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トレーニングメニューはどんな内容なのか?
結論から言うと、土台はロードワークです。ガゼルパンチはプールでのスクワット、デンプシーロールはミット打ちの反復から生まれています。
必殺技の名前は覚えていても、その技がどこから来たのかは意外と知られていません。順に見ていきます。
この記事でわかること
- すべての土台がロードワークであること
- ガゼルパンチがプールでのスクワットから生まれたこと
- デンプシーロールがミット打ちの反復であること
- 鴨川会長の鉄拳が丸太打ちで作られたこと
- 鷹村が熊を倒した合宿の中身
鴨川会長の言葉が、練習の芯にあります
まず、このジムの考え方から入ります。
ホーク戦の前、鷹村の控室で会長が口にしたのがこの言葉です。努力した者が全て報われるとは限らん、しかし成功した者は皆すべからく努力しておる。
実際、鷹村はこの試合でピンチに陥りながら、練習量の違いでホークに勝ち切ります。
鴨川ジムは他のジムより圧倒的に厳しく、鷹村・一歩・青木・木村・板垣の5人以外に選手が残らないという状態になっています。トリッキーさが売りの青木でさえ、鴨川ジムにいるから基本ができていると評価されています。
土台はロードワークです
いちばん重要で、いちばん地味なのがここです。
鷹村が一歩と出会ったのはロードワーク中でした。葉っぱを掴むテストをしたときも、鷹村は早朝ロードワークの途中です。作中最強の鷹村が、いまも頻繁に走っているという事実が、この練習の位置を示しています。
一歩のメニューはこうです。鴨川会長の乗ったバイクを押して土手の坂道を登る。同じペースで走り続ける。足腰とスタミナを同時に鍛えます。
最初のころ、一歩は鷹村・青木・木村についていけませんでした。いまでは青木と木村が一歩についていくのが精一杯です。
鴨川ジムに来る新人は、このロードワークの洗礼でほとんど辞めていきます。ついていけたのは山田と板垣くらいでした。基本中の基本と言いながら、要求水準がかなり高いということです。
僕はこう読む
はじめの一歩のトレーニング描写がここまで多いのは、この作品が才能の話をしていないからだと思っています。
一歩は、いじめられていた普通の高校生でした。素質があったのは事実ですが、物語がずっと描いてきたのは反復のほうです。
バイクを押して坂を登る。プールでスクワットをする。ミットに同じ動きを打ち込む。どれも絵にならない場面です。それを何十話も見せ続けています。
必殺技が生まれる瞬間だけを描く作品なら、読者は技の名前しか覚えません。この作品は、技の前にある数百時間のほうを覚えさせにきています。
だから鷹村の言葉も会長の言葉も、精神論として浮きません。全部、走っている絵の上に乗っています。
ガゼルパンチは、プールで作られました
ヴォルグ戦の前に、一歩が生み出した技です。
立ち上がる力を利用して、体ごと突き上げるように打つ左フック。カモシカのような柔らかさが求められることから、この名前が付いています。
練習方法が変わっています。プールに入ってスクワットをするというものです。
これには理由があります。陸上での鍛錬はケガのリスクを伴いますが、水の中なら負担を抑えたまま、しかも強い負荷をかけられます。
そして実際にヴォルグ戦で披露し、勝利につなげました。
デンプシーロールは、ミット打ちの反復です
この作品でいちばん有名な技も、成り立ちは地味です。
会長の持つミットに、寸分違わず打ち込む。それを繰り返します。
デンプシーロールは、回転力を上げてウェービングすることで凄まじい破壊力を出す技です。ですが分解すれば、一つひとつは基本動作の繰り返しにすぎません。
強靭な足腰をロードワークとジムワークで作り、会長とのミット打ちで打点を揃える。一歩が手足に重りをつけているのも、この延長線上にあります。
会長の鉄拳は、丸太で作られました
練習の話は、一歩の世代だけではありません。
若き日の鴨川源二は、素手で土手に丸太を打ち込むという荒技に出ています。米兵アンダーソン戦へ向けた特訓でした。
盟友の浜団吉は無謀だと止めますが、鴨川は根性で乗り越え、自分のパンチにしてしまいます。アンダーソンは肋骨を粉砕されるほどのダメージを負いました。
この拳は、後にウォーリー戦で一歩も見せています。鴨川源二の拳を継ぐ者と猫田が言うのは、そのためです。
会長自身も、山で鍛え直しています
検査で異常なしと分かって戻ってきた一歩を迎えるため、鴨川会長は荷物を背負って旅立ちます。行き先は猫田のところです。
そこで会長がやっていたのは、木に丸太をいくつもぶら下げ、それをミットでさばく訓練でした。
