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クズリはなぜ北海道にいないのか?
結論から言うと、樺太と北海道のあいだに動物の分布境界線があるからです。だから杉元たちは、樺太で初めてクズリを見ました。
ずんぐりとした見た目のわりに、現地では「熊より恐ろしい」と言われている動物です。この記事では、なぜそう呼ばれるのかを、作中で描かれた戦い方から順に並べます。
- 北海道にいない理由と、名前の由来
- 学名グロと英名ウルヴァリンが、それぞれ何を指しているか
- 牙と顎、そして雪の上での速さ
- 鯉登が対応できなかった場面と、岩息が丸まるしかなかった理由
- ヒグマやオオカミが逃げるほどの気性
北海道にいないのは、分布境界線があるから
クズリはイタチ科の動物です。ゴワッとした黒い体毛に、丸く小さめの耳。見た目はイタチというより熊に近いです。
寒い地域に棲息していますが、樺太と北海道のあいだに動物の分布境界線があり、北海道にはいません。杉元たちが未知の生物として出会ったのは、そのためです。
そしてこの動物は、ヒグマやオオカミが棲む地域で最強と言われています。獰猛かつ凶暴で、「小さな悪魔」と呼ばれる存在です。猟犬のリュウが真っ先に警戒したのも、それを感じ取ったからでした。
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— TVアニメ『ゴールデンカムイ』公式 (@kamuy_anime) October 5, 2020
名前は「大食漢」と「オオカミを狩る者」
「クズリ」は和名で、語源はニヴフ語だと言われています。ニヴフは樺太北部に住む少数民族で、樺太編にも登場します。生息地の側から渡ってきた言葉です。
学名はグロ(Gulo)。意味は大食漢です。実際、雑食で小動物・鳥・果実・他の動物の食べ残しや死骸まで食べます。冬にはヘラジカのような大型動物を襲うこともあり、食べきれない分は解体して地中に埋めたり、樹上に引っ掛けて貯蔵します。
英名はウルヴァリン。X-MENのキャラクターの名前として知っている方も多いはずです。あのヒーローもこのクズリから名付けられていて、本物のクズリにも5本の鋭い爪が備わっています。言葉の意味は「オオカミを狩る者」にあたるニュアンスです。
ぼくの知ってるクズリ#ゴールデンカムイ pic.twitter.com/7dCeSnePXM
— シャーギン (@toratibiginkamy) October 5, 2020
僕はこう読む
名前が二つとも「食べること」と「狩ること」を指しているのが、この動物らしいと思っています。
大きさでも、強さでもありません。やめないことが名前になっている。
食べきれない分まで埋めて貯めるという習性と、相手が逃げるまで戦い続ける気性は、同じ性質の裏表だと思います。
体は小さいのに「熊より恐ろしい」と言われる理由
クズリの体長は1メートルほど。イタチ科としては大きいものの、ヒグマが闊歩する地域でそこまで大きくはありません。
それでも現地で「熊より恐ろしい」と言われるのは、恐れ知らずだからです。相手が自分より大きくても果敢に勝負を挑み、複数でも追い散らします。杉元たちが遭遇した場面でも、自分の体の何倍もあるヒグマを襲っていました。
『ゴールデンカムイ』にイタチ科最強生物、クズリことウルヴァリンが登場したので、以前描いたクズリのイラスト漫画図解を再掲。https://t.co/Ro7TIc4vzahttps://t.co/6P67k2B4kC
『ウルヴァリン SAMURAI』のヤシダ爺さんは絶対動物マニアだと思う。#ゴールデンカムイ pic.twitter.com/rf8bOLzADo
— ウラケン・ボルボックス?『すごい危険な生きもの図鑑?』好評発売中‼️ (@ulaken) October 12, 2020
武器は鋭い牙と、骨を砕く顎
口を開くと、すっとぼけた見た目に反して鋭い牙が剥き出しになります。4本の長い犬歯が印象的です。
ただ、それ以上に強力なのが顎のほうです。クズリの顎は、熊など大型動物の骨すら簡単に噛み砕く力を持っています。体に比べて少し大きな頭部は、その強さゆえでしょう。
鋭い牙と強い顎で、食らいついた獲物を離しません。
RT ゴールデンカムイ第三期ッ‼️
…あれ?
