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記憶を失ったスバルに、仲間は何を明かしたのか
結論から言うと、Web版6章35話『薄氷関係』で明かされたのは、アナスタシアの体に宿っているのが人工精霊エキドナで、アナスタシア本人は体の奥で眠っているという事実です。
記憶をなくしたスバルが告白した朝、エキドナは隠し立ては不和しか生まないと、仲間の前で正体を打ち明けました。それまで事実を知っていたのは、記憶を失う前のスバルとベアトリスだけです。ところが当のスバルは、アナスタシアという人物そのものを覚えていませんでした。
この記事では、部屋に戻る前のラムとのやり取り、ユリウスとの「二度目の初対面」、エキドナの告白、エミリアの「スバルはスバル」、そして記憶喪失の原因として名前が挙がった三層の書庫までを、物語の順にたどります。
この記事でわかること
- エキドナがアナスタシアの体にいると仲間に明かした場面
- それまで事実を知っていたのは誰か
- 記憶のないスバルとユリウスが交わした言葉
- 記憶喪失の原因として疑われた三層タイゲタの書庫
- 題の『薄氷関係』が指しているもの
6章35話の早見表
まず、記憶喪失の翌朝の回で何が起きるのかを表にまとめます。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| Web版の話数 | 第六章35『薄氷関係』 |
| 明かされたこと | アナスタシアの体に宿る意思は人工精霊エキドナで、アナスタシア本人は体の奥で眠っている |
| それまで知っていた人 | スバルとベアトリス。スバルは混乱を避けるため秘密にすると約束していた(6章1話) |
| 記憶喪失の原因の候補 | スバルが倒れていた三層タイゲタの書庫(『死者の本』のある部屋) |
| 話の終わり | エキドナが「君がたびたび口にする、イセカイとはどういう意味なんだい?」と問う |
| アニメ | 4th season第8話(通算第74話)「オマエハダレダ」の流れで描かれる記憶喪失のくだり |
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秘密を守ると約束した本人が、その約束ごと忘れてしまいました。
だからエキドナは、自分の口で打ち明けるしかなくなります。
スバルの記憶が消えたことで、隠していた嘘まで支えを失った。告白はその連鎖の一つだと思っています。
部屋に戻る前|エミリアの声とラムの「本当に、覚えていないのね」
水を汲んで部屋に戻る直前、スバルは中からエミリアの声を聞きます。「――スバルは、忘れられることがどれだけ辛いのか知ってる。だから、誰かを忘れるなんて、冗談でも絶対に言ったりしないわ」。
その信頼は、記憶をなくす前の『ナツキ・スバル』に向けられたもので、今の自分に向けられたものではない。スバルはそう痛感します。隣のラムは「珍しく、エミリア様の方が正しいわ」と自嘲し、自分の肘に爪を立てていました。
直前の6章34話で、ラムはスバルの胸倉を掴み、何か腹案があるなら洗いざらい話せと迫っていました。最後には「バルスが、忘れたらラムは……レムは……」と縋りついています。その痕跡を残したまま、ラムは「……本当に、覚えていないのね」とだけ言い、何事もなかった顔で部屋へ入りました。
ユリウスとの二度目の初対面|「君とは友人……の、ようなものだ」
部屋で声をかけてきたのは、スバルの告白に顔を蒼白にしていた紫髪の青年でした。青年は「改めて、ユリウス・ユークリウスだ」と名乗り、アナスタシアの騎士で、スバルとは「友人……の、ようなものだ」と言います。
なぜ自信がなさそうなのかと聞くスバルに、ユリウスは、自分は友人と思っていたが君がどうだったかは、と言葉を濁します。エミリアは「スバルとユリウスはすごーく仲良し」と請け合い、メィリィは、騎士のお兄さんの問題はそれどころじゃない、と意味ありげに茶々を入れました。
やり取りを重ねるうちに、スバルはユリウスの嫌味ぶりに慣れ、「またよろしくだ、ユリウス。抜けた記憶が戻るまで、適度に苦労しろ」と言えるようになります。ユリウスは頷きながら、「記憶などささいなこと。そう、だとも。……その通りだ」と自分に言い聞かせるように繰り返しました。
僕はこう読む
ユリウスのことを尋ねたスバルに、ラムは「残酷」だと言っていました。
記憶などささいなことだと繰り返すたびに、その言葉は自分に向いていきます。
忘れられる痛みをいちばん知っている人が、いちばん「ささいなこと」と言わなければならない場面だと読んでいます。
エキドナの告白|「ボクと君とは、おそらくは関係の浅からぬ姉妹のようなものだ」
ラムが「今朝から様子のおかしいアナスタシア様」と口にすると、ユリウスが「……ご明察だ、ラム女史」と認めます。アナスタシアはまずベアトリスに向かい、「ボクと君とは、おそらくは関係の浅からぬ姉妹のようなものだ」と語りかけました。
そして告白します。「――今、この体に宿っている意思はアナのものじゃない。アナスタシア・ホーシンは、この体の奥底で眠りについている」。こうして言葉を交わしているのは、仮初の主として肉体を預かる亡霊だ、と。
6章1話の時点で、この入れ替わりを知っていたのはスバルとベアトリスだけでした。スバルは混乱を避けるため、そしてエキドナに体を奪うつもりがないという言い分を受けて、秘密にすると約束していました。けれど記憶を失ったスバルは、アナスタシアという人物そのものを覚えておらず、「……何の話をしてるのか、さっぱりわからねぇ」と取り残されるだけでした。
