年漫画史に名を刻んだ『ダイの大冒険』もまた、今でも多くの漫画ファンやドラクエファンに愛されている不朽の名作なのです。
【ダイの大冒険】ドラクエ新作発売で企画された読み切り
当時時代は『ドラゴンクエストⅢそして伝説へ…』が発売され空前絶後の『ドラゴンクエスト』熱が巻き起こっていました。
そんな中、来たる新作『ドラゴンクエストⅣ導かれし者たち』の発売に向けて更なる企画が展開されます。
それが『ドラゴンクエスト』のアニメ化と漫画化。
アニメは『ドラゴンクエスト~勇者アベル伝説』として1989年から全43話で放送され、漫画は1989年の『週刊少年ジャンプ』で『デルパ!イルイル!』という読み切り作品として掲載されました。
この『デルパ・イルイル』が高い支持を得て、後の『ダイの大冒険』へと繋がっていきます。
「デルパ」「イルイル」は『ダイの大冒険』にも登場するオリジナルアイテム「魔法の筒」を使用する際に唱える言葉ですが、読み切り作品『デルパ!イルイル!』もそれを使いニセ勇者一行からゴメちゃんを救出するという物語で、『ダイの大冒険』の1話2話目になっています。
【ダイの大冒険】堀井雄二が原作でない理由は?
テレビアニメ『勇者アベル』の方は、『ドラゴンクエスト』シリーズの生みの親である堀井雄二さんが原作を担当し、『ドラゴンクエスト』シリーズのキャラクター・モンスターデザインを手掛けている鳥山明さんがキャラクター原案を担当しました。
しかし漫画『デルパ!イルイル!』では堀井さんは監修を務める形で、原作を三条陸さん、漫画を稲田浩司さんが担当しています。
何故堀井さんが漫画の原作も務めなかったのか…それはこんなコンセプトがあったからだそうです。
「ゲームと同じ内容ではつまらない」
「世界観は同じにするが、ゲームとはまた違った物語にしよう」
様々な形で『ドラゴンクエスト』を楽しんでもらいたいという堀井さんの想いが感じられますね。
そこで白羽の矢が立てられたのが、当時ライターとして堀井さんとも集英社とも関わりを持っていた三条陸さんでした。
まだ脚本家・漫画原作者としてデビューしたてだった三条さんですが、『ダイの大冒険』や後に同じく漫画・稲田浩司さんとのタッグによる『冒険王ビィト』などで名が知れ渡り、今では王道かつ心揺さぶる物語展開を得意とした脚本家として多くのファンがついています。
今は『仮面ライダーW』や『獣電戦隊キョウリュウジャー』など特撮作品の脚本家としての方が有名かもしれませんね。
『ダイの大冒険』は三条さんを原作として人間ドラマの深みのある熱き作品になり、堀井さんの考えていた通り『ドラゴンクエスト』を一味違った形で世に残した作品となったのでした。
ちなみに『勇者アベル伝説』の方は堀井さん&鳥山さんが関わっているだけあってよりドラクエ感が強く、こちらもまた違った魅力があるので是非見てみてくださいね。
【ダイの大冒険】連載を視野に入れた読み切り2作目
『デルパ!イルイル!』にて驚異的な高評価を獲得したことですぐに連載が決まりましたが、連載前にもうひとつ読み切り作品を挟みます。
それが2作目となる『ダイ爆発!!!』。
これは本編の3話~5話目にあたる内容です。
前作の『デルパ!イルイル!』を引き継ぐ形で描かれたこの作品は、すでに連載を前提として描かれており、『ダイの大冒険』に向けての伏線が盛り込まれていました。
一番印象的なのが「竜の紋章」が登場したこと。
「竜の紋章」はこの先の物語を織りなす重要な設定であり、『ダイの大冒険』を象徴するマークにもなっています。
『ドラゴンクエスト』作品としての楽しさがめいっぱい描かれた『デルパ!イルイル!』に対し、『ダイ爆発!!!』は『ダイの大冒険』へ続く独自の方向性が描かれたと言って良いでしょう。
何より“竜の形のしるしを浮かび上がらせる”という姿が少年たちの心を掴みました。
【ダイの大冒険】熱いストーリーで4700万部発行!
