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女型の巨人はなぜエレンを狙うのか
結論から言うと、マーレから受けた任務が始祖の巨人の奪還だからです。ただしアニ個人の目的は別で、生きて父のもとへ帰ることでした。
女型の巨人が現れるのは、5巻22話「長距離索敵陣形」です。第57回壁外調査の最中、調査兵団の右翼から巨人の群れを連れて現れ、右翼班を壊滅させました。
この記事では、任務としての理由と、アニ個人の理由を分けて見ていきます。上位の記事はたいてい前者で止まります。
この記事でわかること
- エレンを狙う理由は、始祖の巨人(座標)の奪還
- 初登場の5巻22話から、決着の8巻31話までの流れ
- 任務と本心が食い違っていた理由(カイの読み)
女型の巨人が出てくる巻と話数
登場から決着までは、5巻から8巻に収まっています。
| 巻・話数 | サブタイトル | 何が起きたか |
|---|---|---|
| 5巻22話 | 長距離索敵陣形 | 女型の巨人が初登場。右翼班が壊滅する |
| 6巻23話 | 女型の巨人 | 話数の題そのものになる回。中に人がいると気づかれる |
| 6巻24話 | 巨大樹の森 | エルヴィンの罠に追い込まれる |
| 7巻29話 | 鉄槌 | 壁内での追撃戦が進む |
| 8巻31話 | 微笑み | アニが全身を硬質化させ、眠りにつく |
23話のサブタイトルが「女型の巨人」そのものです。作品の側が、この巨人を物語の中心に据えた回だと示しています。
僕はこう読む
この表を作って気づいたのは、登場から決着まで10話しかないことです。
5巻の終わりに出てきて、8巻の頭で眠りにつきます。長く引っ張った敵ではありません。
それなのに読者の記憶に残り続けるのは、倒されたのではなく、自分で閉じこもって終わったからだと思っています。
決着のついていない相手として、ずっと壁の中に残りました。
任務としての理由は、始祖の巨人の奪還
アニ、ライナー、ベルトルトの三人は、マーレから送り込まれた戦士です。目的は始祖の巨人、作中で座標と呼ばれる力を奪うことでした。
三人は訓練兵団に入り、そこから配属を分けます。ライナーとベルトルトは調査兵団へ、アニは始祖の巨人の足取りを調べるために憲兵団へ入りました。
その最中に、エレンが巨人化できることが分かります。壁の中に巨人になれる人間がいると分かった以上、そこに始祖の巨人があると考えるのが自然でした。第57回壁外調査でエレンだけを狙ったのは、そのためです。
僕はこう読む
女型の巨人の戦い方に、任務の性格がそのまま出ていると思っています。
捕食しません。蹴り、投げ、立体機動のワイヤーを掴んで叩きつけます。
普通の巨人は人を食べることしか考えませんが、この巨人は殺し方を選んでいます。生け捕りにする相手と、そうでない相手を分けている。
あの動きは「人を襲う怪物」ではなく「作戦を実行している兵士」のものです。正体が人間だという最大の手がかりは、最初から絵の中にありました。
アニ個人の理由は、父との約束
ここから先が、上位の記事があまり書いていないところです。
アニはマーレのエルディア人収容区で育ちました。エルディア人というだけで迫害される場所で、マーレ戦士になれば本人と一族に名誉マーレ人の称号が与えられます。戦士になったのは、その暮らしから抜け出すためでした。
そして島へ発つとき、義父から必ず生きて帰るよう言われています。アニが守ろうとしていたのは、国の秘密と、この約束でした。
僕はこう読む
任務と本心が食い違っていたことが、アニの戦いをいちばん分かりにくくしていると思っています。
始祖の巨人を奪うのは国の都合です。生きて帰るのはアニの都合です。この2つは途中まで同じ方向を向いていました。
ところが壁の中で暮らすうち、悪魔だと教えられてきた人々が同じ人間だと分かってきます。
任務を果たすほど、帰る場所が遠くなる。あの迷いは、そこから出ていたのだと読んでいます。
アルミンはなぜ気づけたのか
