ジャイロはコアラなのか
結論から言うと、違います。337話「懺悔」でコアラは人間だった頃に人を消す仕事をしていたと明かしました。命じられて引き金を引く殺し屋と、21歳で国を建てた裏の王は一致しません。
そして既出の蟻キャラクターを一人ずつ当たっても、該当者はいません。ジャイロは新キャラクターとして残されたままです。順に見ていきます。
この記事でわかること
- コアラ説が否定できる理由(337話)
- 既出の蟻を一人ずつ消した結果
- NGLの正体と、ジャイロの生い立ち
- ウェルフィンだけがジャイロの行方を知る理由
- ラスボス候補とされる3つの根拠
コアラ説が否定できる理由
ジャイロ=コアラという説が出たのは、コアラの決めゼリフ「救えねェ」が、ジャイロの考え方に似ているからでした。
しかし337話「懺悔」で、コアラの過去が明かされます。
人間だったころのコアラは、人を消す仕事をしていました。そして赤毛の少女を撃ち殺しています。少女は追っていた連中に捕まって嬲られるはずで、その苦しみから救ってやりたいという思いから引き金を引いた、と語りました。
蟻に生まれ変わったあとも同じように人を狩っていることに気づき、コアラは懺悔します。そして、その少女が転生した姿であるカイトに謝罪し、一生ついていくことになりました。
僕はこう読む
この二人は、似ているようで正反対だと思っています。
コアラは命じられて引き金を引く側の人間でした。撃った理由すら「救ってやりたかった」という受け身の情です。
ジャイロは命じる側です。12歳で父を殺し、21歳で国を建て、全世界に悪意をばらまきたいと考えた男。誰かに指示されて動いたことが一度もありません。
「救えねェ」という同じ言葉を使っても、コアラは自分に向けて、ジャイロは世界に向けて言う。方向が逆です。
似ているのは絶望の色だけで、立っている位置がまるで違う。だから同一人物ではありえないと読んでいます。
既出の蟻を一人ずつ消していく
転生後のジャイロは203話と204話の2話だけにしか登場しません。フード付きのロングジャケットに身を包み、容姿は一切描かれていません。分かるのは身長が一般人程度ということだけです。
そのため「既出の蟻の誰かではないか」という説が出ました。一人ずつ見ていきます。
| 候補 | 違う理由 |
|---|---|
| コルト・レイナ | 蟻に最初に殺されたNGLの子供の兄弟の生まれ変わり |
| ブロウーダ | 315話で「オレは多分ジャイロの部下じゃなくNGLの住民だった」と発言 |
| メレオロン | 元NGLの一般人。里親ペギーを王に殺され、復讐を誓った |
| ウェルフィン | 人間だった頃の名はザイカハル。ジャイロの部下で、本人を探しに行く側 |
| ヒナ・イカルゴ | 同じくジャイロの部下だった側 |
| コアラ | 337話で元ヒットマンと判明。裏の王とは一致しない |
つまり既出の蟻キャラクターの中に、ジャイロはいません。まったくの新キャラクターとして、今後ストーリーに関わってくる形になります。
NGLの正体は、自然保護区ではありません
ジャイロはNGLの影の首領(ドン)です。
NGL(ネオ・グリーン・ライフ)自治国は、表向きは自然保護区を名乗っていました。自然調和の教えのもと、機械文明をすべて捨てて自然のなかで生活する団体です。
しかし実態は違いました。飲むドラッグ「D²(ディーディー)」の製造・流通をひそかに行う、汚れた組織だったのです。
これを知っていたのは上層部だけでした。そこへキメラアントが侵略し、製造工場と関係者を虐殺・捕食。多くの人間が兵隊蟻として取り込まれます。
そのなかでジャイロだけが違いました。強靭な意思で蟻の女王の命令をただ一つ受け付けず、自らの意思で動けていたのです。
ジャイロの生い立ち
- 7歳まで言葉すら話せなかった
- 12歳まで、とある飯場で父親と暮らす
- 幼少期から工事現場で下積みし、合理的・建設的な思考を育てた
- 父からまったく愛情を受けず、精神が崩壊していた
- 12歳で父親を殺害
- その9年後、21歳でNGLを設立
- さらに9年後、30歳でNGLは国家となり、王になった
飲む麻薬D²の製造・流通で国家を大きくしましたが、これは手始めでした。
ジャイロが抱えていたのは「全世界に悪意をばらまきたい」という意思です。
だから蟻に食われたあとも人間だったころの記憶を失わず、ジャイロのまま生まれ変わりました。そして「自分は王である」という誇りから、女王のもとを離れます。
僕はこう読む
この生い立ちで、いちばん引っかかるのは「7歳まで言葉を話せなかった」という一行です。
国を建てるには知識も人脈も財力も要ります。普通に考えれば、言葉が遅れた子には無理な話です。
それでも21歳で建国した。つまり彼が持っていたのは教育で身につけた能力ではなく、生まれ持った悪だくみの才能だったということになります。
工事現場での下積みが「合理的・建設的な思考」を育てた、という書かれ方も効いています。彼は国を「建てた」人です。壊す人ではありません。
全世界に悪意をばらまきたいという願いを、建設の手つきで実行しようとしている。ここがジャイロという人物のいちばん怖いところだと思っています。
ウェルフィンだけが行方を知っている理由
蟻に捕食されたNGL住民のなかには、ジャイロを思い出した者がいます。ウェルフィン、ヒナ、イカルゴです。
イカルゴは離脱しましたが、ウェルフィンとヒナはビゼフを伴って、ジャイロが向かったとされる流星街へ出発しました。
ウェルフィンには自信があります。理由は、二人の過去にありました。