猫田は無理をするなと言います。会長の答えはこうです。これくらいさばけなければ一歩のパンチは受けられない、話にならない。
新型デンプシーに向けた準備でした。教える側が先に鍛え直しているという場面です。
鷹村と宮田の合宿
変わり種として、宮田が鷹村の合宿に同行する回があります。
普段は一人でトレーニングをしている宮田ですが、可愛い後輩の一人だと言う鷹村に振り回されます。ロードワークでさえ遅れをとり、この体力馬鹿が、と口にするほどです。
そこで鷹村は、宮田になまくら刀を鍛え直してやると言い、足腰の弱さを指摘します。とにかく走れ、一人になっても走り続けろ、と。
宮田は一歩という言葉に敏感に反応し、必死についていきました。鷹村は宮田も一歩も強かったほうが面白いと言い、宮田の父も頷いています。
夏合宿と、熊を倒した話
鴨川ジム恒例の夏合宿は、海ではなく山で行われた年があります。場所は猫田銀八が経営するペンション・ヨシオです。
自然のなかでしかできない練習に、全員が悲鳴を上げます。それでも成果は出ました。
| 選手 | やったこと |
|---|---|
| 青木・木村 | 川の流れの中でスクワット。足腰の強化 |
| 一歩 | 薪割り。もともと強い広背筋をさらに鍛える |
| 鷹村 | 野生の熊を倒す |
たまたま遭遇した熊に対し、鷹村はテンプルへ集中的にパンチを浴びせます。フラフラになったところを猫田が狙撃し、鍋になりました。作中最強と言われる由縁の場面です。
僕はこう読む
この作品の練習描写で好きなのは、誰も一人で強くなっていないところです。
一歩は会長のミットに打ち込みます。会長は一歩のパンチを受けるために山で鍛え直します。宮田は鷹村に振り回されて足腰を指摘されます。全部、相手がいます。
ボクシングは一人でリングに上がる競技です。それでも、そこに立つまでの過程は完全に共同作業として描かれている。
鷹村が「宮田も一歩も強かったほうが面白い」と言うのも同じ線の上にあります。強い相手がいないと、自分が強くなる意味がない。
トレーニングメニューを調べに来た人が本当に受け取るのは、そこだと思っています。何をやったかより、誰と一緒にやったかのほうが残ります。
まとめ|鴨川ジムの練習をどう読むか
土台はロードワークです。作中最強の鷹村も、いまだに走っています。
技ごとに並べます。
- ガゼルパンチはプールでのスクワットから生まれた
- デンプシーロールは会長とのミット打ちの反復が中身
- 鴨川会長の鉄拳は、素手で丸太を打ち込む特訓で作られた
- 山の合宿では、鷹村が野生の熊を倒している
僕はこう読む
トレーニング描写がここまで多いのは、この作品が才能の話をしていないからだと思っています。
一歩は、いじめられていた普通の高校生でした。素質があったのは事実です。
それでも物語がずっと描いてきたのは反復のほうです。
そして誰も一人で強くなっていません。一歩は会長のミットに打ち込み、会長はそのパンチを受けるために山で鍛え直す。宮田は鷹村に振り回されて足腰を指摘される。この練習描写を技を作る手順の説明と読むか、相手がいないと強くなれないという話と読むかで、意味が変わってきます。
——あなたは鴨川ジムの練習描写を、技を作る手順の説明だと思いますか。それとも、相手がいないと強くなれないという話だと思いますか。よければコメントで教えてください。
よくある質問
必殺技ごとに練習の中身が違うので、どれがどれか混ざりやすいところです。細かい点を拾っておきます。
Q. はじめの一歩のトレーニングで基本になるのは何ですか?
A. ロードワークです。足腰とスタミナを同時に鍛えます。鴨川ジムの新人は、この練習でほとんど辞めていきます。
Q. ガゼルパンチはどうやって身につけましたか?
A. プールに入ってスクワットをする練習です。水中ならケガのリスクを抑えたまま強い負荷をかけられます。ヴォルグ戦で披露しました。
Q. デンプシーロールの練習方法は?
A. 会長の持つミットに寸分違わず打ち込む反復です。技自体は派手ですが、分解すれば基本動作の繰り返しです。
Q. 鷹村が熊を倒したのはいつですか?
A. 猫田のペンションで行われた山の夏合宿でのことです。遭遇した熊のテンプルにパンチを集中させました。
必殺技はこの練習から出ています。人気投票も、8人の名会長も、鴨川会長の現役時代もここに。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年8月24日


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