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ディアンヌの記憶は何度消えたのか
結論から言うと、ディアンヌの記憶は2回消えています。1回目は500年前にキング本人が消し、2回目はゴウセルが消しました。
そして2回とも、あとで戻ってきます。最後に全部を戻したのは、3000年前の試練で出会ったゴウセル本人からの贈り物でした。
この記事でわかること
- 記憶が消えた回と戻った回の順番
- キングが自分から消した理由
- ゴウセルが消したのは何話か
- 27巻で全部戻ったきっかけ
- 200年越しに結ばれるまで
消えた回と戻った回の時系列
順番が入り組んでいるので、先に並べておきます。
| いつ | 何が起きたか |
|---|---|
| 500年前 | 1回目。キングが自分との記憶を消した |
| 王都の戦い | キングに助けられ、消された記憶が戻る |
| 126話 | 2回目。ゴウセルが記憶を消した |
| 27巻 | ゴウセル本人の贈り物で、全部戻る |
1回目と2回目では、消した相手も理由もまったく違います。
キングは守るために消し、ゴウセルは口論の末に消しました。同じ「記憶を消す」でも、作品の中での意味が正反対になっています。
僕はこう読む
ディアンヌの記憶が2回消えるのは、やりすぎではないと思っています。
1回目で読者は、キングの側の切なさを受け取りました。
2回目は、その切なさをディアンヌの側からもう一度やり直させています。
思い出したのに伝えられない、という状態を作るためです。
1回で終わらせていたら、ディアンヌはずっと受け身のままでした。
2回目があることで、彼女が自分の意思で取り戻す話に変わります。
同じ仕掛けを2回使った意味は、そこにあると読んでいます。
1回目は500年前、キングが自分で消した
2人が出会ったのは、700年前までさかのぼります。
一人で暮らしていた幼いディアンヌが、怪我をして倒れている男の子を助けました。その男の子が、のちにキングと呼ばれる妖精王ハーレクインです。
当時のキングは、自分が何者かを忘れていました。
行き場のない2人は、すぐに打ち解けて一緒に暮らし始めます。ディアンヌにとって、キングは初めてできた友達でした。
そのまま500年が過ぎたある日、キングの記憶が戻ります。
自分が妖精王であること、捕らわれた仲間を助けるため森を出たこと、崖から落ちたこと。すべてを思い出した直後に、人間の村から炎が上がるのが見えました。
キングはディアンヌに「きっと戻るから」と言い残し、村へ向かいます。
キングがディアンヌの記憶を消した理由
村を襲っていたのは、親友のヘルブラムでした。
妖精が捕らわれたあの日から500年、ヘルブラムは人間を恨み続けていたのです。キングは暴走を止めるため、自分の手で親友を倒しました。
そのあとキングは、ディアンヌのところへ戻ります。
ところが、このまま一緒に暮らしていくことはできないと悟りました。そして寂しい思いをさせないために、自分と過ごした500年ぶんの記憶を消したのです。
ディアンヌは、キングのことを丸ごと忘れました。
忘れさせた側は、覚えたまま去っています。この非対称が、そのあとの2人の距離をずっと決めていました。
僕はこう読む
キングが記憶を消した判断は、優しさというより一方的な決定だと思っています。
ディアンヌに何も聞かないまま、忘れるほうを選ばせました。
寂しい思いをさせないため、と言いながら、寂しさは全部自分が引き受けています。
そのうえで「きっと戻るから」という約束だけは守りました。
戻る先の相手が、自分を知らない状態になっているのにです。
報われる見込みのない約束を、500年ぶん守り続けた男の話でした。
キングの重さは、ここで決まっていると読んでいます。
ディアンヌがメリオダスに惹かれた理由
記憶を失ったディアンヌは、人間の兵士に絡まれて口論になります。
そこへ割って入ったのがメリオダスでした。「男がよってたかって、女一人に格好悪いことすんなよ」と言って助けています。
巨人族のディアンヌは、それまで女性として扱われていませんでした。
当たり前のように女扱いされたうえ、助けてもらったのです。この一言で、ディアンヌはメリオダスに強い好意を抱きました。
そのあと聖騎士たちの罠にかかり、族長のマトローナを失います。
濡れ衣を着せられ、斬首刑にされかけたところをまたメリオダスに救われました。2度助けられたディアンヌは、七つの大罪に加入することになります。
一方のキングも、同じ七つの大罪の団員でした。
再会したとき、ディアンヌ側にはまだ記憶がありません。キングだけが一人で、500年前の約束を抱えたままでした。
王都の戦いで、一度だけ記憶が戻った
王都で聖騎士たちとの戦いが起きます。
ディアンヌはボロボロになり、反撃もできない状態まで追い詰められました。そこへ駆けつけて助けたのが、キングです。
この瞬間、消されていた記憶が戻りました。
キングと過ごした500年も、ずっと好きだったことも思い出します。ところがキングは、そのときバンと妖精王の森へ向かっていました。
思い出したのに、相手がいません。
気持ちを伝える機会が、ここで一度流れました。作品はディアンヌを、伝えられないまま次の場面へ運びます。
2回目はゴウセルが126話で消した
そのあとディアンヌは、暴走したゴウセルと口論になります。
その結果、ゴウセルによって記憶を消されました。原作126話「記憶が目指す場所」で起きた出来事です。
今度はキングとの記憶だけでは済みませんでした。
七つの大罪に関わる記憶まで、まとめて消されています。やっと思い出した気持ちを、キングに伝える前に失った形です。
この時点でディアンヌは、2度目の振り出しに戻されました。
僕はこう読む
ゴウセルの消し方が乱暴なのは、作品として必要だったのだと思っています。