人気漫画がひしめく中で10週での打ち切りも覚悟していたそうですが、読み切り作品から始まった『ダイの大冒険』はジャンプの看板漫画となりながら、あっという間にコミックス全37巻となりました。
連載が終了した後も文庫コミック版、コンビニコミック版、そして2020年10月からは新装彩録版が発売されるなど、様々な形で展開され続けています。
累計発行部数はなんと4700万部!
『ダイの大冒険』は時代に関わらず人生に響く名シーンや名言が多いですから、2020年再アニメ化された影響も含め、その数字はまだまだ伸び続けるでしょう。
【ダイの大冒険】アニメ化後に世界へ進出
『ダイの大冒険』はジャンプでの人気を受け、1991年~1992年にテレビアニメおよび劇場作品として映像化され、こちらも熱狂的な人気を獲得しました。
その後アニメは海外にも進出!
そして世界でも絶大な支持を得ることとなり、コミックスもアジア圏やスペインなどで広く発売されています。
あの熱き魂が世界にも響いているというのは嬉しいですね。
【ダイの大冒険】主人公の名前が変わったワケとは?
アニメ『ダイの大冒険』最終回!原作のラストのラストまで、素晴らしい映像化、本当にありがとうございました!!感無量です…!!
ダイの大冒険に出会えて、本当に良かった!!#ダイの大冒険 pic.twitter.com/MTJ8PqtMdP— 芝田優作 (@tokiwablue21) October 22, 2022
世界でも愛されている『ダイの大冒険』ですが、実は海外だと主人公の名前が「ダイ」じゃないんです。
その名も「Fly(フライ)」。
これは「ダイ」という音が「Die(死)」を連想させるため縁起が悪いという理由だそうです。
でもダイは本名(ディーノ)が書かれていたプレートに残った「D」の文字から付けられた名前ですが、そうなると海外では本名も「F」から始まるものに変わっているのでしょうかね。
【ダイの大冒険】2020年の再アニメは原作を完全再現?
読み切り企画から始まり、連載、アニメ、世界進出と人気を拡大し続けて来た『ダイの大冒険』が、2020年10月より再アニメ化として約30年振りにお茶の間に帰ってきました!
キャストを一新し、CGと作画のハイブリッドという最新の手法によって更なる躍動感で描かれる新たな『ダイの大冒険』です。
気になるのはやはり“どこまで描かれるのか”ですよね。
1991年版では中途半端に終わってしまったので不安に思っているファンも多いはず。
でも少しだけ安心してください!
2020年5月27日にYoutubeでライブ配信された再アニメ化プロジェクト発表会にて、『ドラゴンクエスト』の生みの親である堀井雄二さんから「今回は完結までできる」というような発言があったのです!
そして特報映像として公開された動画では、原作最終話のラストシーンに出てくる「墓標のように突き立てられたダイの剣」が描かれています!
絶対とは言い切れませんが、これは“最後まで描かれる”と期待していても良いのではないでしょうか!?
是非今度こそ、勇者が世界を救うところを見たいですね。
まとめ
企画漫画として始まりましたが、本当に連載に繋がって良かったですよね。
それほど最初から皆の心を掴んだ作品であり、そしてその人気が30年経った今でも冷めていないのがこの作品の凄さです。
30代以上なら人生のバイブルとして読み潰してきた方も多いと思いますが、再アニメ化でさらに後の代へと『ダイの大冒険』の熱が繋がっていくでしょう。
- ダイの大冒険は1989年連載開始
- 原作は三条陸が担当している
- アニメは2020年再アニメ化された
- 累計発行部数は4700万部を超えた
- 主人公の名前は海外で変わる
- 完結まで描かれる可能性がある
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