ウェルフィンが蟻として最初に思い出した記憶は、自分の首を絞める父親と、その背後で見ている女でした。
そこから助けてくれたのが、血のつながっていない弟。それがジャイロだったのです。
つまり二人は、王と部下という立場でありながら血のつながらない兄弟であり、不幸自慢をして笑い合える唯一の友でした。
僕はこう読む
二人とも父親に殺されかけた子どもです。片方は首を絞められ、片方は愛情をまったく与えられなかった。
そしてジャイロは自分の父を殺し、ウェルフィンの父からはウェルフィンを助けました。
同じ「父」に対して、殺す側と助ける側の両方をやっていることになります。
全世界に悪意をばらまきたいと言う男が、たった一人だけは助けた。その一人がいまも探し続けている。
ジャイロが単純な悪として描かれていない理由は、ここにあると思っています。
ラスボス候補とされる3つの根拠
ハンターハンターは、ラスボスの存在がまだ不明のままです。ジャイロがそれになり得ると言われる理由は3つあります。
1. ゴンたちと一度も接触していない
「全世界に悪意をばらまきたい」という、作中でも最も凶悪な思いを抱えたキャラクターです。それだけのインパクトを持ちながら、メインキャラクターとの接触が一度もありません。
2週にわたって説明されたのに、「結局ジャイロはゴンと出会うことなくこの街を去りどこかへ消えた」で終わるとは考えにくい。
しかも「それが互いにとって幸運だったのか否かは2人が出会うまで分からない」と前置きされています。出会う前提の書き方です。
2. 記憶を保ったまま、蟻として強くなっている
キメラアントは暗黒大陸から渡ってきた外来種で、33巻の危険生物評価リストでは破壊力がダントツのAランクです。
そこへ人間だったころの記憶と意思を丸ごと持ち込んだ。一回り強くなって生まれ変わっていることになります。
3. 向かった先が流星街だった
流星街は、この世の何を捨てても許される空白地域。あの幻影旅団の出身地でもあります。どんな情報も足がつかない場所です。
ウェルフィンの見積もりによれば、ジャイロは流星街ですでに有志と道具を集め、建国の準備を済ませているかもしれないとのことでした。
僕はこう読む
流星街という行き先が、いちばん面白いところだと思っています。
あの街は長老たちによって、意外なほど強く統治されている場所です。無法地帯ではありません。
実際、蟻のザザンが居を構えたときは、流星街を脅かすとして幻影旅団に一掃されました。
ジャイロがあそこでD²をばらまき、住民をドラッグ漬けにするなら、次に来るのは幻影旅団との直接対決です。
暗黒大陸編が終わって主要メンバーが世界へ戻ったとき、流星街にジャイロの国ができていたら——ジャイロ討伐編が始まるのだと思っています。
まとめ
ジャイロはコアラではありません。337話「懺悔」でコアラは元ヒットマンだと明かされました。
既出の蟻を当たっても、該当者はいません。
- 転生後の登場は203話と204話の2話だけ。容姿は描かれていない
- NGLは自然保護区を装った、飲むドラッグD²の製造・流通組織だった
- ジャイロは7歳まで言葉が話せず、12歳で父を殺害、21歳で建国、30歳で王になった
- 蟻の女王の命令を唯一受け付けず、記憶と自我を保ったまま転生した
- ウェルフィン(人間名ザイカハル)とは血のつながらない兄弟
僕はこう読む
この二人は、似ているようで正反対だと思っています。
コアラは命じられて引き金を引く側で、撃った理由すら受け身の情でした。
ジャイロは命じる側です。12歳で父を殺し、21歳で国を建てています。
いちばん引っかかるのは「7歳まで言葉を話せなかった」という一行です。国を建てるには知識も人脈も財力も要る。それでも21歳で建国しました。これを設定上の矛盾と読むか、この男の異常さを一行で示した仕掛けと読むかで、ラスボス説の説得力が変わってきます。
——あなたはジャイロが7歳まで言葉を話せなかったという設定を、経歴と噛み合わない矛盾だと思いますか。それとも、この男の異常さを一行で示した仕掛けだと思いますか。よければコメントで、どちらに近いか教えてください。
よくある質問
ジャイロはコアラ説が広まっていますが、337話で否定されています。既出の蟻を順に当たって確認しておきます。
Q. ジャイロはコアラですか
A. 違います。337話でコアラは人間だったころ人を消す仕事をしていたと明かしました。命じられて引き金を引く殺し屋と、自ら国を建てた裏の王は一致しません。
Q. ジャイロの正体は判明していますか
A. キメラアントに転生したことまでは確定していますが、誰に生まれ変わったかは明かされていません。既出の蟻には該当者がいません。
Q. 何話に登場しますか
A. 転生後の姿は203話と204話の2話だけです。フードで顔は隠されています。
Q. NGLとは何ですか
A. 表向きは自然保護区を名乗る自治国ですが、実態は飲むドラッグD²の製造・流通を行う組織でした。
Q. なぜウェルフィンはジャイロの行方が分かるのですか
A. 二人は血のつながらない兄弟だからです。ウェルフィンが父に首を絞められたとき、助けたのがジャイロでした。
Q. ジャイロはラスボスになりますか
A. 決まっていません。ゴンと未接触であること、記憶を保ったまま転生したこと、流星街へ向かったことの3つから、候補として語られています。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年9月5日


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