キングの1回目は、理由を丁寧に用意してありました。
2回目は口論の勢いで、守るためですらありません。
だから読者は、はっきり理不尽だと感じます。
1回目に納得してしまった読者を、そこで引き戻す作りです。
記憶を消すのは優しさではない、と2回目が言い直しています。
同じ行為を2回描いた理由は、この差だと読んでいます。
十戒の2人が与えた3000年前の試練
メリオダスが十戒に倒されたあと、キングとディアンヌは妖精王の森にいました。
そこへ現れたのが、十戒のグロキシニアとドロールです。2人は戦うのではなく、キングとディアンヌに試練を与えると言い出しました。
受けると決めた2人は、3000年前の世界へ飛ばされます。
キングはグロキシニアに、ディアンヌはドロールになりました。聖戦のさなかで、過去の十戒とは違う選択をすることが課題です。
キングは試練をクリアし、先に現世へ戻ってきます。
残されたディアンヌの試練で、2人の未来を変える出来事が起きました。3000年前の世界に、人形ではないゴウセル本人がいたのです。
27巻、ゴウセル本人の贈り物で全部戻った
ディアンヌは、未来から来たことをゴウセル本人に伝えます。
するとゴウセルから、人形のほうのゴウセルと友達になってほしいと頼まれました。やってみる、と答えたディアンヌに、ゴウセルは感謝の贈り物を授けます。
その贈り物の正体が、消されていた記憶でした。
試練を終えて現世に戻ったディアンヌは、すべてを取り戻しています。27巻で描かれる、この記事でいちばん大事な場面です。
消したのも人形のゴウセルなら、戻したのもゴウセルでした。
同じ名前の存在が、奪った側と返した側の両方に立っています。ディアンヌが「やってみる」と答えたことが、そのまま報酬になりました。
200年越しに結ばれた2人
キングが記憶を消してから、200年が経っていました。
その間ずっと、キングは一人で約束を守り続けています。妖精王の森へ戻るキングに、ディアンヌはかつて「ボクをずっと好きでいて」と言いました。
キングの返事は「キミの元に必ず戻る、約束するよ」です。
そして試練を終えた2人は、ようやく気持ちを伝え合いました。記憶を消された側が自分で取り戻して、そのうえで選び直した形になります。
戻ってきたキングの背中には、それまで無かった羽が生えていました。
僕はこう読む
この2人が結ばれる場所が、試練の直後なのが上手いと思っています。
グロキシニアとドロールは、本来なら敵です。
その敵が用意した舞台の上で、2人の200年が終わりました。
助けてくれた味方ではなく、追い詰めてきた側が鍵を渡しています。
キングの羽が戻るのも、同じ試練のあとでした。
失っていたものが2つ同時に返る場面に、まとめてあります。
十戒編がこの2人の話でもあった、という構成だと読んでいます。
まとめ
ディアンヌの記憶は、作中で2回消えています。1回目は500年前にキングが自分で消し、2回目はゴウセルが126話で消しました。
1回目は王都の戦いで、キングに助けられたときに戻ります。
ただし、そのときキングは妖精王の森へ向かっていました。思い出したのに伝えられないまま、2回目の消去を受けています。
全部が戻るのは27巻でした。3000年前の試練でゴウセル本人と出会い、その贈り物として記憶が返ってきます。
そして200年越しに、2人は気持ちを伝え合いました。
この話の評価は、どこを見るかで変わります。キングが500年守り続けた約束を取るか、ディアンヌが自分で取り戻した結末を取るかで、印象が変わってきます。
僕はこう読む
この2人の話でいちばん重いのは、記憶が2回とも本人の同意なく動いたことだと思っています。
消されるときも、戻るときも、ディアンヌは選んでいません。
唯一の例外が、ゴウセル本人に「やってみる」と答えた場面です。
頼まれごとを引き受けた見返りとして、記憶が返ってきました。
自分の気持ちを取り戻す条件が、他人のための約束だったわけです。
ディアンヌらしい取り戻し方だと思っています。
だからこの結末は、御都合主義には見えませんでした。
つまりこの物語は、消した側ではなく戻した側の話です。キングが500年守った約束と、ディアンヌが引き受けた頼みごとが、同じ場所でつながりました。
——あなたは、この2人を結び付けたのはキングが守り続けた約束だと思いますか。それとも、ディアンヌがゴウセル本人に返した一言のほうだと思いますか。よければコメントで、あなたの読み方を聞かせてください。
よくある質問
ディアンヌの記憶について、よく出てくる疑問をまとめました。
Q. ディアンヌの記憶は何回消えましたか。
A. 2回です。1回目はキング本人が、2回目はゴウセルが消しました。
Q. ゴウセルが消したのは何話ですか。
A. 原作126話「記憶が目指す場所」です。キングとの記憶に加え、七つの大罪のことまで消えました。
Q. 記憶が全部戻るのは何巻ですか。
A. 27巻です。3000年前の試練でゴウセル本人と出会い、贈り物として返ってきました。
Q. なぜキングは記憶を消したのですか。
A. もう一緒に暮らせないと悟り、ディアンヌに寂しい思いをさせないためです。
Q. 2人が出会ったのはいつですか。
A. 700年前です。幼いディアンヌが、倒れていた妖精王ハーレクインを助けました。
Q. キングとディアンヌが結ばれたのはいつですか。
A. 記憶を消されてから200年後、グロキシニアとドロールの試練を終えた直後です。
消えたのは2回です。メリオダスの魔神化も、キングの覚醒も、嫉妬の罪も。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年9月18日

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