僕はこう読む
部屋の誰もが息を詰める告白を、スバルだけが他人事として聞いています。
読者は事情を知っているので、スバルの「大変、だよな?」がいちばん痛く響きます。
驚くべき人が驚けないことで、記憶喪失の重さを見せていると思っています。
エミリアの「スバルはスバル」|薄氷の上の安堵
スバルは記憶をなくし、アナスタシアの意識は深淵の中。ラムが端的にまとめた状況に、スバルは「あ、明るい条件が見えない……」と頭を抱えます。手を叩いて全員の視線を集めたのはエミリアでした。「足は止められない。――諦めちゃダメって、ずっと教わってきたもの」。
その目に期待を感じ、スバルは空元気で前を向きます。記憶が抜けた今の自分なら、しがらみに囚われない斬新な発想が出るかもしれない、と。エミリアは胸を撫で下ろし、「ありがと、スバル。――うん、良かった。やっぱり、スバルはスバルなんだ」とささやきました。
スバルはその言葉に安堵し、エミリアの知るナツキ・スバルとの齟齬を少しずつ埋めていけると考えます。けれど直後に「ちんぷんかんぷんって、きょうび聞かねぇな」と軽口を叩くと、エミリアは黙り込み、瞳が深い感情に揺れました。スバルには、その正体が分かりません。
僕はこう読む
「やっぱり、スバルはスバル」は、エミリアが自分を安心させるための言葉にも聞こえます。
その直後の何気ない一言で、エミリアは黙ってしまいます。
どちらも相手の知らない部分を踏まないよう、薄い氷の上を歩いている。それが題の『薄氷関係』だと思っています。
記憶喪失の原因|疑われたのは三層タイゲタの書庫
食事の席で、エキドナは記憶が失われた経緯を共有したいと切り出します。この塔へ来て起きた異変はスバルの記憶だけで、いつ自分たちにも同じことが起きるか分からないからです。エミリアとベアトリスは、朝スバルの姿が見えず、三層の白い書庫の床に倒れていたのを見つけて緑部屋へ運んだと説明します。
スバルは、傷を癒す緑部屋の精霊が代わりに記憶を吸ったのではと疑います。エキドナはそれを否定しました。その場合、もっと前から緑部屋にいた自分に異変があるはずで、スバルの地竜も彼を忘れていなかった、と。スバルは、あの地竜が雌だったことに驚きます。
残る候補は、スバルが倒れていた三層タイゲタの書庫です。ユリウスは、そこが世界各国の死者の名を冠した『死者の本』の並ぶ部屋で、読むと強烈な思念が脳に焼き付くと説明しました。食べ終わったら書庫へ行く。そう方針が決まったところで、エキドナが最後に聞きます。「君がたびたび口にする、イセカイとはどういう意味なんだい?」
まとめ|6章35話、記憶喪失のスバルの前でエキドナが正体を明かした
Web版6章35話『薄氷関係』で、記憶を失ったスバルの前で明かされたのは、アナスタシアの体に宿っているのが人工精霊エキドナだという事実でした。それまで知っていたのは、記憶をなくす前のスバルとベアトリスだけです。ユリウスとは「友人のようなもの」として出会い直し、記憶喪失の原因として三層タイゲタの書庫が疑われました。
- 告白の回はWeb版6章35話『薄氷関係』
- アナスタシアの体の意思は人工精霊エキドナで、本人は奥で眠っている
- それまで知っていたのはスバルとベアトリス(6章1話)
- ユリウスは「君とは友人……の、ようなものだ」と名乗り直した
- エミリアは「やっぱり、スバルはスバルなんだ」と安堵した
- 記憶喪失の原因として、三層タイゲタの書庫が疑われた
僕はこう読む
エキドナは、自分の体ではない体で、正体を打ち明けました。
スバルは、自分の体なのに中身を覚えていません。
体と中身が食い違った2人が同じ部屋にいる。この回は、6章の「自分とは何か」という問いの入口だと読んでいます。
エミリアの「やっぱり、スバルはスバル」は、本当にそう感じた言葉だったのでしょうか。それとも、そう信じたくて口にした言葉だったのでしょうか。直後に黙り込んだ姿を見ると、エミリア自身がいちばん薄い氷の上に立っていたように見えます。
——あなたは、エミリアの「やっぱり、スバルはスバルなんだ」は、本当にそう感じた言葉だと思いますか。それとも、そう信じたくて口にした言葉だと思いますか。よければコメントで教えてください。
よくある質問
記憶喪失のスバルと、アナスタシアの中身のエキドナについて、よく聞かれることをまとめました。
Q. アナスタシアの中身がエキドナだと仲間に明かされるのは何話ですか。
A. Web版の第六章35『薄氷関係』で、エキドナ本人が仲間の前で打ち明けます。
Q. それまでアナスタシアとエキドナの入れ替わりを知っていたのは誰ですか。
A. スバルとベアトリスです。6章1話の時点で、スバルは秘密にすると約束していました。
Q. スバルの記憶喪失の原因として疑われたのはどこですか。
A. スバルが倒れていた三層タイゲタの書庫です。緑部屋は、エキドナが理由を挙げて否定しました。
Q. 記憶のないスバルに、ユリウスは何と名乗りましたか。
A. 「改めて、ユリウス・ユークリウスだ」と名乗り、スバルとは「友人……の、ようなものだ」と言いました。
Q. 6章35話の最後にエキドナがスバルに聞いたことは何ですか。
A. 「君がたびたび口にする、イセカイとはどういう意味なんだい?」です。
明かされた秘密の次は、聞いていたユリウス、アナスタシア、突き落とした犯人へ。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年10月3日


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