女型の巨人の中に人がいると最初に見抜いたのはアルミンです。きっかけは、戦い方そのものでした。
この巨人は兵士を殺しますが、殺し方に偏りがあります。顔を見られた者は確実に始末し、そうでない者は放っている。捕食が目的なら、その区別は要りません。
アルミン自身も一度は組み敷かれて、そのまま見逃されています。人を食べに来た巨人なら、あの場で終わっていました。
僕はこう読む
アルミンの推理がうまいのは、能力ではなく「やらなかったこと」を数えた点だと思っています。
何をしたかではなく、できたのにしなかったことを並べる。そこから中身が人間だと逆算しました。
力でも速さでも勝てない相手に対して、観察だけで勝ち筋を作っています。
この作品で頭脳が武器になると読者が納得したのは、たぶんこの回からです。
女型の巨人の能力
身長は14メートル級で、九つの巨人の中では小柄です。それでも調査兵団を壊滅寸前まで追い込んだのは、能力の組み合わせが厄介だったからでした。
- 体の一部を硬質化させる。うなじを守れるので倒せない
- 叫んで無知性巨人を呼び寄せ、引き連れる
- 長時間の巨人化に耐える
- 人間の格闘術をそのまま巨人の体で使う
うなじを意識して守れる、というのが最大の壁でした。通常の巨人は弱点を守る発想そのものがありません。調査兵団の戦い方は、そこを突く前提で組まれていました。
そのあとのアニ
アルミンの作戦で追い詰められたアニは、8巻31話「微笑み」で全身を硬質化させ、結晶の中で眠りにつきます。
この硬質化が解けるのは、ずっと先です。エレンが地鳴らしを発動したことで結晶が溶け、4年ぶりに動けるようになりました。
まとめ
女型の巨人がエレンを狙うのは、始祖の巨人を奪う任務を受けていたからです。ただしアニ個人の目的は、生きて父のもとへ帰ることでした。
この記事で見てきた決め手を並べておきます。
- 初登場は5巻22話「長距離索敵陣形」。第57回壁外調査の右翼
- エレンが巨人化できると分かって標的になった
- ライナーとベルトルトは調査兵団、アニは憲兵団へ
- アニ個人の目的は、義父との「生きて帰る」約束
- 8巻31話「微笑み」で硬質化。解けるのは地鳴らしのとき
僕はこう読む
31話の題が「微笑み」であることに、答えが置いてあると思っています。
追い詰められて、結晶に閉じこもる直前の表情です。任務は果たせず、帰る約束も果たせないと決まった瞬間に、あの顔が描かれました。
怒りでも絶望でもない終わり方を選んだので、読者は10話しか出ていない相手を何年も覚えていることになりました。
あの微笑みを任務に失敗した者の諦めと読むか、約束を守れなかった者の詫びと読むかで、アニという人物の見え方がずいぶん変わってきます。
——あなたはあの微笑みを、任務に失敗した諦めだと思いますか。それとも約束を守れなかった詫びだと思いますか。よければコメントで、どちらに近いか教えてください。
よくある質問
5巻22話から8巻31話までの10話について、よく聞かれることをまとめました。
Q. 女型の巨人は何巻何話で初登場しますか。
A. 5巻22話「長距離索敵陣形」です。第57回壁外調査の最中に、調査兵団の右翼から巨人の群れを連れて現れます。
Q. なぜエレンだけを狙ったのですか。
A. 始祖の巨人を奪う任務を受けていたからです。エレンが巨人化できると分かったことで、その手がかりだと考えられました。
Q. 女型の巨人はなぜ倒しにくいのですか。
A. 弱点のうなじを硬質化させて守れるためです。叫んで無知性巨人を呼び寄せる力もあり、単独で囲まれた状態を作られます。
アニの次に気になるのは、エルヴィンとユミル、サムエルが何を選んだのかです。
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この記事を書いた人:カイ。読み終わったあとの「なんでここ、こう描いたんだろう」を、一人で考えています。→ 運営者情報
最終更新:2026年9月22日


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