徐完とは何者なのか
結論から言うと、徐完は暗殺一族「朱凶」の刺客です。嬴政(えいせい)の影武者だった漂に致命傷を負わせ、のちに信に討たれました。
物語の最初に立ちはだかる敵であり、この作品が何を描くかを決めた人物でもあります。
実写映画で演じたのは深水元基(ふかみ もとき)です。ただし役名は徐完ではなく「朱凶」になっています。原作では朱凶が一族の名前、徐完がその一人という関係なので、ここが食い違います。順に見ていきます。
この記事でわかること
- 朱凶という一族と、徐完の立ち位置
- 漂を討ち、信に討たれるまでの経緯
- 四人の子がいると明かした場面の意味(カイの読み)
- 実写映画での役名と、演じた俳優
朱凶という一族
朱凶(しゅきょう)は、暗殺200年の歴史を持つ刺客の一族です。全身を赤い装束で包んでいるのが特徴で、「朱凶」は個人名ではなく一族の名前にあたります。作中に複数の朱凶が登場するのはそのためです。
徐完は、その朱凶の一人です。
漂を討った刺客
物語の始まりを思い出すと、この人物の位置がはっきりします。
秦王・嬴政とそっくりな少年・漂を、昌文君が影武者として仕官させました。やがて王弟の成蟜(せいきょう)が左丞相の竭氏と手を組み、嬴政の首を狙います。
漂は影武者として、昌文君の想像以上の働きを見せました。しかし刺客の刃にかかり、致命傷を負います。その刺客が徐完でした。
徐完は大王の影武者だった漂を城戸村まで追い、そこから嬴政が黒卑村にいることを突き止めて襲来します。そして信に斬られ、嬴政にとどめを刺されて死亡しました。
信が初めて剣を持って戦った強敵であり、漂の仇にあたる人物です。
僕はこう読む
最初の敵が「雇われた側」だった、というのがこの作品の始まり方です。
徐完は成蟜を憎んでいません。嬴政に思想的な敵意もありません。仕事として漂を殺しました。
信にとっては人生を変えた一撃ですが、徐完にとっては数ある依頼の一つです。この非対称が、キングダムという作品の入口に置かれています。
そして信は、この男を斬ることで戦場に入りました。復讐の相手は、個人的な恨みを持っていませんでした。だから信の目標は復讐で終われず、大将軍という別のものに移ります。
四人の子がいると明かした場面
徐完について、もう一つ記録されていることがあります。
自ら四人の子がいることを明かし、命乞いをしたという点です。殺し屋であるため、その詳しい素性は分かっていません。
僕はこう読む
この一場面が、キングダムという作品の姿勢を決めていると思っています。
物語の最初の敵に、命乞いをさせているのです。しかも子どもの数まで言わせている。
普通の少年漫画なら、最初の敵は倒されて終わりです。読者が気持ちよく次へ進めるように、感情移入の余地は作りません。
この作品は逆をやりました。斬る直前に、相手の生活を見せる。
以降キングダムは、何万人も死ぬ戦争を描き続けます。そのたびに「一人ひとりに生活がある」と示す描き方が繰り返されますが、その最初の一回が徐完でした。
読者が最初に覚える後味の悪さは、意図されたものだと思います。
実写映画での徐完は「朱凶」です
実写映画『キングダム』(第1作)のキャスト一覧に、徐完という役名はありません。代わりに置かれているのが朱凶(しゅきょう)で、演じたのは深水元基です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 役名 | 朱凶(SHUKYOU) |
| 俳優 | 深水元基 |
| 公式の紹介 | 嬴政の首を狙う暗殺者 |
つまり実写は、一族の名前だった「朱凶」を、そのまま個人の役名にしています。原作で徐完を探している人が実写のキャストで見つけられないのは、この置き換えが理由です。
僕はこう読む
この置き換えは、映画として正しい判断だと思っています。
原作の徐完は「朱凶という一族の一人」であることに意味があります。二百年続く家業として人を殺している——だから四人の子の話が効きます。
ただ2時間の映画で、一族と個人を分けて説明する余裕はありません。名前を一つにまとめれば、観客は「赤い装束の暗殺者」として一度で覚えられます。
失われたのは、家業として殺しているという厚みのほうです。原作の徐完が印象に残るのは、その厚みがあるからだと思います。
実在した人物なのか
徐完の名は史書にありません。暗殺一族「朱凶」という設定ごと、『キングダム』の創作です。ただし戦国の権力争いで暗殺そのものが使われたことは史実で、その下地の上に置かれた人物だと言えます。
まとめ|徐完をどう読むか
- 暗殺200年の一族「朱凶」の刺客。朱凶は個人名ではなく一族の名前
- 影武者だった漂に致命傷を負わせた人物
- 信に斬られ、嬴政にとどめを刺されて死亡した
- 四人の子がいると明かして命乞いをした場面が、この作品の姿勢を決めている(カイの読み)
- 実写映画では役名が「朱凶」、演じたのは深水元基
登場は短く、強さの描写も限られています。それでも読んだ人の記憶に残るのは、斬られる直前に四人の子を口にしたからです。実写が役名を朱凶にまとめたのも、短い出番で覚えてもらうためでした。
いっぽうで、まだ開いたままの点もあります。徐完の四人の子が、その後どうなったのかは作中で一度も描かれていません。朱凶が一族として続いている以上、その子たちも同じ家業に入った可能性は残ります。
僕はこう読む
徐完は、信が最初に斬った相手であると同時に、読者が最初に「斬られる側」を見せられた相手でもあると思っています。
この作品はこのあと、何万という兵が名前も無いまま死ぬ戦場を描き続けます。そのたびに一人ひとりの生活を差し込んでくる描き方の、最初の一回がここでした。
実写がこの人物を朱凶という一族名で呼んだとき、失われたのは名前ではなく「家業として殺している人間にも、子が四人いる」という厚みのほうだと読んでいます。
最初の敵に命乞いをさせるという選び方が、この作品の入口に置かれています。徐完を覚えているかどうかで、そのあとの戦場の見え方が変わってきます。
——あなたは徐完の命乞いを、どう受け取りましたか。卑怯だと思いましたか、それとも人間らしいと思いましたか。よければコメントで、あなたの読み方を聞かせてください。
よくある質問
徐完は原作と実写で名前の扱いが変わる人物です。
Q. 徐完とは何者ですか
A. 暗殺200年の歴史を持つ刺客の一族「朱凶」の一人です。嬴政の影武者だった漂に致命傷を負わせました。
Q. 徐完は死亡したのですか
A. 死亡しています。黒卑村に襲来したところを信に斬られ、嬴政にとどめを刺されました。
Q. 徐完を演じた俳優は誰ですか
A. 深水元基です。ただし実写映画での役名は徐完ではなく「朱凶」で、公式の紹介は「嬴政の首を狙う暗殺者」となっています。
Q. 朱凶とは何ですか
A. 暗殺を生業とする一族の名前です。個人名ではないため、作中には複数の朱凶が登場します。全身を赤い装束で包んでいるのが特徴です。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年8月1日


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