ハンジの性別はどちらなのか
結論から言うと、原作では決められていません。諫山創先生が意図的に明言を避けています。ただしアニメと実写では女性として作られ、声優は朴璐美さん、実写は石原さとみさんが演じました。
ここが混乱の元です。「作者が答えていない」のではなく、「答え方が場所ごとに違う」のが実際のところです。
この記事でわかること
- 作者が3か所で違う言い方をしていること
- 公式プロフィールに載っている数値
- アニメの声優と実写のキャスト
- リヴァイとの距離感
- 132話で描かれた最期
作者の発言を並べる
| 出どころ | 言っていること |
|---|---|
| 読者からの質問への回答 | 「この質問を受けてそのキャラの性別は明言しない方がよさそうだと確信しました」 |
| 月刊進撃の巨人公式フィギュアコレクション | 「アニメ・実写では女性になりました」 |
| 劇場版後編Blu-ray初回特典の原案設定資料集 | 「一応女性のつもりではありますがあえて男性とも見れなくもない感じ」 |
3つを並べると、方針がはっきりします。原作の中では決めない。映像化するときは女性にする。そのうえで、自分の頭の中では一応女性という置き方です。
1つ目の言い方に注目してください。もともと決めていなかったのではなく、質問されたことで「明言しない方がいい」と確信したと言っています。読者が気にしている、その状態自体に価値があると判断したわけです。
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ハンジだけ性別を伏せたのは、偶然ではないと思っています。
調査兵団の他の面々は、性別が物語に関わります。
ミカサもアニもヒストリアも、そこが動機や立場に結びついている。
ハンジだけが、巨人への興味しか動機を持っていません。
誰を守るでもなく、誰に認められるでもなく、ただ知りたい。
巨人を知りたいという一点で立っている兵士に、性別という情報を足すと輪郭がぼやけます。
伏せたのではなく、要らなかった。そう読んでいます。
公式プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誕生日 | 9月5日 |
| 身長 | 170cm |
| 体重 | 60kg |
| 性別 | 公式に明言されていない |
| 所属 | 調査兵団。元第4分隊長、のちに第14代団長 |
身長170cmは、調査兵団の中では高いほうです。長身にポニーテール、戦闘中は常にゴーグルという見た目が、性別を判断しにくくしている部分でもあります。
年齢の数値は公式に出ていません。エルヴィン時代から巨人の研究を続けている経歴だけが、年齢の手がかりです。
声優と実写のキャスト
| 媒体 | 演じた人 |
|---|---|
| アニメ | 朴璐美 |
| 実写映画(2015年) | 石原さとみ |
実写版は樋口真嗣監督で、前編『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』が2015年8月1日、後編『エンド オブ ザ ワールド』が9月19日に公開されました。エレン役は三浦春馬さんです。
朴璐美さんの声は、女性的にも男性的にも寄りすぎません。その中間を保てる声質が、ハンジに当てられた理由だと感じます。興奮すると一気に跳ね上がる話し方が、巨人を前にしたときの高揚と噛み合っています。
巨人への執着はどこから来たのか
ハンジの行動は、全部この一点から出ています。
巨人討伐作戦では2体を生け捕りにして研究し、痛覚があるのかどうか、意思の疎通ができるのかどうか、日光を遮ると動きがどう変わるのかを突き止めました。エレンには半ば無理やり硬質化の実験をさせています。
その一方で、ニック司祭を殺した中央憲兵を躊躇なく拷問しています。ライナーとの戦いでは右目を失いながら、仲間の危機に駆けつけました。好奇心の人であって、甘い人ではありません。
瀕死のリヴァイを見つけたときには即死だと言い切り、隙を見て逃げ出しています。観察の目を、味方に対しても外しませんでした。
エルヴィンからは、不在時の指揮を任され、次期団長になるよう直に指名されています。変人と呼ばれながら、組織の頭として選ばれていた人物です。
リヴァイとの関係
2人は調査兵団の初期から在籍しています。必要なとき以外は喋らないリヴァイと、明るいムードメーカーのハンジ。性格は正反対に見えます。
それでも長く生き残った2人の間には、言葉が要りません。エルヴィンが死んだときも、短いやり取りだけで通じ合っていました。
エレンの硬質化実験では、うまく言葉にできないリヴァイの真意をハンジが読み取ってフォローしています。奇行種に会いたいと騒ぐハンジの頭をリヴァイが鷲掴みにする、という場面もありました。サネスたちの拷問は2人でやっています。
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この2人の関係に、恋愛の言葉が一度も使われないところが好きです。
並べて描かれ、最後の別れまで用意されているのに、名前が付いていません。
戦友という言葉すら、作中では言われない。
エルヴィンの死を挟んで、生き残った側が2人だけになりました。
同じものを見て、同じだけ失った相手が1人いる。
それだけで成立している関係を、最後まで言葉にしなかった。
説明しないことで強度が上がる関係が、この作品にはいくつもあります。
132話で描かれた最期
