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885話の河了貂の策は何だったのか
結論から言うと、885話で河了貂が出したのは、大きな部隊を囮にして趙軍の目を引きつけ、そのすきに信・蒙恬・羌瘣らを包囲の外へ逃がす策です。河了貂自身は、囮の側に残りました。
884話「残存戦力」の終わりで、河了貂は、もう一度多くの犠牲を出せば立て直せると告げました。885話「それぞれの役割」は、その犠牲が何を指していたのかを明かした回です。この記事では、囮の部隊がどうなったかまで知ったいまの目で、885話の策をもう一度読み直していきます。
この記事でわかること
- 885話「それぞれの役割」で起きたことの一覧
- 河了貂の策の中身と、脱出する側・残る側
- 囮が大きな塊でなければならなかった理由
- 楚水と田永が信と行かされた理由
- 河了貂が自分も囮に残った理由
- 策は886話・887話でどこまで狙いどおりになったのか(カイの読み)
885話「それぞれの役割」の要点
まず885話の出来事を、表でまとめます。
| 場面 | 885話で描かれたこと |
|---|---|
| 趙軍の追撃 | 趙忽軍が信と蒙恬の残存部隊を見つけて真っ先に追い、カイネ・傅抵・紀彗らの軍も包囲に動く |
| 河了貂の指揮 | 部隊を左右に広げて敵の狙いを散らし、竜有に歩兵を率いさせて馬の通りにくい険しい道へ向かわせる |
| 策の中身 | 大きな部隊を囮にして「信と蒙恬はこの中にいる」と思わせ、そのすきに少人数の小隊が包囲のすき間を抜ける |
| 脱出する側 | 信・蒙恬・羌瘣らの小隊。楚水と田永も、飛信隊を立て直す骨組みとして信と行くよう命じられる |
| 囮に残る側 | 河了貂が囮の中で指揮をとる。竜有も歩兵をまとめる役で残り、隊員たちが囮を引き受ける |
| 話の終わり | 信は崖の上から囮の仲間を見つめ、蒙恬に促されて出発。必ず合流して飛信隊を立て直すと誓う |
僕はこう読む
表を「脱出する側」と「残る側」で見比べると、885話の策は、人を分ける策だったと思っています。
信と蒙恬は将として、楚水と田永は立て直しの骨組みとして、外へ出される。
残る側に入ったのは、軍師である河了貂と、指示を歩兵に届ける竜有でした。
誰が生き残れば飛信隊が終わらないのかを、河了貂は自分を外して数えていたように読めます。
趙軍はどう追ってきたのか
885話は、趙軍の側から始まります。李牧の包囲を抜けた信たちを、趙軍の大軍は執拗に追っていました。迅丘の先で残存部隊を見つけたという知らせが入り、いちばん近くにいた趙忽軍が真っ先に動き出します。
知らせはカイネと傅抵の軍にも届き、紀彗も逃げ道を塞ぐように包囲を広げます。信と蒙恬の首を狙って、趙の将たちが一斉に網を張った形です。
飛信隊の側も、後ろに上がる砂煙で追っ手に気づいていました。河了貂は部隊を左右に広げ、趙軍の狙いを一か所に絞らせないようにします。足の遅い歩兵には竜有を付け、馬では追いにくい険しい道へ向かわせました。
囮はなぜ大きな塊でなければならなかったのか
ここで話は、前の晩に河了貂が信たちに策を説明した場面に戻ります。趙軍が探しているのは、信と蒙恬です。だからまとまった数の部隊が動いていれば、趙軍はその中に二人がいると思って追ってくる。その間に、少人数の小隊が包囲のすき間を抜けるという策でした。
裏を返せば、囮の部隊は、本物の大将を守っているように見えなければ意味がありません。小さく散ってしまえば、二人がいないことを見抜かれます。囮の役目は、逃げることではなく、追わせ続けることにありました。
僕はこう読む
この策の怖いところは、うまくいくほど囮が逃げられなくなる点だと思っています。
趙軍が本気で追ってくるのは、そこに信と蒙恬がいると信じているあいだだけです。
囮が見破られないことと、囮が生き残ることは、同じ方向を向いていない。
河了貂はそれを分かったうえで、885話の時点でこの策を選んでいたのだと読んでいます。
楚水と田永はなぜ信と行かされたのか
信は囮の策に反対しかけますが、囮を引き受けると声を上げたのは、話を聞いていた隊員たちでした。そのうえで河了貂は、楚水と田永には信と一緒に脱出するよう命じます。
理由は、飛信隊を立て直すときの骨組みになる人を、これ以上失えないからです。兵はまた集められても、隊をまとめる将校はすぐには育たない。歩兵の将校たちも、いくつかの小隊に分けて生き残らせる段取りが組まれました。
