前回、“約束”が1つではないことが明らかになった『約ネバ』。
物語はその発端に迫る約1000年前の過去編へ。
ラートリー家の祖先・ユリウスは、レウウィスとの遭遇で心が折れ、鬼との取り引きへと進んでいってしまいます!
そして今回、意見が対立した仲間を食用人類として鬼に差し出したユリウス。
鬼と棲み分けられるよう、世界を2つに分けるため、「読めない文字」との対面に臨みます。
そこでユリウスに課せられた役割は、仲間を裏切った事実から逃れられない過酷なものでした。
一方、約1000年後の現在、「読めない文字」と対面するエマは何を望むのか!?
ということで、過去の“約束”とその代償、エマの望みにも注目して、142話の内容をお届けしていきます!
目次
『約束のネバーランド』142話!のネタバレ
それでは『約束のネバーランド』142話!の要点をまとめてみます。
時間のない場合、目次に内容をまとめていますので参考にしてみてください。
ユリウスの帰還と再提案
場面は引き続き約1000年前。
仲間達のもとにレウウィス出現とラートリー軍壊滅の知らせが届きます。
まだ息があれば一刻を争う、それに壊滅した兵達を敵に食われてはまずいと、即座に捜しに行こうとする男女。
そこに、相棒のフクロウと共にユリウスが帰還します!
無事を喜び安堵する仲間達に、ユリウスは心配をかけたことを謝り、今すぐ聞いてほしい話があると言います。
それは前回の、一部の人間を差し出して敵と和平を結ぶ提案を考え直してほしいということ。
既にナシと決まった提案、しかしユリウスは一度差し出せばそれで終われる、と言います。
「ただ一度きりで奴らとの関わりを永久に絶てる方法があるのだ」
ユリウスはこの先何千何万と兵や民を失うよりはいいと話し続けます。
「私はもう…犠牲はこりごりなのだ」
ラートリー軍の壊滅を知る仲間達はハッとします。
自分の軍はたった一晩で壊滅した、片や差し出す犠牲は一度きり。
反論しようとする仲間を制し、ユリウスは声を荒げさらに言います!
こうでもしなければ泥沼の戦いは終わらない、人類のため、あと少しでもいつかでもなく今、私達が戦いを終わらせなければならない。
苦しい選択ではあるが、建設的妥協であり、必要な代価なのだと。
そして、ユリウスは頼む、この案をのんでくれ、と頭を下げます。
なんとか仲間を説得しようとするユリウスですが、レウウィスに取り引きを持ちかけたにも関わらず無傷での帰還。
仲間達は知る由もありませんが、既に鬼との間で何らかの取り引きに成功したと考えるのが自然です。
帰還後のユリウスは複雑な笑みを浮かべており、それも相まって嫌な予感が高まっていきます!
話し合い再び
ユリウスの頼みに困惑する仲間達。
少しの沈黙の後、でも、と女性が話し始めます。
差し出された者達の苦しみは子子孫孫、未来永劫続くのではないのか。
自分達の安寧のため、この一度きりの決定で、苦しみや悲しみを背負う人々をこの先ずっと増やし続ける、そういうことではないのですか、と。
それをきっかけに仲間達は次々と言います。
みんな多くの兵や家族、数え切れない仲間を奴らに食われ失っている。
それでも君も我々も望む未来のためずっと戦ってきた、心を折られても諦めずに皆でここまできたじゃないか。
その言葉に耐えきれないようにやめろ、ちがう、と頭を抱えるユリウス。
キレイ言も幻想もうんざりだ、仲間のために見ず知らずの連中を切り捨てて何が悪い、私は正しいことをしていると叫びます。
そこで割って入る、前回最初に和平の話を出したリーダー格の男性。
「じゃあ君は何故そんなにも苦しそうなんだユリウス 君も本当は切り捨てたくないんだろう」
ユリウスの民や兵を想うまっすぐな優しさ、そのために人一倍責任を感じ自分を追い込んでしまっているんだろうと言います。
そして、でも誰より人類全ての平和と妥協のない勝利を望んでいたのは君じゃないか、と続けます。
男性は独り苦しませてすまなかったと謝り、それでも君のためにも、俺達はその提案をのめない、とユリウスにきっぱりと告げました!
彼らが何度も共に苦しみを乗り越えてきたことが分かる仲間達の言葉。
とくにリーダー格の男性のユリウスを思いやる言葉は、強い絆を感じさせました。
この後の悲惨な展開が予測できるだけに切ないです。
決裂!
ユリウスに疲れているんだ、少し休めと言う男性。
違う、これは和平だ、最善だと言い募るユリウス。
君達に納得してほしい、してくれなければ、と言いかけます。
そして厳しい仲間達の表情を見て、ユリウスは彼らがどうあっても考えを変えないことを悟りました。
一度うなだれ、残念だ、と零すユリウス。
しかし顔を上げ、再び残念だと繰り返したその声音は一変していました!