エレンが始祖の巨人の力で地ならしを進める中、反エレン派のアルミンとリヴァイたちは飛行艇でエレンを止めに向かいます。
その飛行艇が飛び立つ時間を稼ぐため、ハンジは「ケジメをつける」と言って特攻を決めました。アルミンを次の調査兵団団長に指名し、後を託しています。
アルミンには「リヴァイは下っ端だからコキ使ってやってくれ」と軽口を叩いて、じゃあねと立ち去ろうとします。その先に立っていたのがリヴァイでした。
「おい、クソメガネ」と呼び止められたハンジは、こう返します。「分かるだろ、リヴァイ。ようやくきたって感じだ、私の番が」「今、最高にかっこつけたい気分なんだよ。このまま行かせてくれ」
リヴァイは目を閉じ、「心臓を捧げよ」と言ってハンジの胸を叩きました。初めて聞いたと驚いたハンジは、ハハッと笑って巨人へ向かいます。見届けたリヴァイの最後の一言は「じゃあな、ハンジ」でした。
そして「やっぱり巨人って素晴らしいな」と言い残して、群れへ飛び込みます。燃えながら足止めを続け、力尽きて墜落しました。
この場面は132話「自由の翼」で、単行本では33巻に収録されています。アニメでは The Final Season 完結編で描かれました。
巨人の足跡の真ん中で目を覚ましたハンジが「飛行艇は?」と起き上がると、飛び立ったよ、お前は役目を果たしたと声がかかります。そこにいたのはエルヴィンをはじめ、先に逝った仲間たちでした。
「認めるよ」は何を認めたのか
ハンジの台詞でいちばん誤解されているのがここです。
エレンの行き先が判明したとフロックから聞かされたとき、ハンジはこう迫られます。「ジークの安楽死計画こそエルディア人問題の唯一の解決策だったと認めてください」
これに対するハンジの答えが「認めるよ、私の無力さを」でした。
安楽死計画を認めたのではありません。認めたのは、それ以外の方法を見つけられなかった自分のほうです。主語がまるごと違います。
死の間際のフロックが「地鳴らしこそ島の皆を救う希望」と言ったときも、ハンジは「あきらめられないんだ」と返し、「今日はダメでもいつの日か」と続けました。最後まで、別の道を探すのをやめていません。
自由の翼を背負うということ
自由の翼は調査兵団の証で、歴代の団長が背負ってきたものです。
壁の外へ出す場面ではエルヴィンが背負い、船の出航ではシャーディスが背負いました。そして飛行艇の離陸のために、ハンジが背負って巨人へ特攻します。
団長がこの紋章を背負うのは、部隊を前へ出すときだと決まっています。3人とも、自分ではない誰かを先へ進ませるために背負っていました。
まとめ
ハンジの性別は、原作では決められていません。諫山創先生は「明言しない方がよさそうだと確信した」と答え、一方で「アニメ・実写では女性になりました」とも述べています。場所によって答えが違うのは、原作と映像化で扱いを分けているからです。
公式に出ている数値は誕生日9月5日、身長170cm、体重60kg。声優は朴璐美さん、2015年の実写映画では石原さとみさんが演じました。
最期は132話「自由の翼」、単行本33巻です。アルミンに団長を託し、「やっぱり巨人って素晴らしいな」と言い残して巨人の群れへ飛び込みました。
残る論点は、性別が伏せられたままで良かったのかどうかです。読者としては答えが欲しい。けれど答えが出た瞬間に、ハンジは「そういう人」に収まってしまいます。
僕はこう読む
伏せたままで正解だったと思っています。
『進撃の巨人』は、人を分類することの怖さを何度も描いてきました。
エルディア人かマーレ人か。壁の中か外か。
分類が始まった瞬間に、誰かが誰かを殺していい理由になる。
そのど真ん中で、作者は1人だけ分類を拒む人物を置きました。
巨人を「素晴らしい」と言って死んでいった人が、最後まで男か女かを言われないまま終わる。
偶然ではないと読んでいます。
答えが出ないことに意味がある人物は、そう多くありません。ハンジはその数少ない一人です。
——あなたはハンジの性別が、この先どこかで明言されたほうがいいと思いますか。それとも伏せたままがいいと思いますか。よければコメントで教えてください。
よくある質問
ハンジについては、公式に数値が出ているものと、あえて出していないものがあります。
Q. ハンジの性別は男性ですか女性ですか。
A. 原作では明言されていません。ただしアニメと実写では女性として作られ、作者も「一応女性のつもり」と述べています。
Q. アニメの声優は誰ですか。
A. 朴璐美さんです。女性的にも男性的にも寄りすぎない声質が当てられています。
Q. 実写映画では誰が演じましたか。
A. 石原さとみさんです。2015年公開の『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』と後編『エンド オブ ザ ワールド』に出演しています。
Q. ハンジの身長と誕生日は。
A. 身長170cm、体重60kg、誕生日は9月5日です。年齢の数値は公式に出ていません。
Q. ハンジが死ぬのは何話ですか。
A. 132話「自由の翼」です。単行本では33巻に収録されています。
Q. 最期の言葉は何ですか。
A. 「やっぱり巨人って素晴らしいな」です。見送ったリヴァイは「心臓を捧げよ」と返しています。
巨人を憎まなかった一言に、ハンジの生き方が凝縮しています
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年9月18日


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