河了貂はなぜ自分も囮に残ったのか
けれど河了貂自身は、脱出する側に入りませんでした。自分は囮の中に残って指揮をとると決めていたのです。囮の部隊が大将を守るように整った動きをしなければ、囮だと見破られ、外へ出た信たちが危うくなるからです。
邯鄲を背に、多くの兵を死なせたと泣いていた河了貂は、885話では覚悟を決めた軍師の顔になっています。信には後で必ず合流すると約束し、竜有も歩兵をまとめる役として残ると申し出ました。
話の終わりで、信は崖の上から、趙軍とぶつかる囮の仲間たちを見つめます。蒙恬に促されて出発した信は、必ず合流して飛信隊を立て直すと、自分の役割を引き受けました。
885話は886話・887話にどうつながったのか
886話「囮の軍勢」で、信・蒙恬・羌瘣は包囲を抜けて楽華の本軍と合流します。策の第一の狙いだった三人の脱出は、成功していたわけです。河了貂は趙忽軍に追われながら、兵を少しずつ森へ逃がし、自分は囮の部隊に残り続けました。
887話「壊滅の別働隊」では、囮の部隊が雨の中で趙忽軍に崩されて壊滅します。河了貂は生きていましたが、趙忽軍に捕らえられました。885話で交わした「後で合流する」という約束は、いまもまだ果たされていません。
僕はこう読む
885話の題「それぞれの役割」は、発売された週には、残る兵と逃げる将の分担の話に見えました。
887話まで読むと、いちばん重い役割を引いたのは、策を立てた河了貂本人だったと分かります。
軍師が自分の策のいちばん危ない場所に立つ。
その選び方があったから、信は振り返らずに行けたのだと思っています。
次の890話の見どころ
889話は、カイネの故郷・雁門の回想で、若き李牧が「戦わずに逃げる」方針を示したところで終わっています。890話では、回想がどこまで続くのか、牢の河了貂に話が戻るのかが、まず気になるところです。
885話の河了貂は、信に後で必ず合流すると約束していました。捕らえられたいま、その約束をどう守ろうとするのか。軍師としての河了貂の次の一手も、890話以降の見どころになります。
まとめ
885話「それぞれの役割」で河了貂が出したのは、大きな部隊を囮にして、信・蒙恬・羌瘣ら少人数を包囲の外へ逃がす策でした。河了貂自身は、囮の側に残りました。
- 趙忽軍が真っ先に追い、カイネ・傅抵・紀彗らの軍も包囲に動いた
- 策は、囮の部隊に「信と蒙恬がいる」と思わせ、少人数の小隊が包囲を抜けるもの
- 楚水と田永は、立て直しの骨組みとして信と脱出した
- 河了貂は囮の中で指揮をとるため残り、竜有も歩兵長として残った
- 886話で信たちの脱出は成功し、887話で囮の部隊は壊滅、河了貂は捕らえられた
僕はこう読む
884話で座り込んでいた信を立たせたのは、蒙恬の言葉でした。
885話で信を前へ進ませたのは、河了貂の策と、囮を引き受けた隊員たちです。
信が一人で立ち上がった話ではなく、周りが役割を分け合って信を押し出した話だと読んでいます。
だからこそ、次に信が自分の役割を果たす場面が待たれるのだと思います。
河了貂の策を、軍師として最善の一手と見るか、自分を勘定に入れなかった危うい一手と見るかで、885話の読み味はずいぶん変わります。
——あなたは885話の河了貂を、残るべきだったと思いますか。それとも、信と一緒に逃げるべきだったと思いますか。よければコメントで、どちらに近いか教えてください。
よくある質問
885話は、河了貂の囮の策が明かされた回です。よく聞かれるところを短く答えます。
Q. 885話のサブタイトルは何ですか?
A. 「それぞれの役割」です。前の884話は「残存戦力」、次の886話は「囮の軍勢」でした。
Q. 河了貂の策はどんなものですか?
A. 大きな部隊を囮にして趙軍の目を引きつけ、そのすきに信・蒙恬・羌瘣ら少人数を包囲の外へ逃がす策です。
Q. 885話で囮に残ったのは誰ですか?
A. 河了貂が囮の中で指揮をとり、竜有も歩兵をまとめる役で残りました。隊員たちも囮を引き受けています。
Q. 楚水と田永はどうなったのですか?
A. 河了貂の命で、飛信隊を立て直す骨組みとして信と一緒に脱出しました。
Q. 885話はいつ掲載されたのですか?
A. 2026年8月20日発売のヤングジャンプ38号です。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年10月8日


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