次の瞬間、鬼達が勢いよく拠点になだれ込んできます!
「ユリウス…お前…裏切ったのか!!」
青ざめた男性の悲痛な言葉に、ユリウスは彼らの王とは既に取り決めを交わしたと冷酷に告げます。
食料供給を握ることでより民を制御・支配したい女王は、ユリウスの案に乗っていました。
こうするしかない、君達は和平の妨げになると、鬼に捕らえられていく仲間達に淡々と言うユリウス。
「ゆえに誠に不本意だが君達が最初の食用人類に 和平の礎になってくれ」
ユリウスは鬼に捕らわれた仲間に背を向け、歩き出します。
これでいい、誰かが犠牲にならねばならない、終わらせなければならない。
これで終われる、人間は救われる、そう必死に言い聞かせることで、仲間達との楽しい思い出や、仲間が鬼に捕らわれながらも見せた最後の笑みをうち消そうとします。
そしてそのまま場面は移り変わっていきます。
ラートリー家に課せられた調停役
これで救われるんだ、と歪んだ笑みを浮かべるユリウス。
彼がイヴェルクと共に訪れたのは、“七つの壁”の先、“昼と夜”。
ユリウスとイヴェルクは「読めない文字」と対面、鬼と人間とで棲み分けるため、世界を2つに分けてほしいと頼みます。
「読めない文字」はあっさりと叶えてあげると答え、その代わりに“ごほうび”を要求しました。
望みを叶える代償であり、何を望まれても断ってはいけないという“ごほうび”。
まず「読めない文字」はイヴェルクに、その年に実った一番いい肉を求めました。
農園で人間を作るなら、君や王が食べるよりいい肉がほしい。
わずかの沈黙の後、承知するイヴェルク。
次はユリウスの番、ユリウスはこれさえ終われば帰れる、いっそ命でも、と思いながら言葉を待ちます。
そして、「読めない文字」が言い渡したのは“門番”でした。
それは2つの世界の平和を保つ“調停役”。
王と結んだ、互いに狩り合わず世界を棲み分けるという“約束”を互いの種族が破らないように。
人間側がやらないと安心できないだろう、だから君の一族がずっとこの役割を引き継ぐんだ、と「読めない文字」は告げます。
君も子子孫孫、この運命の渦の中だと。
絶望の表情を浮かべるユリウスに突きつけられる過酷な宣告。
「にげられない すてたともだちからもうんめいからも」
「君も平和の礎になるんだよ」
ここまでの過去編で、最初の食用人類が生まれた経緯が明らかになりました。
エマ達の祖先はラートリー家の祖先・ユリウスの仲間達だったんですね。
さらにはティファリで「読めない文字」に捧げられる肉や、ラートリー家の役割が“約束”の代償だったことも明らかに。
仲間達を裏切り犠牲とした事実から永遠に逃れられないことは、ユリウスにとって死より辛いことだったと、絶望の表情が物語ります。
エマ達の望み
そして場面は約1000年後の現代、エマと「読めない文字」の対面に戻ります。
「読めない文字」はエマに望みを尋ね、代わりに“ごほうび”を求めます。
“ごほうび”についてはミネルヴァのペンにも書かれていたようです。
時空を超えた存在であり、かつて世界を2つに分けた「読めない文字」。
その考えも欲するものも全く分からない、気まぐれな神のような様子にエマは困惑します。
野望や欲望、渇望。
もらうならそんな相手の大切なものがいい、と言う「読めない文字」。
その上でそれでも望むのか、何を望むのか、と問いかけてきます。
問われ、エマはミネルヴァのペンにあった3つのルールを思い浮かべます。
- 「読めない文字」との約束は上書きできない
- 「読めない文字」との約束は破ることができない
- “ごぼうび”は絶対に断ってはいけない
そしてルールと1000年前の“約束”を踏まえ、レイ達と相談していた望みを口にします!
「食用児全員で人間の世界へ行きたい それを最後に二世界間の行き来を完全に不可能にして」
笑みを浮かべて答える「読めない文字」。
「その望み叶えてあげる」
エマがついに望みを告げたところで、142話の内容はここまでとなりました!
『約束のネバーランド』ネタバレ142-143話のまとめ
ユリウスと仲間達との話し合いと決裂、「読めない文字」との世界を分ける“約束”とその代償、そしてエマがついに告げた望み。
仲間を犠牲にした罪悪感からけして逃れられない運命を背負わされた、ユリウスの絶望の表情が印象的でした。
そして何より気になるのが、エマが告げた望みに対して「読めない文字」が要求する“ごほうび”が何か。
ユリウスの前例を考えると不安が高まります。
全食用児で人間の世界へ行きたい、と言っている以上、エマが帰れなくなるようなことはないのではと思いますが、全く想像がつかず不気味です。
それが次回明らかになるかは分かりませんが、その他のノーマンやドン達の動向も合わせ、ますます目が離せない展開が続きますね!

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