PVにでっかいイタチ科、クズリ居る⁉️ pic.twitter.com/PlVHvgH2p2— スミス☆2/7ミニ原画通販? (@sms2222) March 16, 2020
鯉登が対応できなかった、動きの速さ
恐ろしいのは牙や顎だけではありません。素早さも相当なものです。
作中では、可愛い見た目に油断して近づいた鯉登の背中に、あっという間に飛びついています。身のこなしに定評があり戦闘力もある鯉登が、まったく対応できずに背中を取られました。
さらに、鯉登に乗ったクズリを月島が蹴り飛ばしたあと、銃で追撃しても弾が当たらないほどの動きを見せます。熊にいくら膂力があっても、この速さで動かれたら攻撃を当てること自体が難しいはずです。
ゴールデンカムイに出てきたクズリを画像検索したらなかなか凶暴な顔してるやつが出てきてチビりそうになった。 pic.twitter.com/eOgAknff6n
— バンズ? (@mxp511) August 3, 2021
雪の上でも速いのは、足が大きいから
その素早さには、もう一つ理由があります。足の大きさです。
クズリは四肢が太く、足も大きいため、体重が分散されます。大きい手足がカンジキのような役割となり、柔らかい雪の上でも難なく移動できます。
そして獲物が雪に足を取られている隙に襲いかかるのが、得意な戦法です。
【8月18日の図版】
今回の図版は漫画『ゴールデンカムイ』にも登場する、イタチの仲間クズリ!大きさは中型犬ぐらいでありながら、とにかく気性が荒く、時にはクマやオオカミを襲って獲物を奪うこともあるという。
英名は”wolverine(ウルヴァリン)”で、『X-MEN』の登場人物のモデルにもなっている pic.twitter.com/t52tId0YrJ— 在馬メロ??えすぱす・とらむ 百科事典系Vtuber (@aruma_mero) August 18, 2021
大きな相手には、木の上から背骨を狙う
大型の動物に対しては、木の上から奇襲します。一気に背中へ飛び移り、脊髄や延髄といった急所に噛みつくのです。
恐れ知らずではあっても、正面から突っ込むだけの短絡的な動物ではありません。エノノカにもこの方法で飛びつこうとしましたし、殴り合い最強の岩息舞治もこれで襲撃され、丸まることしかできませんでした。背中にくっつかれると腕が回せません。
ゴールデンカムイにも出てきたクズリことWOLVERINEの学名がGULOGULOGULOだと知って得した気分。GULOはラテン語で大食漢。グルメやグルマンもそのあたりからかね。 pic.twitter.com/ZleXb8A6ml
— 前田麦 (@bakumae) October 2, 2021
僕はこう読む
この攻撃の選び方が、いちばん怖いところだと思っています。
恐れ知らずなら、正面から突っ込むはずです。ところが実際にやっているのは、相手が反撃できない位置を先に取ることでした。
岩息が丸まるしかなかったのは、力で負けたからではありません。手が届かない場所に乗られたからです。
肉食動物すら逃げる、気性の荒さ
クズリの気性の荒さは、肉食動物ですら恐れて逃げてしまうことがあるほどです。ヒグマやオオカミが獲った獲物を横取りすることもあります。
さらに恐ろしいのが、相手が逃亡するまで戦い続けるしつこさです。10〜15キロの距離を休まず移動できる持久力もあり、木登りだけでなく泳ぎも得意です。
人間はもちろん、他の生物ですら最も出会いたくないと思う相手。ヒグマやオオカミが棲む地域で、小柄ながら最強と言わしめるだけの凶暴性を持っています。
#ゴールデンカムイ展
?アシ(リ)パと野生動物を捕まえろ!?正解は④
隠れていた野生動物は「クズリ」!クズリの捕獲に成功したら、ハッシュタグをつけてツイートを!
次回もお楽しみに!#野生動物を捕まえろ pic.twitter.com/nAc7KpufFH— 連載完結記念 ゴールデンカムイ展【公式】 (@goldenkamuy_ex) May 18, 2022
まとめ|クズリをどう読むか
クズリが北海道にいないのは、樺太と北海道のあいだに動物の分布境界線があるからです。
その正体を並べます。
- イタチ科で体長1メートル。学名グロは大食漢、英名はウルヴァリン
- 4本の犬歯と、骨を砕く顎。食らいついた獲物を離さない
- 大きな足がカンジキの役割をして、雪の上でも速い
- 大型の相手には木の上から背骨を狙う
- 10〜15キロを休まず移動し、相手が逃げるまで戦い続ける
僕はこう読む
この動物が「熊より恐ろしい」と呼ばれる理由は、強さではないと思っています。
ヒグマのほうが大きく、力もあります。
クズリが持っているのは、やめないことのほうです。
杉元たちは、樺太で真っ先にこの相手と出会いました。自ら死に近づいて生を掴む不死身の杉元と、恐れ知らずで生き残ってきたクズリ。この遭遇を樺太編の危険さを見せる場面と読むか、杉元と同じ性質の生き物を先に置いた場面と読むかで、あの襲撃の意味が変わってきます。
——あなたはクズリとの遭遇を、樺太の危険さを見せるための場面だと思いますか。それとも、杉元と同じ性質を持つ生き物を先に置いた場面だと思いますか。よければコメントで教えてください。
よくある質問
クズリは実在の動物なので、作中の描写と現実の生態が混ざりやすいところです。細かい点を拾っておきます。
Q. クズリは北海道にいますか。
A. いません。樺太と北海道のあいだに動物の分布境界線があるためです。杉元たちが樺太で初めて見たのは、そのためです。
Q. クズリの学名と英名の意味は何ですか。
A. 学名グロは大食漢という意味です。英名のウルヴァリンは「オオカミを狩る者」にあたるニュアンスで、X-MENのキャラクターもこの動物から名付けられています。
Q. 鯉登はなぜ対応できなかったのですか。
A. 速さです。可愛い見た目に油断して近づいたところ、あっという間に背中を取られました。月島が蹴り飛ばしたあとも、銃の弾が当たらないほどの動きを見せています。
Q. 大きな動物にはどう襲いかかりますか。
A. 木の上から飛び移り、脊髄や延髄といった急所に噛みつきます。岩息舞治もこの方法で襲われ、丸まることしかできませんでした。
Q. ヒグマとどちらが強いのですか。
A. 体はヒグマのほうが大きいですが、現地では「熊より恐ろしい」と言われています。恐れ知らずで、相手が逃げるまで戦い続けるためです。獲物を横取りすることもあります。
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最終更新:2026年9月6日


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